著者
貝沼 やす子 福田 靖子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.139-147, 2002-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

要約: 1.竹炭を利用して炊飯した米飯は低温保存後のかたさの増加が抑制された。特に80%圧縮で顕著であり,米飯粒内部の糊化が促進されているものと考えられた。竹炭浸出液を使っての炊飯に効果が期待できた。2.竹炭を長時間水に浸漬して得られた竹炭浸出液を使って炊飯した米飯は,白飯よりやわらかく,おいしいと評価された。3.竹炭浸出液のpHは高くなり,浸出条件によってはpH10近くにもなる。カリウムを多く含むのが特徴であり,導電率とカリウム含有量に正の相関関係がみられた。また,微量ではあるが,強いアルカリ性を示す成分の溶出がみられた。これらの傾向は800℃ の竹炭で再現性が高かった。4.竹炭浸出液は加熱することによりpHは高くなり,浸出条件による差はなくなった。また,米を入れて浸漬,加熱することにより,pHは8前後と低くなったが,水のみでの炊飯よりは高いpHであった。5.竹炭を利用した炊飯液には全糖,タンパク質が有意に多く溶出していた。これらが液の濁度を高めているものと考えられ,特に全糖量と濁度には正の相関関係がみられた。竹炭利用による炊飯水の高いpHがデンプンの分解を促進し,老化の抑制に効果的に働いているものと推察した。
著者
広瀬 茂男 福田 靖 菊池 秀和
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.304-324, 1985-08-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
17
被引用文献数
9 14

歩行機械は, その高い自由度を生かすことにより, 高度の運動性能と, 対地適応性を発揮してゆくものと期待される.これまで歩行機械の歩容制御については, いくつかの基本的考察がなされている.しかし, 制御システム全体の構造とその中の主要なサブシステムの機能を有機的に連携づけ総合的に論ずることは, まだほとんど行なわれていない.本研究は, 筆者らが開発を進めている4星歩行機械を対象にして, その制御システムを論ずるため, まず問題の設定と基本となる概念の設定を行なう.ついでレベルA, B, Cと名付けた3つの階層からなる制御系の全体構造を明らかにすると共に, 特にレベルBに属する3つのサブシステム, つまりxy座標での歩容決定, z座標での歩容決定, 振り上げ振り降しも考慮した遊脚の軌道生成についての詳細な検討を行う.さらに基本的運動調整系を行うレベルCについて, その具体的構成法も論ずる.最後に, それらの有効性は計算機シミュレーションで確認するとともに, 試作した歩行機械TITAN IIIのジョイステックコントロールによる全方向移動, 凹凸面での適応側行歩行などの歩行制御実験により検証する.
著者
武田 珠美 福田 靖子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.281-291, 1996-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
20

This study clarifies the cooking methods used for sesame seeds throughout the world. Answers to a questionnaire were received from 252 persons in 38 countries during January-March 1993, and literature research was conducted on “Sekai no tabemono” published by Asahi (1980-1982) and on “Africa and Arab cooking”.In East Asia, both white and black seeds are used for cooking in the whole, rough ground or paste form. On the other hand, in the Near and Middle East, mainly the white seeds are used in the paste form. The difference in the usage of sesame between the two regions seems to principally depend upon the degree of grinding.South Asian people often eat sesame seed, although its characteristic usages as a food was not clear from this examination. In North America, only the granular type of sesame seeds are used, while in Europe and South America, very little use of the seeds was found.It is apparent from these investigations that the use of sesame depends on the dietary culture established in each area of the world.
著者
福田 靖子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.793-798, 1987-09-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

焙煎ゴマ油およびゴマサラダ油の抗酸化性物質のフライ時の変化について研究を行い, 次の結果を得た.1) ゴマ油をホットブロックバスで180℃8時間加熱したときの抗酸化性物質の変化を調べた.ゴマサラダ油のセサミノールは, 未加熱油の約80%, γ-トコフェロールは約42%残存していた.焙煎油のγ-トコフェロールは約67%残存していた.2) 焙煎ゴマ油で1家族分 (4人分) の天ぷら, 冷凍コロッケ, 小魚を揚げた場合, 油のみを加熱したときと同様, 抗酸化を示すに十分量のセサモール (0.04%) が前駆体であるセサモリンから生じていた.3) 焙煎ゴマ油でポテトスティックを素揚げにしたときは, セサモリンの加水分解が起こり, セサモールとサミンを生じた.4) ゴマサラダ油で, 天ぷら, 冷凍コロッケを揚げた場合にも, セサミノールは, 約85%残存していた.
著者
長島 万弓 石山 絹子 七野 知子 福田 靖子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.455-461, 2005-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
22

Changes in the antioxidative activities and contents of sesame lignans and polar components, and in free amino acids of two kinds of sesame seed during germination were investigated. Gold sesame (Turkey), which is marketed as germination sesame, and gomazou, which contains large amounts of sesamin and sesamolin, were used. The sesamin and sesamolin contents of the two kinds of sesame seed during germination didn't decrease by any notable extent, and it is presumed that their physiological functions were retained. The contents of polar components in gold sesame increased during the first 24 hours of germination, but suddenly decreased 48 hours later. Although their contents in gomazou also decreased with germination, more remained than in gold sesame. It is presumed that the changes in DPPH radical-scavenging and SOD activities of both types of sesame seed during germination were both correlated with change in polar components. The organoleptic evaluation produced the highest score for the germinated gold sesame, but the taste score was not correlated with the content of free amino acids. GABA was found to increase during the germination of gomazou.
著者
福田 靖子 大澤 俊彦 川岸 舜朗 並木 満夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.28-32, 1988-01-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
13
被引用文献数
5 11

ゴマサラダ油と焙煎ゴマ油の保存酸化安定性およびフ ライに使用した場合のフライ食品(クルトン)の保存安定性について,他の食用油と比較検討した.その結果,(1)ゴマサラダ油,焙煎ゴマ油,サフラワー油,コーンサラダ油,サラダ油(ナタネ油と大豆油の調合油)を10gずつシャーレに入れ60℃で保存した結果,重量法による抗酸化試験では,焙煎ゴマ油>ゴマサラダ油≫サラダ油>コーン油>サフラワー油の順であった.(2) 上記, 5種類の油を175℃, 2時間加温後に,同じく60℃で保存した場合にも同様に酸化されにくいことが示された.(3) ゴマサラダ油,焙煎ゴマ油,コーン油で,パン切片を掲げ,クルトンとし, 60℃に保存し,経日的にクルトンから油を抽出しPV(meq/kg)を測定した結果,30日目で,コーン油613.0に対しゴマサラダ油80.0,焙煎ゴマ油6.0であった.(4) (3)のクルトンから抽出した油の中のトコフェロール,セサモール,セサミノール量を定量した結果,コーン油では1ヵ月後にトコフェロールは,全く消失していたが,ゴマサラダ油では,約66%残存し,焙煎ゴマ油では,ほとんど分解されていなかった.
著者
福田 靖子 中田 徳美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.786-791, 1999-12-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

スライスアーモンドとゴマ種子の焙煎条件(温度と時間)が抗酸化性に及ぼす影響について4種の抗酸化試験を用いて評価し,以下の結果をえた.(1) 白洗いゴマ,スライスアーモンドの加熱温度はゴマは170℃,185℃,200℃,アーモンドは155℃,170℃,185℃(各加熱温度±1℃)で,時間は30分とした.これら2種の試料を6種の溶媒条件(ヘキサン,ヘキサン-酢酸エチル7:3,酢酸エチル,酢酸エチル-メタノール7:3,メタノール,水)で非極性溶媒から順次抽出した.アーモンド,ゴマ種子とも焙煎温度による6種の溶媒抽出量に大きな差は認められなかった.(2) 酢酸エチル-メタノール,メタノール抽出区分は両試料とも,著しく着色していた.この着色度を420nmの吸光度で測定した結果,どちらの試料も加熱温度が高くなるほど,着色度も高くなった.(3) 着色度の高かった酢酸エチル-メタノール,メタノール区分について抗酸化性を調べた結果,ロダン鉄法では両試料とも,焙煎温度が高くなるほど,リノール酸からの過酸化脂質生成を抑制していた.特に,200℃焙煎ゴマ種子の抽出物の活性は約1/2量のBHAに相当する活性を示した.DPPHラジカル消去能では,同様に両試料とも焙煎温度が高くなるほど消去能が高く,酢酸エチル-メタノール区分が顕著に消去していた。スーパーオキシドラジカルの消去能でも両試料とも高温焙煎で高く,ゴマの酢酸エチル-メタノール区分の消去率は200℃焙煎で,75.00%であった.リノール酸から生じる細胞毒性の高いHNEの生成抑制作用ではリノール酸のみが1450nmol/mlに比べ,ゴマの185℃,200℃焙煎の酢酸エチル-メタノール区分はそれぞれ300nmol/ml,250nmol/mlであり,著しくHNE生成を抑制していた.
著者
武田 珠美 福田 靖子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.137-143, 1997-02-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
35
被引用文献数
1

日本独特の調理であると考えられるすりゴマの調理性を明らかにするために, 本報ではゴマ種子の炒り条件による成分変化を検討した.焙煎温度は 170℃, 200℃および230℃とし, 時間は1分から20分の各温度につき4通りとした.170℃20分, 200℃5分および230℃5分焙煎したゴマ種子の重量, 色調はほぼ同じであった.総食物繊維量は170℃15分, 200℃10分, 230℃では5分をピークに減少した.セサミンやセサモリン, アミノ酸も加熱とともに減少した.また呈味に関係する遊離アミノ酸および遊離糖も次第に減少した.官能検査から170℃15分で焙煎したゴマの味の評価が高く, 炒りゴマとして総合的に好ましいことが明らかになった.
著者
長島 万弓 石山 絹子 七野 知子 安本(白戸) 知子 福田 靖子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.112, 2004 (Released:2004-09-09)

[目的] 発芽玄米の例にもあるように食品素材の発芽による機能性向上が研究されるようになり、ゴマについてはすでに「発芽ごま」として市販化されているが、その機能性向上についての科学的根拠は明らかとされていない。今回この「発芽ごま」の発芽前後のサンプルを比較し、ゴマの機能性と食味に及ぼす発芽の影響について検討した。[方法] 市販されているものと同種のトルコ産金ゴマを試料とし、発芽前と発芽48時間後(市販「発芽ごま」と同条件)のゴマを、それぞれ焙煎したサンプルとして入手した。両サンプルの一部は粉砕後溶媒抽出をおこない、一部は官能検査に用いた。抽出物はHPLCによりゴマリグナンの定量分析を行うとともに、DPPHラジカル捕捉能を測定した。高リグナン新品種「ごまぞう」についても同様の実験を行い比較した。[結果] 市販品と同種の金ゴマについては、発芽前にはほとんど検出されなかった抗酸化性リグナン・セサミノールが発芽48時間後には検出されるようになり、DPPHラジカル捕捉能も約2倍に向上することが明らかとなった。「ごまぞう」に関しても同様にセサミノールの増加がみられたが、今回の発芽条件においては金ゴマのほうが「ごまぞう」よりも約1.5倍多く生成されることが確認できた。さらに発芽の初期段階でUV吸収を有する高極性成分の存在が認められたが、この構造等については現在検討中である。また、官能検査では未発芽ごまに比べて発芽ごまには甘味の増加が認められた.
著者
福田 靖子 大澤 俊彦 川岸 舜朗 並木 満夫
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.28-32, 1988
被引用文献数
11

ゴマサラダ油と焙煎ゴマ油の保存酸化安定性およびフ ライに使用した場合のフライ食品(クルトン)の保存安定性について,他の食用油と比較検討した.その結果,<BR>(1)ゴマサラダ油,焙煎ゴマ油,サフラワー油,コーンサラダ油,サラダ油(ナタネ油と大豆油の調合油)を10gずつシャーレに入れ60℃で保存した結果,重量法による抗酸化試験では,焙煎ゴマ油>ゴマサラダ油≫サラダ油>コーン油>サフラワー油の順であった.<BR>(2) 上記, 5種類の油を175℃, 2時間加温後に,同じく60℃で保存した場合にも同様に酸化されにくいことが示された.<BR>(3) ゴマサラダ油,焙煎ゴマ油,コーン油で,パン切片を掲げ,クルトンとし, 60℃に保存し,経日的にクルトンから油を抽出しPV(meq/kg)を測定した結果,30日目で,コーン油613.0に対しゴマサラダ油80.0,焙煎ゴマ油6.0であった.<BR>(4) (3)のクルトンから抽出した油の中のトコフェロール,セサモール,セサミノール量を定量した結果,コーン油では1ヵ月後にトコフェロールは,全く消失していたが,ゴマサラダ油では,約66%残存し,焙煎ゴマ油では,ほとんど分解されていなかった.
著者
大黒 香 加藤 道久 當別當 庸子 箕田 直治 若松 成知 山中 明美 酒井 陽子 福田 靖 郷 律子 神山 有史
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.34-37, 2009-03-25
被引用文献数
1

当院は,平成18年5月に新病院に移転した.一般病棟は多床室がなくなり,個室と2床室のみとなった.院内の急変対応に関しては,コードブルー体制が運用されているが,新病院移転後の発生状況を検討し,問題点や今後の課題について検討した.平成17年から19年の3年間のコードブルー症例について診療録および看護記録からそれぞれ発生状況などの調査を行った.3年間の症例数はそれぞれ11,27,6例であり,平成18年の病院移転前後での発生が増加していた.平成18年では,発生場所は外来および中央診療部(透析室,CT室,内視鏡室)が10例,病棟17例であった.時間外が15例であった.心停止になりCPR を施行したものが18例(67%)あり,そのうちVFが3例あった.自己心拍再開率は39%(7/18)であり,心停止をきたした18例中で社会復帰症例は1例のみであった.新病院に移転した平成18年に,コードブルー件数が増加したことがわかった.病院移転や新しいシステム導入時には患者対応の遅れが危惧される.個々の症例について発生状況やその対応について十分検証していく必要性がある.
著者
福田 靖子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.321-328, 2001-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
33
被引用文献数
1
著者
浅井 由賀 福田 靖子 竹井 よう子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.279-287, 1994-04-15
被引用文献数
10

The desirable roasting condition of sesame seeds was examined at the points of odor, acceptability and antioxidant activity. Roasted sesame seeds which have three types of aromas were analyzed their head space volatiles by gas chromatography and their aroma concentrates were analyzed by gas chromatography-mass spectrometry. Their acceptabilities were evaluated by sensory tests using riceballs and crackers. Antioxidant activity of roasted sesame seed oil was measured by the weighing method and peroxide value. The results were as follows ; 1) The roasted sesame seed with a nutty or sesame like aroma was preferable and the roasted sesame seed with a burnt odor was not preferable. 2) Antioxidant activity of roasted sesame seed oil with a nutty or sesame like aroma was as same as that with a burnt odor. 3) The desirable roasting condition of sesame seeds is to stop roasting just after the sesame seeds were expanded and a nutty or sesame like aroma was produced.
著者
福田 靖 中山 崇 矢野 勇大 加藤 道久 郷 律子
出版者
徳島赤十字病院
雑誌
徳島赤十字病院医学雑誌 = Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal (ISSN:13469878)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.21-25, 2013-03-25

徳島県において,2008年8月1日より県消防防災ヘリコプター(以下防災ヘリ)のドクターヘリ機能運用が開始され4年あまりが経過した.医師が防災ヘリに搭乗し,現場に赴いて傷病者に救命処置等を行い,医療機関へ搬送するもので,運用は毎日,日中のみである.県全域が搬送可能な距離にあり,医師搭乗は当院へ要請される.2012年10月9日より徳島県ドクターヘリが運航開始となり,基地病院として徳島県立中央病院が指定された.当院における医師の休日ヘリコプター待機は終了し,平日の運用もドクターヘリが主になると考えられる.当院では,休日待機終了までの4年2か月間に計146回,147名のヘリ搬送を行った.1例を除く他の傷病者はすべて当院へ収容された.搬送依頼は,当初は他院からの転院搬送が大半であったが,次第に救急隊からの直接要請が多くなった.主な搬送地域は陸路搬送でも時間のかかる県南部及び山間部からであった.疾患別では外傷が37%,脳血管疾患が35%,循環器疾患が18%であり,15例(10%)が死亡した.今後もヘリコプターの重複要請や多数傷病者発生時などで防災ヘリの利用の可能性は残り,新たな運用形態の検討が必要である.
著者
土居 隆宏 程島 竜一 福田 靖 広瀬 茂男 岡本 俊仁 森 純一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp._1A1-B14_1-_1A1-B14_3, 2010

A 1/20 scaled electric-powered test model robot of the quadruped walking construction robot TITAN XI has been developed to conduct experiments and trainings in lower cost and easier. The legs are driven by RC servo motors and have the same D.O.F. configuration and proportion. Suspension tether winded by motor-driven winches are force-controlled by newly developed tension sensors for steep slopes. A robot controller which consists of the same numbers of joysticks and switches was developed for manual control. Test model is controlled by three SH-2 (SH7047) microcomputers and they are communicating via CAN interface. By automatic and manual control, the robot climbed up a steep slope model and step over obstacles.
著者
福田 靖子 新井 映子 熊澤 茂則 内田 浩二
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

環境汚染中の有害物質であり,タバコの煙,自動車の排気ガスに含まれるアクロレイン(CH_2=CHCHO)等低分子不飽和アルデヒド類はフライ時に油の分解により生じる可能性が高い.大量調理における長時間におよぶフライ操作時には「油酔い」と言われている一過性のむかつき症状を経験するが,この要因物質としてアクロレイン等の反応性の高いアルデヒド類が推測される.内田らは生体内脂質過酸化過程で生じるアクロレイン等が生体タンパク質と結合し,細胞等に傷害をもたらすことを特異性の高いELISA法を用いて明らかにしている.フライ時の「油酔い」症状も生体傷害の一つと推測され,ELISA法によりアクロレイン生成量を検討した.H11年度は油加熱時に発生するアクロレインの捕集法を検討した.アクロレインは沸点が53℃で容易に気化すること,水に易溶(20g/100ml,20℃)であることから,油相のみならず気相中のアクロレインを捕集するため,加熱後の油を共栓ガラス器具およびシリコンチュウブを用いて,密閉系とし,水中に導き,BSA付加体とした.油の種類によるアクロレイン生成量の比較等を行ったところ油によりアクロレイン生成量に差があり,焙煎種子油が未焙煎種子油に比べてその生成を抑制していた.焙煎種子油のアクロレイン生成抑制要因を焙煎ゴマ油を用いて調べ,新たにセサミノールを同定し,このセサミノールが種子焙煎時にセサミノール配糖体から生成することが示唆された.生体内タンパク質のモデルとして脂質消化酵素(リパーゼ)を選び,アクロレイン添加によるリパーゼ活性阻害で調べ,顕著なリパーゼ活性の低下を認めた.酵素タンパク質がアクロレインにより修飾されたものと推定された.大量調理時の油の酸化防止剤(アクロレイン生成抑制剤)として,天然素材である竹炭が有用であることを竹の炭化温度との関係から明らかにした.