著者
杉谷 陽子
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.234-244, 2007
被引用文献数
2

The purpose of this study was to verify that people feel more at ease using Computer-Mediated Communication (CMC) compared to other media because of higher self-presentation efficacy. The reason for this may be the lack of nonverbal cues in CMC: it can help people present themselves in a preferred way. To test this hypothesis, I conducted two experiments. The experimental hypothesis of Study 1 was as follows: when people strongly want to make a good impression on others, they feel it is easier to communicate without nonverbal cues than with them. Conversely, when people are unconcerned about the impression they make on others, the amount of nonverbal cues does not influence the level of ease that people feel. The results partially supported the hypothesis. In Study 2, I scrutinized the process of the phenomenon observed in Study 1. The model was: the lack of nonverbal cues in CMC raises self-presentation efficacy, therefore, people feel more at ease during CMC. The result of path analysis significantly supported this assumption.
著者
根本 敬 泉谷 陽子 磯崎 典世 井上 あえか 宇山 智彦 礒崎 敦仁 粕谷 祐子 横山 豪志 石塚 二葉 新谷 春乃 中野 亜里
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は権威主義体制の持続という現代世界を特徴づける検討課題を設定し、その中でも「建国の父」という正統性シンボルに着目して、アジア諸国(計8か国)を対象に比較分析を行うものである。主に歴史学と比較政治学のディシプリンを活用し比較定量分析による一般化可能な論点を抽出することも目指す。権威主義体制、ナショナリズム、歴史修正主義などの研究分野への貢献を視野に入れている。具体的な問いは次の2つである。(1)「建国の父」という正統性シンボルが、本人およびその後の後継エリートによってどのように構築され、継承、変化してきたのか(2)「建国の父」と権威主義体制の持続とのあいだにはいかなる関係があるのか
著者
武田 雄策 大黒谷 陽子 村瀨 健二 大坪 智範 橋本 悟 伏見 亮 民谷 謙
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.807, pp.4039-4046, 2013 (Released:2013-11-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

This paper discusses a design methodology of vehicle interior layouts and shape matching visual space KANSEI characteristics considering human visual direction perception. Relationships between perception and KANSEI of direction need to be quantified for the vehicle interior design based on multidisciplinary optimization among the KANSEI evaluation values of human visual direction and the other vehicle performances. Experiments were carried out for some interior layouts and shapes, which were displayed by immersive virtual reality system, with some subjects who develop the vehicle interior package. And, KANSEI evaluation values were measured by visual analog scale method for recording continuously. Experimental results demonstrate that the perception and KANSEI of direction have changes like sigmoid curve according to layouts and shapes. Also, KANSEI response surface, which was derived by using linear basis function models for expressing its characteristics, was applied to the A pillar design study.
著者
杉谷 陽子
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.234-244, 2007-03-20 (Released:2017-02-08)
被引用文献数
5

The purpose of this study was to verify that people feel more at ease using Computer-Mediated Communication (CMC) compared to other media because of higher self-presentation efficacy. The reason for this may be the lack of nonverbal cues in CMC: it can help people present themselves in a preferred way. To test this hypothesis, I conducted two experiments. The experimental hypothesis of Study 1 was as follows: when people strongly want to make a good impression on others, they feel it is easier to communicate without nonverbal cues than with them. Conversely, when people are unconcerned about the impression they make on others, the amount of nonverbal cues does not influence the level of ease that people feel. The results partially supported the hypothesis. In Study 2, I scrutinized the process of the phenomenon observed in Study 1. The model was: the lack of nonverbal cues in CMC raises self-presentation efficacy, therefore, people feel more at ease during CMC. The result of path analysis significantly supported this assumption.
著者
久保田 進彦 阿久津 聡 余田 拓郎 杉谷 陽子
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.61-74, 2019-06-28 (Released:2019-06-28)
参考文献数
61
被引用文献数
2 1

ブランド研究はマーケティングにおける重要なテーマであり,現在も盛んに議論が行われている。そこで本稿では4人のブランド研究者が,いまなお広がり続けているブランド研究の現状や課題について語っていく。本稿は4つの短い論文の組み合わせから構成されるオムニバス形式であり,企業ブランドが組織におよぼす影響(阿久津論文),BtoBマーケティングにおけるブランディングの効果(余田論文),BtoCマーケティングにおけるブランドの機能(杉谷論文),そしてブランド消費をとりまく環境変化(久保田論文)という順序で議論が行われていく。ブランドという重要なテーマについて,4人の研究者が異なる視点から語ることによって,現代ブランド研究の多面性があらためて示されることとなる。
著者
江口 圭 宮尾 眞輝 山田 祐史 金野 好恵 金子 岩和 峰島 三千男 田岡 正宏 佐藤 隆 萩原 雄一 道脇 宏行 英 理香 細谷 陽子 田尾 知浩 土田 健司 水口 潤 谷川 智彦 宮本 照彦 森石 みさき 川西 秀樹 中川 章郎 岩隈 加奈子 吉田 友和 今井 陽子 小畑 日出登 松嶋 哲哉
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.695-703, 2009-09-28 (Released:2009-11-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1 1

全自動透析装置(GC-110N,JMS社製)の補液モードを利用した,逆濾過透析液による間歇補液血液透析(intermittent infusion HD, I-HD)を考案し,その臨床効果を多施設共同研究にて評価したので報告する.対象は維持透析患者20例で,通常の血液透析(normal HD, N-HD)とI-HDを同曜日に一回ずつ施行し,クロスオーバー試験にて評価した.検討項目は除去率,クリアスペース,クリアランスとし,尿素,クレアチニン,尿酸,無機リン,β2-microglobulin(β2-MG),α1-microglobulin(α1-MG),アルブミンの7種の溶質について検討した.また,透析中の循環血液量をヘマトクリットモニタにて,患者末梢血流量をレーザー血流計にて連続モニタリングし,間歇補液の有無との関係を調べた.結果として,すべての患者について間歇補液に同期した循環血液量および組織血流量の増加が観察された.治療時間平均の循環血液量減少率は,除水量がほぼ同等であるにもかかわらず,I-HDの方がN-HDにくらべ有意に低値であった.また,除去率に差違は認められなかったが,クリアスペースの平均値は全ての溶質でI-HDがN-HDにくらべ高値を示し,無機リン,α1-MGでは有意に高値であった.この結果は末梢循環が良好に保たれることにより,物質移動の推進力となる毛細血管の有効表面積やプラスマリフィリングが保持されたことにより,組織間液中に分布する溶質を効率よく移動・除去させたことによるものと考えられた.一方,α1-MGのクリアランスは,1hr値にくらべ4hr値でN-HD:73%低下したのに対し,I-HD:30%の低下にとどまった.これは間歇的な逆濾過補液により,膜への蛋白のファウリングが軽減されたため,溶質透過性が保持されたものと推察した.全自動透析装置の補液モードを利用した間歇補液血液透析は,安全かつ確実に施行可能であり,透析中の末梢循環動態の是正,患者からの溶質除去特性の改善に有用な治療であることが明らかとなった.
著者
谷 陽子
出版者
徳島市北井上中学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

本研究では,生徒が科学技術に興味を持ち,科学する目・発想する心を育てる授業を展開した。その課程が,生徒の科学技術に対する興味を高め,将来にわたり科学技術と関わっていこうとする意欲の向上につながる効果について,明らかにすることを目的とした。技術・家庭科(技術分野)の授業で研究を進めた。研究方法として,最初の授業で生徒の実態を把握するために,科学技術に対する関心度についてアンケートを実施した。特に,プログラミングについてどの程度興味があり,知識があるのか調査を行った。第一段階として,プログラムの基礎を学習し,LEDを点滅させるプログラムを作成した。プログラム言語には,「HSP」(Hot Soup Processor)を利用した。第二段階として,LEDとスピーカを利用した卓上ライトを製作し,その作品をどのように光らせ,メロディを鳴らすのかを考え,プログラミングをした。自分が制作したプログラムを卓上ライトに記憶させ,スイッチを入れると自分がプログラムをした光り方でLEDが光ったり,メロディが流れたりするようにした。その後,アンケートを行い,生徒の変容を調査し,この授業実践の効果を検討した。その結果,生徒の科学技術に関する興味は,一連の授業を展開することで向上する傾向が確認できた。指導に関する自由記述では「プログラムに関する学習をして,クリスマスのイルミネーション,電光掲示板を見る目がかわった」と回答した生徒もいた。このような実践的・体験的な学習活動により,科学する目・発想する心を育て,今まで意識していなかった部分(プログラム)に着目し,科学技術に対する興味を高めることが可能であることが確認できた。
著者
小長谷 陽子 小長谷 正明 渡邉 智之 鷲見 幸彦
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.109-115, 2014-02-01 (Released:2014-02-28)
参考文献数
29
被引用文献数
3 2

アルツハイマー病患者156人に対して時計描画テスト(clock drawing test; CDT)をおこなった.量的評価の総得点はMMSE(mini-mental state examination)総得点と有意な正の相関を示し,針に関する下位項目の正反応率は他の項目にくらべ低いものが多かった.Rouleauらの方法による質的評価のエラーでは「空間・計画障害」と「概念障害」の割合が高く,エラーのある群はない群にくらべ,MMSEおよびCDT総得点が有意に低かった.認知機能障害が重症になると質的エラーを示す人の割合は高くなった.CDTにより,認知機能障害の有無や全般的重症度だけでなく,概念障害,視空間認知障害,前頭葉機能障害などの個別の認知機能障害のいくつかを評価することができると考えられた.
著者
杉谷 陽子
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_143-2_168, 2011 (Released:2018-08-31)
参考文献数
49

本研究の目的は、悪い口コミや不祥事報道のような否定的な情報が消費者の目に触れたとしても、依然として高い購買意図や好意的イメージを維持できる「強い」ブランドとはなにかを実証的に検討することである。一般消費者を対象とした2つの研究の結果、仮説の通り、ブランド態度は「認知」と「感情」の2次元に分類して捉えることができ、前者よりも後者において評価の高いブランドは、否定的情報によって評価が低下しにくいことが示された。