著者
谷口 弘一 浦 光博
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.157-164, 2005 (Released:2006-02-18)
参考文献数
20

本研究は,親子関係の内的ワーキングモデルと友人関係に対する認知が友人関係におけるサポート授受に及ぼす影響について縦断的に検討を行った。242名の高校生が調査に参加し,親の養育態度,親子関係と友人関係の特質,並びに友人関係におけるサポート授受を測定する尺度に回答した。親の養育態度と親子関係の特質が親子関係の内的ワーキングモデルの指標として,友人関係の特質が友人関係に対する認知の指標としてそれぞれ用いられた。調査は,1学期と3学期の2回に渡って実施された。共分散構造分析の結果,関係の初期段階では,親子関係の内的ワーキングモデルと友人関係に対する認知の両方が,友人とのサポート授受に対して直接的な影響を与えていた。一方,関係が長期的になった段階では,親子関係の内的ワーキングモデルの直接的影響は消失し,友人関係に対する認知のみが友人とのサポート授受に直接的な影響を与えていた。
著者
古宮 昇 谷口 弘一
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.110-117, 2011 (Released:2016-03-12)
参考文献数
43
被引用文献数
3

ヨガが心理的状態に好影響を及ぼすかどうかを検証する目的で,調査を行った。ヨガを始めたばかりの参加者74名が,はじめてレッスンに通ったとき,およびその約1か月後,約2か月後に心理尺度に回答し,彼らの心理的変化が継時的に測定された。その結果,調査回数を重ねるごとに,彼らの心理状態は向上していた。調査参加者は,週あたり平均して約2回のレッスンを受講していたが,初回測定時よりも約2か月後のほうが,自尊感情がより高まり,人生により満足し,前向きに生きようという意欲が増していた。また,対人不安と完全主義は減少していた。
著者
古宮 昇 谷口 弘一
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.110-117, 2011

ヨガが心理的状態に好影響を及ぼすかどうかを検証する目的で,調査を行った。ヨガを始めたばかりの参加者74名が,はじめてレッスンに通ったとき,およびその約1か月後,約2か月後に心理尺度に回答し,彼らの心理的変化が継時的に測定された。その結果,調査回数を重ねるごとに,彼らの心理状態は向上していた。調査参加者は,週あたり平均して約2回のレッスンを受講していたが,初回測定時よりも約2か月後のほうが,自尊感情がより高まり,人生により満足し,前向きに生きようという意欲が増していた。また,対人不安と完全主義は減少していた。
著者
近藤 富美子 谷口 弘美
出版者
広島国際学院大学現代社会学部
雑誌
現代社会学 (ISSN:13453289)
巻号頁・発行日
no.9, pp.131-154, 2008

アメリカ人と関わった日本人の間に、「アメリカ人はなかなか謝らない」という定説がある。この考えが本当に存在するとすれば、日本人にそう思わせる原因がどこにあるかを探ってみた。その原因となる仮説を4つ挙げたが、本研究ではそのうちの一つ、「謝罪方法の解釈の仕方と受け取り方が異なる」という説に焦点をあて、日米両国においてアンケート調査を行った。文化的に独特の解釈の仕方を行うものは一つしかなかった。また、おもしろいことに、単一の解釈の仕方をするものは、謝罪を受ける側の責任を問う戦略しかなかった。残りの間接謝罪方法では、解釈の仕方は日米双方とも複数あり、内容からみた解釈の仕方は同じであった。異なる点があるのは、謝罪方法が適切あるいは不適切と考える人数であった。例えば謝罪方法「説明」において、単純な説明を多くの日本人は適切としたのに対し、多くのアメリカ人は不適切とした。反対に間違いをおこした自分の立場を説明する場合、多くの日本人はこれを「言い訳」とみなし不適切とし、多くのアメリカ人は「丁寧な説明」とみなし、適切とした。これを「丁寧な説明」とみなす日本人は少数であった。こうした間接謝罪における受け取り方の違いが、上記定説の原因の一部であることが判明した。
著者
麦谷 達郎 谷口 弘穀 高田 敦 増山 守 田中 宏樹 小山 拡史 保島 匡和 高橋 俊雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.1295-1301, 1996-06-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
21

肝切除術71例を対象に自己血輸血法の有用性を検討した.貯血式自己血輸血を44例に施行した.術前貯血量は, rh-エリスロポェチン併用群で550g(平均値)とrh-エリスロポエチン非併用群より有意(p<0.05)に多く,採血後のHct値の低下はrh-エリスロポエチン非併用群と同程度に留まった.術中輸血法に関しrh-エリスロポエチン非併用自己血, rh-エリスロポエチン併用自己血,同種血,無輸血に分類し,術後の変化を検討した.術後Hct値は,同種輸血群で回復遅延を認め,第14病日に29.4%と他の3群より低値であった.術後総ビリルビン値,血中肝逸脱酵素は,同種輸血群で第1病日に他の3群に比し有意な上昇を認めた.自己血輸血の2群は無輸血群と同様の経過を示し,総ビリルビン値の上昇も1.20と軽度で,肝切除術には同種輸血は避け,自己血輪血が望ましいと考えられた.また,術前貧血の無い場合,術前貯血量800g, 術中出血量1,500g以下が同種輸血なしに自己血輪血のみで行える指標になると考えられた.
著者
谷口 弘一
出版者
長崎大学教育学部
雑誌
崎大学教育学部紀要:教育科学 = Bulletin of Faculty of Education, Nagasaki University:Educational Science (ISSN:13451375)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.73-79, 2014-03-01

This study was replication research from Izaki, Taniguchi, & Ura's study (2013), and examined whether adult attachment style and recalling past rejection experiences have interaction effects on the perceived pain of emotional bullying at school. Participants were 87 undergraduate students, and were tested individually via a computer program. First, they completed the ECR-GO (Nakao & Kato, 2004) which assesses two dimensions of adult attachment style, anxiety and avoidance. Second, they were randomly assigned to respond to one of two sets of brief, open-ended questions about a past experience of rejection or taking a next important examination. Third, participants read a scenario involving emotional bullying at school and estimated the severity of the bullying with the Faces Pain Scale (Bieri et al., 1990). There were significant interaction effects between recalling condition and avoidance on the severity of the bullying by many classmates and by a specific student. In the exclusion condition, high avoidant participants estimated the bullying to be less severe than low avoidant participants, but in the test condition, high and low avoidant participants did not differ in the severity of the bullying.
著者
石井 健敏 谷口 弘之 斉藤 亜紀良
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.131, no.3, pp.205-209, 2008 (Released:2008-03-14)
参考文献数
20

片頭痛は頭痛発作を繰り返す疾患であり,本邦では人口の8.4%に存在する.男性に比べて女性での発症率のほうが高く,症状は悪心および嘔吐を伴うことが多い.痛みは激烈で,日常生活および社会生活に大きく影響することから,その病態の解明や治療法の確立は重要且つ急務であると考えられる.片頭痛の治療は,本邦においても2000年にトリプタン製剤が承認されて以降,スマトリプタンを含み合計4種類が臨床で使用されるようになり,新時代を迎えた.セロトニン1B/1D受容体作動薬であるトリプタン系の薬剤は片頭痛に対して治療有効性が高く,多くの患者に有益な効果と日常生活の質の向上をもたらした.しかし,トリプタン製剤もその治療効果は必ずしも十分であるとは言い切れない.また,血管収縮作用を有することから,その使用にあたり制限があることや,熱感,倦怠感,めまいなどの副作用が誘発されるなど,いまだ問題を抱えている.したがって,片頭痛の治療において新規な作用メカニズムを有する薬剤を創製することは今後も必要であろう.片頭痛の発症機序および病態生理についてはいまだ十分には解明されていないものの,血管説,神経説および三叉神経血管説の3つの仮説が有力である.これら3つの仮説のいずれかに当てはまる現象を指標として創薬研究が行われている.
著者
加藤 司 谷口 弘一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.158-167, 2009 (Released:2012-02-22)
参考文献数
44
被引用文献数
6 4

許しとは“自身の感情を害することを知覚し, それに向けられた否定的な感情, 認知, 動機づけあるいは行動が, 中性あるいは肯定的に変化する個体内のプロセス”である。本研究では, 許しの個人差を測定する許し尺度を作成した。研究1では, 先行研究などから, 許し項目を作成し, 691名の大学生によるデータを用い因子分析を行った結果, 恨みと寛容の2因子が抽出された。192名の大学生のデータを用いた, 4週間の間隔をあけた再検査法による信頼性係数は, 許しの否定では0.72, 許しの肯定では0.82であった。研究2では, 331名の大学生を対象に, 攻撃性, 怒り, 共感性, ビックファイブとの関連性を検討し, 許し尺度の構成概念妥当性を検証した。さらに, 研究3では, 特定状況における許し単一項目と許し尺度との関連性が検証され, 結果は仮説と一致していた。これらの結果から, 許し尺度の妥当性が保証された。
著者
谷口 弘一
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.168-170, 2018-11-01 (Released:2018-11-08)
参考文献数
14
被引用文献数
1

College students practiced group-based mindfulness meditation training every day for two weeks. Fifteen students each in the training and control groups completed a questionnaire on stress responses four times (before training, one week after training began, and just after and two weeks after training ended). The trained students also answered a decentering measure at the same four times and evaluated their mood states before and after everyday meditation. Both the trained students and the controls reported lower depression two weeks after the training ended. The trained students’ mood states also changed to being pleasant after the daily meditation.
著者
谷口 弘一
出版者
長崎大学教育学部
雑誌
長崎大学教育学部紀要, 4, p.103-111; 2018 (ISSN:21885389)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.103-111, 2018-02-28

This study examined predictors of Japanese students' attitudes toward seeking counseling. Participants were 149 undergraduate and graduate students(42 males and 107 females)with a mean age of 20.5 years. They answered the measures of attitudes toward emotional experiences, perception of stigma of seeking counseling, distress, and attitudes toward seeking counseling. Results of simultaneous multiple regression analyses indicated that perception of stigma and discomfort with emotions were significant predictors of more reluctance to seek counseling.
著者
矢野 真一郎 北川 洋平 谷口 弘明 西村 圭右 堂薗 俊多
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_721-I_726, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The Northern Kyushu Heavy Rain in July, 2012 caused very serious damages. The event also caused many drift woods disasters in river basins and coastal areas. This research focuses on transport of drift woods in the Ariake Sea due to the rain event. Numerical simulation of their transport by 3D hydrodynamic model (DELFT3D) combined with assumed drift woods tracking model and comparison between the calculation result and collection data by Ministry of Land, Infrastructure Transport and Tourism were conducted. From the result, the followings were clarified: 1) total drift woods volume of discharged from all rivers into the sea was estimated as 17,500m3; 2) volume of discharged drift woods from each A-class river was estimated; 3) relationship between the volume and specific maximum river discharge was evaluated.
著者
谷口 弘一 田中 宏二
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学教育学部紀要. 教育科学 (ISSN:13451375)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.45-52, 2011-03-01

This study examined the effects of support reciprocity in the relationships with principals and colleagues on self-efficacy and burnout among teachers. The respondents wore 122 school teachers (51 elementary school teachers, 9 junior high school teachers, 44 senior high school teachers, 17 teachers of school for the disabled, and 1 unidentified by school). They completed measures of social support exchange in the relationships with principals and colleagues, measurements of self-efficacy in student guidance, course instruction, and job relations, and a burnout assessment with a Japanese version of the Maslach Burnout Inventory. Teachers, support reciprocity in the relationships with principals related significantly to their self-efficacy in course instruction and job relations, and marginally significantly to their self-efficacy in student guidance. Results also indicated that teachers, support reciprocity in the relationships with colleagues correlated significantly with their self-efficacy in course instruction and marginally significantly with emotional exhaustion.
著者
森竹 一之 高浪 五男 井上 克司 谷口 弘
出版者
山口大学
雑誌
山口大学工学部研究報告 (ISSN:03727661)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.89-97, 1980-10

A tablet input device (BID PAD) manufactured by Summagraphics Corp. is connected with a popular personal computer APPLE II which has high resolution graphic function. The system can input pictures from the tablet and display them on color TV screen. As software, drawing, painting, squaring, line drawing, and shaping routines are developed. The total program list is given.