著者
近藤 直樹 藤澤 純一 荒井 勝光 近藤 利恵 和田 庸子
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.323-328, 2011-12-30 (Released:2015-12-30)
参考文献数
7

トシリズマブ使用下に肺炎を生じた関節リウマチの2例を経験した.2例とも臨床症状は肺炎発症前より持続していた(症例1;全身倦怠感,悪寒,発熱,症例2;咳,痰,呼吸困難)が,初診時のCRPは陰性でありトシリズマブ投与の影響でマスクされていた.白血球数および好中球分画の上昇が見られ,肺炎発症前と比較しても高い上昇率を示していたことから,これらは肺炎の診断の一助となると思われた.2例とも肺炎軽快後RA疾患活動性が上昇し1例(症例1)はトシリズマブ再開,1例(症例2)はエタネルセプトへ変更した.
著者
鳥居 新平 坂本 龍雄 平山 耕一郎 深尾 敏幸 近藤 直実
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.605-620, 1999
被引用文献数
15

小児気管支喘息を持つ親又は保護者が記入する,身体,社会,家族,感情,個人の発展の5つの項目からなるQOL (quality of life)調査票を作成した.回答は最大の支障を1点,支障なしの5点の5段階評価とし,4歳未満は23問,4歳以上は31問とした.本報告は初診時のデータに基づき,反復再現性等の信頼性,因子的妥当性を検討した.2週間発作発現の回数が安定していた喘息患児,4歳未満8例,4歳以上26例の級内相関係数は0.879,0.793を示し,再現性を示した,喘息患児102例,健常児40例,感冒等の罹病中の非喘息患児12例のQOL総合点のCronbachαは0.6329〜0.8829で内的一貫性を示した、喘息患児の個人の発展項目以外の身体,社会,家族,感情との関連質問の回答は健常児と比べ有意(p<0.05)に低下した.因子分析により,QOLを構成する5つの項目および項目内の各機能が累積寄与率60%以上で確認され,本QOL調査票は再現性,構成上の信頼性,因子的妥当性を有し,経時的な治療法のなかで調査票の適用が可能と考えられ,喘息管理と治療目標のあり方を検討する上で有用な調査票と考えられた.
著者
近藤 直 飯田 訓久 難波 和彦 栗田 充隆 谷脇 滋宗 河野 靖 西 卓夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

生産物の品質、環境保全、安心安全な「食」情報に貢献する農業を展開するため、西日本で多くの面積を占める階段畑等のカンキツを対象とし、移動型選果ロボットを開発すると同時に、フィールドサーバおよび衛星画像等からの情報を表現できる2次元および3次元マッピング手法の開発を行った。これらの成果により、カンキツ生産における精密農業が推進されるものと考えられた。
著者
上村 佐知子 下田 裕子 近藤 直樹 津曲 良子 佐々木 誠
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.52-57, 2005-03-31

本研究の目的は,身体活動能力の低下を伴う痴呆患者における愛他的行動の出現頻度や出現内容を観察するとともに,愛他的行動の出現が痴呆の重症度・症状類型やセルフケアの自立度と関連するかを明らかにすることである.一般総合病院で理学療法を受けている入院痴呆患者39名を対象に,1ヶ月間の愛他的行動の出現を観察し,また,改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(以下HDS-R)と高齢者用多元観察尺度(以下MOSES)を用いて,痴呆の重症度と社会活動性を評価した.愛他的行動の出現頻度は1〜45回,1回も出現しなかった患者は2名であり,総数では605回の愛他的行動が観察された.愛他的行動の出現頻度は,HDS-Rとの間に相関関係を認めなかったが,MOSESの総点との間に有意な相関関係を認めた.愛他的行動の出現頻度に最も影響するMOSESの下位尺度は「引きこもり」と「イライラ感」であった.結果より,痴呆患者においても少なからず愛他的行動が残存し,それは引きこもりやイライラ感が少ない者で多く観察されることが示された.
著者
北 英紀 日向 秀樹 近藤 直樹 高橋 達
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi = Journal of the Ceramic Society of Japan (ISSN:13486535)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1348, pp.987-992, 2007-12-01
被引用文献数
1 3

Exergy is a measure which can commonly deal with the quantification of the variety of resources, products and energy coming in and going out the systems in manufacturing process. In this study, exergy consumption analysis was performed on ceramic parts. The exergy of the intrinsic to the materials and energy were calculated and then the degree of process efficiency (defined as the ratio of fixed energy to input in this report) was evaluated. Results revealed that the process efficiency was 5.5% in total, suggesting that the most part of input exergy was lost as a thermal enthalpy and wastes. Particularly, a lot of exergy was consumed and the process efficiency was low in granulation and sintering steps, then, the approaches to improve the efficiency were discussed.
著者
北 英紀 日向 秀樹 近藤 直樹
出版者
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.212-221, 2008
被引用文献数
3

製造効率を高め、環境負荷を少なくするには、1つの過程を起点として全体に広がる資源やエネルギーの消費と排出の過程を知ることが必要である。本稿では、まず、アルミニウム溶湯中で使用されるヒーターチューブを鉄とセラミックスで作製した場合のエクセルギー解析とその比較を行い、次にアルミニウム鋳造の全工程についてのエクセルギー解析を行った。これらの結果から資源とエネルギーを有効に利用するための鋳造プロセスにおける合理化指針を得た。
著者
近藤 直司
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.285-291, 2010-04-01

近年,さまざまな精神医学的問題をもつ青年期ケースの中に発達障害を背景とするものが少なくないことが明らかになってきている.本稿では,ひきこもり問題の精神医学的背景,発達障害の関連,ひきこもりをきたしやすい広汎性発達障害ケースの特性と予防的早期支援の考え方について述べる.また,広汎性発達障害ケースの心理療法的アプローチと地域の関係機関によるネットワーク支援の実際についても触れた.