著者
森川 健志 佐藤 俊介 荒井 健男 関澤 佳太 鈴木 登美子
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.286-290, 2017-06-10 (Released:2017-06-20)
参考文献数
12

Developing a system for the production of organic chemicals via carbon dioxide (CO2) reduction is an important area of research that has the potential to address global warming and fossil fuel consumption. The present study demonstrates artificial photosynthesis for the direct production of organic substances under sunlight using a hybrid photocatalyst composed of a semiconductor and a metal complex catalyst. A solar to chemical energy conversion efficiency of 4.6%, calculated from the change in Gibbs free energy per mole of formic acid formation from CO2 and water (H2O), was demonstrated for CO2 photoreduction utilizing H2O as an electron donor under simulated solar light irradiation to a monolithic tablet-shaped device. These results which store solar photon energy in CO2 molecules could show promise for future progress in this field.
著者
鈴木 登紀子 酒井 麻里 山下 重幸 冨田 賢吾 服部 裕一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.151, no.3, pp.111-116, 2018 (Released:2018-03-10)
参考文献数
55
被引用文献数
2 2

敗血症は,高齢者人口の増加,悪性腫瘍や移植時の化学療法などによる免疫機能の低下,多剤耐性菌の出現などにより,症例数は増加の一途をたどり,現在においてもなお高い死亡率を有している.敗血症の定義は,これまで「感染によって引き起こされた全身性炎症反応症候群」とされてきたが,2016年になって「感染に対する制御不能な宿主反応による生命に関わる臓器不全」として15年ぶりに改訂された.新しい定義における「臓器不全」には,急性肺傷害,播種性血管内凝固,脳症,肝障害,腎障害に加えて,心機能障害も含まれている.心機能障害により酸素の需要・供給のバランスが損なわれ,多臓器不全の進展につながることから,心機能障害の有無は,敗血症の予後に非常に重要である.実際,敗血症患者で心機能障害が存在した場合は,非常に高い死亡率に関係すると報告されている.国際敗血症ガイドラインで,敗血症性ショックにおいて推奨されている強心薬はドブタミンであるが,その臨床成績には限界が指摘されている.本稿では,敗血症性心機能障害について,これまで報告されてきた病態生理学的メカニズムについて概説し,ドブタミンに替わる新たな強心薬の治療効果の可能性について考察する.
著者
吉川 英志 鈴木 登
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

神経細胞移植は現在有効な治療法がない難治性神経疾患に対する新規治療法として注目されている。本研究で、サルES細胞をレチノイン酸処理することで神経細胞を分化誘導できること、これを片麻痺マウスに移植することで運動機能を回復させることができた。移植した運動神経はケモカイン受容体CXCR4を発現しており、損傷部皮質に集族したグリア細胞の産生するケモカインSDF1に反応して、損傷部皮質に移動した。脳血流MRIを用いると、神経細胞移植脳では損傷部皮質の脳血流量が改善した。神経ネットワークの再生にはケモカインとその受容体が神経細胞の遊走に関わり、損傷組織への定着には神経接着因子が極めて重要な役割を果たすことを示唆された。今回の成績から、近い将来ヒトでの応用が行なわれれば運動障害も持つ多くの患者のQOLの改善に貢献すると期待される。
著者
鈴木 登
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.1097-1105, 2001-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
19

代表的な膠原病である慢性関節リウマチ(RA)では神経,内分泌,免疫系の相互作用がその病態形成に関わる. RAでは,関節滑膜細胞によって分泌された炎症性サイトカインが関節局所の炎症を惹起し,同時に,全身性の急性炎症反応を引き起こす.それに伴い,患者では神経・内分泌・免疫軸の強い変化をきたす.RA患者では視床下部・下垂体・副腎軸の欠陥,血中プロラクチンレベルの上昇,さらに血中性ホルモンレベルの異常が報告されている.これまでに中枢,末梢神経系による神経ペプチドを介した滑膜細胞機能の調節の不調がRAの炎症の惹起の少なくとも一部に関わることが示唆されている.我々の研究室では神経-内分泌-免疫軸の相互作用に関わる効果分子である内分泌ホルモン,オピオイド,神経伝達物質および神経ペプチドがRA関節滑膜細胞機能の調節に働くことを報告した.それらは実際,関節局所で産生・分泌され,またそれらの受容体は炎症関節内の各種細胞に発現されている.神経ペプチドや各種ホルモンはRA患者の全身性急性期反応に働くだけでなく, RA関節局所の炎症に直接作用する. RAでは神経ペプチドや各種ホルモンの不調が関節炎症を悪化させ,さらに全身性の免疫系,神経系,内分泌系そのものあるいはそれらの相互作用の不調をもたらすと考えられる.神経-内分泌-免疫の相互作用を,ホルモン,神経伝達物質,神経ペプチドなどの分子レベルで解析し,それらを応用することがRA治療への新しいアプローチとなる.
著者
鈴木 登
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.34, pp.173-183, 1984
著者
鈴木 登
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.34, pp.173-183, 1984-05-01 (Released:2009-07-23)

1 0 0 0 OA 機械と身体

著者
鈴木 登
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.49-62, 1983-11-26 (Released:2009-05-29)
著者
鈴木 登紀子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
薬学雑誌. 乙号 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.12, pp.1335-1340, 2015
被引用文献数
3

&nbsp;&nbsp;Adenosine and its precursors, ATP and ADP, exert various physiological effects <i>via</i> binding to purinergic receptors. We previously used co-immunoprecipitation, bioluminescence resonance energy transfer (BRET) and immunoelectron microscopy to demonstrate the hetero-oligomerization of purinergic receptor subtypes. Furthermore, pharmacological studies found significant changes in receptor-mediated signaling in human embryonic kidney (HEK) 293T cells co-transfected with these receptors. These findings suggest that heterodimers of purinergic receptors may have distinct pharmacological profiles, possibly due to dimerization-induced conformational changes, further suggesting that hetero-dimerization may be employed to &ldquo;fine-tune&rdquo; purinergic receptor signaling. Adenosine A<sub>2A</sub> receptor (A<sub>2A</sub>R), P2Y<sub>1</sub> receptor (P2Y<sub>1</sub>R) and P2Y<sub>12</sub> receptor (P2Y<sub>12</sub>R) are predominantly expressed on human platelets. ADP activates human platelets by stimulating both P2Y<sub>1</sub>R and P2Y<sub>12</sub>R, which act sequentially and in concert to achieve complete platelet aggregation. In contrast, adenosine stimulates Gs-coupled A<sub>2A</sub>R, followed by activativation of adenylate cyclase, leading to an increase in intracellular cAMP levels, which potently inhibits platelet activation. We examined the hetero-oligomerization and functional interactions of A<sub>2A</sub>R, P2Y<sub>1</sub>R, and P2Y<sub>12</sub>R. In HEK293T cells triply expressing all three receptors, hetero-oligomerization was observed among the three receptors. Additionally, P2Y<sub>1</sub>R agonist-evoked Ca<sup>2+</sup> signaling was significantly inhibited by co-treatment with an A<sub>2A</sub>R antagonist in HEK293T cells. In human platelets, we identified endogenous A<sub>2A</sub>R/P2Y<sub>1</sub>R and A<sub>2A</sub>R/P2Y<sub>12</sub>R heterodimers. We also observed functional Ca<sup>2+</sup>-signaling-related cross-talk similar to those found in HEK293T cells, and found that they appeared to affect platelet shape. These results collectively suggest that intermolecular signal transduction and specific conformational changes occur among components of the hetero-oligomers formed by these three receptors.<br>
著者
武田淳子 松本 暁子 谷 洋江 小林 彩子 兼松 百合子 内田 雅代 鈴木 登紀子 丸 光惠 古谷 佳由理
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.19, pp.53-60, 1997-03
被引用文献数
8

本研究は,小児科外来受診中の2歳から6歳の小児を対象として,採血時に小児がとる対処行動の特徴を明らかにする事を目的とした。28名のべ33の採血場面を観察し,以下の結果が得られた。1.処置前・中・後と経過がすすむにつれて小児のとる対処行動は減少した。2.処置の全経過を通して自己防衛行動が最も多く,中でも目で見て確認する行動が最も多かった。3.2〜3歳の年少幼児に比して4〜6歳の年長幼児は,処置時にとる対処行動数が多く,多様であった。4.処置に主体的に参加する行動を示した小児は,泣かずに処置を受けていた。
著者
田中 一之 山崎 武 服部 哲弥 小澤 正直 黒田 覚 隈部 正博 服部 哲哉 小澤 正直 鈴木 登志雄 黒田 覚 隈部 正博 鹿島 亮
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の主題は, 超準的手法の論理的基礎付けである. 従来集合論をベースに行われた超準的議論を, 計算可能性と結びついた2階算術の弱い体系において実行することにより, 命題の構成的な内容まで超準的に得られるようにする. 代表者が考案した2階算術の超準的方法論の改良と整備を行いながら, 2階算術の超準モデルを研究し, 同時に実数集合の計算構造について探査する. とくに, ランダムな無限列としての実数とその集合の性質を調べる.
著者
北垣 忠温 鈴木 登志郎 小池 嘉秀 小野 正博 白川 清美 永田 充宏 小西 良士
出版者
日本毒性学会
雑誌
Journal of toxicological sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.325-343, 1996-07-05
参考文献数
13
被引用文献数
2

MC903の安全性を検討するため,0,0.4,2および10 μg/kg/dayをSlc:SD系雌雄ラットの頸背部皮下に26週間投与した。さらに,2および10 μg/kg/day群について,5週間の回復試験を実施し,以下の結果を得た。1. 死亡例は試験期間を通して,各群の雌雄に認めなかった。一般状態では10 μg/kg群の雄に眼球表面の一部白濁の発生頻度が増加した。2. 体重および摂餌量は,試験期間を通して,雌雄とも対照群とほぼ同様に推移した。10 μg/kg群の雌雄に,摂水量の増加ないし増加傾向を認めた。3. 投与期間終了時に,眼科学的検査で,10 μg/kg群の雌雄に角膜表面の一部混濁の発生頻度が増加した。尿検査で,2 μg/kg群以上の雄に尿中カルシウム排泄量の増加,10 μg/kg群の雄に尿中ナトリウム・クロライド・無機リン排泄量の増加,雌に尿量の減少,雌雄にpHの低下を認めた。血液化学的検査で,2 μg/kg群の雄および10 μg/kg群の雌雄に血中カルシウム濃度の増加,10 μg/kg群の雄に血中ALP活性の上昇を認めた。器官重量で,2 μg/kg群以上の雄に腎臓絶対重量・相対重量の増加,10 μg/kg群の雌雄に副腎絶対重量・相対重量の増加を認めた。病理組織学的検査で,2 μg/kg群以上の雄に角膜・腎臓の鉱質化の発生頻度の増加を認めた。電子顕微鏡検査で,10 μg/kg群の雌雄の腎臓に遠位尿細管上皮細胞の滑面小胞体を主とした小胞体の拡張を認めた。4. 5週間の休薬により,眼球表面の一部白濁,角膜表面の一部混濁および角膜・腎臓の鉱質化は回復しなかった。その他の変化は回復または軽減し,可逆性の変化であった。5. 以上の結果,本試験条件下におけるMC903の無毒性量は,雌雄とも0.4 μg/kg/dayと推定した。