著者
関 健太郎 榎本 忠儀
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2013-AVM-81, no.1, pp.1-6, 2013-07-12

SHV 向けに動きベクトル検出処理速度を超高速化した帯状探索窓動きベクトル検出アルゴリズムを開発した。本アルゴリズムは 0 次~ 2 次探索で構成される。0 次探索は複数の候補点より最適な探索点を得る予備探索、1 次探索は帯状探索窓探索、2 次探索はダイアモンド探索である。本アルゴリズムを H264/AVC に準拠したソフトウェアエンコーダに実装し、6 種類の HDTV(High Definition TeleVision) 画像 (“Bronze with Credits”、“Ice Hockey”、“Whale Show”、“Tractor”、“Riverbed”、“Inter-section”) に適用し、画質、探索速度を評価した。その結果、本アルゴリズムは全探索法と遜色のない高画質を維持することができた。 “Bronze with Credits” で評価した本アルゴリズムは探索速度を FS の 204.53 倍、S-UMHS の 3.346 倍、EPZS の 1.727 倍、高速化することができた。
著者
小関 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ
巻号頁・発行日
vol.112, no.353, pp.31-38, 2012-12-06

多分野に適用できる通信ネット論として抽象化した、マルチモード非線形マルコフ遷移近似ネット模型の現状を紹介します。巨大ネットの統計量を高精度に再現するファミリーネット近似法によって、計算量の適当な規模のネット模型を作成し、モード解析や非線形マルコフ遷移競合解析を可能とします。また、標準ネット模型群で、異なるトポロジの対称性や安定性論を視覚的に整理します。情報インフラはフリードマンが賞賛した古典的インターネットを超越して、検索エンジンの個人化や非匿名性をもって経済活動に大きな役割を担うSNSなどに変態しました。この新情報通信インフラのインパクトを提案するツールで検討します。すなわち、Cyworldの統計データからトポロジ模型を作成し、モード構造を求めて個別化のもたらす社会的合意形成への課題を論じます。本稿は、新宇宙論やヒッグス粒子やiPSの発明が21世紀のコペルニクス的転換と認知して、産業革命の18世紀人に恥じない対応を目指そうとの総見直しの努力の一部です。
著者
金内 美妃 郡 修徳 千本木 要 坂井 英夫 井関 健
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.2, pp.187-196, 2005-02-01
被引用文献数
3 6

ケタミンは, 解離性麻酔作用を有する全身性麻酔薬であり, 呼吸抑制などの副作用が少ないことから手術時に繁用されている. 一方, このケタミンは麻酔量より低用量を投与すると, 神経因性疼痛に関与しているといわれるNMDA受容体の非競合的拮抗薬として作用することから, 鎮痛効果も併せ持つ薬剤である.そのため, 非ステロイド性抗炎症薬などに抵抗する難治性疼痛を持つ患者に対し, ケタミンは保険適応外使用ではあるが, 鎮痛薬として静注や筋注以外に経口投与でも用いられている.しかし日本においてケタミンの市販薬は注射液のみであるため, 患者がケタミンによる在宅治療を行う場合, 注射液を経口投与しなければならないが, この注射液は特有の苦味や刺激感を有するため, 患者が服用を拒否する場合もある. そこで臨床現場では, 注射液に単シロップや矯味剤などを添加した液剤やケタミン試薬から調製した錠剤を院内製剤として患者に投与している.
著者
金子 和正 関 健二 井原 俊夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J96-B, no.8, pp.871-875, 2013-08-01

本研究では,60 GHz帯において,複数の発泡度を存する4種類の発泡スチロール板(厚さ5 cm)の透過係数位相の入射角特性を測定し,その測定データに適合する発泡スチロール板の屈折率実部を非線形最小二乗法により推定した.得られた実験結果を用い,発泡スチロールの屈折率実部と発泡スチロール体積に占めるポリスチレン成分の体積分率の関係を表す線形近似の実験式を求めた.また,発泡スチロール透過係数絶対値の層の厚さ依存性の測定より,屈折率虚部についても推定を行った.
著者
小関 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.221, pp.19-27, 2009-10-01

Googleの凄さは、実世界とネットがentangleしていることの発見にある。すなわち、Webページの重要さは個人的な意図、知識に依存するが、それをリンク情報から機械的に推定できることを示し、現在の情報インフラの地位を確立した。ここでは、マルコフ遷移確率をリンク数の平方根に反比例すると、実態に即してGoogleを2-normに修正して、システム分析のツールとして有効性を確立した。さらに、システム評価の客観的測度として、モードエントロピー・ノードエントロピーを定義し、それらの有効性を東京鉄道網で実証した。情報時代の社会インフラとしてのGoogleが、実世界に適合しない1-normで記述されていることによる重要度評価誤差の社会的インパクトなど検討・対策が、情報大航海時代に期待される。
著者
高橋 夏子 小林 正紀 板垣 史郎 平野 剛 武隈 洋 菅原 満 井関 健
出版者
日本薬学会
雑誌
Yakugaku Zasshi (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.777-783, 2012-06-01

The most effective drugs based on the type of cancer are chosen for chemotherapy. Tumor cells can be targeted at the DNA, RNA or protein level, and most of the classical anticancer drugs interact with tumor DNA in a time-dependent manner or a concentration-dependent manner. However, it has been unclear to date whether a combination therapy is carried out by using exact classification. Thus it is necessary to reclassify a great number of anticancer drugs. We propose a new classification system based on pharmacological effects of anticancer drugs. Classification of four anticancer drugs (cisplatin, carboplatin, paclitaxel and gemcitabine) was performed by the 3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromide (MTT) assay. The four anticancer drugs were grouped by IC50 values (inhibitory concentration, 50%) in a time-dependent manner and a concentration-dependent manner. The present approach may be combined to enhance the chemosensitivity, improve the dose of cytotoxic drugs and evaluate the effects of novel anticancer drugs.
著者
金保 安則 横関 健昭 船越 祐司 長谷川 潤 杉本 里香
出版者
筑波大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

低分子量G蛋白質Arf6を介するシグナル伝達機構とその生理機能、およびそのシグナル伝達の破綻に起因する疾患との関連の解明を目的として、分子・細胞・個体レベルで解析を行った。その結果、(1)Arf6はリン脂質キナーゼPIP5K・を活性化して神経スパインの退縮を制御していること、(2)Arf6は、肝臓の発生と腫瘍血管形成に重要であり、Arf6をターゲットとした抗ガン剤の開発が可能であること、(3)Arf6はJNK相互作用蛋白質を介して神経突起の伸長とブランチングを制御していることを明らかにした。
著者
井川 恭子 田浦 勝彦 楠本 雅子 千葉 順子 針生 ひろみ 小関 健由
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.554-563, 2003-10-30
被引用文献数
3

フッ化物配合歯磨剤の利用状況を把握し,う蝕予防に効果的な使用を推進するため,宮城県内の1〜3歳児,4〜5歳児,学童と彼らの保護者ならびに高等専門学校生の計2,188名(1〜56歳)を対象に質問紙調査を行った.「いつも歯磨剤を使用している」者は全体の66.2%で,そのうちフッ化物配合歯磨剤使用者の割合は,1〜3歳児で13.4%,4〜5歳児で34.0%,学童で52.3%,高等専門学校生で55.3%であり,保護者では66.5%であった.すべての群におけるフッ化物配合歯磨剤の使用率は,現状の同市場占有率より低かった.また,増齢とともに歯磨剤の1回使用量が増加し,歯磨き後の洗口回数も増加した.歯磨剤選択理由については「う蝕予防」が第1位,「フッ化物配合」が第2位と多かったが,1〜3歳児の使用していない理由は「誤嚥の心配」が第1位であった.今後の歯の健康づくりのためには,年齢を問わず,フッ化物配合歯磨剤をWHOに推奨されている適量を適切に使用することが望ましい.また,う蝕予防を推進するために,フッ化物配合歯磨剤の効果的利用に関する普及啓発の必要性が示唆された.
著者
小関 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.220, pp.13-21, 2009-10-01

Googleの凄さは、実世界とネットがentangleしていることの発見にある。すなわち、Webページの重要さは個人的な意図、知識に依存するが、それをリンク情報から機械的に推定できることを示し、現在の情報インフラの地位を確立した。ここでは、マルコフ遷移確率をリンク数の平方根に反比例すると、実態に即してGoogleを2-normに修正して、システム分析のツールとして有効性を確立した。さらに、システム評価の客観的測度として、モードエントロピー・ノードエントロピーを定義し、それらの有効性を東京鉄道網で実証した。情報時代の社会インフラとしてのGoogleが、実世界に適合しない1-normで記述されていることによる重要度評価誤差の社会的インパクトなど検討・対策が、情報大航海時代に期待される。
著者
井関 健太 矢口 勇一 大田 和寛 千葉 将人 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.105-110, 2008-12-11

2次元連続DPアルゴリズムと因子分解法に基づく画像からの3次元形状を効率的に復元するシステムを実現した.2次元連続DPでは画像間の全ピクセルに対する非線形対応のマッチングが可能である.そのため,因子分解法において使用される計測行列を,画像集合の1枚と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応から生成する事で,特別な計測機器やカメラパラメータを必要とせず,少数枚数の画像のみから3次元モデルを生成する事が可能である.一方,2DCDPによる計算コストがO(N^4)となり,計算速度とメモリサイズに関する問題がある.本報告ではこれらの問題に対処するために,2DCDP計算の並列化に基づく計算機環境を構築した.また,野外の大きな建築物である城郭を対象にし,効率的に形状復元を行うシステム実装した.大規模画像への3次元形状復元には,部分3次元形状のモザイキングにより実現する.今回構築したシステムが良好に動作する事を実験により示した.
著者
志村 匡代 岩倉 政城 井川 恭子 小関 健由
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.99-105, 2003-12-30

口臭に対する関心が高まりつつある現代社会において, 口臭外来の需要は高まりつつある。口臭と歯科疾患, 全身疾患, 精神疾患の関連が論じられ, 口臭症の国際分類も提唱されている。一方で, 地域住民の口臭の度合や口臭に対する意識の程度は十分に把握されていない。本研究では宮城県一農村地区の成人歯科健診受診者333名を対象に口臭測定器による口臭検査ならびに質問紙調査を行った。口臭検査による口臭の有無, また質問紙調査による口臭意識の有無で対象者を群別し, 歯科健診項目をあわせて関連性を検討した。その結果, 本調査対象者の44.4%が口臭ありと判定され, このうち65.5%が自分の口臭に認識を持たなかった。また91.9%には口臭での受診歴がなく, 潜在的な口臭症の治療対象者と考えられた。一方, 口臭なしと判定された者のうち, 自分の口臭に対する認識を有する13.2%には, 自臭症(仮性口臭症および口臭恐怖症)の可能性が高いと考えられた。この群の81.8%には口臭での受診歴がなく潜在的な口臭症治療対象者の可能性が示唆された。なお口腔内診査の結果から, 舌苔のある者, 口腔清掃状態の悪い者で有意に口臭が認められた。さらに自分の口臭に対する意識のある者では, 有意に年齢が低く, 未処置歯数が多く認められた。
著者
鈴木 基志 高橋 耐志 原井 洋明 小関 健
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J88-B, no.8, pp.1411-1421, 2005-08-01

波長変換装置の導入は,ネットワーク全体の装置コストや管理コストの削減につながる可能性がある.経路上の各リンクで異なる空き波長を用いてパスを設定し,波長の有効利用ができるからである.本論文では,近年多くの研究がなされている,波長パスと波長群パスの二階層による階層型光パスネットワークにおいて,波長変換装置の導入によるコスト最小構成を検討する.我々は,複数の波長パスを波長群にグループ化するときと波長群パスを分解するときのみに波長変換を許すこと,及び,それを実現するノード構成を提案する.整数線形計画法により階層型光パスネットワークの最小化問題を定式化し,問題を明確にする.多ノードのネットワークでも適用可能なヒューリスティックアルゴリズムを導入して,提案ノード構成によって有意なコスト削減効果が得られることを示す.その結果,波長変換のコストが光スイッチコストの20%程度であれば全体のコスト削減につながること,及び,ノード数がふえるほど,ノードコスト削減効果を得られることが分かった.40ノードネットワーク,波長多重数16,波長変換のコストがスイッチコストの10%という条件では,提案ノード構成は,波長群を導入しない場合よりも34%のコスト削減効果,波長変換を導入しない場合よりも10%のコスト削減効果が得られることが分かった.