著者
垣花 学 井関 俊 中村 清哉 渕上 竜也 神里 興太 須加原 一博
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.386-391, 2013 (Released:2013-07-13)
参考文献数
19

胸腹部大動脈手術中に硬膜外モルヒネを投与された症例で,ナロキソンの静脈投与により対麻痺症状が著明に改善された.この症例を機に,ラット脊髄虚血モデルを用いて一過性脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ投与による脊髄運動神経障害に関する研究を行った.その結果,くも膜下モルヒネには虚血性脊髄障害を増悪させる作用があることが示唆された.これまでの臨床経験およびわれわれの研究結果から,「麻薬は虚血性脊髄障害を増悪させる」可能性が高いと思われる.
著者
関 文夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.702, pp.56-57, 2018-12-24

ポルチェベーラ高架橋の落橋事故では、設計者のリッカルド・モランディに対する非難の声が上がった。モランディとはどのような人物なのか。同橋は失敗作だったのか。橋梁デザインに詳しい日本大学の関文夫教授が解説する。
著者
田中 佳子 小林 幸子 関 保
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.137-144, 2011 (Released:2012-02-22)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【緒言】書字・読字障害をもつ発達障害児に対し、視覚的補助具の処方と学校への働きかけにより、QOLが向上した症例を報告する。【症例】13歳男児。眼鏡作製目的で来院したにも関わらず、母親の書字障害等の訴えから、本人も自覚しない羞明感が明らかとなった。本児は学校生活においてトラブルを抱えていたため、小児科を受診したところ広汎性発達障害と診断された。書字・読字に対しては、遮光眼鏡の使用により改善が見られ、遮光用の虹彩付きコンタクトレンズの有効性もコントラスト感度測定により認められた。【考察】発達障害は脳の機能障害であり、知的に問題がなく視覚障害がないにも関わらず、読字、書字、計算障害といった学習障害を来たすことがある。また、知覚の過敏性も特徴の一つであり、本児は視覚過敏が羞明というかたちで現れたものと思われる。光の過敏性に関してはScotopic sensitivity syndromeとの関連が示唆された。この場合、遮光眼鏡や虹彩付きコンタクトレンズがフィルターの役割を果たし、光に対する過敏性を和らげ感覚の調整を図れたことが、書字等の改善に繋がったものと考えた。発達障害は公立の小中学校の児童の6.3%に疑いがあるという報告もあり教育上問題になっている。眼科的所見がなく、本人に見えにくさの自覚がないことが多いため見過ごされる可能性があり、注意を払う必要がある。そして、その対応には小児科・精神科・学校との連携が重要である。
著者
田中 基雄 安本 昌彦 渋谷 勲 川端 康治郎 中村 貴義 橘 浩昭 萬田 栄一郎 関口 辰夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.11, pp.1937-1941, 1989-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

高圧下において中間物とSquaricacidの縮合によりN-オクタデシルスクアリリウム(SQ)色素を合成する方法について検討した。中間物〔1〕または〔3〕とSquaricacidの反応による色素〔2〕または〔4〕の生成反応は,400~800MPaの加圧処理により促進され,常圧下における合成を大きく上回る収率をもたらした。また中間物〔3〕から色素〔4〕を生成する反応はクロロ酢酸,トリクロロ酢酸触媒の存在下でさらに収率向上を示すことが認められた。常圧下において従来得られなかったキノリン構造を有する色素〔6〕および〔8〕を本高圧法により合成することができ,新たに4種のスクアリリウム色素を得た。これら新色素のVIS,IR,iH-NMRスペクトルを測定した結果,〔6〕が〔2〕,〔4〕と同様に1,3-型スクアリリウム環構造に合致するのに対して,〔8〕は1,2-型スクアリリウム環構造の形をとるものと推定された。
著者
稲又 泰代 宮林 郁子 古家 伊津香 大関 春美 池田 よし江
出版者
清泉女学院大学
雑誌
清泉女学院大学看護学研究紀要 = Seisen Jogakuin College Journal of Nursing (ISSN:24362379)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.39-51, 2021-03-31

高齢者の透析医療における意思決定支援に関する看護師の役割と課題を検討するために文献検討を行った.その結果,意思決定支援に関する看護師の役割では,透析療法適応と宣告された患者は,衝撃と不安から悲観的感情や絶望感をもち,意思決定までに時間を要する.看護師は,患者が腎代替療法を受けるか否か,患者や家族の思いや考えを十分に聞き,患者がどのようにしたいのか,家族が患者を支えるにはどのような支援が必要になるのかを十分に話し合うことが重要である.チーム医療のキーパーソンである看護師は,医師や訪問看護師と連携しながら,患者が療養生活を送れるようにコーディネートの役割やリーダーシップなどが求められていることが示唆された.また今後,高齢化社会に伴い,認知症などで患者自身が意思決定することが困難になることが予測され,高齢者の透析導入・非導入,透析を中断するか否か,緩和医療による看取りという方針が妥当か否か,早い時期からアドバンス・ケア・プランニング (以下ACP)が重要であると考える.
著者
関島 恒夫 森口 紗千子 向井 喜果 佐藤 一海 鎌田 泰斗 佐藤 雄大 望月 翔太 尾崎 清明 仲村 昇
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1922, (Released:2021-08-31)
参考文献数
55

オオヒシクイが集団飛来地あるいは渡りのルートとして主に利用する北海道道北地方から本州にかけての日本海沿岸域は、良好な風況が見込まれることから、現在、多数の風力発電施設の建設が進められている。大型風車の設置は、鳥が風車に衝突するだけでなく、風車群を回避することによる迂回コストの増大などにより、中継地や越冬地利用の放棄など生息地の劣化あるいは消失に繋がる可能性があり、地域個体群に対する負の影響が懸念されている。オオヒシクイなど大型水禽類の生息地を保全しつつ、再生可能エネルギーの拡大を目指して風力事業を推進するには、鳥類への影響が大きい区域を提示したセンシティビティマップに基づき、風力発電事業の計画段階で事前に衝突リスクの高いエリアを回避する手続きが有効である。本稿では、はじめに大型水禽類を対象にしたセンシティビティマップの現状と課題を説明し、続いて、オオヒシクイを対象として、全国の主要な集団飛来地における風車回転域飛行確率を考慮したセンシティビティマップと、北海道道北地方から本州日本海沿岸域にかけての主要な渡りルートにおいて渡り中の飛行高度規定要因を考慮したセンシティビティマップの 2つのマップ作成手順を紹介する。最後に、これらセンシティビティマップを用いた風力発電施設の立地に係る検討手続きを提案する。
著者
関 紀夫
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.1072-1077, 1997-12-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
3
著者
小関 祐之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021

<p><b>1.はじめに</b></p><p></p><p> 高大接続改革は,高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の三位一体の改革である.大学入学者選抜改革の一環として,大学入試センターではセンター試験から大学入学共通テスト(以下共通テスト)へと変更された.新高等学校学習指導要解説では,これからの学校教育では,子どもたちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と共同して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め,知識の概念的な理解を実現し,情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることなどが求められている.共通テストにおいても同様の方向性で問題が作成されている.</p><p></p><p><b>2.高大接続改革を意識した大学入学共通テストの方向性</b></p><p></p><p> 令和4年度共通テストの問題作成方針では,①センター試験における問題評価・改善の蓄積を生かしつつ,共通テストで問いたい力を明確にした問題作成,②高等学校教育の成果として身に付けた,大学教育の基礎力となる知識・技能や思考力,判断力,表現力等を問う問題作成,③「どのように学ぶか」を踏まえた問題の場面設定の3点が示されている.また,地理A・Bの問題作成方針には「地理にかかわる事象を多面的・多角的に考察する過程を重視する.地理的な見方や考え方を働かせて,地理にかかわる事象の意味や意義,特色や相互の関連を多面的・多角的に考察したり,地理的な諸課題の解決に向けて構想したりする力を求める.問題の作成に当たっては,思考の過程に重きを置きながら,地域を様々なスケールから捉える問題や,地理的な諸事象に対して知識を基に推論したり,資料を基に検証したりする問題,系統地理と地誌の両分野を関連付けた問題などを含めて検討する」と示されている.これらの方針に沿って共通テストは作成されている.</p><p></p><p><b>3.センター試験と共通テストにおけるデータ比較</b></p><p></p><p> 令和2年度センター試験と令和3年度共通テストの地理Bについてデータを基に大まかに比較してみたい.共通テストは,大問数が1減じられている.その大問は比較地誌の大問である.また,センター試験と共通テストともに多くの資料が活用されている.しかし,細かく分析すると,小問数が共通テストでは5問削減されているのにもかかわらず,総資料数は37,38とほぼ同数である.センター試験では資料を用いない問題が5問出題されていたが,共通テストでは,資料を用いない問題は出題されていないだけでなく,複数の資料を読み取り傾向性や規則性を問う問題が出題されている.当日の発表では,これらの分析とともに,令和3年度共通テストを数問取り上げ,高大接続改革を意識した問題はどのような問題か,思考力等を発揮して解く問題とはどのような問題か,受験者に身に付けてほしい資質・能力や高校現場に求めたい授業の実践等について,大学入試センター試験の過去問題と比較しながら報告したい.</p><p></p><p><b>文献</b></p><p></p><p>文部科学省(2018)高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説・地理歴史編.東洋館出版社</p><p></p><p>大学入試センター(2011)令和4 年度 大学入学者選抜に係る 大学入学共通テスト問題作成方針</p><p></p><p>https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r4.html</p>
著者
福田 恵一 遠山 周吾 関 倫久 湯浅 慎介 下地 顕一郎 藤田 淳
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.1287-1295, 2016-07-10 (Released:2017-07-10)
参考文献数
10

iPS(induced pluripotent stem)細胞の発見以来,再生医療への応用が期待されている.難治性重症心不全は心臓移植以外に根本治療がなく,新たな治療法の開発が待たれている.iPS細胞を用いた心臓の再生医療はこの10年で大きく進歩した.ゲノムを損傷せずに効率的に安全なiPS細胞を作出する技術,血清などの動物成分を含有しない培地でiPS細胞を大量増殖させる技術,効率的に心筋細胞を作出する技術,心筋細胞を純化精製する技術,効率的に心筋細胞を移植する技術やデバイスの開発などは大きく発展し,臨床応用直前の段階まで来ている.今後はこれらをフルに活用し,どのような症例に対していかに安全かつ有効な治療法になり得るかを検証し,育て上げていくかが問われている.
著者
関沢 英彦
出版者
東京経済大学
雑誌
コミュニケーション科学 (ISSN:1340587X)
巻号頁・発行日
no.25, pp.29-58, 2007-02-21
著者
関沢 英彦
出版者
東京経済大学
雑誌
コミュニケーション科学 (ISSN:1340587X)
巻号頁・発行日
no.28, pp.29-60, 2008-12-17