著者
阪本 真由美
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.199-207, 2013-11-15 (Released:2019-01-19)
参考文献数
15

This study focuses on the coordination system to receive international assistance after mega disaster based on the experience of the Great East Japan Earthquake that occurred on 11 March 2011. First, it summarizes how the coordination system for receiving international assistance after mega disasters was developed in Japan. Then, it reviews how international Urban Search-and-Rescue (US&R) teams were received in the Great East Japan Earthquake, based on interviews with municipalities which received assistance. Then, the study compares the current Japanese coordination system with other countries which had received international assistance in disasters. Finally, based on the analysis the study proposes an effective coordinating system for mega disasters.
著者
小松 輝久 大瀧 敬由 佐々 修司 澤山 周平 阪本 真吾 サラ ゴンザル 浅田 みなみ 濱名 正泰 村田 裕樹 田中 潔
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.117-127, 2017 (Released:2020-02-12)
参考文献数
41

2011年3月11日の東日本大震災は,東北地方の沿岸に甚大なる被害を与えた.津波は,沿岸漁業の社会的インフラである,港,市場,漁船,養殖筏はもちろんのこと,魚介類の再生産の基盤である沿岸のエコトーンであり自然的インフラである藻場など(本論文ではブルーインフラと定義)にも被害を及ぼした可能性があった.そこで,岩手県大槌湾および宮城県志津川湾において,藻場の被害状況とその後の変化を調べた.海藻藻場の被害は大きくなかったが,2014年からは震災後に加入したウニによる磯焼けが生じており,積極的な駆除を行う必要がある.砂地に生育するアマモでは,津波の波高が大きくなったために壊滅的な被害を受けた湾奥部では,2011年6月に埋土種子から実生に生長しており,アマモ場の回復が始まっていた.また,地形的に津波による被害を受けにくい湾央や湾口にあるアマモ場は残っていた.これらのアマモ場は種子供給源になるため,次の大津波に備えて保護することが望ましい.津波と地盤沈下により埋め立てで失われていた塩性湿地や干潟というブルーインフラは再生したが,復旧の埋立や巨大防潮堤などの工事で消滅した.繰り返される将来の大津波に備え,次世代のために持続的で健全な海洋環境および社会を育む沿岸域を実現するという視点から,ブルーインフラの回復を織り込んだグランドデザインを平時につくる必要がある.
著者
阪本 真基 上野 敦志 田窪 朋仁
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2016-GI-35, no.12, pp.1-6, 2016-03-01

本論文では,自然言語によって対話を行うコミュニケーションゲーム 「人狼」 において,機械学習を用いてプレイヤの発言から役職の推定を行う手法を提案する.学習データはオンラインで提供される 「人狼 BBS」 のプレイログを用いた.プレイヤの発言を文書としてまとめ,word2vec を用いて単語の意味の類似性を考慮したベクトル表現を獲得する.獲得したベクトル表現を用いて,進行中のプレイヤの発言に基づいてプレイヤのベクトルを求め,k 近傍法,SVM により人狼の役職の推定を行い,交差検証により評価し考察した.
著者
阪本 真 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_1089-I_1101, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
20

航空需要の増加に伴い,首都圏空港は更なる機能強化が必要とされている.海外では,従来の管制運用方式とは異なる先進的な管制運用方式の導入によって空港の機能強化が達成されている.本稿ではPoint Merge System(以下,PMS)と呼ばれる運用方式に着目し,従来の研究には見られない管制指示音声データを利用した分析により,PMSにおける管制指示及び航空機挙動の特性を定量的に明らかにした.次にこの結果を踏まえて先行研究で開発した基礎的なシミュレータの改良を進め,羽田空港にPMSを導入した場合の効果について基礎的な検討を行った.
著者
吉川 雅博 田口 裕也 阪本 真 山中 俊治 松本 吉央 小笠原 司 河島 則天
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.456-463, 2014 (Released:2014-07-15)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

At present, there are body-powered hooks and myoelectric prosthetic hands that trans-radial amputees can use for work. Though the body-powered hook has good workability in detailed works, the design of the hook spoils its appearance and the harness impairs the feelings of wearing. The myoelectric prosthetic hand has a natural appearance similar to the human hand and intuitive operability with a myoelectric control system. However, it is high cost and heavyweight. Because of these problems, many amputees use cosmetic prostheses especially in Japan. In this paper, we report a low-cost and lightweight electric prosthesis with three opposed fingers considering functionality and design. A simple mechanism to control fingers by a linear actuator contributes to satisfactory workability, lightweight, and low cost. A control system using an inexpensive distance sensor allows intuitive operability as the myoelectric sensor at low cost. A socket is easily removable so that users can wear properly as the situation demands. It has a sophisticated appearance as a tool and can be produced by a 3D printer. The total weight of the hand and socket is 300[g]. Evaluation tests utilizing Southampton Hand Assessment Procedure (SHAP) demonstrated that developed prosthesis was effective to operate light objects for daily use.
著者
作中 祐介 阪本 真 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.I_657-I_666, 2020 (Released:2020-04-08)
参考文献数
13

新興経済国を中心に世界の航空需要は年々増加しており,首都圏空港では早急な機能強化が最優先課題となっている.海外では効率的な管制処理システムの導入といったソフト面の整備が進んでおり,管制官のワークロード改善や燃料消費の削減,環境負荷の低減などの効果を上げている.本研究では,羽田空港に適した新たな管制処理システムを検討し,その導入効果を分析することを目的とする.そこで,管制処理システムの導入効果を管制面や運航面,環境面に関して,定量的に評価できる空域シミュレータの開発を行った.次に,都心上空を活用した管制処理システム案を作成し,その導入効果について開発した空域シミュレータによるシミュレーション分析を行った.分析結果から管制処理システムの導入効果に関して検討を行った.
著者
木村 淳 浅田 昭 伏見 岳志 松本 義徳 杉本 裕介 清水 秀人 阪本 真吾 鉄 多加志 Schottenhammer Angela Jago-on Sheldon Clyde B. Lacsina Ligaya Sheppard Bob McCann Ian
出版者
東海大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2016-2018年の3ヶ年で、千葉県御宿町沖で1609年に沈没したスペイン船籍ガレオン船サン・フランシスコ号の船体遺存可能性の調査及び初期マニラ・アカプルコ交易船の船体・造船技術及び関連遺物把握の考古学研究を実施した。御宿町の岩和田沖合とされる同船の推定沈没範囲において、船体や関連遺物の遺存状況の検証を明らかにする水中考古学探査・潜水調査を行った。マルチナロービーム音響測深機による海底地形計測及び磁気探査、潜水調査によって、沈没可能性地点を浅海と沖合岩礁(真潮根)の二つに絞り込んだ。サン・フランシスコ号関連の文献精査、国外のマニラ・アカプルコ交易沈没船遺跡の比較研究を実施した。
著者
阪本 真弥 栗和田 しづ子 丸茂 町子
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.81-87, 1996-11-30 (Released:2014-02-26)
参考文献数
7
被引用文献数
4

高齢者の口腔乾燥症の実態を把握し, 口腔乾燥症を適切に診断し, 病因や病態に即した治療を行うための基礎的データを得ることを目的に, 口腔乾燥症の疫学調査を行った.対象は老人ホーム3施設に入居し調査に同意し協力を得ることのできた65歳以上の男性31人, 女性64人, 計95人 (平均年齢78歳) である.調査内容は問診, 視診, 触診唾液分泌量測定などを行い口腔乾燥の症状や程度, 口腔粘膜疾患や残存歯, 義歯の使用状況, 口腔清掃状態などについて調べた.その結果,1.口腔乾燥感は, 95人中23人 (24.2%) にみられ, 測定し得た89人中43人 (48.3%) の患者に唾液分泌量の低下がみられた.また, 高度な唾液分泌低下を示した人は4人 (4.5%) であった.2. 95人中85人 (89.5%) が何らかの慢性の全身疾患を有しており, 降圧剤や利尿剤など副作用として口腔乾燥を起こす薬を服用している人は62人 (65.3%) であった.さらに, このような薬を3種類服用している人は, 服用していない人と比較し, 唾液分泌量低下や口腔乾燥感を自覚する割合が高かった.3.舌乳頭萎縮は22.1%, 溝状舌は24.2%にみられたが, 口角びらんは2.1%で, 白板症, カンジダ, 扁平苔癬, アフタなどの粘膜疾患は認あられなかった.以上, 重篤は身体的および精神的疾患を持たない高齢者には治療を要する高度な口腔乾燥症はみられなかった.
著者
阪本 真由美
出版者
公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

開発途上国の震災障害者の生活再建に求められる支援制度について、過去に巨大災害に見舞われた開発途上国(インドネシア)の震災障害者の生活再建状況と支援制度を現地調査に基づき把握した。また、震災障害者に対する生活再建支援制度について開発途上国と先進国(日本・アメリカ)の事例との比較検討を行った。研究の結果、震災障害者の生活再建を実現するためには、一時金の提供という資金的救済措置だけでは十分ではなく、一人ひとりのニーズにあったきめ細やかな支援策が必要となること、そのためには震災障害者を巻き込んだネットワークの構築を官民連携で実施することが有効であることが明らかになった。
著者
佐藤 しづ子 笹野 高嗣 阪本 真弥 庄司 憲明
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

近年、従来はみられなかった若年者における味覚異常が社会問題となっている。その原因としては、ダイエット、コンビニエンス食、食生活の欧米化とそれに伴う和食の不摂取、昼夜逆転など若年者をとりまく最近の社会現象(life styleの変化)との関連が指摘されはじめている。さらに、現代社会におけるストレスは、自律神経を失調させ、味覚に重要な役割をはたす唾液分泌の低下をきたし口腔乾燥症を招き、ストレスによる若年者の味覚異常の惹起が指摘されている。しかしながら、これまで味覚異常は、高齢者についての実態調査はみられるものの、若年者における実態は全く不明であった。そこで、若年者をとりまく社会現象との関連を明らかとすることを目的として、若年者の味覚異常の実態(発症率・病因など)について疫学調査研究を行った。調査研究に同意を得た本学歯学部新入生153人に、濾紙ディスク法を用いた味覚検査、唾液分泌量測定および味覚異常の原因に関する問診を行った。その結果、1)全体の24.8%に味覚異常がみられた。殆どは、軽度味覚異常で、高度味覚異常者はいなかった。味覚異常者の9割以上には、味覚異常感はなかった。2)味覚異常者全員の唾液分泌量は正常だった。3)味覚異常者には、全身疾患および服薬はなかった。4)味覚異常者には、ストレス、睡眠時間、インターネット使用、香水使用との関連はみられなかった。5)味覚異常者には、朝食欠食者が多かった。6)味覚異常者では、豆類、魚貝類、海草類の食品摂取頻度が少なかった。7)味覚異常者には、貧血様症状と体重減少者が多くみられた。以上より、若年者における味覚異常は食生活との関連が深いことが判明し、若年者の全身健康のために味覚検査と食事教育が必要であると思われた。
著者
内藤 秀幸 阪本 真一 大竹 守 奥村 忠嗣 丸山 武男 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.19-22, 2007-06-22

半導体薄膜導波路構造を用いるDFBレーザは、量子効果による利得増強効果と併せて従来にない極低電力動作、BCB等の屈折率の温度依存性が負となる材料をクラッド層とすることによる発振波長の温度無依存化が期待できる。これまでの作製法で大面積化・再現性が問題となっていた貼り付け法ではなく、薄膜導波路構造下に予め成長した犠牲層の横方向選択エッチングによるエアブリッジ構造を用いて半導体薄膜BH-DFBレーザを試作した結果、光励起下で10℃〜80℃までの連続発振を実現した。最低しきい値励起光強度は20℃で4.3mW、また、レーザの発振波長の励起パワー依存性より見積もった熱抵抗値は11K/mWであった。