著者
藤田 慎一 岡村 和幸 三浦 和彦 高橋 章
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.349-354, 2010
被引用文献数
2

The scavenging ratio of sea-salt components for the winter monsoon was presented on the coastal region of the Sea of Japan. Concentrations of sodium in air and precipitation were analyzed from four monitoring networks, CRIEPI, NPG, NIES/ADORC, and CRIEPI during the period from 1987 to 2008. On the basis of the monitoring data collected, we analyzed (i) seasonal variation and horizontal distribution of sea-salt concentration in air and precipitation, (ii) statistical properties of scavenging ratio on a regional scale, (iii) relationship between scavenging ratio and precipitation intensity, (iv) wet scavenging coefficient on a local scale, and (v) temporal variation of sodium concentration associated with the winter monsoon.<br>
著者
池内 淳子 植松 康 奥田 泰雄 西村 宏昭 高橋 章弘 萩原 一郎 谷口 徹郎 谷池 義人
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.41-41, 2008

本研究では、竜巻等突風災害に対する行政の災害対応能力向上を目的とし、竜巻等突風災害対策に対する課題を抽出し、有効と考えられる竜巻等突風災害対策を提案した。以下に結論を示す。<BR>(1)現佐賀市地域防災計画は、竜巻災害に特化した記述内容を持つ数少ない防災計画であり、今後は対策の具体化が課題である。<BR>(2)竜巻等突風災害は、被害状況としては台風災害に類似しており、災害発生は突発的で地震災害に類似している。一方で、災害原因の確定が遅れやすく、結果的に直後の災害対応が遅延する可能性の高い災害であるといえる。このことから、建物のガラス等飛散防止対策や飛来物対策等の考案と普及、施設や避難所の安全性の提示、気象庁発表の「竜巻注意情報」や竜巻等突風災害発生情報の有効活用、一般市民に対する竜巻等突風災害に関する普及啓発に関して提案を行った。
著者
高橋 章弘 植松 康 堤 拓哉 南 慎一 笠原 裕作
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.30-30, 2008
被引用文献数
2

2006年11月7日,北海道佐呂間町でF3クラスの竜巻災害が発生した。この竜巻では,死者9名,負傷者31名の人的被害をはじめ,多数の建物が破損する等,多大な被害がみられた。筆者らは,被災地域の住民を対象に,竜巻による建物被害やライフライン被害などの把握を行うためアンケート調査を行った。調査結果から,竜巻被害の実態と対応状況等より,個人および行政における災害対応と減災のための対応マニュアルを作成する上で,有用と考えられる事項を報告する。
著者
森 吉昭 島田 保之 幸村 秀樹 高橋 章
出版者
ダム工学会
雑誌
ダム工学 (ISSN:09173145)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.114-123, 1997-06-15 (Released:2010-04-30)

中央遮水壁型ロックフィルダムの各ゾーンのうち堤体の安定性を確保するシェルゾーンには, 要求品質に見合うように自然地山深部の堅硬な岩石を使用している。この材料を採取するためには採石場表層付近の土砂, 軟岩を大量に廃棄する必要があり, ダム工事費増加の要因の一つとなっているため, 重回帰分析手法を用いて廃棄材料の有効活用を図った。本報告は, その検討結果について述べるものである。
著者
若松 孝志 高橋 章 佐藤 一男 久保井 喬 柴田 英昭
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.169-178, 2004-04-05
被引用文献数
6

アカマツ林の林床に^<15>NH_4^+を添加し,70日後までの林床植生,有機質・無機質土層への^<15>Nの移行量を調べた.さらに,室内培養実験により窒素の形態変化速度を測定し,^<15>Nの動態と微生物による窒素代謝との関係を調べた.^<15>N添加30日後の各プールヘの15N移行量は,林床植生5%,有機質上層56%,無機質土層44%であった.70日後には,無機質土層への移行量が増大したが,37%の^<15>Nが有機質土層に保持されていた.土壌水の観測結果から,無機質土層へ浸透する窒素の95%をNO_3^-が占めることが分かった.また,^<15>NH_4^+を添加したにもかかわらず,添加初期には土壌表層のNO_3^-のδ^<15>N値が著しく上昇し,またそのピークは時間の経過とともに下層に移動した.このことから,林床に沈着したNH_4^+のほとんどは,有機質土層で硝化によりNO_3^-に変化した後に,下層土壌へ移行することが裏付けられた.室内培養実験の結果,有機質土層(Oe-Oa層)における硝化速度(20mg N kg^<-1> d^<-1>)は,微生物の代謝によるNH_4^+の有機化と窒素無機化の速度(145mg N kg^<-1> d^<-1>)の1/7程度であった.このことから,大気由来のNH_4^+は林床に沈着した後,すべてが硝化に向うのではなく,微生物の窒素代謝のサイクルに取り込まれることが推察された.このことが,70日経週後も,添加した^<15>Nの4割が有機質土層に保持された主要な要因と考えられた.本調査地の有機質土層における窒素の形態変化速度は,ほぼ同量の窒素が大気から負荷されているオランダの森林よりも1桁程度大きかった.これには本調査地における温暖多雨な気候条件と酸性度の低い土壌条件が関与していることが推察された.
著者
堤 拓哉 高橋 章弘 南 慎一 植松 康
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会論文集 (ISSN:13493507)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.75-83, 2009-07-01 (Released:2009-10-17)
参考文献数
10

A tornado struck Wakasa Region of Saroma Town in Hokkaido on November 7, 2006. The tornado killed nine people and injured more than 30 people. Many buildings were collapsed or damaged by this tornado. The authors made a damage investigation just after the disaster. This paper presents the characteristics of the damage. It was found that completely and partially destroyed houses were all located along the track of the tornado. The roofs were flown off and walls and windows were broken by flying debris. The aspects of the building damage are closely related to the materials and method of construction typical of snowy cold regions.
著者
高橋 章弘 南 慎一
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.6, pp.115-120, 1996-11

平成5年7月12日の夜間に発生した北海道南西沖地震は、奥尻島を中心に渡島・桧山地方に大きな被害を与えた。特に、奥尻町青苗地区では、地震直後の大津波と延焼火災により、人的被害、住宅・都市施設被害、水産漁業被害、商工観光産業被害など広範囲かつ甚大な被害がみられた。本調査研究は、種々の復興事業が進行する中、居住する住民が現在どのような実態にあるのか、住宅の再建状況や防災対策、居住地環境評価等について把握を行い、今後の震災復興の在り方を検討するための基礎的資料とすることを目的としている。本調査は地域安全学会震災調査研究会が実施した震災後第3回目のアンケート調査で、本報では被害が最も大きかった育苗地区の居住者を対象に、「地震再発への不安」「日常生活での防災対策」「居住地まわりの安全性」「防災情報の入手」等について考察を行った。調査の結果、住民の防災意識に関する実態をまとめると、以下のように整理される。(1)大地震再発に対する不安は、住民意識に依然として高く、長期化している (2)日常生活での防災対策は、十分と考えている住民は少なく、その具体的な備えについては、容易に備えられものから取り組まれている。 (3)居住地まわりの安全性は、津波に対しては概ね安心感を抱いているが、地震や火災に対して多くの住民が不安感を抱いている。 (4)冬期間の災害発生における住民避難の不安要因は、低温や降雪などの気象条件が大きな部分を占め、災害の種類によっては避難により生命の危険が増すこともあると住民は捉えている。 (5)防災情報の入手方法は、メディアを利用し短時間で入手できるものを多くの住民が望んでいるが、巡回等による直接的な伝達方法を望む住民も一方でみられる。
著者
堤 拓哉 高橋 章弘 千葉 隆弘 苫米地 司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.72, no.613, pp.29-34, 2007
被引用文献数
4 2

Snowdrift formation on and around buildings can be serious problems in snowy cold region. The planning of buildings in such areas should consider the position of snowdrifts. A wind tunnel experiment using model snow is a useful tool for estimating snow accumulation on building. However, the law of similarity for this experiment has not been revealed. In this study, the authors have been investigated the effects of turbulence intensity on snowdrift. We carried out wind tunnel experiments using model snow particle under the different turbulence intensity of air flows. Snowdrifts on the leeward of the snow fence were compared under the several conditions.
著者
室崎 将史 藤田 慎一 高橋 章 速水 洋 三浦 和彦
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.347-354, 2006-11-10
被引用文献数
5

静岡県と山梨県の県境に位置する富士山(標高3776m)を観測塔に見立て,高度の異なる20地点で2005年7月12日から7月20日までの9日間,パッシブサンプラーを用いてオゾン濃度の鉛直分布を測定した。山麓の都市部3地点(標高30m〜460m)と丹沢山頂(標高1540m)での自動計測器による測定データをもとに,オゾン濃度の時間変化についても解析を加えた。パッシブサンプラーによって観測期間に測定されたオゾンの平均濃度は,混合層内で約20ppbv,混合層より上層で約40ppbvであり,高度1500m付近を境にして大きな変化がみられた。濃度分布のパターンは,過去に報告された観測結果などと矛盾するものではなかった。自動計測器の観測結果から,富士山頂から水平距離が20km以内の山麓の都市部ではオゾン濃度の日変化は大きく,地域規模の大気汚染の影響を受けていることがわかった。一方,富士山頂から東に約30km離れた丹沢山頂では,夜間に富士山麓の都市部と同レベルまでオゾン濃度が低下することがあり,高度1500m付近でも気象条件によっては,地域規模の大気汚染の影響を受ける場合があることがわかった。このためほぼ同じ高度である富士山の中腹で観測されたオゾン濃度の大きな変化は,地域規模の大気汚染の影響によるものと推定された。