著者
川村 恒夫 西村 功
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.85-92, 1988 (Released:2010-04-30)
参考文献数
9
被引用文献数
6

果菜類, 特にスイカの熟度や内部品質を非破壊式で測定する事を目的として打撃式の試験装置を試作し, スイカの振動特性と音響特性を測定した。ここで, 打撃による試料の振動を拘束しないよう, 単振子式の支持方法を用いて実験を行った。第1報では, 打撃式試験装置によりスイカの側面及び底面を打撃した時の振動波形及び打撃音波形の結果と, それから得られる振動・音響特性及び供試スイカの基礎物性値について報告する。第2報では, 食味検査の結果と物性値との関係, 第3報では, スイカの諸物性値と振動及び音響データの解析結果に基づく熟度又は内部品質の判定方法について報告する。
著者
石川 勝美 岡田 芳一 中村 博
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.51-56, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12

生態系農業の構築等の視点から, 造岩鉱物の特性を生かした微小エネルギ利用の新しい技術開発は重要である。そこで石英斑岩に属する麦飯石による水, 土壌の活性化を期し, 麦飯石の農業面への効果的導入を図ることを目的として, その理化学的特性について検討した。
著者
高木 浩一 齋藤 達也 日下 智博 坂本 裕一 高橋 久祐 成松 眞樹 長根 健一 山口 諒
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.483-489, 2012-11-01 (Released:2014-02-20)
参考文献数
11

食用きのこの増収を目的に,電気刺激用パルス電源の開発と,それを用いて増収効果を検証した。木材腐朽菌のシイタケ,ナメコ,クリタケ,ハタケシメジの4種類を実験に用いた。パルス電源は,軽量コンパクト化が可能な誘導性エネルギー蓄積方式で構成した。電源出力は100kV以上,パルス幅は約100nsである。この電源でホダ木や菌床に高電圧を印加し,収量を調べた。電圧印加により,収量は1.3∼2.0倍に増加した。シイタケの4シーズンの累積収量は,電圧50または100kVの1回印加で,160から320gへ増加した。しかし電圧130kVでは240gに減少した。他のきのこも,50∼100kVで増収となった。
著者
村田 敏 小出 章二
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.41-49, 1994 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

従来の弾性率の測定では, 接触面である両端の影響を無視するか, 摩擦力を減じて, 引張・圧縮試験結果を両端自由の境界条件で解析する方法が行われてきた。しかし, 大部分の農産物では試料が小さくて両端の影響を無視することが出来ず, また, 接触面の摩擦力が大きくて, 両端自由の境界条件で解析するには無理があった。この研究では, 逆に試料の両端を接着固定し, 数学的には複雑であるが, 両端固定円柱に関する Filon (1902) の式を導入して, 圧縮試験によって正確に材料定数 (ラメ定数) を測定する方法を開発し, 6種類の農産物・食品についてポアソン比とヤング率を求めたのでその結果について報告する。また, これらの測定値については, 従来求められていなかった温度依存性 (5~25℃) を明らかにした。
著者
藤川 咲子 川村 周三
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.37-44, 2013-01-01 (Released:2014-12-03)
参考文献数
21
被引用文献数
4

市販流通している牛乳66銘柄,延べ84点の理化学特性の測定と官能評価を東京と札幌の2地域で行い,牛乳の成分や調整加工処理が牛乳の食味に与える影響を検討した。乳脂肪は色調L*/値と有意な相関(r=0.90,p<0.001)が認められ,乳脂肪が低い牛乳は暗い色と評価される傾向が示された。官能評価の結果,牛乳の総合的なおいしさに関して,乳脂肪の低い牛乳を色調と香りが悪くてコクがなくおいしくないと判断することが示唆された。また,パネルは間接加熱によるUHT殺菌牛乳をおいしいと評価することが認められた。
著者
田川 彰男 村松 良樹 北村 豊 村田 敏
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.21-27, 1997-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
2

大豆の吸水特性を5段階の浸漬温度 (10, 20, 30, 40, 50℃) に関して測定した。その結果, 大豆の吸水では, 恒率吸水期間と減率吸水期間が存在し, 限界含水率は85% (d. b.) 近傍にあることが分かった。片対数グラフに減率期間における相対含水率と時間の関係をプロットしたところ, 各温度で直線関係を示した。減率吸水期間の測定データを拡散方程式の近似解に非線形最小二乗法を適用し当てはめたところ, 測定値と計算値は良く一致し, パラメータB1の値はほぼ1となった。吸水速度定数Kと浸漬温度との関係は, Arrhenius 型の式に良く従った。さらに, 吸水時の大豆の体積変化は, 所定の含水率における密度の測定結果を利用することにより把握することができた。
著者
清水 浩 木村 俊範
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.633-638, 1984 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1

もみがらの揮発分と固形炭分とが複合して直接燃焼する場合について, 風塔速度を変化して燃焼温度を経時測定し, 燃焼最高温度等の特性値を把握した。揮発分の燃焼に必要な酸素濃度条件を試料層内で保持できるように, 実験は薄層の状態で行った。測定結果を, 固定炭分のみが燃焼する場合についての既往研究結果と対比し, かつ, DSCによる分折結果とも対比して究明した。
著者
村田 敏 スロウラ フセイン 今田 大介 アマラトウンガ K. S. P.
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.53-57, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6

本報では, 製粉時に発生する熱による粉体の品質低下の防止に有効な減圧製粉について研究を行った。測定では, 圧力を (170~1025hPa), 水分を (13.4~20.2%w. b.) と変化させることにより, 各々の条件における製粉機の消費電力, 小麦粉末の水分変化を求めた。その結果, 常圧時 (この場合1025hPa) の製粉に比べ, 減圧時の製粉では, 製粉後の粉末の温度上昇が少ないことが明かとなった。また, 消費電力は減少し, 製粉後の水分の減少量は大きくなった。なお, 製粉機への小麦の供給速度は, 小麦の水分に依存することが示された。