著者
苧阪 直行 池田 尊司 Naoyuki Osaka Takashi Ikeda 京都大学大学院文学研究科 京都大学大学院文学研究科 Department of Psychology Graduate School of Letters Kyoto University Department of Psychology Graduate School of Letters Kyoto University
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 = Journal of the Color Science Association of Japan (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.197-203, 2006-12-01
参考文献数
27

視覚的に呈示された色情報の短期的保持が言語(言語的ワーキングメモリ)に依存するのか、あるいは視覚(視覚的ワーキングメモリ)に依存するのかは、当該色が色カテゴリーの境界をクロス(跨ぐ)するかしないかで異なるというモデルを提案した。機能的磁気共鳴脳画像法(fMRI)を用いて、代表的なワーキングメモリ課題であるNバック課題を導入してモデルを検証した。色の記憶における言語と視覚のワーキングメモリの寄与について検討した結果、基本色名で定義される色カテゴリーをクロスする条件では、左半球の下前頭回や下頭頂小葉が強く活動することがわかった。左の言語半球のこれらの領域の活性化は色の名前を音韻ループで保持する言語性ワーキングメモリが働いていることを示している。一方、同じ色カテゴリー内に留まる色差の小さい色の場合は、右半球の下前頭回が強く活動すること、つまり視覚的ワーキングメモリは視空間的スケッチパッドで保持されていることが示された。記憶すべき色刺激が左の音韻ループ(言語性ワーキングメモリ)で保持されるのか、右の視空間スケッチパッド(視覚性ワーキングメモリ)で保持されるのか、その認知負荷のバランスは色カテゴリーの境界を手がかりとした認知的方略によることが明らかになった。脳は色差に応じて色をことばであるいは知覚イメージで短期保持するのである。We proposed a model that colors could be memorized either in verbal or visual working memory depending on the color category borders. Using functional magnetic resonance imaging (fMRI), the model was tested by introducing a 2-back working memory task. We investigated the involvement of verbal and visual working memory in color memory. Colors between (cross) the categories defined by basic color names strongly activated the left inferior frontal gyms (IFG) and left inferior parietal lobule (IPL) corresponding to the phonological loop as verbal working memory, while colors within the category boarder strongly activated the right IFG corresponding to the visuospatial sketchpad as visual working memory. The choice of colors to memorize might modulated the cognitive load balance between the phonological loop and the visuospatial sketchpad.
著者
須長 正治 城戸 今日子 桂 重仁
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.209, 2018-09-01 (Released:2018-09-24)
参考文献数
16
被引用文献数
3

色覚異常の混同色でない色で配色し,その後,色覚異常が混同する色の間で色を変更するというカラーユニバーサルデザインとなる新しい配色手法が提案されている.しかし,この方法には,いくつかの問題点があるため,実用化されるまでには至っていない.そこで,本研究では,このカラーユニバーサルデザイン配色手法における問題点を明確し,その解決方法を提案した.さらに,市販の配色カードを用い,色見本セットを試作し,実用化に至るひとつの道筋を示した.
著者
北嶋 秀子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.227-238, 2015

暈繝彩色は,仏像や仏具など仏教関係のものに施され,主に「紺(青)・丹(赤)・緑・紫」のグラデーションを用いて,鮮やかな多彩感や立体感を表す装飾的な彩色技法である.暈繝彩色は,インドから中国に伝わり,中国で完成したと考えられる.以前にも拙稿で暈繝彩色について検証したことがあるが,本稿では敦煌莫高窟における進化の過程とともに,暈繝彩色の定義についても再検証した.敦煌莫高窟の壁画を時代ごとに『中国石窟・教煌莫高窟』で確認しながら,先学の研究を基に暈繝彩色について再検証した結果,教煌莫高窟において6世紀前半には筆禍らしき彩色法が見られ,7世紀には暈繝彩色が完成していたと考えられる.薄暗い石窟内は少ない光量ゆえに,物体が平面化し通常と異なる視感竟に陥ることが想像される.その平面化の問題を解決する方法として,暈繝彩色を構成するグラデーションの段数を,増やすことが考えられた.それによって「色彩による立体感」を獲得し,暈繝彩色が爛熟期に達したと考えられるのである.さらに,暈繝彩色のグラデーションは,彩度を強く意識したトーンのグラデーションであることも明らかになった.薄暗い環境下で立体感を表出するために工夫された彩色法が,それまでの暈繝彩色を完成された暈繝彩色へ高めたと考えられる.
著者
松田 博子 名取 和幸 破田野 智美
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.69, 2019-03-01 (Released:2019-06-23)
参考文献数
26

好きな色がパーソナリティと関係すると思っている人は少なくないが,パーソナリティが色の好みに影響を及ぼす理由についてはほとんど解明されていない.本研究は調査の季節,場所,対象者の年齢,職業を限定し,11年間継続して,延べ2026名(男性931名,女性1095名)の大学生の調査を行った.75色のカラーチャートから,「好きな色」,「着たい色」,「よく着る色」を選択するよう求め,後日YG性格検査を実施し,約半数の色にパーソナリティとの関係が示された.さらに,選択した「好きな色」,「着たい色」,「よく着る色」の色イメージ得点と,選択者のYG検査のパーソナリティ特性の12尺度得点との相関を求めた.男女とも相関が見られ,自らのパーソナリティによく似たイメージの色を好み,着たいと思い,よく着るという知見が得られた.また情緒安定性,協調性,思考的外向に男女の違いが見いだせた.
著者
五十嵐 崇訓
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.65, 2018-03-01 (Released:2018-06-09)
参考文献数
87
被引用文献数
1

肌は,人間にとって最も“目にする”身近な認識対象の一つである.そのため,肌の外観(アピアランス)は,学術・産業分野における重要な研究の対象として研究が進められている.この際,肌のアピアランスの特徴を決定する重要な因子の一つである“色”は,不可欠な評価対象である.そのため,肌の色彩を理解する上で有用となる様々な観点からの研究が展開されている.本報では,このような多岐にわたる研究分野の中から,肌色とその周辺に関する基礎知見として三つの観点から先行研究をレビューする.まず,肌色に関する一般的な評価知見として,(1)データベースに基づいた肌色特徴に関する最近の研究を振り返る.次に,しばしば肌色の理解において必要となる生理学的観点からの評価知見として,(2)分光データや画像データなどから肌の主要色素(メラニンとヘモグロビン)を定量化・指標化するための解析法の事例をレビューする.最後に,これらの評価では捉えづらいと考えられる肌特有の評価知見として,(3)肌・顔に特徴的な知覚を扱った最近の研究事例の一端を振り返る.
著者
高橋 直己 坂本 隆 加藤 俊一
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.170, 2018-07-01 (Released:2018-07-17)
参考文献数
27

本研究の目的は,複雑な色彩特徴を持つ画像から代表色を抽出する人の知覚過程を参考にして,データ分析に基づく代表色抽出手法を提案することである.人は画像を見たとき,画素の一つ一つを知覚するのではなく,画像全体を俯瞰して少数の代表色を知覚し,それに基づいて色彩特徴を認識する.また,画像を見て瞬時に直感的に,色彩イメージを想起したり,色彩特徴によるグループ分けをしたりする.こうした人の知覚・認知機能をコンピュータで代替する技術は未だ確立されていない.本研究では,画像に応じて代表色の色数が適応的に決まらない既往研究の問題点に着目し,画像領域分割と階層クラスタリングをあわせた方法でこの問題を解決した.また人間が抽出した代表色と提案手法が推定した代表色の距離を評価基準とし,代表色抽出法の比較評価を行った結果,従来手法より提案手法の方が統計的に人間の抽出結果に近い推定をすることが示された.
著者
江良 智美
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3+, pp.94, 2019-05-01 (Released:2019-07-06)
参考文献数
7

中高年男性を対象としたファッションは女性向けファッションと比較すると必ずしもバリエーションが豊富とはいえない.その原因には「男らしさ」に対する固定概念や働き方,ワーク・ライフ・バランスが大きく関係しており,心理学,男性学の観点から考察しても中高年男性とファッションの関係性の解明は喫緊の課題である.本研究は中高年男性を対象とした総合的なファッション研究の試論第一段階として,ファッションに関する色彩について対象者が日常的に感じる主観的な意見についての質的調査を試験的に行なった.結果,今後規模を拡大した調査研究を行うにあたっての諸問題を抽出できた.
著者
槙 究 増田 倫子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.232-243, 2000-12-01
参考文献数
8
被引用文献数
4

実物の色と記憶色では色が異なるとの研究報告がある。本研究では、その違いが記憶保持期間における色の変容によるものかどうかを明らかにするために、物体の色を記憶後、3回に渡って再生させる実験を行った。その結果、以下のようなことがわかった。(1)物体の色の記憶は、ある程度の正確さを持っている。しかし、色相は記憶色の影響を受けてずれることがあるし、彩度の中彩度側にずれて記憶される傾向がある。(2)低彩度の色は、色相の記憶における個人差が大きい。(3)一旦記憶された色は、一週間後まで、安定して再生される。(4)色記憶時の背景の違いは、記憶される色の違いとなって現れる。記憶保持過程には影響を及ぼさない。(5)実物の色と記憶色が異なるのは、色の記憶が時間と共に変化するためではなく、記憶のプロセスに起因する。
著者
山田 雅子
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, 2019

<p> 日本人女子学生による肌の色の言語的表現を探った調査では,男性の方が女性よりも色黒,女性の方が男性よりも色白と表現される傾向が捉えられている(山田, 2017).だが,色みについては不明瞭なままであった.</p><p> 調査方法に若干の変更を加え,97名の日本人女子学生を対象として新規に調査した結果,男性の方が女性(回答者自身を含む)よりも色黒で黄み寄り,女性(同)の方が男性よりも色白で赤み寄りといった意識が持たれていることが判明した.また,当該傾向は現実に対する評価よりも理想において顕著となることが捉えられた.</p><p> 更に,肌の色の明るさに関する言語表現の選択パタンには両調査で共通する部分が多分に見られ,日本人女子学生というほぼ同質の対象者ならば一定の反応パタンが安定的に存在することが推察された.同時に,こうした肌の色に対する選択パタンによって,人物の美的評価における肌の要素(色白肌,肌のきめ細かさ)の重視特性が異なる傾向も確認された.</p>
著者
佐々木 三公子 川端 康弘
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.27, 2018-01-01 (Released:2018-02-07)
参考文献数
15

本研究では,カテゴリ境界色を色典型性の高い物体または低い物体の画像に着色し,典型色の知識が色記憶の変化方向に与える影響を検証した.実験1の結果,同じ境界色を着色した場合でも,物体によって色相の変化方向が異なり,色典型性の高い物体条件では呈示されたそれぞれの物体の典型色方向に近づくことが分かった.また,実験2では実験1の結果が色カテゴリよりも典型色の影響を強く受けたことを示すために,実験1で用いた呈示色をカラーチップ画像にして色カテゴリ分類課題を行った.実験2で分類したカテゴリが,実験1で呈示した物体の典型色と異なった場合,記憶の変化方向がカテゴリのフォーカル色と典型色のどちらに近づいたか集計した結果,物体の典型色方向に変化した割合が有意に多かった.一方,色典型性の低い物体の場合にはフォーカル色方向に近づく割合が多かった.このことから,色典型性が高い場合,物体色の記憶は物体の典型色の影響を受けて典型色方向に変化することが示唆された.
著者
長田 典子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.348-353, 2010
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
吉澤 陽介 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.218-229, 2009-09-01
被引用文献数
4

「青」「青磁色」「ブルー」「セルリアンブルー」といった同一の基本色を含む慣用色名がどの程度弁別されているか、そして基本色とどの程度グループ化されているかを調査した。以下が一連の結果となる。1.慣用色全体の弁別率は53.9%であった。ASTM基準を考慮すると59.5%に上昇した。2.基本色とのグループ率は44.8%であり、各基本色グループのグループ率と弁別率のとの間には極めて強い負の相関が見られた。3.基本色との弁別において有意な差がない慣用色名は、基本色を手がかりとして色選択が行われている。4.慣用色傾向率と認識度との間に正の相関が見られた。また弁別率との間にも同様に正の相関が見られた。5.弁別率、慣用色傾向率、認識度、錯誤度の4指標による主成分分析の結果、慣用色名の「有効度」および「誤認度」が抽出され、79.8%の説明力を持つ。これを踏まえて、有効な慣用色名を明らかにすることができた。
著者
渡辺 明日香 城 一夫 児玉 好信
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.74-84, 2007-06-01
参考文献数
6

前報では、女性服装色における周期性、同調色・相反色の存在について明らかにすることができた。そこで、本報では原宿・渋谷・銀座の3地域の出現色の差異に着目しさらなる考察を試みたところ、以下のことが分かった。第一に、服装色の出現頻度は地域によって異なる。原宿ではブラック、ブルー、レッドの嗜好が高く、渋谷ではブラック、ホワイト、ブルー、ピンク、レッドの割合が高い。銀座はブラック、ホワイト、グレイ、ブラウン、カラードグレイ(アイボリー)が高く、無彩色の割合が服装色の50%以上を占めていることが特徴である。第二に、地域間の相関係数を求めた結果、原宿・渋谷は相関のある色が多く類似の傾向を示したが、銀座は相関のないものが多い。第三に、経年推移によって、類似する地域は変化することが分かった。1994年〜1998年では原宿・渋谷が類似の傾向を示すものが多く、銀座は独自な出現傾向であった。しかし1 999年以後、渋谷・銀座が類似の推移を示すものがみられ、さらに2002年以降は各地域の服装色に独立した傾向が生じている。
著者
三浦 久美子 齋藤 美穂 Kumiko Miura Miho Saito 早稲田大学大学院人間科学研究科 早稲田大学人間科学学術院 Graduate School of Human Sciences Waseda University Faculty of Human Sciences Waseda University
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 = Journal of the Color Science Association of Japan (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.256-267, 2007-12-01
参考文献数
15
被引用文献数
5

本研究は、香りの持つ印象及び気分の作用を整理し、香りに対する調和色の法則性の検討を目的とした。実験は、100名(男性42名/女性58名)の対象者に、8種の香り(シナモン、ペパーミント、バニラ、ローズマリー、レモン、アニス、ペッパー、ローズ)の印象評定(SD法)及び気分評定を課すと同時に、18色(3トーン、5色相の有彩色及び3色の無彩色)により構成されたカラーチャートから、調和色及び不調和色をそれぞれ3色まで選択させるという手続きによって行われた。因子分析の結果、香りの印象評定主軸として<MILD>、<CLEAR>、 <DEEP>、気分評定主軸としてはくPLEASANT>、<GLOOMY>、<SERIOUS>の3因子が、各々抽出された。香りに対する調和色は、特に香りの印象との関わりにおいてその法則性を見出すことができた。すなわち、香りが<MILD>な場合は赤や紫、 <CLEAR>な場合は青や緑の色相が調和するとされ、さらに<DEEP>因子が高得点の場合は低明度色、<DEEP>因子が低得点の場合は高明度が調和すると判断される傾向にあることが示唆された。Based on the impression of a fragrance and its effects on the mood of individuals, we studied how individuals associate fragrance with color. One hundred subjects (42 male and 58 female) were randomly assigned eight fragrances (cinnamon, peppermint, vanilla, rosemary, lemon, anise, pepper, and rose) , and were requested to describe the impression (SD method) of fragrances and their effect on the mood. In addition, the subjects were asked to select, two sets of three colors each from color charts consisting of 18 colors (3 tones each from 5 hues and 3 achromatic colors) , such that one set matched a fragrance, and the other did not.The following three factors were obtained by factor analysis for the impression of each fragrance : <MILD>,<CLEAR>, and <DEEP>. The factors for the effect on mood were : <PLEASANT>,<GLOOMY>, and <SERIOUS>. Based on the results, we found the following associations between fragrance and color : red and purple for <MILD> fragrances (high factor score) , blue and green for <CLEAR> fragrances (high score). Moreover, for <DEEP> fragrances, bright color showed a low score, while dark color showed a high score.
著者
若田 忠之 齋藤 美穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.147-158, 2015-07-01

本研究ではPCCSトーンおよび音楽の調性の変化に伴う高音の変化に着目し,それらの調和関係と印象次元における関係を検討することを目的とした.実験1では音楽刺激として2つの曲を8つの調性に変化させた刺激および色刺激としてPCCSトーンを用いた.被験者は刺激の印象評価を行い,音楽刺激に対する調和色の選択を行った.その結果,音楽の高さと色の明度の間に関連が見られた.そこで,実験2では音楽刺激の音域を拡げた上で再度検討を行った.その結果,色と音楽に共通する印象次元として,力量性因子,活動性因子が見られた.力量性は明度および音の高さと,活動性は彩度と対応することが示された.活動性因子と対応する音楽の属性は本研究からは明らかにすることはできなかった.音楽の印象は主に高音の変化に伴っており,これらは与えられた刺激の中で相対的に評価されていることが示唆された.本研究からは,"cross-modal研究においてPCCSトーンは感覚間のイメージをつなぐ表象として用いることができる可能性が示唆された.