著者
小栗 和雄 加藤 義弘 黒川 淳一 井上 広国 渡辺 郁雄 松岡 敏男
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.155-164, 2006-02-01
参考文献数
39
被引用文献数
6 4

Masked obesity is the presence of obesity based on percent body fat (%BF) when the body mass index (BMI) shows an absence of obesity. To examine the relationship between masked obesity and arteriosclerosis risk factors, we compared both serum lipid levels and the prevalence of hyperlipidemia in male and female high school freshmen with and without masked obesity. Subjects consisted of 403 male and 326 female high school students aged 15〜16 years. Of these, 34 (8.4%) males and 36 (11.0%) females had masked obesity, defined as 17≦BMI<23.60 and %BF ≧25% in males, and 17≦BMI<24.17 and %BF≧30% in females, while the remaining 300 males and 246 females were not obese, having 17≦BMI<23.60 and %BF<25% and 17≦BMI<24.17 and %BF<30%, respectively. For both sexes, serum total-cholesterol (TC), low-density lipoprotein cholesterol (LDLC), triglycerides and the arteriosclerotic index (AI) were significantly higher (p<0.05〜0.01) in those with masked obesity. And many of the subjects with masked obesity had abnormal levels of TC, LDLC and AI, compared with those who were not obese (p<0.05〜0.01). Additionally, we compared both serum lipid levels and the prevalence of hyperlipidemia between subjects with masked obesity and control groups with the same BMI values. As a result, subjects with masked obesity had high serum lipid levels and a prevalence of hyperlipidemia. These results support the existence of masked obesity and suggest that masked obesity is associated with increased serum lipid levels, and thus could be a risk factor for arteriosclerosis in male and female high school freshmen.
著者
島村 忠勝
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, 2004-02-01
著者
小野 三嗣 高橋 泰光 尾谷 良行 高橋 基泰
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.104-112, 1965-09-01
被引用文献数
2 1

東京都区立東山中学校の男子1年生106名, 男子2年生224名の体力測定を行い, 各測定項目相互の関係を追究の結果, 太要次のような結論を得た。<BR>1.反復横跳, 懸垂屈腕, ステツプテスト点の3者には学年差がみとめられなかつたが, 他の測定項目は2年生の方が優れていた。<BR>2.中学2年生において体重50.0~55.0kg群が短距離疾走能力最大であり, 体重の増減に従つて低下する。1500m以上の短離では体重最低の35.0kg末満群が最も速く, 体重増加に従つて速度が低下する。<BR>3.1500m以上の疾走速度はステプテスト点, 肺活量に対する相関度よりも100m疾走能力との間の相関度の方が高い。<BR>4.走幅跳と脚力の相関関係には学年差がないが, 走幅跳と25m走所要時間との間の逆相関度は2年生の方が高い。<BR>5.背筋力及び懸垂跳は1年生では体重の増加に従つて大きくなり, 体重最大の45.0kg以上群が最大であるが, 2年生では50.0~55.0kg群が最大であり, それよりも体重が減少するに従つて低下すると同時に, それ以上の体重でも低下している。<BR>6.懸垂屈腕能力では中学2年の場合体重45.0~50.0kg群が最もすぐれ, この群を中心として体重増減いずれの場合でも低下度が強くなる。1年生でも類似の傾向がみとめられるが2年生ほど著名でない。<BR>7.中学2年生では, 比体重値32.5~35.0の間の群が懸垂屈腕力が最もすぐれているが, この群において身長をcm単位で表した無名数との差は107.132±0.461であつた。
著者
桂 良寛 吉川 貴仁 上田 真也 臼井 達矢 外林 大輔 坂本 弘 高戸 浩志 砂山 友美 中雄 勇人 藤本 繁夫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.505-512, 2010-10-01
参考文献数
43

The purpose of this study was to examine the effects of aquatic exercise training on the trunk muscles function and activities of daily living in abdominal obese women. Nineteen abdominal obese (abdominal circumference: 90 cm or more) and fifteen age-matched non-obese women were recruited as participants in this study. The aquatic exercise training (60 min/day, three days/week for 8 weeks) based on abdominal twists for activating the trunk muscle function. Physical parameters, biochemical characteristics, arteriosclerotic parameters and activities of daily living scores were assessed before and after the training period. In both groups showed abdominal circumference, percent of body fat, blood pressure and lower extremity muscle strength increased significantly after aquatic exercising training. In particular, endurance capacity of abdominal and back muscles increased significantly and activities of daily living scores were significantly improved in the obese group. Moreover, the improvement in the strength of lower extremities and improvement in the activities of daily living scores, such as climbing and descending stairs, in the obese group tended to be higher than non-obese women. Additionally, in abdominal obese group, the amount of the reduction of abdominal circumference was significantly associated with that of the increase in the strength of lower extremities. Taken together, these findings suggest the possibilities that the present aquatic exercise training based on trunk muscle exercise improving the function of trunk and lower extremity muscles with reduction in the abdominal obesity, contributing to improve activities of daily living in abdominal obese women.
著者
角田 聡 増原 光彦
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.76-82, 1986-04-01
被引用文献数
1

安静時の経口糖負荷試験において, 正常とみなされた日常定期的な運動を実施していない健康な男子学生4名を被検者とした.各被検者に運動負荷時間が異なる3種類の中等度運動を実施し, 運動後に糖を経口負荷した際の糖代謝について検討した.結果は以下に示すごとくである.<BR>1) 糖負荷後の血糖は運動負荷時間が60分間の場合において糖負荷後60, 90, 120, 180分にOGTTよりも高値を示し, 安静値水準への回復に遅延傾向が認められた.<BR>2) 糖負荷後の血清インスリンは20分間, 40分間運動がOGTTに比べ低値を示し, 60分間運動は糖負荷後30分値を除きOGTTと同様な値であった.また, 血清C-ペプチドも各運動とも血清インスリンを反映する変動であった.<BR>3) 安静値に対する血清FFAの増加量は, 各運動とも運動開始に伴い増加し, 運動後20分の糖負荷前においても増加傾向を示した.<BR>4) 血漿cAMPは運動終了直後で60分間運動が最も高値を示し, その後各運動とも糖負荷前まで低下傾向を認めたが, 安静値水準には至らなかった.糖負荷前値においても60分間運動が若干高値を示した.<BR>これらのことから, 中等度運動後に糖を経口負荷した時の糖代謝は, 運動負荷時間が20分間, 40分間の場合にはOGTTとほとんど差が認められなかったが, 60分間の場合には血糖の安静値への回復に遅延傾向が認められた.このような運動後に糖を負荷した場合, 運動による血清FFAの増加が糖の取り込みを抑制することが示唆される.本研究は文部省科学研究費, 奨励研究 (A) No.58780128により行われた.
著者
額田 年 椿 恒城
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.119-122, 1964-09-01

(1) 体型的にみた場合海女の中でも大磯人は他の海女群及び非海女よりも比胸囲・比体重がすぐれている。潜水のための上体の発達から筋肉労働者としての体力作業に耐えうる体型であり他の職業婦人とは有意の差をみた。<BR>(2) 体力, 握力は左右が稍平行している。肺活量は他の海女群に比較して大きく, 止息時間と肺活量の相関は低いが潜水作業者として息こらえが長く出来るためには肺活量が大きい方がよく, 血圧は作業直後 (1~2分) にはさしたる変化はしないが30分後には95%が低下した。又, 年令が進むと共に血圧低下の度が大きい。体力的にすぐれた海女は漁獲高も多い。<BR>(3) 障害: 潜水による水圧との関係から30才以上に57.1%の耳鼻咽喉科的疾患がみられ, 聴力は年令と共に難聴者を増し8, 000cycleの高い音がきこえにくくなる。これ海女の職業病と云つてよい。<BR>(4) 疲労: 客難的主観的な検査からは作業後に疲労の徴こうがあらわれているが翌日には解消している所から正常疲労とみた。好酸球数は5.79%の減少率を示したが自覚疲労がなくとも海女の疲労はないとは云えない。毎日の作業であるから「なれ」が出来作業に苦痛は感じないが潜水そのものには疲労をともなつていると思われる。疲労部位は伊豆・志摩海女の作業形式には特色があるため前者は下肢に後者は上肢にその疲労感をみとめた。<BR>以上の事から海女作業は海女自体から云つた場合には苦痛にたえる様な職業とは云えないが海女作業の健康障害については充分に考慮してその改善をはかるべきである。
著者
内野 欽司 佐藤 誠治 小倉 貢 岩下 玲 饒村 清司 中村 靖
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.53-59, 1974-06-01
被引用文献数
2 2

1) 運動選手の瞬発握力発揮時の張力を名取の方法により分析し,非鍛錬者のそれと比較し,年令別運動種目別に検討し,さらに測定方法に検討を加えた. 2) 被倹者は17才から26才までの運動選手71名,および対照群として運動選手ではない17才から26才までの健康な男子54名が無作為に選ばれた.運動選手のうち高校生は,相撲,柔道,剣道,野球部員であり,大学生は,ハンドボール,ラグビー,体操部員であった. 3)運動選手の加令にともなうPmax.の変化は,ほぼ20才になるとplateauに達するのを認めた.対照群では20才以降も漸増の経過を示した.4)運動選手のtanψ,tanθはいづれも,対照群より大きく,瞬発筋力発揮時の実行が大であることを認めた. 5)瞬発筋力時の実効を必要とする運動種目は,剣道.柔道で,瞬発筋力の実効を必要としない種目は,体操であろう.またハンドボールは,Pmax.が大きいことは必要であるが,瞬発筋力の実効は,剣道,柔道ほど必要でない種目であるように推定された.6)非鍛錬者および高校生の運動選手郡では,Pmax.の大きいとき,tanψ,tanθも大きい傾向を示したが,大学生,一般成人の運動部員では,このような傾向はみられず,運動種目によりPmax.の増加のしかた,tanψの増加のしかたが異なるように推定された.