著者
矢島 尚子 坂東 博司 黄瀬 浩一 日下 浩次
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.199-200, 1992-09-28

文書溝造解析とは,文書画像を領戟分割し,得られた部分領域に,題目,著者名などの論理オブジェクト名をラベル付けする処理である.現在,我身のシステムでは,様存な文書に対する適用性を保持するため対象文書に依存した部分を知識ベースに分離,蓄積する形式をとっている.ところが,現システムでは,知識ベースの生成を人手に頼っているため,かなりの労力がかってしまう,そこで,知識ベースの自動構築が必要となってくる.本報告では,与えられた文書例から知識ベースを自動構築する方法について述べる1k1本手法の特徴は知識ベースをインクリメンタルに更新する点にある.
著者
北添 徹朗
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.109-110, 1994-03-07

教師がいなくても自立的に学習する行為は動物界ではよく見うけられる. 人間は生まれた時は歩けないが, 筋肉が発達し神経組織が整備されてくるにつれて自立的に学習しながら, おそらく誰からも教えられなくても歩けるようになる. 雀の雛は屋根裏の巣から地面に落ちる間に, 飛び方を学習してしまう. (多分すでに予備的な訓練をしているのであろうが). また, 興味深いことは,ーつの動物の歩き方にもいくつかのモードがあることである. 馬など四本足の動物では, 並足, 速走, 駆足等, それぞれ足の運び方が違うモードがある. それぞれの動物には, ハード的な制約のもとで, 運動を制御するソフト的な機構が備わっており, 一つ一つの運動を評価しながら最適な効率を得られる運動モードを選んでいるのであろう. これまで自立的学習については, 中野馨氏による先駆的研究があるが, ここでは二足歩行を例にあげながら次の点に主眼をおいて研究を行なう. (1)安定性の問題. 歩行は一見簡単な行為の繰り返しのように見えるが, 実は自立学習の観点から見ればかなり難しい問題を含む. 自立学習の場合は, スタートの歩幅, 各足のスピードについて自由に選びながら学習するわけであるが, そのためには一つの歩幅や足のスピードの組について周期的に安定した歩行が保証されている必要がある. (2)(1)が保証された場合において, 歩幅や歩行スピードを変えながら, 最も効率のよい歩き方を自立学習する方法. (3)一つの歩行モードにおいて最適な解が見つかった場合, 他のモードにいかに移ることができるか. 一つの最適運動モードは評価関数のローカルミニマムになっているであろう. したがって, 一つのローカルミニマムから, 他のローカルミニマムにいかにして自立的に移行するかという問題である. 以下においては最も単純な二足からなるロボットをコンピュータ上でシミュレーションしながら以上の諸点について論する.
著者
湯浦 克彦 高田 綾子 青島 利久 安村 通晃 黒須 正明 武市 宣之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.475-476, 1986-10-01

自然言語解析、設計自動化、知識処理システム等の基本言語としてLispが注目されている。我々は、Lispの共通言語となりつつあるCommon Lispに準拠したHiLISP(High Performance List Processor)のインタプリタ/コンパイラの基本方式を設計し、HITAC Mシリーズ計算機上に処理系を作成した。HiLISPの設計方針としては、compiled-functionの実行速度を向上させることとインタプリタでの性能も軽視せずに高速性を維持することを取り上げた。Lisp言語では、まず、関数制御の最適化がcompiled-function/インタプリタの高速化の要となる。さらに、Common lispでは、多値の導入、インタプリタでの変数管理規則(スコープとエクステント)の厳密化のほかキーワード・パラメータの追加、引数の型の汎用化など機能が拡張されているので、これらの拡張に伴う性能の劣化を防ぐことが大きな課題となった。本稿では、多値の扱いを含む関数制御およびインタプリタでの変数管理について、HiLISPで適用した特徴的な技法と処理系の性能評価結果を報告する。
著者
島谷 安俊 鈴木 美紀 五十嵐 春雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.239-240, 1993-03-01

最近、ワープロ技術の発達により高度な文書処理がコンピュータ上で簡単に行なえるようになってきた。企業内のドキュメントもほとんどワープロを使用したものになってきている。このような状況が進むにつれ、普段ワープロを使用しない人もワープロを使用してドキュメントを作成することになる。この場合、タイプミスやカナ漢字変換ミスといったことが起こりやすく、推敲機能をもったワープロの研究開発が行なわれている。しかし、このような推敲機能はシステムに組み込まれている場合が多い。そこで、我々はまずUNIX^1上で、推敲文書としてテキストファイルを対象とした推敲機能を行なう推敲サーバを構築し、そのクライアントとして豊富な編集機能を持つEmacsを使用したシステムを試作した。
著者
浜田 直子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, 1988-09-12

YPS(YAC II Programing System)は,構造化表記法YAC II(Yet Another Control chart II)をベースとしたプログラミングシステムであり,パソコン上でYAC IIチャートによる詳細設計からコーディングデバッグまでの一連の開発作業を統合的にサポートし,効率化,品質向上を目的とするものである.YPSで作成した,詳細設計の例を図1に示す.
著者
浦野 直樹 菅原 拓
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.199-200, 1993-09-27

我々は以前、三次元の自由形状を入力するシステムとしてフリーフォームデザインシステムを提案した。このシステムは物体の特徴線を液晶タブレットに描くことによって三次元の自由形状を入力するシステムである。形状の特徴を入力するということは、物体を創造していく上でもっともわかりやすく、且つ簡単であると考えたからである。このシステムではこの特徴線のデータから曲線網を生成し、曲線データを補間して多辺形バッチ曲面を生成している。本稿ではこのシステムをデザイナが実際に使用した結果として、特徴線による入力手法について明らかになったいくつかの項目について考察する。
著者
高橋 一裕 野村 直之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.7-8, 1991-02-25

機能語を正しく解釈することは、日本語の解析にとって不可欠な技術である。そのため、機能語の分類や曖昧性解消の方法は、情報処理の方面からも言語学の方面からも[野村89][鈴木89][奥津86][森田88]様々な研究がなされてきた。しかし従来の研究には、「40ページまでだけからでさえも」といった長い助詞列の曖昧性解消・機能解釈に関して明確なメカニズムの提案がなかった。本稿は、機能語列の曖昧性解消という課題のなかから、形態素解析における助詞列の文法的機能の曖昧性解消について論ずる。助詞列の順序構造に注目し、構造に適合しない並びを排除することによって助詞列の局所的曖昧性解消を行う、という方法について説明する。
著者
山本 公洋
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.163-164, 1996-03-06

知識は実世界の一面しか表現できない.また,普遍でプリミティブな意味素は存在しない.知識表現は断片的で多様である.随時拡大・改善される知識データベースでは知識表現が多様化する.多様化した知識表現を統合する際,実世界と知識表現の対応関係不備から矛盾が生じる.この矛盾を解消し,極小知識表現モデルを自動設計する.実世界と知識表現の対応関係を整理し,新規概念を生成する.
著者
鈴木 英二 島田 静雄 近藤 邦雄 佐藤 尚
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.185-186, 1995-03-15
被引用文献数
3

本研究の目的は句読点、特に読点の最適な配置ルールを提案し、それを計算機上で実現することである。わかち書きをしない日本語文章にとって、句読点の役割は大きい。しかし、句読点の用法、特に読点の用法は著者に一任されているのが現状である。熊野らは、英日機械翻訳システムで自然な日本語を生成するための句読点の挿入基準を提案した。しかし、この方法では英文中の単語数を利用するため、基本となる英文が必要である。本研究では、従来の句読点の用法を改めて調査した。そして、読点と読点で区切られる文字列の長さに注目した読点の挿入規則を提案する。なお研究対象を漢字仮名混じりの科学技術論文に限定した。また、なるべく簡単な形態素解析で処理を進めていくことを目標としている。
著者
黒木陽介 大石哲也 長谷川隆三 藤田博 越村三幸 田代祐一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.695-697, 2011-03-02

Twitterにおいて、ある共通のハッシュタグを付けた発言群を時系列に基づいて解析することでそのハッシュタグを付けている発言群の内容を明らかにする。これによって、ある地域で行われている講演に対してハッシュタグを付けて発言している人がいる場合、そのハッシュタグの内容に関する説明があればその場にいない人でも講演の内容を知ることができる。またハッシュタグを使用する際、どのハッシュタグがどういう趣旨を持って使われているかが分からないと利用しにくいので、ハッシュタグの内容説明があることによってハッシュタグをより使用しやすくなる。
著者
間瀬 久雄 辻 洋 絹川 博之 川村 隆雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.127-128, 1993-03-01

プログラム開発の効率向上の一方法である,かな漢字プログラミングの研究を進めている.これまでに,単語分かち書きのカナ文字列で記述可能なCOBOLプログラミング用簡易言語CORALを開発した.CORALは大型計算機VOSシリーズ上で稼動している.我々は,開発効率をさらに向上させるべく,より可続性に優れた非単語分かち書きかな漢字文による記述を検討し,形態素解析によってかな漢字プログラムを既存のCORALに変換するプリコンパイラのプロトタイプを開発した.これによりデバッグ効率が向上するほか,プログラムを仕様書として利用できる.なお,本プロトタイプにおけるかな漢字プログラムの構文は,従来のCORALの構文をほぼ継承している.本稿では,本プロトタイプの構成および機能について述べ,また,テストプログラムを用いた評価結果について考察する.
著者
森 彰 松本 吉弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.11-12, 1994-09-20

Curienは,カルテシアン閉圏(cartesian closed category,以下,CCCと略す)の定義における普遍写像性を,圏論的結合子と呼ばれる特別な射に関する等式に翻訳し,この等式を書き換え規則とみなすことで,関数型言語の操作的意味が圏論を通じて与えられることを示唆した.特にCCCの圏論的結合子から型,すなわち定義域と値域に関する情報と,終対象に関する結合子を取り除いた代数系(C-モノイドと呼ばれる)を用いれば,型なしのラムダ計算を従来の項書換え系として扱うことができる.横内も独立して,型なしの場合に圏論的結合子の等式を書き換え規則として扱うことを提唱した.しかし圏の射はf:A→Bのように定義域Aと値域Bによって型付けられた存在であり,射の結合は一方の値域と他方の定義域が一致するような射の対に対してのみ部分的に定義される.個々の結合子についても,異なる対象の上で同様に作用し得るという多相的な性質を持っている.たとえ型なしのC-モノイドを扱うとしても,結合子に関する個々の等式がどのような計算的・意味論的性質に連係しているのかが明らかでないので,合流性や停止性といった項書換え系の性質を考察することが困難である.本稿では,まずCCCのための圏論的結合子とその等式を随伴関手から直接導き出し,自由圏を生成する逐次式計算系を定義する.そしてこの体系におけるカット除去を圏論的結合子の操作的意味として用いることを提案する.
著者
田子 正明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.29-30, 1991-02-25

近年、組み込み機器型リアルタイム・システムの高性能・高機能化にともない、32ビットのマイクロプロセッサを用いた汎用リアルタイムOSが搭載されるようになってきた。これによって大規模なりアルタイム・アブリケーションの開発環境が整備されつつあるが、十分なものとは言い難い。当社においても、高性能なオーディオやビデオ機器へのリアルタイムOS搭載の検討を行っている。今回、当社のオーディオ編集機に試作したりアルタイムOSを実装したので、報告する。
著者
吉田 順 等々力 博明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.301-302, 1997-03-12

「東アジアの急速な経済発展はなぜ起きたか」. この問いに対し, 数多くの研究がなされている. とくに, 社会主義圏での市場経済への移行策や経済停滞に見舞われている途上国での構造調整策に関連して, 東アジア地域の経済成長とそれを実現させた政策体系に対する学問的・実践的興味が復活してきているといってよい. 東アジアの経済発展がどうして起こったのか, なぜ東アジアだけで起こったのかという問題に対し, 本研究では, その解答を「各国の政策の相互作用である」とし, モデルを立てることによってその検証を試みることにした. 従来の経済学の範囲内でモデルを立てるというと, 線形連立方程式のようなモデルが想定されるが経済発展は動的な経済市場に対する適応行動によって生み出されたものなので, 静的なモデルでは説明がつかないと考えた. そこで遣伝的アルゴリズムを使って, 環境をマクロな東アジアの経済市場に置き換えると, 各国間の情報多様化 (個体差), 経済環境に適応するための政策相互作用が説明できると考えた.
著者
杉本 重雄 田畑 孝一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.301-302, 1989-03-15

知識ベースシステムとのコミュニケーションをことばや数値を越えて情感の水準に近付けるためには、コミュニケーションに視聴覚情報の積極的な導入を行う必要がある。我々はそのようなシステムの方式として、「視聴覚情報援用型知識ベースシステム(A knowledge-based system with audio-visualaids:KS/AV)」の開発を進めている。本稿においては、KS/AVにおける知識表現方法である「オブジェクトベース述語論理(Predicate logic based on objects)」について論ずる。オブジェクトベース述語論理においては、定義域上の全ての個体をオブジェクトと見なし、それらの関係を第一階述語論理によって表現する。視聴覚情報を含む全てのオブジェクトはSmalltalk-80のクラスの概念に基づいて定義し、オブジェクトへのメッセージ送受信のために、述語論理における関数のひとつとしてmessage関数を導入した。