著者
渡部 保日児 末永 康仁
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.525-526, 1990-03-14

最近、頭髪や毛皮にみられるような複雑かつ非常に細かなテクスチャをコンピュータ・グラフィックスにより生成する方法の研究がさかんになってきた。このような状況において、第38回全国大会における筆者らの「三角柱と房のモデルによる頭髪の生成」は、頭髪特有の複雑で細かななテクスチャを生成できるのみならずその全体構造である髪型を制御することをも可能とする方法を述べた最初の報告であった。本報告は、前記報告での頭髪生成方法に基づき、頭髪像を生成するために必要な10個のパラメータについて述べ、パラメータの変化が生成頭髪像に与える影響を実際の生成画像で示す。Hair and fur image generation is an important problem in CG. The appearance of hair and fun is not characterized by their complex textures alone. Our trigonal prism based wisp model seems to be the first which clearly handles hair style (shape) generation. This paper introduces the ten parameters needed for efficient hair image generation using the trigonal prism based wisp model.
著者
木目沢 司 和田 健之介 レイ トーマス 下原 勝憲
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.439-440, 1997-09-24

デジタル生態系Tierraにおいては仮想生命体(デジタル生物)自身が進化することによって環境が変化し, その変化した環境に適応できた個体がより多く子孫を残す。Tierraにおいて進化するプログラムの具体的な機能は自己複製に関するもののみであり, それ以外の機能の創発は見い出されていない。本研究では自己複製以外に仮想的なモデル世界での適応機能を持ったシステムを検討する。仮想3次元空間で形状が成長・進化する生物(樹木)をつくり, 形態形成を記述した遺伝コードの進化の可能性を検討した。すなわち, Tierraにおけるエネルギー資源のアナロジーの代りに仮想的な日光を, 物質・空間資源のアナロジーの代りに樹木を成長させるためのフィールド(土地)を与え, これらの資源をめぐってより環境に適応した樹形を生成する個体がより多く生き残るシステムを作成した。以下では, 本研究で使用したシステムを説明し計算結果を示す。
著者
渡辺 日出雄 浦本 直彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.105-106, 1992-09-28

近年、Example-Based Approach(EBA)がMTの様々な部分で試みられ始めている。我々はEBAを用いたシステムとして、翻訳例だけでなく文法的要素だけからなる翻訳規則をも同一の枠組み(翻訳パターン)で扱うExample-Based Transfer SystemでるSim Tranと、英文解析の構造的意味的曖昧さを制約と用例ベースを利用して解消するシステムであるSENAを開発し使用している。一般にEBAによるMTの特徴は、・用例(又は知識)が相互に独立している。・用例の選択を類似性により行なう。という点にある。これらは、旧来の人間の直観に頼って規則を選択していたシステムとの大きな違いである。EBAが持つ特長についてはこの他にも隅田佐藤において議論されている。主なものを挙げると、以下のようになる。・知識(翻訳パターン)の獲得が容易である。・高品質な翻訳結果を得ることが出来る。・新たな翻訳パターンの追加が容易であり、システムの向上も容易となる。・ ラバストかつ安定したシステムを構築できる。更に、長尾はシソーラスを用いたExample-Basedの格フレーム選択処理が意味マーカーを用いたものよりも正解率が高いことを示している。さて、このようにEBAは非常に有望な手法であるが、今までの手法が抱えていたあらゆる問題点を解消できる万能薬というわけでない。どのような問題が存在するのかについては計算量の問題を除きそれほど議論されていないのが実情である。そこで本論文では、Sim Tran,SENAの開発を通して得られたEBAによるMTが抱える問題点について述べ、同時にその問題点に対する対処方法について論じる。
著者
林健司 横山真男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.189-191, 2013-03-06

本研究は、視覚障害者のためのメール読み上げシステムにおける感情表現の手段を検証し、 視覚障害者に役立つコミュニケーション補助の手法を示す。我々は普段メールを作成するにあたって、絵文字や顔文字などを用いて文字だけでは伝えきれない感情を伝えようとしている。だが、現在のメール読み上げソフトでは、絵文字や顔文字で表現される感情伝達においてはまだ不十分であり、視覚障害者にはテキストの文字情報は伝わるが、健常者にはわかる絵文字や顔文字によって表される感情の伝達は困難である。そこで顔文字付きメール読み上げ音声に感情を付与させる手法の提案をする。実験に当たっては視覚障害者に協力していただき、実際に視覚障害者の役に立つかで評価した。
著者
林 義雄 野沢 隆
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.773-774, 1986-10-01

YAC IIチャートは設計支援の構造化表記法として考案され,現在ではそれを利用したコード生成・ビジュアルテストツールが開発されている。YAC IIエディタはプログラム設計工程のうち,処理手順を詳細化していく過程を支援するコンポーネントとして位置付けられる.この過程は,いわば試行錯誤の過程であり,これを支援するには,木構造を意識した専用エディタが必須である。論理を率直に操作できるエディタによって,設計者は,(字下げ,レイアウトといった)余計なことに気を使うことなく論理の組立に専念できる。YAC IIエディタの基本要件,必要な機能については既に述べられているところである。ここでは,パーソナルコンピュータ上で実現した,YAC II専用エディタにおける木構造指向の編集機能という観点から以下の点について紹介する。-図の領域と文書の領域を区別した編集機能-段階的詳細化支援機能-再利用支援機能-日本語構文入力の簡略化
著者
塚本耕司 後藤浩行 齋藤孝道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.611-613, 2013-03-06

本論文では, ユーザの行動追跡を行う上での新たな特徴点の一つとして, JavaScriptベンチマークであるsunspiderの結果を用いたユーザのCPUを推定する手法を提案し,その実装を示す.
著者
加藤 誠巳 大西 啓介
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.345-346, 1992-02-24

自分を美しく見せるために客観的な立場で、その人の顔と要望に合った化粧法を提供するシステムの開発が望まれる。ここではビデオカメラより取り込んだ顔画像を3次元の頭部形状モデルにテクスチャマッピングし、ユーザが要望するイメージ("かわいい","華やかな"等)、TPO、服の色等にあった化粧を行うことができるシステムについて検討を行った。本稿ではそのシステムの概要について述べる。ユーザの感性をイメージ形容詞で表現するために、ここでは表色体系として、トーンとイメージ形容詞が対応づけられているPCCS体系を用いることとした。
著者
卯月 一好 小澤 正樹 宮野 恵 坂本 政二 高橋 守
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.325-326, 1991-02-25

近年では、企業において文書・画像(カラー濃淡画像を含む)のシステム化が推進されており、簡易画像による概視検索が多くみられるようになってきた。電力会社でも業務上の写真や図面等の利用に効果が期待されている。簡易画像におる画像の縮小は圧縮とは異なり元の画像に戻す必要がないのであるが、原画像の特徴をできるだけ損なわず縮小するために、乱数を利用した縮小方法を検討した。この方法と従来からよく用いられる方法による画像を同時に表示して目視による画質とヒスグラムの比較を行い、この結果からエッジングと乱数によるサプリングを組み合わせた画像縮小方法について考察した。
著者
大野 浩之 鈴木 茂哉 福島 登志夫 松田 浩 久保 浩一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.195-196, 1993-09-27

複数の計算機が,ネットワークを介して情報を交換しあいながらなんらかの処理を行なう場合には,各計算機が正確な時刻情報を保持し同期していることが前提となることが多い.インターネット上でこの前提条件を完全に満たすのは困難であるが,時刻をよりよい精度で保時するための試みは以前からつづけられており,近年ではNTP(Network Time ProtocoI,RFC1305で規定)を用いた時刻同期が主流となりつつある.そこで,このNTPプロトコルを利用し,UTC(協定世界時)に同期した時刻情報をインターネットに供給することを目的として,セシウム原子時計を時刻源とする時刻情報供給システムを設計し実装した.本報告では,このシステム(NTP stratum 1サーバと呼ぶ)について述べる.
著者
金川 将成 清川 清 竹村 治雄 横矢 直和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.23-24, 1997-09-24
被引用文献数
1

利用者を選ばない分かりやすいユーザインタフェースの構築を目指し, コンピュータグラフィクス(CG)による人物像に対してジェスチャや自然言語による対話を可能とするマルチモーダル対話システムが研究されている[1]. このようなジェスチャを用いた擬人化インタフェース(以下, ジェスチャインタフェース)では, ジェスチャの認識やCGの提示などに時間を要するため, ユーザの入力から計算機の応答までに大きな遅延が起きやすい, 応答遅延は操作性やユーザの操作感を悪化させるため, 応答遅延がユーザの感覚に与える影響を調査することが重要である. 従来, マウスの移動に遅れてカーソルが表示されるなどの, ユーザ自身の動作が遅れて反映される場合の遅延(以下, 自己動作遅延)の影響は調査されている[2]. しかし, たとえ高い即応性が要求されるシステムであっても, ユーザが計算機を自己の対峙者とみなす場合は, 予め遅延を想定するため, 自己動作遅延の場合と遅延の許容範囲が異なる可能性がある. そこで本研究では, 計算機を対峙者とみなすようなジェスチャインタフェースに高い即応性が要求される場合について, 許容できる最大の遅延量や知覚できる最小の遅延量を実験的に調査する.
著者
金田 和文 友田 由之 中前 栄八郎 野口 高男 大橋 敏明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.902-903, 1989-10-16

大型建造物建設後の景観事前評価に、コンピューターグラフィックスを用いた景観シミュレーションが盛んに用いられるようになってきた。一般に物体入力法は大別すると、プリミティブによるものと、自由曲面によるものがある。しかし、等高線地図上に描かれた道路や擁壁に対しては、どちらの方法を用いても容易に入力することができない。例えば、図1の地図上の道路などを入力する場合、それらを多数の微小平面の集まりに分割し、各平面の頂点座標を求める必要があり、手間がかかり、また入力ミスも起こりやすい。これらの形状を誤りなく容易に入力するためには、上述の欠点を補った専用の入力システムをもつことが有利である。本稿では道路や、擁壁などをマイコンとタブレットを用いて入力し、それらに含まれる曲面を三角形パッチに自動分割するシステムを開発した。
著者
佐藤 明男 大照 完 橋本 周司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.317-318, 1991-02-25

楽器は口と手により演奏される。今、例えば宇宙船の中で、人は手と口だけで楽器はなくとも、鉛筆を指揮棒代わりにして指揮ができ、鍵盤の配列を印刷した紙をピアノ代わりに自由に演奏でき、それに応じた楽音が聞こえてきたら楽しいであろう。あたかも口笛を吹くかのようにー。このような仮想楽器がMIDI楽器、データグローブなどを用いて原理的に構成可能なことを示した。然し、それには、指揮法、演奏法、楽典の知識が必要になる。ここでは、さらに大もとに立ち返って、これらの知識がない初心者にも音楽の創作が可能なシステムの構築を試みた。[figure1]にシステムの概要を示す。マイクにより得られる単音を試作した音程一MIDI信号変換器.(PITCH TO MIDI CONVERTER)によりMIDI信号に変換する。これより、データグローブ(VPI社)を用い、手のジェスチャーから実時間で種々の和音を自動作成する。さらに、手の水平運動により和音の情報をアルペジオとして出力することもできる。データグローブの処理と音楽作成を2つの16ビットパソコンにより行う。現在は安定性及び追従性の点から昨年市販されたROLAND社のものを使用している。
著者
山田 昌寛 中村 克彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.205-206, 1994-03-07

論理プログラミングにはSLD融合にもとづく後向き推論による方式のほかに, 単位融合にもとづく前向き推論による方式があることが知られている. 後向き推論の方式は代表的な論理言語であるProlog, PARLOG, GHCなどに採用され広く使われているが, 前向き推論のアプローチは一般的な論理プログラミングの方式としてこれまであまり発展していない. しかし, この方式には大量のデータに対するデータ駆動型の計算を効率よく行えるという特長がある. この考えにもとづいて, われわれはデータ駆動型の前向き推論によって, reactive open systemを実現するような計算方式を提案し, このための並列論理型言語Monologを開発している. 本報告では並列論理型言語Monologの概要と, 代表的な探索問題である8クイーン問題のMonologによる計算方法とPrologのコンパイル法について報告する.
著者
浅井 健一 松岡 聡 米澤 明憲
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.8-9, 1990-09-04

近年、並列Lispが関数型言語の潜在的な並列性を大きく引き出せるものとして注目されている。実際にMultilisp[3]をはじめとしてMultischeme[6],Mul-T[5],QIisp[2]などたくさんの並列が開発され並列計算機上で高い性能が報告されている。しかし、現在のところ並列Lispは並列計算機上での性能を向上させることを目的としているのでもっぱら性能に関しての議論がなされ、言語の意味に関する考察はほとんどなされていない。そのため言語仕様があいまいになるし、言語仕様の変更も難しくなっている。このことはスケジューリング方式の固定化を引き起こし、ひいては自己反映計算[8]の実現を難しくしている。そこでMultiLispの操作的意味記述[1]を与え、これを用いて逐次型計算機上にSchme[7]によるインタプリタを作成した。さらにこれをもとに表示的意味記述を与える。またその記述から導かれるfutureとcall/ccとの相互干渉について述べる。
著者
下田 昌弘 高橋 宗雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.221-222, 1999-03-09
被引用文献数
1
著者
青島 利久 武市 宣之 泉 達也 山本 栄次
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1144-1145, 1990-03-14

我々は、高速なCommon LISPの処理系HiLISPを開発し、その上にエディタを中心とするプログラミング支援環境を開発してきた。今回、 日立ワークステーション2050上での効率的なプログラム開発を支援するために、既存プログラムの再利用や動作解析ツールを統合化した開発環境を試作したので報告する。
著者
鏑木 崇史 福田 真啓 瀬賀 一恵 松本 隆 / MACKAY David. J. C.
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.19-20, 2009-03-10

本研究は文字入力支援システムDasherを日本語で実現することを目的とする。Dasherは英Cambridge大学のMacKay教授らのグループが提案・実装しており、ある基準での情報圧縮手法に基づく文字入力手法である。英語をはじめ世界60以上の言語で動作することが確認されているが、現在、実装ができていない言語が少なくとも2つある:中国語と日本語である。
著者
岡村 耕二 縄田 毅史 平原 正樹 荒木 啓二郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.756-757, 1990-03-14

我々は並列プログラミング言語の処理系を分散環境上で実現する研究を行っている。本論文ではこの処理系の言語仕様で記述された並列プログラムの実行を支援するオペレーティングシステム(以下OS)、DaOSの概要を述べる。本論文では処理単位の呼び方を扱い方によってプロセスとタスクとに区別する。すなわち、処理単位をOSで管理する場合はプロセスと呼び、処理単位を言語のレベルで指定する時はタスクと呼ぶ。
著者
諸原 雄大 黒田 章裕 近藤 邦雄 佐藤 尚
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.267-268, 1994-03-07

人は装飾品や服などのデザインから、さまざまな印象を受け取る。その印象は、デザインにおける物理的な特徴によるところが大きい。人が印象を受けるときの、その基準となる物理的特徴は大きく分けると色と形の2つになる。この2つの特徴の印象が重なり合い、総合的な印象を決定づけると考えられる。感性工学の分野においては、この物理的特徴と印象との関係を求めることが一つの課題となっている。本研究の目標は、デザイン画における配色と、その印象を表すイメージ語との関係を求めることである。イメージ語はアンケート調査を行なうことにより求めた。デザイン画像の配色は、イメージ・カラーとして画像から抽出した。このイメージ・カラーとは、デザインにおいて用いられている色のうち、特に印象に影響の与える度合が強い色とその組合わせのことである。この2つの結果からデザイン画におけるイメージ・カラーとイメージ語グループとの関係について考察を行なった。以下、本論文では、第2章でアンケート調査について、第3章でデザイン画像からのイメージ・カラーの抽出法を提案する。第4章で配色とイメージ語の関係について考察を行なう。