著者
郡司 賢 武田 和彦 丹羽 隆 茅野 康臣
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.187-188, 1995-09-20

オブジェクト指向方法論の有効性が議論されてから久しく、現在では、実際の開発に適用した話も多く聞かれようになった。しかし、オブジェクト指向による開発への適用を考えた場合、ドキュメントの管理、作業プロセスの明確化、開発体制など、プロジェクトの運営に関する問題が存在している。今回のツールの開発に先立って、OMTをベースとした具体的な作業プロセス、ドキュメント管理などの開発手順書を作成し、全面的にオブジェクト指向による分析、設計、実装を実践適用した。本稿では、オブジェクト指向の適用事例として、OMTをベースにした実践的方法論の紹介とその問題点について述べる。開発の規模、期間および環境は、以下のとおりである。開発期間....94/4-現在開発人数....6人(プログラマー3人)適用OS....Windows3.1開発言語....VisualC++ver 1.51(MFC2.5)クラス数....122ステップ数....33K(+コメント:20K)
著者
王 志遠 松尾 文碵
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.37-38, 1992-02-24

トランザクション処理における楽観的並列制御法は,共用オブジェクトへのアクセスが,他のトランザクションと競合していないことを楽観的に期待してトランザクションの実行を開始し,実行終了時にデータの一貫性(consistency)が保たれているかを調べる。もし,一貫性が保たれていれば,実行結果をデータベースへ書き込み,そうでない場合は,トランザクションの実行を不成功終了とし,再び実行するという方法である。本稿では,マルコフ過程モデルによって,通常の楽観的並列制御方式を解析できるとこを示す。そして,新たな楽観的並列制御法を提案する。その方法は,トランザクションの読込みオブジェクト集合が読込みの前にわかっている場合,トランザクションの実行の前に,トランザクションの読込みオブジェクト集合が実行中のトランザクションによって書き換えられるかどうかを調べ,更新される可能性がない場合にのみ実行に移す方法である。この方式をマルコフ過程モデルによって解析し,効率がどの程度改善されるかを示す。
著者
横田 誠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.303-304, 1994-09-20

伝送工学における「線路」と「回路」の概念を,より一般化した,「伝子工学」の立場から,情報的感性対応システムを考えている。今回は,その感性を引き起こす対象を言語空間として考える。言語系には,音素列系と絵画パタン列系の二つがある。今回の言語系は,和歌的系としたので,音素列系と絵画パタン系との組み合わせ系ということになる。和歌的系の特徴として,第一に2音列と3音列の組み合わせ系ということと,第二に絵画的パタン素列系(平仮名に置き換えてあっても)でもあることである。このようなリズミックな動的な形式の上に,情況を表現(表情)する。絵画系が写真的なものより,大胆なデフォルメ,あるいは省略等の描写によるものの方が,共感空間として,適切で,生きたものとすることが出来る。文章にも,法律系や経済交渉系では,数理系のように論理的に厳正でなければならないものと,詩歌のように適切な省略系のものがある。この辺の事情は絵画系に近い。航空写真的絵より,変形省略をした見取り図の方が,案内図としての目的にはより適切である。人物の表情とか,場面状況の表現等において,現物とは異る変形をしたり,大胆な省略したり,故意に不完全な描写等をした方が,作者の意図と観賞者の感受の通信には,むしろ,いわゆる絵画的目的には適切である。更に絵画系を引合にすれば,額縁ワクと云う,ワクの範囲内に表現することが殆どである。これは今回の和歌的(或は俳句的)系が,トータルの語音数のワク内で表現するのと同様である。額縁ワクが黄金比にだとか,画面構図が射影幾何的にだとか,部分要素の輪郭線系が視覚生理・心理に基づく興奮・抑制の機能システムによるものだとか,という条件づけが,今回の問題の基底である。これ等の意味で,いわゆる五・七調を,二・三調を基底に考えて行くのが,今回の立場である。それは又,時系列,空間配列における動的パタンとしてのリズムの問題にもつながり,これが又,他者との共感,共鳴の機能の問題につながる基礎系と考える。それは人間同志が言語的に心情・意思を通じあうように,人間と人間に近似した感性対応のシステムとの間に,近似的共感,共鳴が通じあうようにする為の準備的系と考える。
著者
布川 博士 富樫 敦 野口 正一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.666-667, 1988-09-12

項書き換え系(TRS)は,それをプログラミング言語としてみると,記述の容易さ,意味の把握のしやすさ等優れた言語である。また,仕様としてみると,すべての関数の実現を行わなくとも,実現されていない関数を単なる記号として扱うことにより実行することができる実行可能仕様でもある。TRSにおける書き換えを行うシステム(reducer)の実現に当たっては,正規化戦略の実現のみでなく速度も要求される。この2つは,互いに排反する条件であり,速度向上のため正規化戦略を実現しない方法もある。このように従来の処理系は正しさか,速度のいずれかを犠牲にすることにより他方の利点を導入し作成されてきた。しかしTRSをプログラミング言語として有効に使用するためには,双方とも満足のゆく処理系が必要である。そのためには単一の戦略を用いるのではなく,それぞれのTRSプログラムに応じた戦略を用いることが有効である。すなわち,各TRSプログラム中に,そのTRSプログラムを有効に使うための戦略を定められることが望ましい。それによりユーザーが意図した通りに,書き換えが有効に行なわれるTRSプログラムを作成する事ができる。本論文では,TRSプログラム中に傷に戦略を表明する事が出来る項書き換え系A-TRSを提案する。
著者
藤田 直毅 西村 健士 島津 秀雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.35-36, 1997-03-12

ベクトル空間法は, 文書内の単語の出現頻度などを基に文書をあるベクトル空間の一点に対応させ, 対応する点と点との距離に基づいて文書の検索を行なう手法で, 1960年代から実験されてきた SMART が本手法の適用例として有名である. SMART の応用例は, USENET 上の FAQ を対象とした検索システムFAQ Finder が知られている. ベクトル空間法の特徴としては, 表面的ではあるが意味的な検索ができること, 対象文書中に構文解析ができないような文や図表を含んでいても動作する頑強性を備えていること等が挙げられる. 本稿では, 1本手法をヘルプデスクにおける支援システム, 特に電子メールを利用して顧客対応を行うシステムヘ適用した事例を紹介する. はじめに, ヘルプデスクで日々生成される文書, つまり, 問い合わせとその回答との組の Q & A 事例を対象とする検索の問題点について整理し, 次に, 実際に本手法を適用して開発した類似文書検索システムを紹介する.
著者
若林 高明 大内 東
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.109-110, 1990-09-04

ファジィISMにおける推移的結合とは「共通な推移的ファジィ二項関係を有する二つの多階層サブシステムを一つのシステムに結合する手続き」である.この問題は二つのサブシステムを推移的ファジィ行列AなBで表わし,結合したシステムをMで表わすと,ファジィ可到達行列(正方,反射的かつ推移的ファジイ行列)[numerical formula]求める問題となる.ここで,AとBは既知のファジィ可到達行列であり,次数をそれぞれsとtとする.XとYは未知の行列であり,XとYをMがファジィ可到達行列となるように区間[0,1]内の値で埋めることがファジィISMにおける推移的結合の目的である.推移的結合は元来,システム構造化技法のISMにおける具象化過程の第二フェーズの一般化であるが,以下の状況において重要である.構造化の対象となるシステムの構成要素が多く一度に全要素を対象として構造化を行うのが困難,或いは幾つかの専門の異なるグループがそれぞれ自分の関係する要素集合について構造化を行う,等の理由でシステム構成要素を部分集合に分割して部分構造化を行い,結果をまとめる場合である,通常の(二値行列を用いた)ISMにおける推移的結合の理論は,Warfield,大内らによって提案されているが,本論文ではファジィISMにおける推移的結合の理論について考察する.
著者
飯田陽一 関亜紀子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.745-747, 2011-03-02

インターネットの高速化や利用範囲の拡大により、音楽、動画などをデジタルコンテンツを、ネットワーク上でやり取りすることが多くなり、それとともに著作権を無視した違法コピー、無断改変なども増加した。これを防止、抑制し、流通を支援する技術としてDRMがある。しかし、DRMには多種多様な種類の技術があり、DRMの導入検討者が自分に適したDRMを選ぶのが難しいという現状がある。そこで本論文ではこの状況を解消し、DRMの導入検討者の支援を行うために、複数の質問から導入検討者のニーズを分析し、権利者のニーズと一致するDRMの組み合わせを推薦するレコメンドシステムを提案する。
著者
上野 香里 鈴木 健也 小澤 英昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.75-76, 1997-03-12
被引用文献数
1

ブックメタファは、マルチメディア電子本を、初心者が簡単に閲覧・でぎるツールである[1][2]。一般的なブラウザでは、利用者はリンクを辿って必要な情報を検索するという概念を学習することが必要である。伝統的なハイパーメディアのデータへのアクセス方法では、ハイパーリンクによって関連づけられている情報の空間全体を認識しにくい。ブックメタファをHTML情報のブラウザとして用いれば目次や各項目が一元的に並ぶため階層遷移を意識する必要が無く、誰もが理解している本の操作方法で情報を閲覧することがでぎる。本報告では、ブックメタファと他の一般的なHTMLブラウザによる閲覧の認知実験による評価について検討する。
著者
八城年伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.465-467, 2011-03-02

近年の就職活動においては、就職情報サイトや企業ごとの採用情報サイトの利用が一般的である。これらのサイトを利用するためのユーザアカウントは、使用期間の短い、使い捨てに近いものであり、2010年3月卒業の文系女子大学生においては、一人平均で52件に達するとの推計が得られた。市販の就活ノートにはアカウント情報をメモするためのページがあり、初期パスワードのまま使い続けられる使い捨てのアカウントがメモされている。こうした現実は、一時的にでもセキュリティに対する意識を低下させることが考えられる。就職活動用のアカウントの現状について報告すると共に、問題提議をするものである。
著者
芝崎 靖代 福井 美佳 竹林 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.17-18, 1995-09-20
被引用文献数
1

電子メール、Net-News、電子掲示板(chat)など、ネットワークを介した言語情報によるコミュニケーションが活発になってきた。言語情報には情報の蓄積、加工、編集などの利点があるが、電話やface-to-faceの対話と異なり実時間やインタラクティヴ性に乏しく、音声のイントネーションや表情などを通じて相手の感情を推察できないという問題がある。感情に関する研究は心理学や認知科学の分野で行われているが、実システムの構築例は少ない。従来の研究には、物語の記述から登場人物の感情を認識する試みや、計算機との音声対話における非言語音声からユーザの感情を抽出する試みがあるが、キーボードを介した自然言語情報による対話からのユーザ感情の抽出はなされていない。本稿では、まず、chatにおけるキーボード対話の例を収集し感情表現を解析した結果について述べる。次に、解析結果から特定した感情を用いて構築したシステムについて述べる。
著者
伊藤 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.317-318, 1994-09-20

ネットニュースのような電子掲示板において、万人が納得できるようなニュースグループ構成を作ることは難しい。ニュースグループ構成を分類体系ととらえた場合、記事を分類する基準は人によって異なるものだからである。一方、ニュースシステムは単一のニュースグループ構成を要求する。電子掲示板のユーザができるだけ納得できるニュースグループ構成を作ること、また、そのために各ユーザの合意を得るのは大変な作業である。また、その作業の過程や結果によって、感情的な対立を引き起こすこともある。以上のような問題を解決するために、ニュースグループ構成をユーザ毎に変えられる方法を提案する。また、この方法に基づきプロトタイプシステムを作成した。
著者
丸井 淳己 加藤 幹生 松尾 豊 安田 雪
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.553-554, 2010-03-08
参考文献数
2
著者
河本 達哉 井上 謙蔵
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.143-144, 1991-02-25

並列プログラム(PP)の実現に対して共有データスペース(ダブル空間)モデルが提案された.このモデルの上で,既存の大部分の型のPPが簡明に記述できることが示されたが,本モデルはPPのデバッグにも極めて有利な環境を提供するものである.そこで本モデルの一つであるC-Lindaを用いてPPのデバッグ法を提案する.逐次型の場合とは異なり,PPのデバッグにはシステム全体を包括的にとらえるための特殊な機構が必要になる.これは既存のPPに対するデバッグ法に欠けており,本モデルではそれが可能になる.しかしデバッグ情報を得るためにモデルの拡張が必要である.
著者
松本 和彦 新舎 隆夫 小島 智
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.133-134, 1993-03-01

多段論理生成は、多段化されたブール式を目標回路系の論理回路にマッピングする処理を伴う。マッピング手法はルールベース手法とトリーマッピングアルゴリズムに大きく分かれ、後者に属する代表的なものに、グラフカバリング法を用いるDAGONがある。本論文のPOLARISもトリーマッピングアルゴリズムの一種である。POLARISは先に、極性伝播法を用いるアルゴリズムとして提案したが、その後の評価結果より、極性伝播法だけでは最適なマッピングができないことが判明した。本論文では、従来アルゴリズムの問題点を解決する拡張アルゴリズムについて述べる。