著者
長野 宏子 大森 正司 庄司 善哉 飯渕 貞明 荒井 基夫
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.219-226, 1994-03-15
被引用文献数
4

中国等の多くの国の小麦粉発酵食品は自然発酵によっているところが多い.タイやインドネシアの伝統的な小麦粉発酵食品に関与している微生物の検索を行い,ガス発生する微生物を分離・同定し,その性質を明らかにした.パームジュースをスターターとする蒸し菓子(khanom taan)のドウからEnterobacter cloacaeを単離した.揚げパン(paathong koo)のドウからは,Klebsiella planticolaおよびProteus mirabilisを単離した.発酵性細菌の安全性は既に確認されている.単離した細菌であるE. cloacae, K. planticolaを用いて饅頭を製造した結果,良好な膨化を示し,十分にスターターとしての働きをもつものであった.
著者
伊東 清枝 石川 由里子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.497-501, 1989-06-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12

精製オボアルブミンとコンアルブミンを単独あるいは混合して用いてメレンゲおよび焼きメレンゲを調製し, 両タンパク質の調理機能特性について検討した結果, 以下のことが明らかとなった.1) メレンゲの状態では, オボアルブミンは, 卵白の場合と同様に, 空気泡の混入状態に優れたかたいメレンゲとなったが, コンアルブミンは, 柔らかなメレンゲとなった.またこれらを 焙焼した場合, オボアルブミンにはスポンジケーキの組織と同様に小気泡の分散が認められたが, コンアルブミンには中心部にシュー皮状の大きな空洞が認められた.2) 焼きメレンゲの体積を比較した結果, 製品の体積が大きい順にオボアルブミン50%とコンアルブミン50%の混合物>卵白>オボアルブミン100%>コンアルブミン100%となった.しかし, 膨化率では, コンアルブミンが高い値を示した.3) オボアルブミンは単独に用いた場合でも膨化状態のよい焼きメレンゲとなるが, コンアルブミンと混合した場合には, コンアルブミンのもつ膨化力により, 製品の膨化状態はさらに向上することが明らかとなった.
著者
冬木 春子 佐野 千夏
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.512-521, 2019 (Released:2019-08-24)
参考文献数
25
被引用文献数
3

本研究では「多重役割仮説」を参照した仮説「母親は親役割に加えて仕事役割を担うことで時間が消耗され, 子どもに向けられるそれらが不足し, 子どもの健康な生活習慣形成に悪影響が及ぶ」を検証した. 小学校入学前の子どもをもつ269名の親を対象に質問紙を用いて, 次の主な知見が明らかにされた. 第一に, 母親が有職の場合, 子どもは就寝時間が遅く, 夜間の平均睡眠時間では10時間を満たしていなかったが, 母親が無職の場合は就寝時間が早く, 平均睡眠時間も10時間を超えていた. 第二に, 母親の午後6 時以降の帰宅時間の遅さは, 子どもの就寝時刻の遅れやの睡眠時間の短さにつながるとした仮説は支持されたが, 母親の帰宅時間の遅さは子どもの栄養あるいは献立バランス面における食習慣に影響を及ぼしておらず, 仮説は支持されなかった. 第三に, 父親の帰宅時間の遅さは子どもの睡眠習慣や栄養や献立バランス面での食習慣には影響を及ぼしていないが, 帰宅時間が早いと家族との共食が可能であった. 幼児の生活習慣が母親の就労によって規定される影響力を鑑みると, 子どもの生活習慣の形成には, 社会におけるジェンダーイクイティや雇用環境の改善, さらには親に対する教育的支援が必要である.
著者
西川 和孝 川本 実穂 田中 章江
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.339-345, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
29

The oxalic acid content of spinach has become a major human health concern due to its toxicity. We investigated in this study the residual oxalic acid content in spinach and the free oxalic acid content in the cooking solution. The water temperature and duration of boiling were important factors for the residual oxalic acid content of spinach, while the water volume and salt concentration had no influence. However, the content of free oxalic acid in the cooking solution was influenced by the water volume, salt concentration, water temperature, and duration of boiling. In particular, the oxalic acid content in the cooking solution decreased with increasing salt concentration. Cooking spinach by boiling was demonstrated, and a follow-up questionnaire survey of junior high school students was conducted. The results of the questionnaire survey clarified that there was insufficient understanding of the preparation of vegetables by boiling as studied at the elementary school level. However, most students understood how to boil spinach after the teaching demonstration, and the results of a cluster analysis showed that the students' interest as well as knowledge about spinach had increased
著者
渡辺 澄子 川本 栄子 黒田 喜久枝 中川 早苗
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.131-139, 1993

前報において, 若い女性向けの服装雑誌より選んだ服装サンプルをもとに服装イメージを構成している因子の抽出を行った. 本報では前報で得られた主要な因子の因子得点をもとにクラスター分析を行い, イメージによる服装の類型化を行った. さらに類型化された服装タイプのデザインの特徴を把握するために, クロス集計および数量化II類による分析を行い検討した. その結果, 次のような知見を得た.<BR>1) 服装タイプは, (1) キャリアエレガンス, (2) エレガンスフェミニン, (3) ベーシックカジュアル, (4) トレンディカジュアルの四つに類型化された.<BR>2) 服装タイプとデザイン要素の関連性をクロス集計で分析した結果, 43項目中27項目において有意な関連がみられた.<BR>3) 四つの服装タイプを判別するのにより有効な意味は, エレガンスかカジュアルかの違いであり, そのデザイン要素は服種の違いによるものが大きいことが分かった.<BR>4) 服装タイプを一組ずつ対比させ, その違いをより有効に判別するデザイン要素を検討するとつぎのようになった. キャリアエレガンスとトレンディカジュアルは服種, ディティール, 色柄の順に三つのデザイン要素のみで容易に判別できる. 次いで, キャリアエレガンスとベーシックカジュアルもそれらのデザイン要素に襟・袖の形まで含めると明確に判別できる. また, キャリアエレガンスとエレガンスフェミニンのどちらもエレガンスタイプのものどうし, および, ベーシックカジュアルとトレンディカジュアルのカジュアルタイプのものどうしの判別はやや困難であるが, それらは服種やディティールよりも色柄によつてかなり判別できることが明らかになった
著者
木村 友子 菅原 龍幸 福谷 洋子 加賀谷 みえ子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.585-593, 1994

干し椎茸の合理的な戻し方を見出す目的で, 超音波照射を取り入れた方法を用い, 椎茸の物性及び嗜好性などに及ぼす影響を検討し, 次の結果を得た.<BR>1) 水戻しに超音波処理を用いると, 超音波処理しない椎茸に比し吸水量が増加し, 戻し汁は黄味度が増し褐変が進行した.<BR>2) 蒸し調理した椎茸のテクスチャー特性では超音波照射したものの方が硬さ・ガム性の値が小さく軟化した.<BR>3) 水温5℃と25℃の水戻しの条件では超音波照射時間は20分が望ましく, 全浸漬時間は上冬薙が2時間, 上香信が1時間で最大吸水量の90%に達し, 官能評価では椎茸は柔らかく歯ざわりが適当で, 戻し汁の色の濃度が濃く感じ, 味は旨味があり良好と評価された.<BR>4) 蒸し調理した椎茸中のRNA含量や5'-GMP, 5'-AMP, 5'-UMP, 5'-CMP, 遊離アミノ酸含量に及ぼす超音波照射の影響はわずかにすぎなかった.<BR>以上の結果から, 干し椎茸の水戻しに超音波照射を取り入れることは有効であると考えられる.
著者
齊藤 多江子 増田 まゆみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.657-666, 2018 (Released:2018-10-27)
参考文献数
27

The aim of this research is to study the effects of dividing a childcare room into several small spaces which provide a calm environment suitable for play, with a specific focus on how one-year old children moved in the newly-partitioned room. We examined the characteristics and background of the movement of children by paying attention to situations where childcare teachers or other children were present or not.  It became clear that the presence of childcare teachers and other children in the partitioned childcare room had an influence on the way children in the one-year old class chose to play. In addition, in order to carefully plan the provision of a calm environment suitable for play for children in small spaces, the perspectives that are considered to be important are, (1) a place where childcare teachers and children's peers are present and, (2) play contents that make use of a small space.
著者
後藤 昌弘 西村 公雄
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1159-1165, 1995-12-15
被引用文献数
1 1

16.6gのホワイトソース,40gの鶏もも肉,33.4gのブイヨンスープから真空調理法を用いてクリームシチューを作ったところ,クリームシチューのソース部分が分離した.この現象は,減圧処理のいかんに関わらず60分間90℃で調理することにより生じたが,鶏もも肉を材料から除いたものでは起こらなかった.タンパク質は鶏もも肉から調理時間とともに溶出し,調理終了後約300mgに達していた.鶏もも肉の代わりに200mgまたはそれ以上の牛血清アルブミンあるいは卵白アルブミンを添加すると,クリームシチューのソース部分の分離が生じた.これらのことから,真空調理中に生じるクリームシチューのソース部分の分離は減圧処理によるものではなく,調理中に肉より溶出してくる筋漿タンパク質によるものであることが判明した.
著者
古松 弥生 岡田 宣子 松山 容子 有馬 澄子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.919-925, 1989 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
2

成人女子の体幹の形状特性を, 年齢的変化に着目しながら類型的に把握することを目的としている。工技院の体格調査資料 (484名) を用いて主成分分析を行うことにより, 主成分を代表する計測項目を選定し, クラスター分析を行い体型の類型化を試みた.1) 得られた主成分 (Table1) は第1主成分としてはサイズファクター, 第2主成分としては体幹部の厚みに対する肩部の幅のプロポーション, 第3主成分としては体幹の丈と肩部の幅のプロポーション, 第4主成分としては肩部の傾斜度, 第5主成分としては体幹上部の丈と下部の丈とのプロポーションと解釈された.形態特徴を表すこれらの主成分は年齢が加わってもあまり変化しない.しかし, 主成分へのかかわりは年齢により相違すると考えられる.2) 計測項目・示数項目の検討から, 体幹の厚みを表す腰部や胸部の矢状径, および体幹の太さを表す胸囲・胴囲などの周径項目は, 加齢とともに増加傾向を示し, 体幹の厚み・太さが著しく増加し, 腰囲/胴囲・腹囲/胴囲などの年齢的変化 (Fig.1, Table4) から, ずん胴型へ移行していることが確認された.3) 体幹の形状の情報を表す主成分に強いかかわりをもつ項目として, 胸囲・背肩幅・背丈・B.N.P.-W.L.・W.L-座面・肩傾斜の6項目を選定し, クラスター分析により体型の類型化を行った.その結果12個のクラスターが得られ, 年齢グループ別の分析でもほぼ同様なクラスターが得られた (Fig.2, Fig.4) ことから, クラスターそれぞれは体型の個体差を表す類型であると判断される.一方, 各クラスターの身体部位の計測値 (Table5) や出現率 (Fig.3) には年齢の影響がみられた.これらは, 成人期においては体型の個体的特徴は年齢を越えて持続すること, しかし年齢の影響は同一類型でも具体的なサイズや寸法を変化させ, さらに各類型の出現頻度の変化を引き起こしていることを明示するものである.
著者
石松 成子 石橋 源次
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.719-722, 1994-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

イシクラゲを調理の食材料として利用することを目的として, 川茸と比較しその特性を調べた.イシクラゲの特性として吸水性がよいことで, これは保存食料としての一つの特色とみることができる.また, 主成分は食物繊維であり, このほか各種ミネラル類やタンパク質の含有量も多く, このような食品は, 健康を志向する人々への新しい食品素材すなわち健康食品として, また医療用食品としての開発も可能である.一方, 食糧不足を救う新しい食糧として注目されている, 藍藻類のスピルリナについて, その食品素材として応用が試みられるなど, 藍藻類はこれから期待できる食品素材であると考えられる.
著者
松山 洸一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.90-98, 2016 (Released:2016-02-20)
参考文献数
15

Drinking an infusion of green tea leaves brewed in a teapot (brewed green tea) is part of everyday Japanese culture and is connected with pleasure and hospitality. In recent years, however, the consumption of green tea has been decreasing, something which is especially noticeable in the younger generation. The purpose of this study is to consider the frequency and reasons for drinking brewed green tea taking into account the differences between generations and how they value green tea. A questionnaire was distributed in the Kanto region in 2012-2013 and 309 valid responses were obtained by mail. As a result of analysis, it was seen that the younger respondents drank brewed green tea rarely especially at mealtimes. Regarding reasons for drinking, the following five factors were identified: ‘adjustment of mentality’, ‘affinity with green tea’, ‘passive drinking’, ‘its affinity with food’ and ‘regulation of body temperature’. There were no age differences in factors which have emotional and cultural aspects such as ‘adjustment of mentality’ and ‘its affinity with food’. However, younger respondents had little ‘affinity with green tea’ and they do not drink it with regard to its emotional and cultural value. That affected their frequency of drinking. If people became more aware of brewed green tea and drank it regularly, it might lead to more composure in their daily lives.
著者
森 建太
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.253-255, 2011-04-15 (Released:2013-08-02)
参考文献数
14
著者
桐渕 壽子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.649-654, 1992

(1) ビタミンD<SUB>2</SUB>の生成は日光より紫外線照射の方が数倍効果的である.使用したキノコの中ではエノキタケが最も多くビタミンD<SUB>2</SUB>が生成され, 2時間の紫外線照射で約2,000IU/g (乾物), 30分で約1,500IU/g (乾物) であった.<BR>(2) ビタミンD<SUB>2</SUB>強化エノキタケを作るため, 生産レベルでの照射を想定したモデル実験では30分の照射で500IU/g (乾物) のビタミンD<SUB>2</SUB>が生成され, 実用化には培養のプロセスから考えて, 30分位が適当と思われた. (3) 紫外線照射しビタミンD<SUB>2</SUB>が生成されたキノコを乾燥するとビタミンD<SUB>2</SUB>は約10%減少するが, 十分にビタミンD<SUB>2</SUB>供給食品として利用できる.<BR>(4) 日光や紫外線照射により生成されたビタミンD<SUB>2</SUB>は保存中に減少はするものの, 乾燥キノコの場合は6カ月保存しても約80%残存しており, 比較的安定であるといえる.<BR>(5) 紫外線照射後乾燥したビタミンD<SUB>2</SUB>強化エノキタケをビタミンD<SUB>2</SUB>強化食品素材として利用することが期待できる.
著者
森 理恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.543-554, 2019 (Released:2019-08-24)
参考文献数
42

本論文は, 日露戦争からアジア太平洋戦争期 (1904~1945) までの「慰問袋」募集・送付活動について, 数量の推移や仕組みの発達を明らかにすることを目的とし, 慰問袋の募集と送付に関する新聞記事, 新聞広告, 業界紙, 団体機関誌, 軍事後援団体の報告書等を収集し, 分析した. 慰問袋の数量の推移については, 日露戦争や日中戦争だけでなく, 東北九州災害や青島攻略, 関東大震災でも多数の慰問袋を送る活動がおこなわれており, 単線的に増加したわけではないことを明らかにした. 慰問袋の変遷は, 日露戦争時を発生期, 東北九州災害・第一次世界大戦から関東大震災までを発達・完成期, 「満洲事変」から日中戦争・太平洋戦争前期までを拡大・定着期, 太平洋戦争後期を衰退期とみなすことができた. 東北九州災害から関東大震災までの時期 (1914-1923) が, 慰問袋募集・送付活動の仕組みの成立にとっては重要な時期であることがわかった. 慰問袋募集・送付活動の仕組みは, 慰問袋の送り手は女性男性子ども大人を問わず個人であり, 取扱機関は婦人会・青年団など地域の団体や, 学校, 百貨店, 製薬・製菓などの会社, 新聞社であり, 手続き方法は上記の取扱機関に手製または購入した慰問袋を持ち込む, 店頭で購入と同時に送付を申し込む, 新聞社などに代金を寄付する, のいずれかであることが明らかになった.
著者
高橋 美登梨 佐藤 百恵 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.411-418, 2020 (Released:2020-07-18)
参考文献数
13

本研究では, 若年女性におけるブラジャーのサイズ選択の実態を検証した. 56名 (平均21.7歳) を被験者とし, 基本身体寸法に基づくサイズ, 被験者が日常的に着用しているサイズ, 販売員の資格を持つ者 (評価者) が選定したサイズの比較をするとともに, サイズ選択に関わる要因についてつけ心地と外観より考察した. 得られた結果を以下に示す. (1) 被験者の基本身体寸法によるサイズは, 被験者が着用しているサイズおよび評価者が選定したサイズと一致する割合が低く, サイズの選択にはつけ心地や外観といったフィット性が影響するといえる. 基本身体寸法からは乳房の左右差, 形状等の推定が難しいため, フィット性を重視したサイズと差異が生じることが示唆された. (2) 被験者が着用しているサイズと評価者が選定したサイズは, 約40%が一致とみなせた. 一致していない場合, 被験者はカップ体型を小さく認識していることが示された. (3) 被験者が日常的に着用しているサイズに対して, 評価者はブラジャーのカップ上部や脇が身体に食い込んでいると評価していた. また, 評価者が適切なフィット性であると評価したサイズは, 被験者にとってカップ上部の浮きを感じさせることが示された.
著者
木村 友子 福谷 洋子 加賀谷 みえ子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.151-159, 1991-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

鶏肝臓をマリネに加工して食べやすくする目的で, マリネ調味液 (食酢・サラダ油に醤油を付加し, さらに清酒を25, 50, 75%添加したもの) に5℃の冷蔵庫で168時間漬け込んだ.その間の望ましい調製条件ならびに清酒がマリネに及ぼす影響について検討した, (1) マリネ調味液の食塩水を醤油に置換したマリネは官能評価において有意に好まれる判定であった.(2) マリネの清酒の浸透は清酒添加量増加に伴いほぼ比例してアルコール量が増加することを認めた.(3) おいしいマリネの調製条件は食酢12.5%, サラダ油12。5%, 醤油25%, 清酒50%の調味液に24時間漬けたマリネで硬さ, 舌ざわりが好まれ, 肝臓特有の臭気が緩和され, かすかな酸味 (pH5.3) があり, 清酒無添加マリネよりタンパク質の含有量が多く遊離アミノ酸の増加が著しく, アンモニア量も少なく味も良好で, 色も赤味度と彩度の値が高く, Aw値0.95, 細菌数104/gで保存性も優れていた.(4) マリネの清酒添加の影響は, とくに物性の硬さの値や色相の赤味度が漸増し, 食味にも関与し無視できない要因であった.