著者
渋川 祥子 杉山 久仁子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1013-1018, 1992-10-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
2

食品表面の着色に放射伝熱が有効であることの理由を明らかにするために, 食品と金属の受熱速度の比較を行った.本研究では, クッキーと鉄板を二通りの加熱方法 (放射伝熱 (RAD) と対流伝熱 (CON)) を用いて200度で加熱した.受熱速度を計算するために, クッキーでは水分蒸発を, 鉄板では表面温度を測定した.その結果放射伝熱で加熱したクッキーの受熱速度は, 対流伝熱で加熱したクッキーやそれぞれの方法で加熱した鉄板の受熱速度より速かった.この現象を説明するために, クッキー表面の放射率の測定を行った.放射率は, クッキーの加熱時間と共に増加することはなく, 放射率が放射伝熱方式の有効性の原因ではなかった.
著者
越智 知子 土屋 京子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.1063-1067, 1987-12-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

バターと卵の配合比率が異なるスポンジケーキのレオロジー的性質を測定し, あわせて官能検査を行い検討した.材料配合比率は全量に対して小麦粉20%, 砂糖25%と一定にし, パターと卵の比率をAは3%と52%, Bは7%と48%, Cは14%と42%, Dは19%と36%の4段階に設定し試料とした.1) 静的粘弾性測定装置により, クリープ曲線を得, 粘弾性解析を行った.スポンジケーキはフックの弾性体, ニュートン粘性体および3組のフォークト体から成る, 8要素のフォークト型粘弾性模型で示された.弾性率 (E0, E1, E2, E3) は104~105dyn/cm2, ) 粘性率 (η1, η2, η3, ηN) は105~108Pであった.A, B, C, Dの順に各要素の粘弾性率は増加し, DはAの4~5倍に増加した.遅延時間に顕著な差はなかった.2) テクスチャー特性値測定では A, B, C, Dの順に硬さが増加したが, 弾力性, 凝集性は漸減した.3) 官能検査の結果, 手で圧したときの硬さの順位は客観測定の弾性率, 粘性率, テクスチャー特性値の硬さとよく対応したが, 食べたときの硬さの順位は客観測定の弾性率, 粘性率, テクスチャー特性値の硬さと反対で, 口どけの順位とよく一致し, 食べたときの硬さの感覚は口どけの影響を強く受けたと考えられる。比容積はA, B, C, Dの順に減少した.4) 品質のよいスポンジケーキを作るための, バターと卵の最適配合比率は, 本実験における諸特性値の総合的物断によれば19%と36% (D), および13%と42% (C) であった.
著者
甲斐 今日子 平松 園江 才田 眞喜代 森 まき子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.547-553, 1990-06-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
11
被引用文献数
3
著者
西村 公雄 宮本 有香 樋笠 隆彦
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.605-615, 2004

75℃ で真空調理加熱した鶏ささ身は, 100℃で加熱したものより有意に収縮が弱くかつ, やわらかく仕上がった.両試料のヒドロキシプロリン量に, 有意な差はなく, 走査電子顕微鏡観察においても微細構造間に顕著な差は観られなかった.ミオシンを両温度で加熱後その凝集状態を透過電子顕微鏡で観察したが, 状態に差は認められなかった.しかしながら, 接触しているタンパク質同士を結合する試薬 1-ethyl-3-carbodiimide を用いて得られたミオシン凝集体の電気泳動パターンは, 明らかに 100℃ 加熱した方が75℃加熱したミオシンより重合化が進んでいることを示していた. このことは, 100℃ 加熱で形成されたミオシン凝集体がよりコンパクトな構造を持っていることを示している.
著者
高橋 智子 齋藤 あゆみ 川野 亜紀 朝賀 一美 和田 佳子 大越 ひろ
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.347-354, 2002-04-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
7

本研究では, 4段階の濃度の異なる重曹溶液 (0mol/l濃度として蒸留水, 0.1mol/l, 0.2mol/l, 0.4mol/l) に浸漬することにより, 軟化処理を施した食肉の硬さと食べ易さの関係について検討を行った.(1) 牛肉, 豚肉ともに, 浸漬する重曹溶液濃度が高くなるに従い, 生肉に対する試料肉の重量減少率が小さくなった.このことより, 食肉を浸漬する重曹溶液濃度が高くなるに従い, 水和が増し保水性が増加すると推測される.また, 重曹濃度が高くなるに従い, 牛肉, 豚肉ともに加熱処理後の肉色が暗くなり, ことに, 牛肉において, その傾向が顕著であった.(2) 肉を浸漬する重曹濃度が高くなるに従い, 軟らかくなり, ことに0.2mol/lおよび0.4mol/l濃度の重曹溶液に浸漬した試料肉が0 mol/l 試料肉すなわち蒸留水浸漬肉に比べ, 有意に軟らかいことが認められた.(3) 重曹溶液濃度が高く, 見かけの硬さが軟らかい試料肉は牛肉および豚肉ともに, 咀嚼時に軟らかく, 咀嚼後に形成された肉食塊は飲み込み易く, また口中の残留物も少ないことが認められ, 食べ易い肉であることが示唆された.(4) 試料肉の見かけの硬さは圧縮速度が遅くなるに従い, 硬くなる傾向を示した.このことより, 咀嚼速度が遅くなる傾向にある中高齢者群や義歯装着者群は低年齢群に比べ, 肉を咀嚼する場合, より多くの力を要することが推測される.このことからも, 軟らかく, 噛み切り易く, 咀嚼し易い肉の開発が重要であるといえる.本研究は基礎的研究であるため高齢者や義歯装着者をパネリストとして官能評価を行っていない.しかし, 高齢者や義歯装着者にとっても咀嚼時に軟らかく, 食べ易い肉は, 重曹などにより軟らかく処理した肉であることが推測され, 肉の軟化操作の重要性が認められた.
著者
木村 光雄 中嶋 哲生 清水 慶昭
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1009-1014, 1996

木材パルプを有機溶剤に溶解し, 溶剤紡糸して作られたテンセルは木綿や再生繊維であるレーヨン類とは異なる物理化学的性質を有している.この研究では直接染料に対する染色性を調べ, 木綿やレーヨン類のそれと比較検討した.<BR>40℃, 50℃および60℃における3種のセルロース繊維に対するCongoRed (GR) の初期吸着速度は次の順に大であった : ビスコースレーヨン>テンセル (未処理) >木綿.各繊維中におけるCRの拡散係数の大きい順は40℃で, テンセル>ビスコースレーヨン>木綿で, 50℃ではテンセル>ビスコースレーヨン>木綿, 60℃ではビスコースレーヨン>木綿>テンセルであった.<BR>テンセル (酵素処理) に対するCRの吸着等温線はFreundlich型であり, 70~90℃において特定遊離染料濃度における平衡吸着量はいずれもテンセル>キュプラ>木綿の川頁に大であった.
著者
上野 茂昭 菊地 愛未 島田 玲子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.508-512, 2016 (Released:2016-09-17)
参考文献数
10

Cottage cheese like milk aggregated products can be made at home from milk and acidic compounds such as vinegar and lemon juice. However, the recipe used with acidulants (vinegar and beverages) with different pH values and material contents remained unclear. We investigated in this study the volume of an acidulant with a pH value of 4.6 for making cottage cheese like milk aggregated products. The volume of an acidulant with lower pH value required for aggregation was smaller than that for a higher pH acidulant, excepting Chinkou Kouzu vinegar, blueberry black vinegar and pomegranate black vinegar. These three acidulants contained salt and other components which would have affected the aggregation process. The color difference value between the acidulant and cottage cheese like milk aggregated products made from blueberry black vinegar, Balsamic vinegar or Chinkou Kouzu was small, while that made from cereal vinegar, rice vinegar or white wine vinegar was larger.
著者
桐渕 壽子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.271-277, 1989-04-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7

1) きな粉の保存性に関して脂質およびアミノ酸成分の変化から検討した.2) きな粉は 150℃ で 30 分焙煎したもの (きな粉 I) と, 180℃ で 30 分焙煎したもの (きな粉 II) の2種を調製し, 5, 30, 40℃ で 180 日間保存し, AV, POV, 脂肪酸組成およびアミノ酸成分の変化をしらべた.3) きな粉 I, きな粉 II ともに 30℃ 以下の保存では酸敗がみられなかったが, 40℃ に保存すると, きな粉五ではしだいに酸敗が起こり, 保存 120 日を過ぎると POVは急激に上昇し, 180 日では食品衛生法の基準値を越えて 35mEq/kg となった.4) 脂肪酸組成は大豆を焙煎することにより, リノール酸, リノレン酸の組成比が減少し, 焙煎により酸化分解すると考えられた.保存中は 30℃ 以下ではほとんど変化はなく, 40℃ の高温に保存の時のみわずかに酸化されるようであった.5) 大豆を焙煎することにより遊離アミノ酸量の減少がみられた.とくにリジンやアルギニンおよびアンモニアの減少が著しく, これはアミノ-カルボニル反応に関与し, 褐変色素メラノイジンを生成したものと推察した.6) 40℃ で保存すると, 大豆粉は遊離アミノ酸が増加し, とくにアンモニアの増加が著しく, 脂質の酸敗臭とともに悪臭の原因をなしていると思われた.しかし十分に焙煎したきな粉ではまったく変化がなかった.7) きな粉は十分に焙煎して作られたものならば, 30℃ 以下では十分保存性のある食品と思われた.
著者
小野 かお里 Paul A. SEIB 高橋 節子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.813-820, 1999-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3

ヒドロキシプロピル化の置換度の異なる小麦澱粉2種を試料として小麦粉に10%添加して麺を調製し, 麺への添加効果を明らかにすることを目的として実験を行った.測定はファリノグラフィーによるドウの混捏特性, 麺の理化学的性質は溶出固形物量, 糊化度, 麺のテクスチャー・圧縮および引っ張り試験による凍結・解凍安定性などから実験を行い, 官能評価により食味特性を明らかにした.結果は以下に示すとおりである.(1) ファリノグラフィーから, 小麦粉にヒドロキシプロピル小麦澱粉を添加すると吸水率は増加し, 対照の小麦粉ドウに近似の図形を画き, こしの強いドウが得られた.(2) ヒドロキシプロピル小麦澱粉を添加した麺の茄で汁中への溶出固形物量は低下し, 溶出抑制効果が認められた.(3) β-アミラーゼ・プルラナーゼ法による糊化度の測定から, ヒドロキシプロピル小麦澱粉を30%添加した麺の糊化度は対照の小麦粉麺に比べて高く, 茄で時間の短縮効果が認められた.(4) 茹で麺の圧縮ならびに引っ張り試験から, ヒドロキシプロピル小麦澱粉を添加した麺は対照の小麦粉麺に比べて軟らかく凝集性が大で伸びのよい麺となり, 引っ張り強度・伸び弾性率がともに大きく, こしのある麺となった.(5) 茹で麺は凍結・解凍を繰り返すことにより, 硬さおよび伸びは低下, 伸び弾性率は増加し, 糊化度は低下するが, ヒドロキシプロピル小麦澱粉LLを添加した麺の変化は小さく, 老化しにくく凍結・解凍安定性の高い麺が得られた.(6) 官能評価によりヒドロキシプロピル小麦澱粉LLを10%添加した麺は白く, べたつきのない嗜好性の高い麺と評価された.
著者
平田 未来
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.118-128, 2014

In the beginning of the twentieth century, the suffragettes campaigned strongly. Previous studies at home and abroad have focused on the campaign's political aspects of the history of feminism, gender and politics. However, few studies have adequately discussed the role of clothing in the suffragette movement. In this article, I will examine the details and the meaning of clothing during the movement. The main source is the Votes for Women which was published by the Women's Social and Political Union. As a result, it can be concluded that items such as banners and badges decorated with symbol colours had a role in developing a collective vision among the suffragettes and supporting the aim of achieving women's causes.
著者
松本 聡子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.715-722, 2002-07-15 (Released:2010-04-23)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本研究では, 住環境と子どもの発達の関連性を検討する第一段階として, 住環境と「育てる側」である母親との関連性について分析を行った.その結果, 住環境に関する母親の評価が, 母親の活動制限感に影響を及ぼすことによって, 母親の子どもに対する態度を変化させていることが示された.養育態度に影響を及ぼしているとされる様々な要因では説明できない残差の一部がこの住環境要因で説明可能と解釈できると推察されたことからも, 今回の調査の結果は意義のあるものだと言えるだろう.子育てのための住環境問題が深刻化している現在, 不適切な養育態度や育児ストレスの原因となる他の要因の改善と同様に, 今回の分析結果から得られた住環境要因, 特に住居内スペースの質の向上, すなわち, 「自分のためのスペース」の確保や使い易い間取りの工夫などの環境要因を特定・改善していくことは, 有効であると考えられる.
著者
桑野 和民 酒巻 千波 三田村 敏男
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.217-220, 1989

市販緑茶 (煎茶) の地域ブランド特性を知ることにより, 消費者が緑茶を購入するさいの嗜好的な面も含めた, 価格と品質の関係を明らかにすることを目的として検討を進め, 以下の結果を得た.<BR>1) 日本茶 (緑茶) 産地知名度調査および東京地区の地域性から, 静岡, 宇治, 狭山の3地域ブランドを選び, それぞれ100gあたり500, 1,000, 1,500円の普通煎茶を茶専門小売店3店舗ずつで, 合計27試料購入した.<BR>2) 茶の入れ方研究会の標準浸出法により浸出した溶液の各種化学成分を分析, 検討した結果, 宇治茶はあっさりした味, 狭山茶は濃く, 苦く, 渋い味, 静岡茶はその中間で平均的な味であることがわかった.<BR>3) 上記の分析結果等から, 低価格の煎茶は地域ブランドとしての味の特性が少ないので, 気分的な面で地域性を楽しめばよいと考えられた.また, 高価格になるほど地域性が顕著になるので, 嗜好を十分考慮して購入する必要があると考えられた.
著者
李 璟媛 山下 亜紀子 津村 美穂
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.379-390, 2012-07-15 (Released:2013-10-15)
参考文献数
31
被引用文献数
1

The purpose of this research is to reveal the recognition and the actual conditions of discipline and abuse.We received 832 effectual responses from questionnaires given to 1266 guardians of preschoolers between November 2010 and February 2011. 709 of these guardians were the mothers of preschoolers.The findings are as follows: 1. Over 80% of mothers recognize 10 actions as abuse: these include torturing children by burning them, not serving meals, and preventing children from going to school. 2. About 60% of mothers recognize the following actions as means of disciplining children: scolding their children loudly, spanking them, and slapping their children’s hands. 3. In fact, over 70% of mothers have scolded their children loudly, spanked them, and slapped their children’s hands as a way of disciplining them and over40% of mothers performed other actions in order to discipline their children. 4. Mothers who have not used childcare support services, or who are not part of an informal childcare network show a marked tendency toward recognizing scolding, spanking and slapping children as forms of discipline, rather than abuse.
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.525-530, 1995-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

後発酵茶の一つである石鎚黒茶について, その製造工程中の成分変化について検討した.ポリフェノール含量は, 他の後発酵茶と同様に製造過程で減少していた.カテキン含量については, 製造工程中で減少し, 特にエステル型カテキンの減少が大きかった.有機酸含量としては, 桶づけ後の茶葉に乳酸が顕著に生成した.
著者
大矢 靖子 宮川 久邇子 高田 茂樹
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.563-572, 1996-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究では現代の食生活の実態および食生活を規制すると思われる要因との関連を明らかにすることを目的に, 本学の女子大学生430名, 近畿圏の女子高校生958名を対象にアンケート調査を行った.本報では, 食行動を把握するうえで重要であると思われるイメージに焦点をあて, 外食, 調理済み・半調理済み食品, 手作り料理のイメージの実態について報告した.結果の概要は次のとおりである.(1) 外食のイメージは「便利」「楽しい」「雰囲気が良い」「塩分が多い」「カロリーが高い」などであった. (2) 調理済み・半調理済み食品のイメージは「便利」「はやい」「手抜きである」「カロリーが高い」「野菜が少ない」「栄養バランスが悪い」「体に悪い」「愛情がない」などであった.(3) 手作り料理のイメージは「こっている」「食べ物の温度が温かい」「おいしい」「体に良い」「安全である」「楽しい」「雰囲気が良い」「愛情がある」「手問がかかる」などの項目に得点が高かった.(4) イメージを学年別, 居住形態別, 食生活満足度別にみたところ, 学年別, 居住形態別には大きな差はみられなかった.食生活満足度別にみたイメージでは, 食生活に満足でも不満でもない者は, 調理済み・半調理済み食品のイメージが明確でない傾向がみられた.(5) 手作り料理のイメージについては, 食に満足している者は, 「おいしい」「野菜が多い」「栄養バランスが良い」「体に良い」「衛生的である」「安全である」「楽しい」「雰囲気が良い」「愛情がある」「好き」などの手作りにより良いイメージをもっていた.(6) イメージを本学学生・近畿圏の高校生別にみたところ本学学生の方が, 高校生よりもイメージがはっきりしており, 特に経済面や栄養面, 安全面などにその傾向がみられた.(7) 本学学生のイメージ得点から因子分析を行ったところすべて第7因子まで得られ, 累積寄与率からそれぞれ5因子で約80%が説明できた.外食, 調理済み・半調理済み食品, 手作り料理とも第1因子はムードに関する因子で, 5因子までに共通して含まれていた他の因子は, 健康因子, 味・経済因子, 安全性因子であった.
著者
秋山,照子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, 2000-09-15

The four tea ceremony documents, Matsuyakaiki, Tennoujiyakaiki, Kamiya Soutan Nikki and Imai Soukyu Chanoyu Nikki Nukigaki, were examined to investigate the early-stage of kaiseki from the end of the medieval period to the beginning of the modern period. Twenty-five percent of kashi in kaiseki consisted of confectionery(rice cake, steamed bun, candy, sweetened and jellied bean paste, etc.)and 75% consisted of other food, which means that confectionery was still at an early stage of development. Among the other food were nuts, seeds and fruits, as well as various vegetables, potatoes and other starch, fungi, algae, etc. The kinds of food and recipes of that age suggest that the concept of kashi was not clear ; there was not a definite distinction between kashi and sai. The recipes used for kashi changed later ; for example, nishime continued to be used as a recipe for kashi, while frying fell out of fashion.
著者
佐々井 飛矢文 中村 仁美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.597-609, 2016 (Released:2016-11-26)
参考文献数
34

This survey focuses on the fishing activities on the shoreline of Sodeshi (Kyotango city) in Kyoto. These activities are referred to as okazu-tori in that area, as demonstrated by how fishing is conducted when gathering meals for the household from the rocky coastline.  An important factor in okazu-tori is practical knowledge about the shore life and enjoyment of sharing the food-gathering activities. Okazu-tori is influenced by seasonal changes in the weather and provides local people with the opportunity to communicate with others in a manner beyond their everyday lives.  The pleasure of this activity is shared by exchanging the collected food or simply giving it to others. This shows an essential feature of people’s everyday lives and demonstrates the rich dietary nature in this region.