著者
田結庄 順子 柳 昌子 吉原 崇恵 中屋 紀子 牧野 カツコ
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.951-959, 1992-09-15

This study aims to consider consumer education in school by the survey data of the pupils' parents as consumers. The results were summarized as follows: 1) Mothers did not take consumer behavior considering the protection of environment. 2)The parents have had a tendency to decide commodity buying by talking with door to door sales person. This fact suggests that the most parents' decision-making were influenced by sales persons. Therefore, consumer education for parents is required to keep up with the times. 3) The parents considered that problems of consumptive behavior of children are due to their consumptive environment. The parents have had anxiety for children's future consumptive environment, particularly credit cards and commercial messages. 4) The parents have considered that role differentiation between home and school in consumer education as follows: fundamental consumer behavior should be taught children in home life, while knowledge of commodity, quality labeling, safety commodity and marketing system should be taught them in school.
著者
富田 道男 斉藤 学 春山 洋一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.229-233, 1992-03-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
2

(1) 水の煮沸により重金属溶出の認められなかったのは, ホーローびき鍋のみであった.(2) 5%酢酸水溶液の煮沸では, どの鍋 (鉄鍋を除く) からも重金属の溶出が認められ, その溶出量は水煮沸の場合の10倍に達するものがあった.(3) 5%酢酸水溶液の煮沸で溶出量の増加が最も少なかったのは, フッ素樹脂加工のアルミニウム鍋であった.(4) スズ引き銅鍋からは鉛の溶出が認められた.(5) シリコン強化焼き付けと称するてんぷら用鉄鍋は5%酢酸水溶液の煮沸により, 内面の塗装皮膜のほとんどが剥離した.このように, 使用方法の限定された表面処理の施された鍋を他の目的に使用するさい, その性質について十分調べることが肝要である.
著者
野中 美津枝
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.101-106, 2013 (Released:2014-05-31)
参考文献数
8
被引用文献数
3

This survey identifies the health conditions by dietary habits needing correction in high school students. Only 14.3% of the high school students had no dietary habits needing to be corrected. About 40% of the students had irregular mealtimes, and often had between-meal snacks and midnight snacks. A difference was found between the boys and girls in the dietary habits which should be corrected. The high school boys had such dietary habits as greasy meals and eating alone, while the high school girls tended to diet and generate leftover food. Those high school students having many dietary habits needing correction generally also had poor health.
著者
日比 喜子 安達 町子 前田 昭子 早川 史子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.183-192, 1999-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
26

滋賀県, 京浜地区, 阪神地区および長崎県の4地域において, それぞれを主な生育地とする女子学生 (18~22歳) を対象に茶, 特に紅茶の嗜好に関するアンケート調査を行い, 次のような興味ある結果が得られた.(1) 緑茶と紅茶の嗜好の比較では, 京浜地区と阪神地区では緑茶より紅茶の方が好まれるが, 滋賀県と長崎県では緑茶および紅茶の嗜好に有意差がなかった.(2) 緑茶あるいは紅茶を好む理由については, 地域間に有意差は認められず, いずれの地域においても緑茶あるいは紅茶を好む理由は圧倒的にそれぞれの “味” であり, “色” をあげた者はごくわずかであった.また, 茶を好む理由として “香り” をあげた割合は, 紅茶嗜好者の方が緑茶嗜好者よりも高かった.(3) 女子学生の紅茶飲用頻度は概して低いが, 飲用頻度の平均値は茶葉から抽出する紅茶よりも缶入り紅茶において, また, 緑茶嗜好者よりも紅茶嗜好者において高かった.しかし, 最も好きな紅茶は, 全体的には, 緑茶・紅茶の嗜好にかかわらず, 茶葉から抽出して飲む紅茶であった.(4) 缶入り紅茶の中では, いずれの地域においてもミルク紅茶が好まれるが, 特に滋賀県, 長崎県で非常に好まれていた.茶葉から抽出する紅茶の中では, いずれの地域でも紅茶液をそのまま飲む, 砂糖だけ入れて飲む, および砂糖とミルクを入れて飲む紅茶が好まれるが, 特に砂糖とミルクを入れて飲む紅茶は阪神地区で非常に好まれていた.(5) 緑茶嗜好者よりも紅茶嗜好者が多い京浜地区と阪神地区の紅茶嗜好者について, 前者では缶入りのレモン紅茶およびミルク紅茶を好み, 後者では茶葉から抽出して砂糖・レモンを入れる紅茶, および砂糖・ミルクを入れる紅茶を好む.
著者
松尾 眞砂子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1029-1034, 1999-10-15
参考文献数
20
被引用文献数
4

The usage of okara koji (Koji), okara fermented by Aspergillus oryzae, as a new food stuff was tested by preparing cookies and cupcakes, and their texlural properties and palatability were studied. The capacity for water-holding and oil-absorption of Koji was respectively 5 times and 2 times higher than that of soft flour. Koji could be substituted for soft flour by up to 10% in cookies and 5% in cupcakes without any effect on their textural properties and palatability. Koji significantly suppressed the oxidation of lipids in cookies and the retrogradation of starch in cupcakes during storage. These results suggest that Koji could be a useful foodstuff, not only as a substitute for soft flour, but also as a freshness-retaining ingredient in high-fat baked products during storage.
著者
小川 信子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1153-1155, 1994-12-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
1
被引用文献数
2
著者
福永 淑子 永嶋 久美子 小川 睦美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.147-157, 2015 (Released:2015-04-16)
参考文献数
12

shimi-mochi is a preserved food in the Tohoku area of Japan. The main materials used for shimi-mochi are glutinous rice and non-glutinous rice powder. shimi-mochi is repeatedly frozen and thawed in natural cold air to dry. It is soaked in water and cooked to eat, making it tender and easily broken. We made artificial shimi-mochi in this study by only using those main materials. The effect of the freezing and drying conditions on the characteristic inner structure and sensory properties of artificial shimi-mochi were investigated. It was possible to make artificial shimi-mochi by freezing and drying at -5℃ for 18 hours and at 3℃ for 6 hours, repeating this cycle for 28 days. Artificial shimi-mochi produced in this way had many vacant spaces similar to the traditional product, although it absorbed water in a shorter time than the traditional product. After absorbing water, artificial shimi-mochi retained its shape and, after cooking, retained its softness and stickiness for a significant time. Artificial shimi-mochi had the characteristic inner structure and sensory properties of the traditional product. Although the visual appearance was similar, the inner structure of artificial shimi-mochi produced under other conditions was completely broken after absorbing water. This result revealed that subtle differences in the process of freezing and drying affected the success or failure of producing artificial shimi-mochi.
著者
久保 妙子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-37, 2003-01-15

本研究では接地型の住宅地として,一般的な戸建住宅地,分譲テラスハウスおよび市営住宅を選び,近隣コミュニケーションの現状と意識を,居住者に対する質問紙調査をもとに考察したものである。結果を要約すると以下のとおりである。(1)近隣コミュニケーションの第一歩と位置づけられる,住戸外に出る回数は,テラスハウスで最も少なく,戸建住宅では中間程度で,市営住宅で最も多い。またこれらの接地型住宅地では,住戸外に出る回数が高層集合住宅に比べて多い傾向がある。(2)親しいつきあいをしている人がいる割合は,男性では3〜4割,女性では6〜7割で,とくに戸建住宅の女性で親しいつきあいが多い。(3)立ち話をする人がいる割合は,男性では7〜8割,女性では9割以上で,とくに戸建住宅で多い。それに対して挨拶する人数は,テラスハウスと市営住宅のほうが戸建住宅より多い。戸数密度がやや高く,範囲を認識しやすい特徴ある住宅形態が,一つのまとまりとして居住者に捉えられていると考えられる。(4)近隣コミュニケーションのきっかけは,家が近いことの他に,子供や自治会の関係を通じてが多い。子供を通じては女性が多く,自治会はどちらかというと男性で多く,きっかけの得にくい男性にとって自治会の果たす役割は大きいといえる。(5)立ち話の場所は,日常的に通る玄関前や街区内の道路が多く,コミュニティスペースとして設けられた公園等は少ない。さらにコミュニティスペースとして,東屋や貸し菜園,ベンチ等の要求がみられる。(6)向こう三軒両隣におけるつきあいの状態は,「会えば挨拶する程度」「なかには立ち話する人もいる」「なかには親しい人もいる」が、約3分の1ずつで、必ずしも親しいつきあいが行われているとは限らない。意識としては,7〜8割が向こう三軒両隣にこだわらず気の合った人と付き合いたいと考えている。(7)近隣コミュニケーションとしておこなわれていることで多いものは,「旅行等のお土産のやり取り」「宅配物の預け合い」「食料品などのおすそわけ」「留守にするときの声かけ」「慶弔時の手伝い」である。一緒に出掛けるような親密なつきあいは,向こう三軒両隣に限られず離れた家との間にも生じている。「日用品の貸し借り」は高層集合住宅の方が多く,「留守にするときの声かけ」は接地型住宅地の方が多い。(8)近隣コミュニケーションについての意識は,つきあいの有無に関わらず,近所づきあいをしたいという肯定的な意見と,したくないという否定的な意見が,対象による差はあるものの全体としては約半数ずつで拮抗している。(9)市営住宅において,建設当初から住み続けている高齢男性の間に,長い年月をかけて形成された親密なコミュニティの事例がみられる。以上のような接地型住宅地においては,接地していることによって住戸外に出やすく,近隣コミュニケーションも少なからずおこなわれている。しかし,かつては近隣の基本単位であった,向こう三軒両隣におけるコミュニケーションは必ずしも親しいものではなく,近隣のなかでも気の合った人と必要なときにコミュニケーションがとれる状態であることが求められているといえる。住戸のタイプごとの形態と密度,そして市営住宅の例にみられるように,長く住み続けられるか否かが,近隣コミュニケーションに影響を与えていることがうかがえた。また,接地型住宅地においてはコミュニケーションのための空間が充実しているとはいえず,日常的に使用しやすい簡易は休憩の場所等を含めた,住環境の総合的な計画が必要とされていると考えられる。
著者
久保 妙子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-37, 2003

本研究では接地型の住宅地として, 一般的な戸建住宅地, 分譲テラスハウスおよび市営住宅を選び, 近隣コミュニケーションの現状と意識を, 居住者に対する質問紙調査をもとに考察したものである.結果を要約すると以下のとおりである.<BR>(1) 近隣コミュニケーションの第一歩と位置づけられる, 住戸外に出る回数は, テラスハウスで最も少なく, 戸建住宅では中間程度で, 市営住宅で最も多い.またこれらの接地型住宅地では, 住戸外に出る回数が高層集合住宅に比べて多い傾向がある.<BR>(2) 親しいつきあいをしている人がいる割合は, 男性では3~4割, 女性では6~7割で, とくに戸建住宅の女性で親しいつきあいが多い.<BR>(3) 立ち話をする人がいる割合は, 男性では7~8割, 女性では9割以上で, とくに戸建住宅で多い.それに対して挨拶する人数は, テラスハウスと市営住宅の方が戸建住宅より多い.戸数密度がやや高く, 範囲を認識しやすい特徴ある住宅形態が, ひとつのまとまりとして居住者に捉えられていると考えられる.<BR>(4) 近隣コミュニケーションのきっかけは, 家が近いことの他に, 子供や自治会の関係を通じてが多い.子供を通じては女性で多く, 自治会はどちらかというと男性で多く, きっかけの得にくい男性にとって自治会の果たす役割は大きいといえる.<BR>(5) 立ち話の場所は, 日常的に通る玄関前や街区内の道路が多く, コミュニティスペースとして設えられた公園等は少ない.さらにコミュニティスペースとして, 東屋や貸し菜園, ベンチ等の要求がみられる.<BR>(6) 向こう三軒両隣におけるつきあいの状態は, 「会えば挨拶する程度」「なかには立ち話する人もいる」「なかには親しい人もいる」が, 約3分の1ずつで, 必ずしも親しいつきあいがおこなわれているとは限らない.意識としては, 7~8割が向こう三軒両隣にこだわらず気の合った人とつきあいたいと考えている.<BR>(7) 近隣コミュニケーションとしておこなわれていることで多いものは, 「旅行等のお土産のやり取り」「宅配物の預け合い」「食料品などのおすそ分け」「留守にするときの声かけ」「慶弔時の手伝い」である.一緒に出掛けるような親密なつきあいは, 向こう三軒両隣に限られず離れた家との間にも生じている.「日用品の貸し借り」は高層集合住宅の方が多く, 「留守にするときの声かけ」は接地型住宅地の方が多い.<BR>(8) 近隣コミュニケーションについての意識は, つきあいの有無に関わらず, 近所づきあいをしたいという肯定的な意見と, したくないという否定的な意見が, 対象による差はあるものの全体としては約半数ずつで拮抗している.<BR>(9) 市営住宅において, 建設当初から住み続けている高齢男性の問に, 長い年月をかけて形成された親密なコミュニティの事例がみられる.<BR>以上のような接地型住宅地においては, 接地していることによって住戸外に出やすく, 近隣コミュニケーションも少なからずおこなわれている.しかし, かつては近隣の基本単位であった, 向こう三軒両隣におけるコミュニケーションは必ずしも親しいものではなく, 近隣のなかでも気の合った人と必要なときにコミュニケーションがとれる状態であることが求められているといえる.住戸のタイプごとの形態と密度, そして市営住宅の例にみられるように, 長く住み続けられるか否かが, 近隣コミュニケーションに影響を与えていることがうかがえた.また, 接地型住宅地においてはコミュニケーションのための空間が充実しているとはいえず, 日常的に使用しやすい簡易な休憩の場所等を含めた, 住環境の総合的な計画が必要とされていると考えられる.
著者
下坂 智恵 村木 路子 江原 貴子 下村 道子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.963-970, 1997

骨つきのマアジをから揚げにしてマリネ処理するときの温度の違いによる魚の物性とくに骨の硬さと成分の変化について調べ, 以下の結果を得た.<BR>(1) 官能検査において, 浸漬時間による硬さの差は, 魚肉ではみられなかったが, 骨ではマリネ処理の時間の長い方がやわらかいと評価された.<BR>(2) マリネ処理した魚の骨の硬さは, 揚げた魚を高温で食酢に浸漬した方が低温にしてから食酢に浸漬したものよりも低下の程度が大きかった, <BR>(3) 高温浸漬による酢漬魚は, 低温浸漬によるものよりも重量増加が大きく, pHの低下, 食酢の浸透が速やかで浸透量が多いことが認められた.<BR>(4) 骨つきのマアジを油で揚げて後マリネにすると, カルシウムなどの無機成分が溶出して骨が軟化していることが示された.
著者
下坂 智恵 下村 道子 寺井 稔
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.1213-1218, 1996

近年, 日本では, 骨粗鬆症の原因ともなるカルシウムの摂取量の不足が問題となっている.日本人は, 昔から魚を多く摂取しており, 骨ごと食べられる小魚は, 重要なカルシウム供給源の一つといえる.そこで本研究では, 魚の骨を利用するための基礎的な研究として, 魚の骨を水中で加熱したときの物性および成分の変化について調べようとした.マアジの骨を, 水中で数時間加熱し, レオメーターを用いて破断強度を測定した.魚骨の無機成分は, 高周波誘導結合プラズマ (ICP) 発光分析法により測定した.マアジの骨の厚さの80%まで圧縮するのに要する最大荷重は, 30分間で急激に低下し, その後も加熱時間が長くなるにつれて徐々に低下した.加熱時間が長くなるとともに, 魚骨のタンパク質は減少し, 加熱液中のタンパク質は増加した.マアジの骨は, 加熱時間が長くなるとともに軟化したが, カルシウムの大部分は, 魚骨に残っていた.水中で加熱したマアジの骨が軟化したのは, 骨のタンパク質の一部が加熱液中に溶出し, 骨の構造が変化したことによるのではないかと考えられる.
著者
高畑 彩友美 冨田 圭子 饗庭 照美 大谷 貴美子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.287-299, 2006-05-15
被引用文献数
3 1

"子どもたちは家族と楽しい食事時間を過ごすことでコミュニケーション能力を育み,親子の相互理解を深めることで安定した人格を形成する.それには親の食生活や子育てに関する意識,生活充実感,過去の食経験が深く関わっている"という仮説を立て,母子の「コミュニケーション頻度」を被説明変数とし,母親の「過去の食経験」を外生変数とするパスモデルを構築し検証を行った.その結果,仮説は検証された.1)母とのコミュニケーションが少ない子どもは,食に対する興味や活気が低く,幼稚園の先生の評価においても友達の嫌がることをしがちであるなどの傾向がみられた.2)母親自身の過去の食経験が好ましいほど,母親の食事観を良くし,そのことは,子どもの食への興味を高め,母子間のコミュニケーション頻度を高めていた.また母親の過去の食経験が好ましいほど,現在の母親の生活充実感が高く,そのことは子どもへの積極的な養育態度や食との関わり方を介し,母子間の「コミュニケーション頻度」を高めていた.
著者
關戸 啓子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.649-657, 2002-07-10
参考文献数
7

The purpose of this study is to examine the educational significance of the communication the pre-school children maintain with elder citizens. The study was conducted at the nursing care centers for the elderly that also provide day care survice for pre-school children. Chosen were the centers that maintained constant contacts between the elderlies and the pre-school children, and the situations involving communication between the two parties were observed, while the staff at the centers were interviewd. The data gathered were qualitatively analyzed. The results describe four aspects of the pre-school children's experiences: verification of one's own value, acceptance by elders, recognition of one's own self through communication with adults, and cultural education. The elderlies played a role similar to that of their grandparents, suggesting that the children felt at ease with them. In addition, children seemed to have mini-experience of the real world by communicating with the elderlies. Furthermore, the results of our interview suggest that the environment in which the children's activities are taking place in the presence of elderlies with disability may very well provide them with a basic understanding of normalization on a daily basis. in other words, exposure to such an environment may help the pre-school children to be easily accepting people with disability while preparing them to be adaptable to society.
著者
間瀬 清美 原田 妙子 小町谷 寿子 石原 久代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.219-228, 2003

超高齢化社会に向かおうとしている今, 若年から高齢に至る男性の衣服着用の実態や習慣を理解しておくことは, 重要であると考える.男性の快適な衣生活に向けた基礎資料を得るため, 男性の衣服着用の現状についてアンケート調査を13歳~94歳の男性1,165名に対して実施し, 以下の結果を得た.<BR>(1) 着用衣服として下着類は, どの年代においてもブリーフよりトランクスを着用する人が多かったが, 若年層程トランクスの着用率が高かった.<BR>(2) 就寝時の服種は, 若年層はTシャツの着用が多いのに対して, 40~60歳以上では大半がパジャマの着用をしている.なお, 60歳以上では寝巻きを好む人も増え, 年層による差が大きい事が判明した.<BR>(3) 着用日数については, シャツ, ブリーフ, トランクス, ソックス類は, 夏季は殆どの人が1日, 冬季でも1日~2日で替えていたのに対し, パジャマの日数は, 1~3日の人が夏で83.2%を占め, 冬で64.4%と多く, 4日~1週間着用する人もかなり出現した.パジャマは1日の着用時間が比較的長いにも関わらず, 着用日数は長いことが判明した.<BR>(4) 衣服に対する意見として, 上着類は色, 柄, 形, ブランドなど人から見られるイメージを重視する意見が多かったのに対し, 下着類や就寝時の着衣に対しては, 着心地に対するこだわりが多かった.<BR>(5) 衣服選択については, 上着類は67.5%の人が自分で購入するのに対し, 下着類の購入は妻, あるいは女性の家族に任せる傾向が強かった.下着のコーディネートについても, 外出着, 普段着と比較して女性に任せる傾向があり, 年齢が上がるとともに多くなっている。また, 衣服の購入時に, 若年層は色・柄を重視し, 高齢者では, 着心地, 素材を重視していた.<BR>(6) トランクス着用者は上着類選びについて, 色・柄を最も重視するのに対して, ブリーフ着用者はサイズを最も重視している.また, 下着類はどちらもサイズを最も重視するが, その他の項目としてはブリーフ着用者が着心地, 素材と着装感を重視するのに対してトランクス着用者は色・柄を重視していることが判明した.
著者
緑川 知子 登倉 尋実
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.421-427, 1992-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18
被引用文献数
2

暑熱放射熱存在下での帽子の防暑効果について明らかにし, それが温熱生理反応に与える影響を調べることを目的に, 環境温28℃においてコントロール値をとったのちに, 人工気候室の環境温を約15分かけて35℃に上昇させるとともに, 400Wの陽光ランプ2個を用いて, 被験者の後ろ上方50cmの位置から, ランプが後頭部表面に直角にあたるように (Fig.1参照) 60分照射した.これと同時に着帽時には着帽した、鼓膜温・直腸温・皮膚温・心拍数・発汗速度・帽子表面温度・衣服内気候を測定し, 着帽時と無帽時について比較した.得られた主な知見は次のとおりである.(1) 鼓膜温ならびに直腸温のレベルと上昇度は, 着帽時に比べ無帽時に有意に高くなった.(2) 頭部表面温は無帽時には着帽時に比べ, 上昇速度が速く有意に高いレベルになった.(3) 着帽時に比して無帽時に, 発汗が速く始まり発汗量も多かった.熱が頭部に流入した結果, 帽子表面温と頭部表面温が上昇した (Fig.3) が, 着帽により熱の流入を防ぐ効果が現れて, そのレベルは着帽時に低い値になった.その効果は, 鼓膜温, 直腸温にも同様の変化をもたらし, 着帽時においてこれらの値は低くなった (Fig.2).無帽時の鼓膜温が37℃にほぼ達したとき (15分目), 鼓膜温のレベルに有意差が現れたとともに発汗が認められた.発汗開始は, 無帽時に15.3±2.3分で, 着帽時の22.2±3.4分より有意に速かった (Fig.4).鼓膜温が37℃に上昇すると, いずれの条件においても発汗が観察された.そして, 無帽時に鼓膜温のレベルが高かったために, 発汗中枢の活動が高くなり, 発汗量はすべての被験者において無帽時に多い値が得られた (Fig.4).本実験において無帽時には熱流入が多かったが, これに対して放射, 対流, 伝導による熱放散だけで熱平衡を保つことができなくなったために, 蒸発による熱放散を増加させるために発汗が生じて蒸発による熱放散を行った.発汗が速く始まって蒸発による熱放散が増加したので直腸温に差が現れるのが遅れた (25分目) と考えられる.鼓膜温のレベルと上昇度が着帽時に比べ無帽時に有意に高くなったのは, 無帽時に頭部表面温の上昇速度が速くレベルが有意に高く保たれたことと関係している.放射熱が後頭部上方50cmから加えられたために頭部表面温が上昇し, 上矢状静脈洞・横静脈洞・海綿静脈洞から流入した静脈血が加温されて, 鼓室近くを上行する内頸動脈血が内頸静脈血液と対向流熱交換により加温されたために, 鼓膜温が上昇したと考察した.
著者
徳井 淑子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.499-506, 2004-06-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
36

A boom in historical literature, which occurred from the activities of Romanticism in Paris during the 1830's made medieval-like attire fashionable among the young. Their medieval style was either copies of attire depicted in paintings of the past or was taken from theatrical costume. And the latter also was created from paintings of the past. This thesis examines the correlation among the historical fashion, theatre and arts in terms of records and fiction of that era in order to clarify the characteristics of the transmission of fashion information during the Romantic era. Going to the theatre was the greatest pleasure for the young of that era, and thus the number of people attending the theatre was equivalent to being number one on the bestseller list. Meanwhile, young painters copied paintings by great masters in museums as part of their training, but this also met the demand of the “petit-bourgeois.” Copied paintings created a market and contributed to the dissemination of knowledge about paintings, and it became a medium of information transmission of good examples of historical costume for the young.
著者
川崎 末美
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.923-935, 2001-10-15
参考文献数
22
被引用文献数
15

The writer studied the quality of diet, the frequency of co-eating, and the atmosphere at meal time respectively in order to clarify their effects on the mental health of junior high school students. Five hundred and seventy-three students responded my questionnaire, and the major findings are as follows : (1)As for the dietary quality, high quality of diet may be considered very effective in controlling low level of "lack of perseverance" as well (2)as their temperament such as "hot temper, " "irritation, " "unwillingness to go to school, " and "wish to commit suicide." It should be noted that peaceful atmosphere at the dining table is more effective on the above-mentioned four states of mind than high level of nutrition. (3)High frequency of co-eating is found effective in controlling their "wish to commit suicide" and "unwillingness to go to school" as long as they are pleased with the atmosphere at the dining table. (4)As far as the male students are concerned, talking with their family off the dining table seemed effective in controlling their "hot temper, " "irritation, " and "wish to commit suicide." So long as the female students are concerned, however, the warm meal time atmosphere seemed more effective than having a chat with their family off the dining table.
著者
長野 宏子 大森 正司 庄司 善哉 飯渕 貞明 荒井 基夫
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.219-226, 1994

中国等の多くの国の小麦粉発酵食品は自然発酵によっているところが多い.タイやインドネシアの伝統的な小麦粉発酵食品に関与している微生物の検索を行い, ガス発生する微生物を分離・同定し, その性質を明らかにした.パームジュースをスターターとする蒸し菓子 (khanom taan) のドウから<I>Enterobacter cloacae</I>を単離した.揚げパン (paathong koo) のドウからは, <I>Klebsiella planticola</I>および<I>Proteus mirabilis</I>を単離した.発酵性細菌の安全性は既に確認されている.単離した細菌である<I>E.cloacae, K.planticola</I>を用いて饅頭を製造した結果, 良好な膨化を示し, 十分にスターターとしての働きをもつものであった.
著者
武田 紀久子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.765-771, 1992-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18

小麦粉のケーキの膨化に対するエージング処理の影響を明らかにするために, 人工的にエージングさせた粉の脱脂・再構成粉を作製, 粉の特性およびスポンジケーキの品質を測定し, 次の結果を得た。(1) 小麦粉のエージングにより遊離脂質が減少し, その組成中遊離脂肪酸が増加した.粉一水懸濁液の室温時のかたさおよび粘度は粉のエージングにより大幅に増加した.(2) アミログラフによる最高粘度は, エージング粉をベースにした方が大きく, しかもエージング脂質を添加した方が大きかった.(3) エージング粉の冷却糊は, オリジナル粉よりもかたく付着性は小さかった.また, オリジナル脂質添加よりもエージング脂質添加の方が糊のかたさは柔らかく, 付着性は大であった.(4) 脱脂粉のケーキは最も比容積が小さいが, 脂質添加により比容積は大となった.また, オリジナル粉をベースとした場合, ケーキの膨化にエージング脂質の添加が有効であったが, エージング粉がベースの場合, 添加脂質の種類によらず, ケーキの比容積はオリジナル粉よりも大であった.(5) 以上より, ケーキの膨化に対する小麦粉のエージング効果は脱脂粉成分 (ベース) と遊離脂質の両方の変化に起因すると考えられた.