著者
島田 達朗 櫻井 彰人
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.611-618, 2017-08-15 (Released:2017-08-15)
参考文献数
13

オンラインコミュニティサイトには多くの質問が投稿されるが,その中には疑問等に対する答えを求めるのではなく質問の具体的な答えそのものよりも,自分の思いへの共感を求める質問がある.共感を求める質問に対して回答する人は,そうでない質問に対して回答する人より有意に少ない.そこで,共感を求める質問に対しても適切な回答を与えることができれば,ユーザのサイトに対する満足度が向上する.共感を求める質問に対して高い回答率を持つユーザー層に回答してもらえるよう,質問を振り分けることにより,共感を求める質問であっても回答される可能性を上げるという方法をとることとした.なお本論文では共感を求める質問とそうでない質問に対して機械学習を用いて分類を行った.
著者
日景 奈津子 村山 優子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.250-255, 2007-06-15 (Released:2007-08-24)
参考文献数
14

本研究では,これまでに安心感の定量的評価の実現を目的とした安心度評価モデルについて提案してきた.本論文では,安心度評価モデルについて紹介し,提案モデルの妥当性の検証について報告する.質問紙を用いて安心感に関する意識調査を実施し,得られた統計データを用いて因子分析を実行した.その結果,1)社会的信用と安全性に対するユーザの期待感,2)ユーザインタフェースを介して得られる満足度,3)ユーザの主観と経験に基づくリスク理解の3 因子が安心感要因として抽出可能であることを確認し,提案モデルを支持する安心感の構造を示した.今後の課題として,抽出された安心感因子を用いて,あるシステムに対するユーザの主観評価値を予測するためには,これらの因子を定量的に考慮した予測方法の定式化または数量化手法の検討が望まれる.
著者
加藤 真梨子 山下 利之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.576-582, 2016-04-15 (Released:2016-04-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1

CMCにおける絵文字のように,線画による表情には幾つかの特定の色が使用されることが多い.本研究では線画表情からの感情認知が,色によってどのように影響されるかを考察した.実験1では,喜び,悲しみ,怒り,驚きを表していると認知されやすい線画表情,中性表情を表す線画表情,あいまいな線画表情の計6つの線画表情を用いて,顔色の部分を赤,黄,青と変化させ,その表情認知を比較考察した.実験2では,背景色を変化させて,感情認知への影響を考察した.実験1,2ともに,主として眉毛や口の形態を感情認知に用いているが,顔色や背景色も感情認知を促進することを明らかにした.具体的には,実験1では,顔の赤色が喜び感情と怒り感情の認知を促進する一方,青色が喜び感情の認知を抑制した.また,青色が悲しみ感情の認知を促進した.実験2では,赤と黄の背景色が喜び感情の認知を促進し,青の背景色は悲しみ感情を促進した.
著者
田村 宏樹 淡野 公一 石井 雅博 唐 政
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.65-72, 2010-02-15 (Released:2010-05-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1

人のポーズ・歩行動作から,人の感情を識別*1することが100%の精度ではないが識別可能であるとの研究報告がなされている[1]~[3].それらの先行研究の多くは,人のバイオロジカルモーション(体の関節部分の動き)[4]をモーションキャプチャ装置で抽出し,解析することで識別を行っている.しかし,モーションキャプチャシステムは高価であることをはじめ,使用場所に制約があるなどの問題点がある.これらの研究を踏まえて,本稿では単一加速度センサを用いた感情を込めた歩行動作の識別を行うシステムを提案する.まず,提案したシステムとして人の歩行動作時の加速度情報から特徴量を抽出する.この特徴量を識別器Chain Support Vector Classifer(C-SVC)を用いて各感情ごとに識別を行った.本実験では,3名の被験者に単一加速度センサを装着してもらい中立,悲しみ,喜び,怒りの4感情を表現した歩行動作を対象とした.単一加速度センサから得られた加速度情報から,本稿で提案したシステムにより感情を込めた歩行動作の識別の実験を行い,提案したシステムの有効性を計算機実験結果より検証する.*1 本稿では,人が感情を推定するときに「推定」の語句を用い,計算機が感情を推定するときに「識別」の語句を用いることとする.
著者
佐藤 僚太 波部 斉 満上 育久 佐竹 聡 鷲見 和彦 八木 康史
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.920-931, 2016-12-15 (Released:2017-01-20)
参考文献数
15

公共空間内を往来する歩行者の属性や行動目的などを推定する技術は,施設の利用状況を自動的に観測し,各人物に最適な情報提供を行う情報環境の構築に貢献できる.その際には,どの人物同士が共に行動しているのかを推定し,歩行者をグループとして扱う技術が求められる.歩行者のグループを検出するには,2人の歩行者間の歩行軌跡や注意の向きの関係を手がかりとする手法が多く用いられる.これらの手法は,観測データ全体から特徴量を抽出して識別しており,歩行者グループは常にグループらしい動きをすること前提としている.しかし,実空間での歩行者グループは各個人の興味の対象の違いや障害物を回避する道筋の違いなどから常にグループらしい行動をする訳ではない.これによって,これまでの手法ではグループ検出が困難となる事例が見られる.本研究では,歩行データの時系列分割とマルチプル・インスタンス・ラーニング(MIL)によって,行動中の短時間に存在するグループらしい振る舞いを検出する手法を提案する.提案手法では,歩行データを時系列分割し,各時間区間の特徴量をMILを用いて別々に識別する.MILは教師あり学習の一種であり,複数の要素データの集合であるバッグ内に,少なくとも1つの正の要素データがあるかどうかを識別する.上記の時系列分割によって,時間区間の一部にグループらしい特徴があればそれを検出することができる.実験では,グループ動作を模擬したデータと,実際のショッピングモールで取得したデータを利用し,提案手法の有効性を確認した.
著者
塚田 義典 田中 成典 窪田 諭 中村 健二 岡中 秀騎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.796-812, 2015-10-15 (Released:2015-11-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

我が国では,高度経済成長期に集中整備された多くの道路橋が老朽化しており,適切な長寿命化修繕計画の策定が急務である.適切な点検・補修計画の策定,および工法の選定には,現況の形状を正確に把握する必要がある.しかし,現地での再測量作業には通行止め等の措置が付随するため,全国で約70万橋を対象に実施することは,コスト面と人的資源の面で困難である.この問題に対して,MMSを用いることにより道路の通行止めを行わずに道路橋上部工の現況を3次元で可視化する研究がなされている.しかし,MMSは道路に面した領域のみを計測対象にしていることから,路面だけのモデルにとどまり,上部工全体のモデルを生成することはできない.加えて,橋梁の下部工のモデル化も不可能である.そこで,本研究では,地上設置型のレーザスキャナとUAVを用いて取得した点群データから橋梁の上部工と下部工を一体とした3次元モデルの生成手法を提案する.
著者
片井 修
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.958-975, 2009-12-15 (Released:2010-03-01)
参考文献数
36
被引用文献数
1

本論文は,制約指向の立場からファジィ集合を捉え,そこから導かれた問題解決の枠組みを起点として,自然なシステムの成り立ちを分析することにより,新しいシステムの在り方やコミュニケーションの捉え方さらに情報概念の拡張などについて究明するものである.まず,制約指向の立場から厳密な二値論理と接合可能なファジィネスの捉え方を追求し,その結果,逆に,自己組織型問題解決に行き着くことを示す.さらに,この立場の根底にある「区切れない」という対象の捉え方に注目し,その延長線上にある自然農法やパーマカルチャーに見られる新しい農のシステム観を通して,「重層性」という構造の成り立ちの重要性を明らかにする.その端的な形としてセミラティス構造のあることを示す.さらに,「べてるの家」という集団の場の在り方に注目し,グループダイナミックスの基礎づけとしての「かやの理論」を参照することによって,自然な人間集団の重層的な成り立ちを明らかにする.さらに,コミュニケーションにおける重層性をライプニッツの空間と時間の概念を通し,さらに存在グラフやペトリネットのような数学的表現を導入して論じる.その上で演劇戯曲を題材に重層的コミュニケーションの構造を明らかにする.この重層的なライプニッツ時空間は,コミュニケーションの生成を通して形成されつつ,逆に,コミュニケーションの生成を支えるという「コミュニケーションの土壌」としての役割を有している.その働きを究明する「情報土壌学」という新しい学域の可能性を展望するとともに,従来からのシャノンの情報概念に加えて「包摂的情報」という新たな情報概念の在り方があることを示す.この「区切れない」という重層性が結果として生じたシステム構造であるのに対して,その生成的な特性を特徴づけるものとして「毛羽立った」システムという概念の可能性を示す.それは,リスク回避など近年の人工システム構築で強調される偶然性や想定外事象を排除するのではなく,むしろ偶然的出来事や出会いを活かし,区切りを越境してゆくという新しいシステムの在り方を示すものである.
著者
北島 理沙 小林 一郎
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.914-923, 2013
被引用文献数
1

近年,情報技術の発展に伴って大量のテキストデータが蓄積されるようになり,必要な情報を取捨選別するために自動要約の技術の必要性がますます高まっている.自動要約技術においては,様々な手法が提案されている一方で,文の関係のグラフ表現における固有ベクトル中心性の概念に基づいて文の重要度を計算する,グラフベースの文書要約技術が提案されており,その有用性が知られている.特に,LexRankはリード手法や中心性に基づいた手法のようなベンチマーク手法として用いられる様々な手法よりも良い結果を示すことが知られている.この手法は文間の類似度を計算するのに表層情報に対するコサイン類似度を用いている.本研究では,潜在トピックに基づいた文の類似度グラフを用いる複数文書要約手法を提案し,DUC2004を用いた文書要約実験を通して,LexRankとの性能の比較および考察を行う.
著者
稲邑 哲也 タン ジェフリートゥ チュアン 萩原 良信 杉浦 孔明 長井 隆行 岡田 浩之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.698-709, 2014-06-15 (Released:2014-07-17)
参考文献数
19

ロボカップ@ホームはHuman-Robot Interaction (HRI) 研究の発展のために,今後重要な位置づけを持ったコンペティションである.HRIにおける研究開発では,膨大な量の対話実験による経験データベースが必要となる場合が多いが,実機のロボットでは実験実施のコストが高く,また,シミュレーションでは人間とロボットとの身体的インタラクションに制約が生じる.そこで,没入型のユーザインタフェースと,複数のクライアントが同時に同一の仮想世界にログイン可能な機能の双方をロボットシミュレータに搭載し,HRI研究を促進させることの可能なロボカップ@ホームシミュレーションの枠組みを提案する.また具体的なシステム実装に必要となる基盤技術の設計指針を示す.
著者
山根 宏彰 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.671-679, 2012-04-15 (Released:2012-04-26)
参考文献数
40

本論文では,ことわざすかしの自動生成システムを提案する.提案システムでは,身近であることわざを「すかし」と呼ばれるオチに利用することにより,面白い文章を生成する.すなわち,ことわざの文末を変更して,ユーザの予想を裏切ることで笑いを生む短文を出力する.提案システムには以下の3つの特徴がある.まず第1に,前述のような笑いに関する新しいフレームワークである「すかし」の利用である.第2に,2,550億単語から構築された膨大な情報量を有するGoogle N-gramを活用した大量で多様な候補の生成である.第3に,これまでの駄洒落研究などにおいて扱われてきた,音の長さ,単語間音韻類似度,単語間意味類似度に加えて,さらにイメージのし易さ,具象度の考慮である.これによりファジィルールの構築と面白さの自動評価を行い,優れた候補の選択が可能となった.評価実験により,人手作成に近いレベルで意外性が高く面白いすかしの生成が可能であることなどが確認された.
著者
前田 陽一郎 丹羽 俊明 山本 昌幸
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.507-518, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
5 11

カオティックサウンドは, インタラクティブアート生成システムの1つとして人工生命の分野で研究が行なわれている. これにより, 人間の予想を超える多様性と複雑さをもつ音楽をコンピュータを利用して生成することが可能である. カオティックサウンドの研究目的は, カオス理論を用いることにより, 複雑かつ可変なサウンドを作り出す有効な手法を見つけることである. しかしながら, 単純にカオスで得た数値と対応する音を演奏する場合, 人間にとってただ音が鳴るだけの不協和音となることが予想される. そこで本研究では, カオス的非同期性や全体の同期性の制御が可能な大規模カオスを用いて音の生成を行い, さらにより自然な音に感じられるよう音楽理論の要素技術の一部を導入する手法を提案する. 本システムでは, 大域結合写像 (GCM) によって音高, 音長, 音量要素を決定し, 生成した音楽に小節, 調性, 休符, テンポ, エコー, 音色などの音楽的要素が追加される. これにより生成される音は自然音, 環境音楽などの, ヒーリングミュージックのような効果が予想される. また, この手法を用いてインタラクティブカオティックアミューズメントシステム (ICAS) を構築し, シミュレーションにより生成された音の感性評価を試みたので, これについても報告する.
著者
大橋 剛介 久森 隆史 望月 圭太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.537-545, 2007-10-15 (Released:2008-01-25)
参考文献数
20
被引用文献数
2

画像内容検索に関する研究は,画像認識の応用研究の一つとして,盛んに行われ成果をあげてきているが,カラー情報,形状,テクスチャ情報などによる low-levelな画像特徴量と high-levelなユーザの主観のギャップであるセマンティック・ギャップを埋めることは未だ画像検索研究の大きな課題として残されている.そして,情報検索の分野で成果をあげている,ユーザとシステムが対話的に検索をすすめていく適合性フィードバックが画像内容検索にも導入されてきている.そこで,本研究では,筆者らが既に提案しているスケッチ画像検索を応用した適合性フィードバック画像検索を提案し,セマンティック・ギャップを埋める手法を開発することを目的とする.本手法は,ユーザの検索意図が含まれている入力スケッチを有効に利用しようすることで,セマンティック・ギャップを埋めようとしている点に特徴がある.Corel Photo Galleryの 6,500点の画像データセットに対して,適合性フィードバックを用いたスケッチ画像検索を試みたところ,従来は検索が困難であった画像に対しても検索が可能になり,本手法の有効性を確認した.
著者
大田原 菜々 稲子 明里 塚原 裕史 小林 一郎
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.722-736, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
26

近年,車の自動運転の実用化に向けた活動が急速に進展している.今後,自動運転車の操作を容易に行うために,自然言語による対話的な操作を可能にすることが必要であると考えられる.そこで,本研究では,自然言語で表現される駐車指示から空間的意味内容を抽出し,その空間的意味内容と,車に備え付けられたセンサーによって認識される実世界を対応付け(グラウンディング)ることで,駐車指示内容に含まれる行動や物体などを表す言葉と,実世界上での行動や物体を結びつける手法を提案する.本研究では,駐車指示から空間意味内容を抽出する手法と,得られた空間意味内容と環境表現の対応付けを行う手法の2つを考えている.空間意味内容の抽出には,制約を組み込んだ特別な組み合わせ範疇文法(CCG)により与えられる構文木を中間情報として用いている.この際,未知語が現れた場合はCRFにより推定を行う.また,得られた構文木をリランキングすることで,精度を改善している.この構文木を,特定の変換規則によりSpatial Description Clause(SDC)と呼ばれる木構造による階層的空間意味記述に変換する.我々はKollarらにより提案されたSDCを拡張し,新たなタイプを追加している.グラウンディングを行う手法では,グラウンディンググラフと言う確率的グラフィカルモデルを生成し,グラフ全体の確率を計算することにより,それぞれの言語に対応したグラウンディングを出力している.構文解析が成功した文に対するグラウンディングの精度は全体で79.2%となった.
著者
畦原 宗之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.698, 2005-12-15 (Released:2017-05-02)

人間中心システムとは, 人間の主観, 判断, 評価, 認識, 感情, 感性が中心的な役割を果たす情報処理システムの総称である.本論文では, 人間の作曲活動の場面を考え, 個人に応じた音楽作曲を支援する「対話型作曲支援システム」を構築することで人間中心システム設計の手法を提案する.システムへの入力は人間の音楽に関する感性情報であり, 出力は人間の感性を反映した楽曲である.システムには対話型遺伝的アルゴリズムの手法を用いる.システムは楽曲をGAの染色体として自動生成し, 作曲者であるユーザはそれらを主観で評価する.この評価をもとにシステムは染色体を進化させる.このようにシステムとユーザが対話を繰り返して作曲を行う.評価実験では被験者の作曲した楽曲への満足度は上昇し, また被験者の好みを反映して被験者間で異なる様々な楽曲が作曲された.この結果から, 提案手法が人間中心システム構築に非常に有効であることがわかった.
著者
鳥居 拓馬 日髙 昇平
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.826-833, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
20

他者の行為を観察して自らの行為を学習するには他者の目的を推定する能力が求められる.ある心理実験では,ヒトの18か月児が大人の行為を観察し,その未知なる目的を推論できることを示した.本研究では,この心理実験に着想をえて,どうすれば未完遂の行為の観察からその本来の目的や計画を推定できるかを数値実験で検討する.具体的には,異なる目的(課題)に最適化された2種類の単振子が一見よく似た軌道(動作)を生成するような実験設計を行い,どんな特徴量を用いれば軌道を生成した未知なる制御器(意図)を識別できるかを検討した.本研究の分析では,力学系の不変量「フラクタル次元」は,観察対象に関する事前知識をほとんど要さずとも,意図の識別に十分な情報をもつことを示した.
著者
澤崎 夏希 遠藤 聡志 當間 愛晃 山田 孝治 赤嶺 有平
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.668-677, 2020

<p>深層学習によって様々な分類問題が解決されているが,分類カテゴリ毎のデータ量が不均衡な問題を扱う場合,多くの課題がある.不均衡データへの対策として,少量カテゴリのデータ量を増加させ均衡化する手法がある.これをかさ増しと呼び画像処理分野ではノイズの付与や回転による方法が一般的である.最近ではGenerative Adversarial Network: GANによる画像生成手法を用いる場合がある.一方で,自然言語処理の分野では有効なかさ増し手法はいまだ確立されておらず,人手によるかさ増しが行われている.人手によるかさ増しではルールの設計など負担が大きく,機械的なかさ増し手法が必要となる.しかし,文章生成における機械的なかさ増しは画像生成に比べ不安定である.これは文章の特徴獲得の難しさが原因だと考えられる.そこで本論文ではグラフ情報に注目した機械学習による文章生成手法を提案する.CaboChaによって生成されたグラフ情報をGraph Convolutionにより畳み込み処理する.提案するGANにより生成されたかさ増し文章を3つの計算実験により評価し有効性を示した.</p>
著者
橋本 智己 鈴村 修平
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.643-652, 2020

<p>人間の忘却状況を推測し,適切な介助介入をするロボットが期待されている.本稿では,コミュニケーションエージェントのためのエピソード記憶の忘却モデルを提案する.まず,被験者にある文章を聞かせ,その直後に自由再生記述させる.さらに約1ヶ月後再度自由再生記述し,被験者の忘却状況(量,質)を文字数とアイデアユニットによって調査する.その調査結果に基づいて,コミュニケーションエージェントのための忘却モデルを生成する.実験の結果,読み上げ直後は文章全体からまんべんなく文章を抜き出すことが適当であり,1ヶ月後では主題となる部分を中心に抽出することが適当と思われた.本稿では,読み上げ直後の忘却モデルは,コミュニケーションエージェントの驚きの感情値が高い文章とした.また,1ヶ月後の忘却モデルは,ピークエンドの法則を考慮してコミュニケーションエージェントの6感情の総和の最大値の文章とした.さらに別文章に対して忘却モデルによるシミュレーションを行い,被験者の忘却状況や自動要約と比較し,モデルの有効性と課題について検討した.</p>
著者
澤崎 夏希 遠藤 聡志 當間 愛晃 山田 孝治 赤嶺 有平
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.668-677, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
23

深層学習によって様々な分類問題が解決されているが,分類カテゴリ毎のデータ量が不均衡な問題を扱う場合,多くの課題がある.不均衡データへの対策として,少量カテゴリのデータ量を増加させ均衡化する手法がある.これをかさ増しと呼び画像処理分野ではノイズの付与や回転による方法が一般的である.最近ではGenerative Adversarial Network: GANによる画像生成手法を用いる場合がある.一方で,自然言語処理の分野では有効なかさ増し手法はいまだ確立されておらず,人手によるかさ増しが行われている.人手によるかさ増しではルールの設計など負担が大きく,機械的なかさ増し手法が必要となる.しかし,文章生成における機械的なかさ増しは画像生成に比べ不安定である.これは文章の特徴獲得の難しさが原因だと考えられる.そこで本論文ではグラフ情報に注目した機械学習による文章生成手法を提案する.CaboChaによって生成されたグラフ情報をGraph Convolutionにより畳み込み処理する.提案するGANにより生成されたかさ増し文章を3つの計算実験により評価し有効性を示した.