著者
大田原 菜々 稲子 明里 塚原 裕史 小林 一郎
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.722-736, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1

近年,車の自動運転の実用化に向けた活動が急速に進展している.今後,自動運転車の操作を容易に行うために,自然言語による対話的な操作を可能にすることが必要であると考えられる.そこで,本研究では,自然言語で表現される駐車指示から空間的意味内容を抽出し,その空間的意味内容と,車に備え付けられたセンサーによって認識される実世界を対応付け(グラウンディング)ることで,駐車指示内容に含まれる行動や物体などを表す言葉と,実世界上での行動や物体を結びつける手法を提案する.本研究では,駐車指示から空間意味内容を抽出する手法と,得られた空間意味内容と環境表現の対応付けを行う手法の2つを考えている.空間意味内容の抽出には,制約を組み込んだ特別な組み合わせ範疇文法(CCG)により与えられる構文木を中間情報として用いている.この際,未知語が現れた場合はCRFにより推定を行う.また,得られた構文木をリランキングすることで,精度を改善している.この構文木を,特定の変換規則によりSpatial Description Clause(SDC)と呼ばれる木構造による階層的空間意味記述に変換する.我々はKollarらにより提案されたSDCを拡張し,新たなタイプを追加している.グラウンディングを行う手法では,グラウンディンググラフと言う確率的グラフィカルモデルを生成し,グラフ全体の確率を計算することにより,それぞれの言語に対応したグラウンディングを出力している.構文解析が成功した文に対するグラウンディングの精度は全体で79.2%となった.
著者
畦原 宗之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.698, 2005-12-15 (Released:2017-05-02)

人間中心システムとは, 人間の主観, 判断, 評価, 認識, 感情, 感性が中心的な役割を果たす情報処理システムの総称である.本論文では, 人間の作曲活動の場面を考え, 個人に応じた音楽作曲を支援する「対話型作曲支援システム」を構築することで人間中心システム設計の手法を提案する.システムへの入力は人間の音楽に関する感性情報であり, 出力は人間の感性を反映した楽曲である.システムには対話型遺伝的アルゴリズムの手法を用いる.システムは楽曲をGAの染色体として自動生成し, 作曲者であるユーザはそれらを主観で評価する.この評価をもとにシステムは染色体を進化させる.このようにシステムとユーザが対話を繰り返して作曲を行う.評価実験では被験者の作曲した楽曲への満足度は上昇し, また被験者の好みを反映して被験者間で異なる様々な楽曲が作曲された.この結果から, 提案手法が人間中心システム構築に非常に有効であることがわかった.
著者
鳥居 拓馬 日髙 昇平
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.826-833, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
20

他者の行為を観察して自らの行為を学習するには他者の目的を推定する能力が求められる.ある心理実験では,ヒトの18か月児が大人の行為を観察し,その未知なる目的を推論できることを示した.本研究では,この心理実験に着想をえて,どうすれば未完遂の行為の観察からその本来の目的や計画を推定できるかを数値実験で検討する.具体的には,異なる目的(課題)に最適化された2種類の単振子が一見よく似た軌道(動作)を生成するような実験設計を行い,どんな特徴量を用いれば軌道を生成した未知なる制御器(意図)を識別できるかを検討した.本研究の分析では,力学系の不変量「フラクタル次元」は,観察対象に関する事前知識をほとんど要さずとも,意図の識別に十分な情報をもつことを示した.
著者
澤崎 夏希 遠藤 聡志 當間 愛晃 山田 孝治 赤嶺 有平
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.668-677, 2020

<p>深層学習によって様々な分類問題が解決されているが,分類カテゴリ毎のデータ量が不均衡な問題を扱う場合,多くの課題がある.不均衡データへの対策として,少量カテゴリのデータ量を増加させ均衡化する手法がある.これをかさ増しと呼び画像処理分野ではノイズの付与や回転による方法が一般的である.最近ではGenerative Adversarial Network: GANによる画像生成手法を用いる場合がある.一方で,自然言語処理の分野では有効なかさ増し手法はいまだ確立されておらず,人手によるかさ増しが行われている.人手によるかさ増しではルールの設計など負担が大きく,機械的なかさ増し手法が必要となる.しかし,文章生成における機械的なかさ増しは画像生成に比べ不安定である.これは文章の特徴獲得の難しさが原因だと考えられる.そこで本論文ではグラフ情報に注目した機械学習による文章生成手法を提案する.CaboChaによって生成されたグラフ情報をGraph Convolutionにより畳み込み処理する.提案するGANにより生成されたかさ増し文章を3つの計算実験により評価し有効性を示した.</p>
著者
橋本 智己 鈴村 修平
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.643-652, 2020

<p>人間の忘却状況を推測し,適切な介助介入をするロボットが期待されている.本稿では,コミュニケーションエージェントのためのエピソード記憶の忘却モデルを提案する.まず,被験者にある文章を聞かせ,その直後に自由再生記述させる.さらに約1ヶ月後再度自由再生記述し,被験者の忘却状況(量,質)を文字数とアイデアユニットによって調査する.その調査結果に基づいて,コミュニケーションエージェントのための忘却モデルを生成する.実験の結果,読み上げ直後は文章全体からまんべんなく文章を抜き出すことが適当であり,1ヶ月後では主題となる部分を中心に抽出することが適当と思われた.本稿では,読み上げ直後の忘却モデルは,コミュニケーションエージェントの驚きの感情値が高い文章とした.また,1ヶ月後の忘却モデルは,ピークエンドの法則を考慮してコミュニケーションエージェントの6感情の総和の最大値の文章とした.さらに別文章に対して忘却モデルによるシミュレーションを行い,被験者の忘却状況や自動要約と比較し,モデルの有効性と課題について検討した.</p>
著者
澤崎 夏希 遠藤 聡志 當間 愛晃 山田 孝治 赤嶺 有平
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.668-677, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
23

深層学習によって様々な分類問題が解決されているが,分類カテゴリ毎のデータ量が不均衡な問題を扱う場合,多くの課題がある.不均衡データへの対策として,少量カテゴリのデータ量を増加させ均衡化する手法がある.これをかさ増しと呼び画像処理分野ではノイズの付与や回転による方法が一般的である.最近ではGenerative Adversarial Network: GANによる画像生成手法を用いる場合がある.一方で,自然言語処理の分野では有効なかさ増し手法はいまだ確立されておらず,人手によるかさ増しが行われている.人手によるかさ増しではルールの設計など負担が大きく,機械的なかさ増し手法が必要となる.しかし,文章生成における機械的なかさ増しは画像生成に比べ不安定である.これは文章の特徴獲得の難しさが原因だと考えられる.そこで本論文ではグラフ情報に注目した機械学習による文章生成手法を提案する.CaboChaによって生成されたグラフ情報をGraph Convolutionにより畳み込み処理する.提案するGANにより生成されたかさ増し文章を3つの計算実験により評価し有効性を示した.
著者
米田 光宏 田崎 博 土屋 直樹 中嶋 宏 濱口 剛宏 奥 正次郎 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.90-99, 2008-02-15 (Released:2008-05-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2 7

生体インピーダンス法を用いて内臓脂肪量を推定する手法は,X線 CTや MRIによる計測に比べると,コストや安全性の点で優れている.しかし,この手法で高い推定精度を実現するためには,複雑な組成を持つ生体の個体差を考慮した計測とその信号解析およびモデリングが重要となる.本稿では,特徴量のバリエーションを確保し,有効な特徴量の選定によるモデリング手法を提案する.具体的には,カーディナリティという指標を用いて特徴量の性質を定量的に評価することにより,特徴量のバリエーションを確保する.さらに,統計的な評価指標である赤池情報量規準を用いることにより,特徴量の選定を行う.実験の結果,提案手法によって構築した推定モデルが,高い推定精度と安定性を示すことを確認した.
著者
一井 亮介 前田 陽一郎 高橋 泰岳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.560-570, 2012-02-15 (Released:2012-02-27)
参考文献数
12

本研究では,リラクゼーションサウンド生成システム構築のためのリラクゼーション効果計測手法の提案を行う.まず意識集中(ストレス時)と音楽聴取(リラックス時)の脳波計測を行い,人間の覚醒状態に関わりがあるとされる特定の周波数帯(θ波,α波,β波)を抽出し,各含有率を解析することによりリラクゼーション傾向をつかむ.次に,提案手法の有用性を検証するため,本研究室で開発した同期性を制御できる大規模カオスを用いて音高,音長,音量を決定し,ユーザが自在にサウンドを生成することが可能なインタラクティブ・カオティック・アミューズメント・システム(ICAS)により人間にサウンドを提示することでリラックス度の有効性検証実験を行った.実験を行った結果,被験者にICASのサウンドを提示したときのアンケート評価値と,本提案手法によるリラックス度の数値がほぼ同じ傾向を示していることが確認できた.
著者
清川 清
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.318-325, 2007-08-15 (Released:2018-02-04)
被引用文献数
2
著者
西念 星宝 谷津 元樹 原田 実
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.797-807, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
10

照応詞と照応関係にある先行詞を同定することは,ロボット対話や質問応答などの自然言語処理の応用研究において,高精度を達成するために必要な要素技術とされている.そこで意味解析システムSAGEを用いて文を意味解析し,語間の意味的類似度を用いて指示代名詞の先行詞を高精度に同定する照応解析システムAnasysDを開発した.先行詞らしさを数値化するために,先行詞文節と照応詞の受け側文節との共起類似度素性や先行詞文節の上位概念分類と先行詞文節の深層格による2次元の事後確率など12種類の素性を設定した.NAISTテキストコーパスを用いてナイーブベイズ法で正解率の確率分布を学習し,先行詞らしさの確率が最も高い文節を先行詞文節とする.5分割交差検定で評価した結果,63.42%の精度を達成した.
著者
五味 怜央奈 相澤 秀和 下川原(佐藤) 英理 山口 亨
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.859-865, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1

人同士の対話を円滑に長続きさせるための手法の一つとして,対話支援システムによる適切なタイミングにおける話題提示が有効である.システムは対話中のユーザの状態を定期的に観測し,状態に合わせて話題提示の可否を決定する.そのため本論文では,対話支援システムによる話題提示に向けて,話題提示を行なうタイミングの知見を得るために対話実験を行ない,生体的評価指標として対話中に取得した心拍変動から算出される交感神経と副交感神経のバランス値LF/HFについて解析した.
著者
冨永 登夢 土方 嘉徳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.516-525, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
61
被引用文献数
1

本研究では,Twitterユーザを対象に,人格特性の変化と他ユーザから受け取ったフィードバックの関係を明らかにした.ここで対象としている人格特性は,Five Factor Modelとして知られる開放性,誠実性,外向性,協調性,神経症傾向の5次元で構成される.我々はまず,IBMの提供するモデルを用いて,Twitterユーザのツイートから過去と現在の人格特性を推定した.次に,過去と現在の間に,Twitterユーザの人格特性がどの程度変化しているかを確認した.さらに,上述の期間において,Twitterユーザが受け取った返信,引用,そして登録に関するデータを取得し,それらと人格特性の変化量の関係を非線形重回帰分析により明らかにした.この分析から,他ユーザによるフィードバックが人格特性の変化に有意に影響する可能性があることが分かった.最後に,これらの結果を踏まえた考察と今後の展望について述べた.
著者
渡邊 紀文 石崎 俊
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.383-393, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

視覚情報処理における結び付け問題は, 脳における情報表現の大きな未解決問題である. 現在神経科学の分野では, 脳の局所的な部分を観測し, それらの実験データを利用したモデルが作成されている. このようなモデル化の中で結び付け問題は, 脳においてどのように情報が表現されそして伝達されているのかを明らかにする重要な問題となっている. 本研究では, テンポラルコーディングとダイナミカル・セル・アセンブリの理論を適用した結び付け問題を解くシミュレータを構築する. このモデルでは, 神経生理学で提案されている電気緊張距離 (morphoelectorotonic transform) の理論を用いる. 本シミュレーション実験によって, 電気緊張距離を用いることでセル・アセンブリを実現し, ニューロン間の距離を学習することで結び付け問題を解決することが出来ることを示した.
著者
長田 尚子 鈴木 宏昭 三宅 なほみ
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.525-535, 2005-10-15 (Released:2017-05-02)
被引用文献数
1

本研究では, 教育学科の専門教育への橋渡しとしての位置づけを持つ導入教育において, 学生の協調的な学習を支援するために, 情報技術を活用した授業の設計を検討している.対象とする授業は, 「レポートの書き方」を目的とする基礎的な演習であり, 学力低下という問題領域において論証に基づくレポートを書くことが最終課題である.そこで学生は, 領域が包含するあいまいさに遭遇するとともに, 自律的な学習者として専門領域において研究を始めていくにあたっての困難に直面する.このような状況において, 領域の理解と論ずるべき問題の発見につなげていくために, 学生相互のインタラクションを促進する協調学習の枠組みをジグソー法で構成した.また, 協調過程における気づきに基づいて, 各自の考えを吟味するための支援環境としてのblogの導入を行った.結果として, 多様な論点によって構成された領域の議論への参加と, blog上に考えをまとめて公開する活動を通じて, 学生自身による吟味が起こり, 問題発見が促進されることを確認した.今回の結果は, ジグソー法とblogの活用によって, 導入教育時期の学生の新しい学習スタイルへの適応を支援できる可能性を示唆するものである.
著者
角田 雅照 伏田 享平 亀井 靖高 中村 匡秀 三井 康平 後藤 慶多 松本 健一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.874-881, 2011-12-15 (Released:2012-02-08)
参考文献数
12
被引用文献数
2

本稿では,時空間情報(位置,移動時間,移動距離)と動作に基づく認証方法を提案する.ユーザは時空間情報で定義された特定の認証点において,特定の動作を行うことにより認証に成功する.ただし,時空間情報を認証に用いる場合,認証に時間が掛かり,やり直しが容易ではないため,正しいユーザが認証に失敗する確率を抑える必要がある.そこで,認証行為の部分的な誤りを許容する,部分一致認証を提案する.また,時空間文字を用いて安全性の評価方法を定式化するとともに,提案手法が安全性において有効であることを実験により示す.実験により提案方法の安全性を評価した結果,本人拒否率は0.233%,他人受入率は0.010%となった.
著者
保木 邦仁
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.216, 2014-10-15 (Released:2017-11-18)

現在の将棋プログラムは,計算資源の殆どをミニマックス木の探索に費やす.ミニマックス木は,ゲームの状態間の手による遷移及び評価値を表す.この木の平均的な分岐因子は80程度もあることから,現実的な対局時間で5手以上先を読むためには,枝刈りにより木探索の効率化を図る必要がある.ミニマックス木探索における枝刈り法は2つの種類に分けられる.ひとつは,a b 探索に代表される安全な枝刈りであり,探索の値を変えることなく木の枝が刈られる.a b 探索の他にもアスピレーション探索[1] がよく用いられている.もうひとつの種類は,前向き枝刈り法と呼ばれる,探索の値を変えてしまう可能性のあるものである.前向き枝刈り法のうち,Futility pruning,null move pruning 及び late move reduction 法の将棋における性能調査が文献[ 2]に示されている.他にも,ハッシュテーブルを用いた枝刈り法や Static ExchangeEvaluation[3]の値に基づく枝刈り法などもよく用いられている.これら枝刈り法は現在のコンピュータチェスにおいて成功している方法である.将棋独自の性質を利用した枝刈りも研究されてきたが,Bonanza がチェスの枝刈り法を組み合わせただけでも十分将棋に効果があることを示して以降,チェスプログラムの技術への注目が再び高まっている.[1] H. Kaindl, R. Shams, H. Horacek, Minimax search algorithms with and without aspiration windows, IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence 13 pp.1225-1235(1991).[2] K. Hoki & M. Muramatsu, Efficiency of three forward-pruning techniques in shogi: Futility pruning, nullmove pruning, and late move reduction( LMR). Entertainment Computing, 3, pp.51-57(2012).[3] F. Reul, Static exchange evaluation with α-β-approach, ICGA Journal 33, pp.3-17(2010).
著者
桧森 拓真 木村 泰知 坂地 泰紀 荒木 健治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.645-652, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
13

本研究では,地方議会会議録に含まれるテキストの発言箇所を自動で推定する.実験のデータセットは,平成23年4月から平成27年3月までの4年間の4つの自治体の議会会議録であり,青森県,東京都,大阪府,福岡県の会議録に対して,人手で発言文と発言以外の文にアノテーションを行った.「4年間のデータを利用した発言文の推定実験」では,学習データと評価データに「同一自治体のデータ」を利用した実験,および,「異なる自治体のデータ」を利用した実験を行なった.実験の結果,SVMの平均正解率が最も高く,それぞれ,0.985,0.951となった.また,少量の学習データによる「1年間のデータを利用した推定実験」では,LSTMとSVMの比較を行った.比較実験の結果,LSTMの平均正解率が0.926となりSVMの平均正解率よりも6.1ポイント上回る結果となった.