著者
清水 美知子 シミズ ミチコ Michiko SHIMIZU
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.135-154, 2003-03-30

本稿は,両大戦間期の日本における<女中>イメージの変容を,第一次世界大戦後に登場した「派出婦」(=家庭などに出向いて家事手伝いに従事する臨時雇いの女性)に焦点をあてて考察するものである。第一次世界大戦後,都市部では女中不足が深刻な社会問題となりつつあった。女中が見つからない,居着かない。そんな女中払底への対応策のひとつとして打ち出されたのが「派出婦」という臨時雇いの女中のシステムである。1918年,東京・四谷に「婦人共同派出会」が設立された。派出婦は,申込者の依頼内容に応じて適任者が派遣されるしくみ。賃金は従来の女中にくらべると割高だが,必要なとき必要なだけ雇えるという利点もある。「派出婦」はその後,家庭の手不足を補う労働力として,都市部を中心に急速に広まっていった。女中になることを"奉公に上がる"といったように,日本の女中は行儀見習や家事習得という修業的な性格を有していた。これに対して派出婦は,雇用期間や勤務時間,仕事内容が前もって決められるという点で,従来の女中とは大きく異なった。そこには"修業"という側面はない。主従関係から契約関係へ。「派出婦」の登場により女中は,"職業人"としての第一歩を踏み出すことになったのである。
著者
倉井 庸維
出版者
筑波大学附属坂戸高等学校
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.40, pp.169-172, 2003-03-31

本校では、4年前から新入生が、高校生活に円滑に適応できるように、入学式の翌日から、3泊4日で黒姫高原で合宿生活(コミュニケーション・キャンプ)を行ってきた。そこでの内容は、1周30kmある野尻湖のサイクリングや ...
著者
植村 和美
出版者
大阪教育大学附属高等学校池田校舎
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.45, pp.17-82, 2012-11-20

平成25年度より高等学校新学習指導要領が実施され、また、時を同じく平成25年、OECD国際成人力調査PIAAC(成人が持っている日常生活や職場で必要とされる技能)に基づく社会における「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」の国際報告書が提出され、学校教育がより社会と連動し「生きる力」をはぐくむ基盤となることが期待されている。これまでもOECDの掲げる三つのキー一・コンピテンシー「(1)社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力」、「(2)多様な集団における人間関係形成能力」、「(3)自立的に行動する能力」に基づくPISA型学力を見据え、自分・他者・社会という三つの関わりを意識した学習活動を進めてきたが、今後いっそう新学習指導要領の掲げる「言語活動の充実」とりわけ「批評、論述、討論など」「伝統や文化に関する教育の充実」が国語教育の重要課題となる。 PISA、PIAACともに提唱する問題解決力・思考型学力の育成を模索しつつ、人間の根本的欲求である表現活動を言語活動と一体化させ、日本の古典文学や伝統文化を理解し自らの生き方への考察を深めるべく、中学・高校を連続する成長過程と捉え、池田地区中高連携学習活動を行った。
著者
李 炯喆 LEE Hyongcheol
出版者
長崎県立大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:2432616X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.33-41, 2019-12-22

植民地期の近代化について様々な認識と論点があり、日韓両国間だけでなく韓国内でも対立している。その史実究明のため、 19 世紀末から発展した仁川を対象にして検証する。植民地朝鮮の一地域に過ぎない仁川を対象にするだけで正確な分析にならないことは周知のことであり、さらに、仁川-朝鮮-日本と日本帝国経済圏 満州国・中国 という全体的な脈 絡から見るべきであるが、仁川だけでも植民地期近代 化 の実態を把握できる 小さな手がかりになる。
著者
KONNO Ryosuke 今野 良祐
出版者
筑波大学附属坂戸高等学校研究部
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.54, pp.51-60, 2017-07

人口減少と少子高齢化が進む日本。大都市東京の郊外に位置する埼玉県では全国的な傾向に反して、地域差を伴いながらも県全体としては人口増加が進み、県内の高校入学者数は増加傾向にある。このような人口動態の状況の中で、近年の埼玉県における高校進学動態はどのようになっているのか。本稿では埼玉県教育委員会がとりまとめ・公表している教育統計を用いて教育地理学的に分析し、埼王県における高校進学動態を明らかにすることを目的とする。
著者
植木 岳雪 大野 希一 関谷 融 UEKI Takeyuki OHNO Marekazu SEKIYA Toru
出版者
長崎県立大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:2432616X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.87-93, 2016-12-28

長崎県立大学シーボルト校の全学教育科目の自然地理学の授業では、2012年度から2016年度の5年間、地形図、地質図、空中写真を使った室内作業、スケッチの描き方の実習、島原半島世界ジオパークにおける野外実習、野外実習のまとめのポスター発表といったアクティブ・ラーニングを中心に行った。自然地理学の履修者は、これらの地域の素材を生かしたアクティブ・ラーニングを肯定的に評価した。
著者
盛田 謙策
出版者
聖徳大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02892677)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.145-156, 1985-12-15
著者
森田 均 MORITA Hitoshi
出版者
長崎県立大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13466372)
巻号頁・発行日
no.9, pp.129-142, 2008-12-22

This thesis proposes the method of anayzing the TV program. This new method clarifies the identity frequency of the event and the TV programming according to F-measure. F-measure is a value obtained from a multiple average of accuracy and the reproduction rate.
著者
伊牟田 經久
出版者
志學館大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13460234)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.183-206, 2000-01
著者
平岡 隆二
出版者
長崎歴史文化博物館
雑誌
研究紀要 (ISSN:18815359)
巻号頁・発行日
no.1, pp.51-60, 2006
被引用文献数
2
著者
竹井 成美 Shigemi Takei
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.18, pp.13-26, 1981-03-31

In this study, I have an intention of making researches into <Anicius Manlius Severius Boethius> and his work <De institutione musica>, who introduced the musical thoughts and Greek scholarship of Ancient Greece's into the Medieval world. Much of his works served as textbooks and source materials in the Medieval Society. Especially, his great work <De institutione musica> was important for the study of music, which, throughout medieval times and much later, was used as standard text in almost of christian schools and universities in Europe. He could make a great contribution to establish the traditional thinking of "music" in Europe to be a "Scientia (Learning)". This time, as the starting study I would like to clear his career and the historical, social background of his Age, and to survey his work <De institutione musica> and classify its contents according to each subject in it.