著者
藤田 明史
出版者
大阪女学院大学・短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03877744)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.67-76, 2004

研究ノート2004年8月に行なわれたアテネ五輪は、2001年9月11日に発生した「米国同時多発テロ」事件後の最初のオリンピックであった。21世紀初頭の暴力が蔓延する世界にあって、平和の祭典といわれるオリンピックのあり方が改めて問われている。オリンピックは本当に平和的であろうか。本稿はオリンピックと戦争の関連性について、「競争」、「停戦」、「政治の美学化」という3つの視点から歴史的に考察する。The 2004 Olympic Games in Athens were the first Olympiad after 9.11 in the year 2001. People have begun asking how the Olympic Games, a festival of peace, will confront the world where violence prevails at the beginning of the 21st century. Are Olympic Games really peaceful? In this paper, we are going to make historical considerations about the relation between Olympics and war, taking into account the three factors of competition, truce and aestheticization of politics.
著者
杉山 尚子
出版者
山脇学園短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03898814)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-7, 2006-03-31

This pilot study illustrates that the conceptual analysis of ordinary language helps the development of behavior analysis. There are two major approaches of modern psychology, cognitive psychology and behavior analysis. Each psychology accepts private events as the subject mater of each science, however the way of interpreting private events is completely different. In cognitive psychology, the private events are interpreted with using ordinary language directly and it remains folk psychology as a consequence. On the other hand, in behavior analysis, they are interpreted with redefined technical terms based on three-term contingency as a conceptual framework for analyzing behavior. However, this study shows the possibility of a new folk psychology in order to develop behavior analysis, through the conceptual analysis of the usage of "mind" ("Kokoro" in Japanese) in the Japanese verbal community.
著者
坂井 任
出版者
弘前学院大学文学部
雑誌
紀要 (ISSN:13479709)
巻号頁・発行日
no.49, pp.31-41, 2013-03
著者
増田 榮美
出版者
上田女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:21883114)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.37-52, 2016-01-31

本論文は、結婚式形式の移り変わりについて、社会背景や家族関係から受ける消費者傾向への影響を分析し、結婚式の歴史とともに、リゾートウェディング市場の誕生について明らかにするものである。結婚式の歴史を概観する中で、1970年代初めの結婚ブームにより結婚式場の予約が取れなかったり、一般的な結婚式が挙げられない事情があるなど、消極的に選択された個性的な結婚式がリゾートウェディングの原点であることがわかった。その後、リゾートウェディングが消費者のニーズにマッチし、積極的に選択されるようになったことが、まさに市場誕生のきっかけであったことが明らかになった。
著者
加藤 千恵子 高岡 哲子 鹿野 友恵 小田 明美
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.17-25, 2010-03

本研究では、小学第5学年37名を対象に命の授業を行い、独自に作成した自己概念とジェンダー・アイデンティティに関連した質問紙を用いて、授業の前後における変化と男女別の特徴について調査した。その結果、授業前は「違う性別の方が幸せだ」「不満があると聞いてくれる人がいる」という2項目に性差が見られ、授業後は授業前の項目に加えて「この性別に生まれて良かった」、「将来赤ちゃんが欲しい」、「元気がないと気づいてくれる人がいる」、「私の存在を認めてくれる人がいる」の6項目に増えた。男女別の詳細を見ると、男子は女子に比べ有意に「この性別に生まれて良かった」とする割合が高く、自己の性別に関して肯定的であるという特徴があった。一方、女子は男子に比べ有意に「違う性別の方が幸せだ」、「将来赤ちゃんが欲しい」、「不満があると聞いてくれる人がいる」、「元気がないと気づいてくれる人がいる」、「私の存在を認めてくれる人がいる」とする割合が高く、母性意識の目覚めや周囲のサポートや尊重してくれる存在に気づくという特徴があった。すなわち、性別によって自己の性に関する認識の違いが明確になっていくことが示唆された。
著者
西堀 すき江 友松 滋夫
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.17-25, 1987-07-20

市販缶詰17品種, 40銘柄について開缶後のスズ溶出量の変化を原子吸光分析法で測定し, 次のような結果が得られた。1.果物缶詰のpHは3.22(ミカン缶)〜3.82(モモ缶), 野菜缶詰は4.44(タケノコ缶)〜6.95(スィートコーン缶)であった。2.保存温度によるスズ溶出量の違いを果物缶で検討した結果, パインアップ缶では室温保存の方がやや溶出量が多くなったが, ミカン缶やモモ缶では顕著な差が認められなかった。3.ミカン缶, パインアップル缶において開缶後6時間まで急激なスズ溶出量の増加が認められた。24時間後には厚生省の許容基準の上限である150ppmに近すき, ミカン缶では1銘柄, パインアップル缶では2銘柄がユ50ppm以上であった。4その他の果物缶についてはミックスフルーツ缶のスズ溶出量が高くミカン缶, パインアップル缶と同様のスズ溶出量の変化を示した。モモ缶, サクランボ缶, ブドウ缶, ミツ豆缶からのスズ溶出量は2珪時問後も100ppm以下であった。5.各種野菜缶詰の中でギンナン缶の開缶直後のスズ溶出量は低かったが, その後急激なスズの溶出が生じ, 24時間後には260ppmを示した。アスパラガス缶は銘柄による差が大きかったが, 開缶後の変化は類似し, 24時間後もスズ溶出量の増加が認められなかった。
著者
室井 努
出版者
弘前学院大学文学部
雑誌
紀要 (ISSN:13479709)
巻号頁・発行日
no.50, pp.37-51, 2014-03

日本語学会の大会シンポジウム(ワークショップ)における小松英雄氏の発言をきっかけとして、氏の主張する書記における読み手の存在の考えをどのように定位するかを試みる。具体的には、同様の構造で論争が起きた岩波新『漱石全集』本文問題と、時枝誠記のソシュール批判の顛末、および時枝氏の主張する言語過程説においての「書く」「読む」といった文字と音声との関係の精読の二つを通じて、読み手の立場を考慮に入れた書記資料の扱いを説く小松氏の、日本語学史上の位置づけを考える。
著者
広井 勝
出版者
郡山女子大学
雑誌
紀要 (ISSN:13415840)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.41-52, 2010-03