著者
中村 弘毅 加茂 利明 大澤 秀樹 福島 将太 坂之上 浩 山崎 徹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1367-1372, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
2

車体制振ダンパーは,圧力制御弁を応用した機構により極低速から一定減衰力を発生することができ,広帯域にわたって減衰性能を発揮する.本研究では車体制振ダンパーの減衰特性を線形モデル化し,実験とシミュレーションにより車体振動低減のメカニズムを明らかにする.
著者
江崎 孝志
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.217-224, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
15

共鳴器を装着すると,排気音は共鳴周波数で消音するが,他の周波数で増音する.増音は共鳴器の首部の細径化による減衰の付与で抑制できる.減衰が直径に依存する原因は,高音圧下のため首部での粒子速度が大きく,拡縮流での圧力損失が大きいためである.設計する際は,首部の直径で減衰を,長さで周波数を制御すると良い.
著者
小林 裕児 坂口 貴昭 郡 逸平
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1477-1482, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
5

本論文の目的は翼面積がファン性能に与える影響を明らかにすることである.そこで,RANSにMRFモデルを組み合わせた方法を採用し,様々なブレード形状に対してパラメータ検討を実施した.その結果,翼の円筒断面形状を相似に設計することで,ファン性能はブレードの総翼面積に依存することが判明した.
著者
宅美 佑馬 本田 知己 葛西 杜継 三宅 浩二
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1242-1248, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
8

本研究では組成の異なるDLCとMo系潤滑油添加剤を含む潤滑油を用いてブロックオンリング摩擦摩耗試験を行った.X線光電子分光XPSによるしゅう動面の詳細な表面分析により,DLCとMo系潤滑油添加剤の組み合わせによる摩擦係数および摩耗形態の違いから,水素含有DLCの摩耗促進メカニズムを明らかにした.
著者
小林 浩章 香取 嘉彰 藤城 宣 山下 太郎 立岡 宏治 宮代 大輔
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.37-42, 2021 (Released:2020-12-24)
参考文献数
8

ボディ補強が操縦安定性に影響を与えることが知られている.しかし補強の有無の効果を官能評価では把握できるが,実走データで示そうとしても、補強によって生じる車両挙動の違いはわずかで、その差異を抽出することは難しい.そこで本研究では機械学習・深層学習を用いてドライバーが感じる車両挙動の特徴量を抽出する.
著者
佐藤 裕介 金堂 雅彦 平野 芳則 山内 亮佑 谷村 浩史 舩津 宣成 藤井 隆良
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1618-1623, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
14

ダウンサイジングターボ等の内燃機関の大幅な燃費向上は、エンジン加振力増大を招くため、車体への加振力を遮断する新たなマウントシステム構築が必要である。要求機能が相反した複雑なシステムを単純化して成立させる公理的設計を活用して、アクティブトルクロッドシステムを創案し、燃費向上と静粛性を両立させた。
著者
景山 一郎 栗谷川 幸代 小林 ゆき
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.385-391, 2020 (Released:2020-02-13)
参考文献数
8

二輪車は極低速走行時に直立安定性が大きな問題となり、安全性の観点から重要な1課題となる。しかし、この領域の二輪車の運動を表現する方程式は必ずしも整備されているとは言えない。本研究では、この極低速度領域の二輪車の運動方程式の構築と、その安定性に関する検討結果を示す。
著者
工藤 雅仁 品川 知広 松原 渉 引地 勝義
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.307-312, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
4
被引用文献数
2

新型1.2L直列4気筒エンジンを開発.技術的な特徴は,集合エキゾーストマニホールド一体シリンダヘッドとターボ,ファンスプレー直噴システムと超高タンブルによる高速燃焼,中間止め機構付きセンタースプール方式VVT,ヒートマネジメントシステムなどであり,豊かなトルクをレスポンス良く発揮し,高熱効率化を実現した.
著者
大矢 晃示 藤本 裕 濱川 洋平 山崎 雅也 辰村 光介
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1216-1221, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
19

組合せ最適化問題をリアルタイムで解く車載アーキテクチャを提案した.そのソルバとしてSBMを選択し,AI処理とリアルタイムに協調動作するPoCを車載FPGAで実現した.モチーフとして多体物体追跡を実機評価し,その結果,車載の自律制御システムとしての適合性と,多体物体追跡アプリにおける有効性を実証した.
著者
髙島 良胤 田中 大樹 佐古 孝弘 古谷 正広
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.221-227, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
8
被引用文献数
3

小型火花ガスエンジンにおいて,燃料供給機構を備えていない副室が燃焼および機関性能に及ぼす影響を調査した.希薄条件下において燃焼が緩慢になり熱効率低下の一要因になっている為,副室を用いて燃焼期間を短縮し熱効率を改善した.副室諸元が燃焼および機関性能に及ぼす影響について考察を加えた.
著者
孝田 秀一 若井 謙介
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.723-730, 2022 (Released:2022-06-17)
参考文献数
11

対向配置したノズルからGTL燃料を種々の噴射パターンを用い噴射, 混合気形成過程の変化によりPCCI燃焼運転領域の拡大を図る.燃料噴霧観察と機関運転試験を行い,混合気形成過程の変化が燃焼に与える影響を調査した.対向多段噴射による混合気の空間的,時間的配置の最適化により機関,排気特性の改善を図った.
著者
藤本 公介 山下 実 金子 豊治 石川 元治
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.359-363, 2010 (Released:2010-06-16)
参考文献数
5
被引用文献数
1

酸化劣化しやすいバイオディーゼル燃料(BDF)によるエンジン油性能への影響を把握するため、ポスト噴射で多量の燃料希釈を再現するエンジン試験を実施した。その結果、エンジン油の清浄剤消耗と、BDF由来の重合物の蓄積が加速され、エンジン油の耐デポジット性/耐スラッジ性が悪化することがわかった。
著者
松原 真己 石井 航平 河村 庄造
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.123-128, 2023 (Released:2023-01-25)
参考文献数
7

タイヤの表面の直接路面と接触する部分はトレッド部と呼ばれ,タイヤの性能を評価する際に重要な役割を持つ.そこで本研究は,トレッドブロックが接地面内に侵入・離脱した際のひずみ分布・加速度・サブ溝音圧の同時計測を行い,放射音とトレッドブロック変形の関係性について検討した.
著者
植月 悠記 渥美 友喜 倉鋪 圭太 菅原 宏 大場 優人 前田 元気 福水 洋平 深尾 隆則
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.1155-1160, 2021 (Released:2021-10-07)
参考文献数
10

オフロード環境下では,白線などは存在せず,道路の境界はセンサにより検出される.その境界は滑らかではなく検出された境界に基づく自動操舵制御には問題がある.本論文では,非線形重み付きのPath Followingを提案する.提案手法により車両は走行可能領域内で滑らかにかつ安全に走行できることを確認した.
著者
日下 馨
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1343-1348, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
8

開発初期の性能設計に用いる統計タイヤモデルの手法を用い,タイヤのサイズと内圧のみから転がり抵抗を推定できるモデルを構築した.得られたモデルは,サイズと内圧を変化させた場合の転がり抵抗の増減を精度良く再現できることが検証できた.本モデルは内挿予測に使う場合,ロバストであることを例示した.
著者
酒井 英樹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1554-1560, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
24

平面2自由度運動とロール運動から成る3自由度モデルを用いて,速度を変化させたときの根軌跡を考察した.そのパラメータスタディの結果,2つの根軌跡が重根になる場合があることを指摘した.重根が生じる車速よりも低速側では,ヨー共振周波数は,平面2自由度モデルのそれよりも30%程度大きくなった.そこで,この車速域のヨー共振周波数の近似式を提案した.
著者
山田 表 稲村 聡 林 昌樹 川島 久宜 石間 経章 鈴木 秀和
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.983-988, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
16
被引用文献数
2

オイル消費改善のためにオイル上がりのメカニズム解明は重要である.合口付近のオイル挙動を可視化するためシリンダライナにサファイアを用い,レーザ誘起蛍光法でランド部の油膜厚さを計測した.その結果,オイル上がりの経路が明らかになり,さらにランド部または合口部を通過する油膜の速度を求めることができた.
著者
廣田 壽男 紙屋 雄史 河本 桂一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.675-680, 2020 (Released:2020-07-29)
参考文献数
9

太陽電池システムの車両への適用に関し、1時間毎1年間の日射量による車載太陽電池の発電量と走行エネルギー消費量の計算モデルを開発し、走行条件や季節などによるエネルギーバランスへの影響を見積もった。車載太陽電池によるエネルギー消費削減およびCO2-WTW排出量、プラグイン充電回数への影響について述べる。
著者
畑村 耕一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.564-569, 2019 (Released:2019-03-25)
参考文献数
18

大気汚染防止とCO2排出量の低減のために,走行中に排ガスを出さないEVの普及が世界中で進められているが,発電所からの排出ガスを考慮すると排ガスゼロとは言えない。ここでは発電所からのCO2排出量に注目して,EVのCO2排出量を評価するとともに,将来的にEVがカーボンニュートラル走行を実現するための条件を論じる。