著者
大森 馨子 厳島 行雄 五十嵐 由夏 和気 洋美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.483, pp.27-31, 2013-03-13

痴漢被害の報告は,視覚的情報や聴覚的情報によるものは少なく,触覚による事例が大半である。このような公共交通機関における痴漢事件や冤罪に関わる問題を原点とし,痴漢被害最多発部位である臀部に提示された手や鞄がどのように知覚されるのか,また手や鞄の動きの有無によって違いが生じるのか,さらには触判断に対する確信度について検討を行った。その結果,臀部における触判断が正答する確率は,もっとも高い条件下でも40%であり,臀部に触れた手や鞄を触覚情報のみによって正しく判断することは困難であることが明らかとなった。また,誤った回答であるにもかかわらず,チャンスレベルを有意に超えて選択される刺激条件もみられた。さらに,正答率と確信度ともに動きの有無による違いは認められなかった。これらの結果から,臀部においては提示刺激以外で触られたという判断が頻繁に生じることが示唆された。
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.495, pp.1-6, 2013-03-14

電子計算機はパターン認識が不得手である.これは(1)使用するデジタル信号が電圧ビットの有無にもとづく論理的0,論理的1という二元であるために,冗長性がなく,誤り検出・誤り訂正はパリティービットや誤り訂正符号の付加と別途確かめ算が必要であることと,(2)演算が電圧ビットの斥力にもとづくために,演算結果を知るためにはシフトレジスタの読み取りが必要であることによる.これに対して,DNAからmRNA(メッセンジャーRNA)への核酸の転写や,mRNAがtRNA(トランスファーRNA)のアンチコドン構造と結合する翻訳は,(1)結合という相互作用が誤りを防ぐほか,(2)翻訳では64種類のコドンが20種類のアミノ酸に減数するため冗長性を有し,誤り検出・誤り訂正の確かめ算や読み取りを必要としない.免疫システムは,「体内のタンパク質をすべて合わせた数よりも1000倍も多い1000万以上の異なる抗体タンパク質のレパートリーをもち」,抗原との結合が完全か不完全かといった論理判断の結果も信号伝達できる田.免疫システムは神経システムに酷似しており,非常に多くの種類の刺激に対して満足のいく反応をする.ともに二分法(Aか非Aかのパターン認識を行なう)と二元論の論理をもち,興奮性か抑制性かの信号を受け取るとともに送り出す.免疫細胞と神経細胞の違いは細胞数とネットワークのやり方にある.リンパ球は神経細胞よりも100倍数が多い.神経システムはニューロンのネットワークであり,1細胞の軸索と樹状突起が他の神経細胞群とシナプス結合を築いてできている.リンパ球はネットワークを構成するために繊維による結びつきを必要としない.リンパ球は自由に動き回るので,直接的な接触か,あるいは彼らが放出する抗体分子によって相互に作用するという特徴をもつ[2].
著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.361, pp.59-64, 2011-12-16

FacebookやTwitter等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特にTwitterは2008年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.Twitterは多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.実際に2011年3月11日に起こった東日本大震災において,Twitter上の様々なデマがユーザを混乱に陥れたのは記憶に新しいが,平常時においてもデマを確認することができる.そこで本論文では,災害時におけるツイートのデマとデマの訂正に注目し,デマとデマ訂正ツイートの傾向と,災害時と平常時のツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.
著者
山中 顕次郎 漆谷 重雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.208, pp.77-82, 2012-09-20

ディザスタリカバリに備えたバックアップの遠隔転送を目的に,利用者が指定した速度で転送を行うファイル転送方式を提案する.本方式には,ネットワーク遅延やパケットロス率,それらの動的変動に関わらず,指定速度を守る,という特徴がある.このため,インターネットなどの安価な共用回線を介して,時間制約のあるファイル転送を行うのに有用である.本方式を用いて,海外パブリッククラウドとの間(ネットワーク遅延270ms)でファイル転送を行い,560MbpsとLAN並みの転送速度を達成したので,その実験結果も報告する.
著者
川合 裕之 北尾 光司郎 今井 哲朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.376, pp.147-152, 2012-01-18

LTE (Long Term Evolution)など複数の送受信アンテナを用いたMIMO (Multiple-Input Multiple-Output)送受信を行う高速移動通信システムのサービスが次々と開始され,MIMOによるより広いエリア構築が課題となっている.本報告では漏洩同軸ケーブル(LCX)を用いたMIMOエリア構築の一検討として,線路沿線に敷設されたLCXを用いた列車内LTE MIMOスループット特性を計算機シミュレーションにより評価する.そして,列車内の移動局の位置やLCXの高さなどをパラメータ化して評価を行うことにより,MIMOによる速度向上効果が得られる移動局・LCX配置やSIR (Signal-to-Interference Ratio)条件などを明確化する.
著者
イサダ サグァンウォントーン 四家 帝 山嵜 彰一郎 松嶋 智子 田中 宏和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.348, pp.35-38, 2012-12-13

通信における送信情報のビットストリームは,短いビットストリームのパケットに分割されたパケット構造をもつことが多い.パケットの先頭にはパケットの同期確立のためのユニークワードが存在する.ユニークワードを検出できないと,そのユニークワードを含むパケットからの情報再生ができなくなり,再生品質が著しく劣化する.通常,無線通信の送信機では伝送誤り対策のため,情報パケットのストリームに対して,誤り訂正符号化により情報パケットのパロティ検査ストリームを生成し,両ストリームを送信する.受信機では,誤り訂正復号された受信情報パケットのストリームからユニークワードを検出する.著者らは以前,復号された受信検査パケットのストリームからもユニークワードを検出する手法を提案したが,本稿では,同期検出確率と伝送効率の関係を明らかにする.
著者
宮澤 史穂 高木 幸子 田中 章浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.455, pp.149-154, 2013-03-04

本研究は,複雑な高次感情について概念構造(研究1)と,認知および表出(研究2)の2つの側面から検討を行った.研究1では質問紙を用い,高次感情にどの程度基本6感情が含まれているかを,それぞれ7段階で回答させた.研究2では参加者は,基本6感情を表す表情と音声を組み合わせて,指定された感情を最も適切に表すような発話動画を作成することを求められた.その結果,本研究で扱った6種類の高次感情は,概念構造と,認知および表出において共通した4つの基本感情の組み合わせに分類された.したがって本研究では,少なくとも一部の高次感情は,基本6感情の組み合わせによって説明できることが示唆された.
著者
藤原 健 大坊 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.412, pp.59-64, 2013-01-24

本研究では、競争/協調という文脈と、ポシティブ/ネガティブという感情が、笑顔あるいは悲しみ表情の刺激人物に対する会話動機評価にどのような影響を与えるのかについて検討を行った。具体的には、68名の男女大学生を対象に、競争/協調のプライミングおよび感情誘導を兼ねて音楽刺激の提示とエピソード記述を行ったうえで、刺激人物(笑顔 or 悲しみ表情)とどの程度会話したいかについて回答を求めた。その結果、笑顔の人物に対する会話動機で2要因の交互作用が有意となり、競争条件のポシティブ感情群は協調条件のポジティブ感情群よりも会話動機を低く評価していた。また、競争条件のネカティブ感情群は笑顔の人物に対する会話動機を高く評価していた。悲しみ表情の人物に対する会話動機については、競争/協調あるいは感情の効果は有意とならなかった。これらの結果について、適応的気分効果仮説から考察された。
著者
岸 俊介 坂本 直志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.89-94, 2013-03-07

近年、BluetoothなどのPAN対応端末の普及などにより、すれ違い通信が活用されるようになってきた。これは端末開か接近した時のみ通信が自動的に行われる仕組みである。これにより、たまたますれ違った端末同士でゲーム中のアイテムの交換を行うなど、新たな通信媒体として考えられるようになった。本研究では、このすれ違い通信をメッセージの伝搬媒体として活用可能かどうかを調べるため、NS2などのシミュレーションによって、様々な特性を調べた。
著者
岩間 太 中村 大賀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.282, pp.67-72, 2011-11-10

要求・仕様書や設計書などの上流文書成果物に対応して計画・実施される統合・システムレベルのテスト設計では,コードを対象とした単体・結合レベルのテストに比べ自動化技術が進んでおらず効率面・品質面から問題となっている.このような状況を改善することを目的とし,我々は,上流文書成果物からのテストケース設計作業を自動化するための課題を整理し,それらを解決する手法を汎用的な枠組として提案したい.提案手法では,テストケースを定義する際に重要であり,かつ現実の多様な文書から取得することが可能な情報のモデルを実プロジェクトからの洞察をもとにまとめ,これを構造的なタグとして定義する.その上で,対象文書からの情報をRDF形式のデータとして抽出しRDFストアに一元的にまとめ,抽出されたRDFリソースデータに対して上記モデルで定義されたタグを付加する.その後,このタグ情報を用いて文書からテストケースを一様な手続きのもと生成する.本論文ではこの手法とその実装システム,実プロジェクトへの適用結果の概要を示す.
著者
菅野 伸 平澤 徳仁 秋山 佳春
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.335, pp.13-17, 2011-12-09

現在、国際無線障害特別委員会(CISPR)において、照明器具の放射妨害波測定(30MHz〜300MHz)の代替として、CDNE (Coupling and Decoupling Network for Emission)を用いた伝導妨害波測定(CDNE法)を適用することが検討されている。世の中の省エネ要求に後押しされ急速に市場導入が進むLED照明ではあるが、一方で、電波受信障害発生の報告例もあり、その要因である放射妨害波を再現性良く評価することは、非常に重要であると考えられる。そこで本報告では、LED電球4機種を供試装置とし、CDNE法とCISPR16-1-4に準拠したアンテナや測定設備を用いた放射妨害波測定法との比較を行い、両者の相関係数が0.22〜0.60と小さいことを示している。また、相関性が弱い要因の一つとして、電源ポートのインピーダンスの違いに着目し、その安定化による相関性改善について検討した結果を示している。
著者
栗野 俊一 伊藤 和美 池田 由季 吉開 範章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.29-34, 2011-12-17
被引用文献数
2

DDoS攻撃に対する新しい情報セキュリティ対策を具体化するために,コンピュータウィルス感染時のヒトの意識に関する研究を行っている.ウイルス感染時における心理状況は,一種のパニック状態と見なせるが,現在までに報告された例はない.今回,その対策を検討するための基礎データを収集する目的で,ウィルスに擬似感染させる実験を行い,ヒトの心理と行動の特徴を分析したので報告する.