- 著者
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土屋 雅人
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第54回研究発表大会
- 巻号頁・発行日
- pp.F04, 2007 (Released:2007-06-09)
紙の防災マップは,自然災害から身を守る有効な道具であり,携帯性と一覧性に優れているが,情報を更新したり追加することが容易ではない.一方,パソコンを用いたインターネット防災マップは,情報を逐次更新可能だが,閲覧時間,場所,設備に制約がある.筆者は2006年,辻堂地区防災マップを改定するにあたり,防災関連情報や復旧支援情報を住民に広く知らせる手段として,QRコードを掲載した防災マップを提案した.これは,携帯電話のバーコードリーダ機能を使用して,紙の地図上のQRコードを読み取ることで,携帯電話の防災情報サイトに容易にアクセスできるものである.紙メディアの携帯性,一覧性と,無線ネットワークを利用した携帯電話の迅速性,適時性のメリットを融合し,必要な時に必要な情報を,QRコードを介して提供できる防災マップである.本研究では,2005年度に作成した「辻堂地域防災マップ」(神奈川県藤沢市)に,利用目的別の10個のQRコードを掲載し,そのQRコードを利用して,携帯電話用の防災情報サイトにアクセスできる仕組みを構築した. この10個の目的別QRコードについて,シナリオライティングの手法を導入し,その有意性の検証を行った.