著者
福井 和広
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.8, pp.1-8, 1994-01-20
被引用文献数
2

本論文では、エッジを安定に抽出する方法を提案する。エッジを輝度が急激に変化する位置ではなく、領域と領域を最も分離する領域境界として捉える。領域境界は、境界を形成する2つの局所領域の統計的な性質によって決るので、ノイズの影響に対してロバストである。この考えに基づいて、エッジ強度は、判別分析法により求まる2つの局所領域間での画像特徴量の"分離度"で表される。分離度は、理想ステップエッジ上で、ステップの高さに無関係に最大 (.) となり、エッジが鈍るに従って低下してゆく。線形領域では、その勾配に依らずにほぼ0.75、平坦領域では0.0に近くなる。この特性により、エッジ抽出しきい値が、エッジ強度に無関係に0.75近傍に設定される。したがって、従来の最適しきい値の選択問題が解決される。また、複数の特徴量を使うことでカラー、テクスチャエッジの抽出にも容易に拡張可能である。This paper proposes a robust method for detecting a weak edge. In our method, an edge is defined not as a point where the intensity changes largely, but as a region boundary based on separability of image features which can be calculated by the linear discriminant analysis. Based on this idea, the intensity of an edge is obtained from the separability, which depends only on the shape of an edge. This feature enables us to select easily the best threshold value for the extraction or a weak edge. And besides, our method can be applied to color, and texture edge extraction. Experimental results are presented to demonstrate the efficacy of the proposed method.
著者
浜辺 良二 内元 清貴 河原 達也 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.136, pp.143-148, 2006-12-21

講演のような話し言葉の書き起こしや音声認識結果を、講演録などのアーカイブとして二次利用する場合、文章として適した形態にする必要がある。本研究では、話し言葉の中で発言の引用が行われている箇所に引用符を自動付与する手法を提案する。機械学習により、まず引用構造をとる節を自動認定し、それらに引用符が必要かどうかを判定する。引用構造の認定では、表層表現や音響的特徴に加え、係り受け情報を利用することで認定精度の改善を図る。引用符付与の判定においては、学習の際に新聞記事コーパスから得られる情報をあわせて利用する。『日本語話し言葉コーパス(CSJ)』に対して、引用符付与の基準を定めた上で本手法の実験的評価を行なった。Transcriptions and speech recognition results of public speaking include many expressions peculiar to spoken language. Thus, it is necessary to transform them into document style for practical use of them. We focus on detecting quotations and enclosing them in quotation marks as written text. Quotations are detected with SVM-based text chunking method that considers information on morphemes, acoustic features, and dependency structures. Then, it is determined whether or not they need to be enclosed in quotation marks by machine learning method using the corpora of spoontaneous speech and newspapers. We defined how to classify quotations and evaluated our method on the Corpus of Spontaneous Japanese (CSJ).
著者
森田 一 奥村 学 東中 竜一郎 松尾 義博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.1-6, 2012-11-15

Twitter 上の対話はチャットのログ等とは異なり,発話にはリプライやリツイートといった明示的な形で他の発話と関連していることを示す情報が含まれる場合がある.そのため,これらの情報を積極的に利用することが Twitter 上の発話間の関係を同定する際には重要となる.関係の同定によく用いられている Markov Logic Network (MLN) 上で Twitter 特有の情報を利用し,発話間の関係の有無とその種類の同定を行うモデルを提案する.一方,発話系列には長さに制限がなく非常に長い対話となることもしばしば存在する.このような長い発話に MLN を適用する際に, MLN が大きな問題に対しては計算が困難であることが問題となる.本稿では MLN に対して SVM における動的素性に対応する動的述語を導入することにより,分割した系列に対して近似的に推論が行えるように MLN に対して拡張を行う.
著者
浅野 哲 牧 淳人 松山 隆司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38, pp.151-158, 2005-05-12

なぜ人は他人と目が合うとき強烈なインパクトをもって、そしてかくも鋭く気づくのか?従来、視線推定に関する研究は数多く行われてきたが、カメラを見ているか否かを精度良く検出することに特化した研究はあまり見受けられない。本稿では人のアイコンタクトを参考に、カメラを用いて人のカメラへの注視状態を検出する手法を検討する。まず、人がカメラを見ている状態を知る上で視覚的な手がかりとなり得る虹彩位置の検出及び顔向きの推定を行い、その上で両者の関係を解析する。特に、人がある点を注視している状態において、虹彩、眼球、頭部の回転角の間の幾何的関係を基に、上記の両者の間の線形性を示す。これに基づきカメラ注視の判別を行う手法を提案する。In this paper we propose a method for detecting direct gaze on a camera. Although many studies have been made for detecting gaze direction, only little have been reported as to precise detection of whether or not the subject is gazing at the camera.When someone is gazing into your eyes, you instantly notice that with a strong impression. The locus of iris among others as well as the head direction provide strong cues for the eye-contact in the case of human beings. In our study, hence, we also investigate the head direction and extraction of thedisplacement of iris as observable cues by a camera, and the relation between those factors. We then propose that we can deduce a linear mapping between aforesaid two elements in the situations of ``eye-contact'', by the geometric relationship between iris, eyeball, and head directions.
著者
浅野 哲 牧 淳人 松山 隆司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.149, pp.151-158, 2005-05-12
参考文献数
8

なぜ人は他人と目が合うとき強烈なインパクトをもって, そしてかくも鋭く気づくのか?従来, 視線推定に関する研究は数多く行われてきたが, カメラを見ているか否かを精度良く検出することに特化した研究はあまり見受けられない.本稿では人のアイコンタクトを参考に, カメラを用いて人のカメラへの注視状態を検出する手法を検討する.まず, 人がカメラを見ている状態を知る上で視覚的な手がかりとなり得る虹彩位置の検出及び顔向きの推定を行い, その上で両者の関係を解析する.特に, 人がある点を注視している状態において, 虹彩、眼球、頭部の回転角の間の幾何的関係を基に, 上記の両者の間の線形性を示す.これに基づきカメラ注視の判別を行う手法を提案する.
著者
薦田登志矢 佐々木 広 近藤 正章 中村 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.101, pp.33-38, 2008-10-12

近年, LSI のリーク消費電力の増加が問題となっている.本稿では,これに対し,演算器の実行時リークエネルギーを削減することを目的としたコンパイラによる PG 制御手法を検討している.この手法においては,コンパイラによって命令にスリープビットと呼ばれるビットを付加することで演算器内部の演算ユニットに対して細粒度な PG を適用する.ここでは,実行時命令履歴を解析し,この PG 制御手法の潜在的なリーク電力削減効果を見積もった.その結果,理想的なスリープビット付加が達成された場合,演算ユニットのリーク電力を大幅に削減できることが分かった.As semiconductor technology scales down, leakage-power becomes dominant in the total power consumption of LSI chips. For reducing runtime leakage-energy of execution units, we propose a compiler-based control power-gating strategy. In the proposed control starategy, we need to add 1 bit to instructions, which is called the ``sleep bit''. Sleep bit decides whether the execution unit should sleep or not after its use. We estimate the maximum effect of the proposed strategy by analyzing the instruction and cache miss trace information. The result shows that the proposed strategy have great potential to reduce run-time leakage-energy of execution units.
著者
保科洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111, pp.87-93, 2003-11-07

音楽において,指揮者は自らの音楽表現に関する演奏意図を,腕を中心とした身体動作によって,演奏者に伝達することが可能である。その具体的な方法について,講演者の経験及び理論に基づいて解説する.音楽において,指揮者は自らの音楽表現に関する演奏意図を,腕を中心とした身体動作によって,演奏者に伝達することが可能である。その具体的な方法について,講演者の経験及び理論に基づいて解説する.
著者
矢口 勇一 岡 隆一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.69, pp.135-140, 2005-07-16

本稿の目的は,「フレームワイズな音素識別ラベルを用いた音声検索」の方式を歌声データ検索に適用し,その有用性を調べることである.すなわち,フレームワイズに音素ラベル化された歌声データを検索対照データとし,クエリーとしての歌声データを検索対象データと同様に処理した後,クエリー列を用いてデータベースから連続DPによってスポッティング認識することで類似した部分区間の検索を行い,抽出された区間を含む楽曲を検索するものである.楽曲データベース全体から歌声クエリーを用いた楽曲検索率は,4小節分のクエリーで78\%であった.また、音声クエリーとの検索率の違いも本稿では述べる.Both song wave data and a query song wave data are transformed into phoneme sequences by frame-wize labeling of each frame feature. Applying a spotting algorithm called Continuous Dynamic Programming to these phoneme sequences, we can detect a set of similar parts in the song database each of which is similar to a query song wave. Song retrieval rate hits 78\ in 4 clauses from whole databases. Additionaly, difference of each query from song wave data and speech wave data remarked in this paper.
著者
鈴木 真介 秋山 英三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.37, pp.7-12, 2006-03-28

非血縁個体間でみられる協力行動の進化は,しばしば直接的互恵性の理論と間接的互恵性の理論によって説明される.本研究では,直接的互恵性に基づく協力行動の進化と間接的互恵性に基づく協力行動の進化を比較した.計算機シミュレーションによる分析の結果以下のことが分かった: (1)グループの人数が多いとき,間接的互恵性に基づく協力行動は直接的互恵性に基づく協力行動に比べて進化しにくい; (2)グループの人数が少ないときは,「一人でも評判の悪いメンバーがいるグループ内での裏切りを正当な行為とみなす」評判基準(standing)を用いることで,間接的互恵性に基づく協力行動は直接的互恵性に基づく協力行動と同程度に進化しやすくなる.The evolution of cooperation among unrelated individuals is often explained using direct reciprocity or indirect reciprocity. In this study we investigate the relation between direct and indirect reciprocity. The results of the computer simulation show the followings: (1) for large group size, indirect reciprocity cannot facilitate cooperation as effectively as does direct reciprocity; (2) for small group size, indirect reciprocity can facilitate cooperation as effectively as does direct reciprocity if a reputation criterion (standing), under which an individual who has defected in the group with some individuals whose reputation is bad does not change, is adopted.
著者
尾形 篤史 木村 昌臣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-6, 2013-11-19

CAP 定理は,2000 年に Eric A. Brewer が提唱した定理である.CAP 定理では,分散システムが持つべき 3 つの性質 (一貫性・可用性・分断耐性) のうち,少なくとも 2 つしか同時に満たせないと述べている.2002 年に Seth Gilbert と Nancy Lynch が CAP 定理の証明を可用性が常に成り立つという前提で行った.しかし証明では CAP 定理の各性質が成り立つ状況を網羅的に示しておらず,様々な分散システムに対して CAP 定理が成り立つことを示していない。また,CAP 定理の各性質は論文によって定義が異なり,曖昧であるという問題がある.そこで,本研究では,CAP 定理の各性質を厳密に定義するため,各性質の条件式をグラフ理論の隣接行列を基に定式化する.そして,シミュレーションによって分散システムを網羅的に検証し,CAP 定理の各性質が成り立つ状況の検討を行い,CAP 定理の一貫性と可用性,一貫性と分断耐性,可用性と分断耐性が成り立つ分散システムの条件を検討する.CAP theorem proposed by Eric A. Brewer in 2000. CAP theorem tells that it is impossible for a distributed system to concurrently have the following three properties: consistency, availability, and partition-tolerance. In 2002, Seth Gilbert and Nancy Lynch proved this theorem. However, in their proof. they assumed as system always guarantee availability. Namely, they did not discuss that every distributed system held CAP theorem. Moreover, in many other studies, three properties were not given a clear definition and were discussed ambiguously. In this study, we gave these three properties mathematical definitions based on an adjacency matrix. Based on this, we conducted a simulation to verify whether CAP theorem holds in every distributed system. Finally, we discuss the requirement of a distributed system that satisfy CA, AP or CP.
著者
前川徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.822-823, 2001-08-15
著者
奥平 啓太 片寄 晴弘 橋田 光代
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.82, pp.13-18, 2003-08-04
被引用文献数
6

本論文では,表情のある演奏をテンプレートとして利用し,1)モーフィングを含む演奏表現意図のリアルタイム操作,2)演奏表現の理解の手がかりとなる情報の可視化を行う演奏インタフェースiFP について述べる.iFP は,拍打と演奏テンプレート中の微細な逸脱(deviation) のスライダ操作,すなわち,抽象化したレベルによって演奏を行うインタフェースである.予測制御を用いることによって,拍打といった単純な操作で,テンポと音量を与え,また,間を表現するインタフェースを用意している.これらの機能により,iFP のユーザは名演奏家の指揮を行ったり,あるいは,名ピアニストの手を使って演奏を楽しむような感覚を味わうことが出来る.iFP には,エンタテイメントシステムとしての使用の他,音楽教育,音楽解釈研究など,幅広い使用法が想定される.This paper reports a performance system: iFP, which supports 1) real-time playing include morphing, and 2) visualization of expressions. iFP is the music interface, the player of which control music performances with tapping and handling sliders, based on expression deviation described in templates, in other words the player performs music with the abstracted control. The scheduler based on predictive control contribute in independence of tapping detection and notes arrangement. Players are allowed to tap on spontaneous beat, and to. express "rest" with simple tapping operation. These functions lets the players to enjoy playing the piano using pianist's hands, or conducting the virtuosi. iFP are expected to be used for entertainment, music education, and musicology.
著者
Yoshio Sakurauchi Hideyuki Takada
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, 2014-01-15

Recently user-generated content (UGC) has become major content of the Web and one of the most important factors of UGC is who has generated it. Even if the same information is disseminated, its credibility is different according to its author. Typically, authors are characterized by reputation systems. Although cloud computing enables both information dissemination and reputation aggregation with scalability, it is better to minimize the use of clouds due to cost problems. In this paper, we propose to apply the circular board method based on Chord to user centric media to disseminate information and aggregate reputation efficiently in a P2P manner. Its ring topology makes it possible to effectively collect the reputation from users at the same time when each piece of UGC passes through user terminals. The results of simulations reveal the feasibility of P2P information dissemination and reputation aggregation and provide insights about trade-offs between network resource consumed and time required for information dissemination and reputation aggregation.------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.22(2014) No.1 (online)DOI http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.22.30------------------------------
著者
伊藤 直人 北口 達也 森口 友也 高田 秀志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.143-150, 2014-01-15

近年,スマートフォンやタブレット端末の普及により,これらを活用した新しい協調作業の形態が追求されている.我々は,同一空間内で複数グループに分かれて同様の作業を行う活動に着目し,タブレット端末を活用してこのような活動を支援する「ダイナミックグループコラボレーション環境」を構築している.ダイナミックグループコラボレーション環境では,ユーザが自らグループ間を移動して動的にグループを再構成しながら協調作業を行うことを想定しているが,ユーザのグループ間移動を促進するためには,他のグループで行われている作業内容を提示するグループ間アウェアネス機能が必要である.本研究では,ダイナミックグループコラボレーション環境上に実装した協調検索システムを対象に,ユーザのグループ間移動に関与する要因に関する調査を行った.調査の結果,1) ユーザに与える情報量が多く,ユーザの興味を引く情報の提示,2) 直感的に作業内容を示し,ユーザが参照しやすい情報の提示,3) ユーザが行う作業内容自体の難易度の高さ,が要因となりうることが示唆された.
著者
津田 侑 黄 亮錦 森村 吉貴 侯 書会 上原 哲太郎 上田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.300-310, 2014-01-15

インターネット上でのユーザ間の情報共有はCGMと呼ばれるユーザ主体の情報発信基盤を通じて文字,写真,動画など様々な形で行われている.その中でもインターネット生放送は情報を映像とともにリアルタイムに伝える手段として注目を集めている.本論文ではユーザが創造したコンテンツを保護しつつ情報を発信できるインターネット生放送システムを提案しそのプロトタイプを構築した.そして,そのプロトタイプを用いて操作性,映像の品質,コンテンツ保護の効果の3つの項目を評価するために被験者実験を実施した.操作性では83.3%の被験者から高い評価を得られた.映像の品質は画質,音質,映像と音声の同期性の3つの指標でそれぞれ70%以上の被験者から高い評価を得られた.コンテンツ保護の効果では100%の被験者に映像の視認性について効果が見られた.また,94.4%の被験者から映像の横流しに対する抑止力があるという評価を得た.
著者
西村 竜一 三宅 純平 河原 英紀 入野 俊夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.103, pp.13-18, 2007-10-19
被引用文献数
16

提案する w3voice システムは、Web システムに対して、音声による入力インタフェースを拡張する。Java アプレットと CGI プログラムから構成し、通信プロトコルには、HTTP POST method と Redirection response を応用した実装を行った。このため、事前に特別な専用プログラムのインストールを要求せず、普段の Web ブラウザをそのままで使うことができる。また、音声認識、対話、ボイスチェンジャ、掲示板等の音声 Web アプリケーションを作成し、Web サイトで公開した。本研究は、家庭や職場等での音声インタフェースの利用環境を調べることを目的とする。そのために、利用者からの入力発話を蓄積し、分析をはじめている。約7ケ月で一日 47.6個、合計で 8 412 の入力を得ることができた。本稿では、提案システムの概要を述べ、収集データの発話時間及び SNR に関する調査結果を報告する。We have developed a speech input method called "w3voice" to build practical and handy voice-enabled Web applications. It is constructed using a simple Java applet and CGI programs comprising free software. The mechanism of voice-based interaction is developed on the basis of raw audio signal transmissions via the POST method and the redirection response of HTTP. We have released a number of w3voice applications on our website for public uses. The system also aims at organizing a voice database obtained from home and office environments. We have succeeded in acquiring 8,412 inputs (47.9 inputs / day) over a period of seven months. This report describes an overview of the proposed system, and results of analyzing collected inputs to observe utterance lengths and SNR.
著者
池田圭佑 岡田佳之 榊剛史 鳥海不二夫 篠田孝祐 風間一洋 野田五十樹 諏訪博彦 栗原聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-7, 2014-01-16

2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災後,Twitter 等ソーシャルメディアの果たした役割はとても大きく,今後起こるであろう各種災害においても重要な役割を担うことが予想される.しかし,誤った情報 (流言・デマ) が広がったことも事実であり,大きな社会問題となった.災害時には,必要な情報をいち早く拡散させるだけでなく,誤った情報の拡散を早期に収束させることが重要である.これまで,我々は情報拡散モデルとして,感染症の拡散モデルとして有名な SIR モデルを拡張させたモデルを提案しているが,この手法では情報を伝搬させるかどうかを確率的状態遷移モデルで表現している.しかし,実際には人は情報に対する興昧度や,情報発信元の信頼,また日常生活パタン等に基づいて情報を伝搬させるかどうかの判断を決定していると考えられる.本研究では,マルチエージェント型拡張 SIR モデルを提案すると共に,それを用いた情報拡散シミュレーションの定量的な評価手法を考案し,評価を行った.
著者
伊藤愛 追川 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.36, pp.47-54, 2007-04-05

近年、マルチコアプロセッサを搭載したマシンは一般化しつつある。組み込みシステムにおいても、マルチコアプロセッサを搭載したシステムが増加している。このようなシステムで VMM を動作させることによって、資源の効率利用、安全性の向上、信頼性の向上を実現することができる。これまで、マルチコアプロセッサ指向の軽量 VMM として、Gandalf を設計、実装してきた。本論文では、ゲスト OS 間のメモリ保護を実現するシャドウページングについて述べる。シャドウページングを利用することで、VMM がゲスト OS のメモリ利用を監視することができる。2方式のシャドウページングを設計し、実装を行った。それぞれの方式について評価実験を行い、シャドウページングの有無や方式の違いによるコスト差を比較し、考察を行う。Recently, the use of multi-core processors is increasing. Many multi-core processors are employed by embedded systems. By using VMMs in embedded systems with multi-core processors, we can effectively utilize the resources, improve safety and reliability. We designed and implemented a multi-core processor-oriented lightweight VMM, Gandalf. This paper focuses on shadow paging, which enables memory protection among guest OSes. A VMM can monitor the use of memory by guest OSes through shadow paging. We designed and implemented the two models of shadow paging. We compare and discuss the costs between these models by the results from benchmark experiments.
著者
木村 朝子 大町 英之 柴田 史久 田村 秀行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.68, pp.9-16, 2007-07-06
被引用文献数
6

近年,公共設備や家電製品などでタッチセンサやタッチパネルを利用した入力装置をよく見かけるようになった.しかし,一般のメカニカルなスイッチと比べ押下感がなく,LEDやGUI画面の変更,簡単な電子音で入力状態を確認するというものがほとんどであり,正しく操作できたという実感や安心感に欠けるという問題がある.そこで本研究では,タッチセンサの操作時に,メカニカルスイッチの動作音を効果音として再生することで,利用者に擬似的に押下感を与えることができるかどうか実験を行った.実験の結果,押しボタン型スイッチの動作音を利用者の入力動作に対してタイミングよく再生することで,押下感提示が可能であることを確認した.Recently, a touch sensor and touch panel are often used for public equipments and home appliances, because of their convenience. However, they do not have enough tactile feedback, such as "push touch," to operate comfortably. In this paper, we propose the presentation of "push touch" with an action sound of mechanical switch to the touch sensor, and we report the results of experiments in which whether or not user can recognize the sound as push touch sense.
著者
當山 日出夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.91, pp.21-28, 1995-09-15

1.漢字の属性(意味・字形・音)などを、一義的に決定することは不可能である。2.漢字の属性の決定には、漢字辞典の利用が有効である。3.最近の漢字辞典は、JIS漢字を中心に編纂される傾向がある。そのため、JIS漢字を批判するための根拠とはなりにくい。4.漢字の属性の整理のためには、JIS漢字以外の漢字をふくめた総合的な視点からの考察と調査が必要である。1. It is impossible to decide principally the attribute etc. of the kanji (The meaning, the letterform and the sound). 2. The use of the kanji dictionary is effective for the decision of the attribute of the kanji. 3. Recent kanji dictionary tends to be edited in the JIS kanji. Therefore, it is difficult to become the foundation to criticize JIS kanji. 4. For the arrangement of the attribute of the kanji, the consideration and the survey from the synthetic perspective are necessary including kanji other than JIS kanji.