著者
大石康智 亀岡弘和 持橋大地 柏野邦夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.22, pp.1-8, 2013-08-24

歌声の声の大きさの変化 (音量軌跡と呼ぶ) を楽譜と関連付けて特徴づけ,未知の楽譜に対して,その音量軌跡を予測できる生成過程モデルを提案する.数名の歌唱者による同一曲の歌声の音量軌跡を観察した結果,歌唱者ごとにその動特性は特有であり,楽譜や歌唱表現に起因する成分が含まれることがわかった.また,同一歌唱者による数曲の歌声の音量軌跡を観察したところ,歌唱者はいくつかの動特性パターンを所有し,楽譜が与えられた下で,パターンを使い分けて歌唱すると考えた.これらを踏まえて,楽譜における様々なコンテキスト (音符の音高や音長,音符内位置,前後の音符情報など) が与えられた下で,歌唱者が描くであろう音量軌跡を生成するモデルを構築するために,混合ガウス過程を用いる.複数のガウス過程によって音量軌跡の多様な動特性が特徴づけられ,これらの混合モデルによって歌唱者が時々刻々と動特性パターンを使い分ける動作が表現される.評価実験では,単一のガウス過程を用いるより,混合ガウス過程を用いて音量軌跡の動特性を特徴づけた方が,未知の楽譜に対する音量軌跡の予測性能が高いことを示す.また,音符のコンテキストの種類と予測性能の関係について考察する.
著者
エバンズベンジャミンルカ 棟方 渚 小野 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.37, pp.1-4, 2013-08-24

現代の音楽は多種多様に発展しており,特に自動作曲プログラムなどの進展は顕著である.しかしパターンマッチングや確率モデルに基づいたシステムの動作は,作曲家が楽曲を創作する過程や思考とは大きく異なり,ユーザによる作曲過程の調整が難しい.出力だけでなく,作曲過程にも楽譜データを利用するシステムの方が,従来システムに比べ,音楽の知識を持つユーザにはより使いやすいと考える.これまで我々は,楽譜データに基づく自動作曲システムの実現に向けて,バス課題を実行するシステム "Creating Music for You(CMY)" を実装してきた.本研究では CMY に新たに,バス声部の転回系を作曲規則として実装し,入力の制限を緩和した.また,プログラム実行時に任意の規則の利用・非利用が設定できるようにし,出力する楽曲の可能性を増大できる仕組みも実装した.As modern music is evolving in many ways, the advancement of automated music composing software is particularly noticeable. However, these systems, which generally rely heavily on pattern-matching technology and statistical models, operate using a composition mechanism which is totally different from that of the composer, making the system unrealistic for the user to adjust and control. A system which uses sheet-music-type data not only in the output but also in the composing process itself would offer the musically knowledgeable user an easier programme to work with. In previous research, we created an automated music composing system "Creating Music for You" (CMY), which composes four part harmony from bass-part music the user inputs. In this research, we have implemented the theory of chord inversions (i.e. chords with non-tonic bass notes), and have also enabled the user to choose which rules to use in the composition process. Both of these modifications allow for a wider variety of harmonic options in the output music.
著者
笹根成哉 小川 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.819-827, 1994-05-15
参考文献数
9
被引用文献数
4

本論文は、雲画像における雲頒域を抽出するための領域分割法と雲種を識別するための有効な特徴パラメータを提案し、それらによる雲種の識別法を与えている。対象とする雲種は、代表的な雲である巻雲、巻積雲、積雲の3種類としている。雲の領域は多様な濃度分布および形状を呈する。また、一郵の雲種では雲と空との境界が暖味である。一方、空の領域の濃度分布は比較的均質である。本文では、このような性質を有する雲画像に有効な領域分割法として磯率的弛緩法の利用を提案し、その初期磯率の与え方を示す。雲種の識別では、雲の形状が不走あるいは多様であるため、幾何学的な形状を特徴パラメータにすることは難しい。そこで、本文ではテクスチャ特徴を表す濃度勾配方向ランレングス、形状の複雑さを表す等濃度線フラクタル次元為よび雲と空との境界のエッジ強度を定義し、それらが各種の雲の特徴パラメータとして有効であることを示す。最後に、これらの特徴パラメータを用いて雲種を識別する手順を与える。
著者
北村 操代 杉本 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.944-958, 1995-04-15
参考文献数
28
被引用文献数
11

本論文では、アプリケーションプログラム(AP)から自動生成されたGUIに対して、APを実行しながらGUIを編集していくことにより最終ソフトウェアを作成する、生成・カスタマイズ方式を提案する。本方式によれば、GUIを備えたソフトウェア開発においてGUIプログラミングの知識を全く必要としない。また、エンドユーザによるプログラム実行時のGUIの柔軟な変更も可能となる。本論文では、本方式を実現するため筆者らが開発した、C++言語によるクラスライブラリGhostHouseについても述べる。APとGUIの結合を維持しながらの柔軟なカスタマイズを可能とする際の問題点を論じ、データ表現の標準化とリンクオブジェクトの導入を特徴とする部品間の参照方式を示す。GhostHouseの部品群の枠組として、GUI自動生成機能を特つ部品とAP実行時のGUI編集機能を持つ部品を備える。迅速なGUI編集のためドラッグ&ドロップ操作を拡張する。これらにより、部品間参照関係の変更操作を含んだ迅速なGUI修正が可能となる。本論文では、GhostHouseを用いたAPの作成方法を簡単な例を用いて説明しており、実際の適用例を通して有用性の考察を行っている。
著者
中田 充 宝珍輝尚 都司 達夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.38, pp.1-8, 1997-05-13
参考文献数
9
被引用文献数
3

サイエンティフィックデータベース管理システムDREAMのデータモデルであるDREAMモデルでは,データはデータエレメントと呼ばれる要素に格納される.名前付きエレメントはデータに名前を付けるための要素であり,視点はその集合として定義される.さらに,オブジェクトは視点の集合であり,オブジェクトの集合はバンドルと呼ばれる.この内,名前付きエレメント,視点,オブジェクト,バンドルの基本的な構造は(識別子,名前,集合)の3つ組である.この3つ組のことを名前付き集合と呼ぶ.本論文では,まず名前付き集合に関してその構造や演算を定義し,名前付き集合を用いた名前付き集合モデルを提案する.そのあと,名前付き集合モデルを用いてDREAMのデータモデルの定義を行う.DREAM model is a data model for a scientific DBMS DREAM. In DREAM model, data is stored into a data element. A named element is to relate a name with data elements. A set of named elements is called perspective. Furthermore, an object is a set of perspectives, and a set of objects is called a bundle. Structure of every DREAM element except data element can be treated as a triplet (id, name, S), where id is the identifier of the triplet, name is the name of the triplet and S is the corresponding set of DREAM elements. We call this triplet as the named set and the data model employing these triplets as the named set model. First, this paper proposes a named set model including unified operations on the triplets. Secondly, it defines the DREAM model using the proposed named set model.
著者
田口 友康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.18, pp.7-10, 1997-02-20

1996年10月15日から18日までの4日間、中国上海市の上海交通大学で開かれた計算機音楽と音楽科学国際会議の報告である。プログラムには口頭発表論文52編が登録されていた。会議の日程、社交行事、および演奏会の演目と学術講演の著者名・論文表題を記す。This is report of an international conference on computer music and music science held at Shanghai Jiao Tong University, Shanghai, China, on October 15 - 18, 1996. The conference program listed up 52 papers for oral presentation. In this article, the schedule and social events of the meeting, as well as he outline of the concerts and scientific lectures, are presented.
著者
阿江 忠 田村 則夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.73-76, 1975-01-15

与えられたプログラムから自動的にフローチャートを描かせるプログラムに関しては,すでにいくつかの報告がある.一方,フローチャートを与えたとき,それ自体を言語として入力する試みはあるが,具体的にコンパイラを自由にできない立場にある者として,フローチャートからプログラム言語への変換を与えるプログラムの作成を試みた.GOTO文をなくして,プログラムの信頼,性を高める方法の理論的検討を行なったW.W.Peterson,嵩,都倉の論文の中で,変換手続きが示されている.プログラム言語は,IF文とGOTO文から成るものとし,実行文は記号(A1など)で表わしている.
著者
杉原 大悟 増市 博 梅基 宏 鷹合 基行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.57-64, 2009-01-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本稿では,Wikipedia の記事タイトルを機械学習手法を用いて固有名詞クラスへと分類する際に Wikipedia のカテゴリ階層を分類器の素性として用いた場合の効果について報告する.ある記事タイトルに関連する Wikipedia のカテゴリネットワーク情報を分類器の素性として用いるために,あるカテゴリのカテゴリ階層構造をシンプルな基準 「主要カテゴリからの最短経路」 によって Wikipedia のカテゴリネットワークから抽出した.Wikipedia の語を関根の拡張固有名詞階層へ機械学習手法を用いて分類する実験において,得られたカテゴリ階層構造の効果を確認した.固有名詞クラスの粒度は荒いクラス分類 (固有名詞階層の深さ 2 ) と細かいクラス分類 (固有名詞階層の深さ 4 ) の 2 種類を用意し,荒い固有名詞分類においては 7 クラスおよび 15 クラスへと分類する実験,細かい固有名詞分類においては 118 クラスへと分類する実験を行った.カテゴリ階層構造を用いない場合と比較して,カテゴリ階層構造を用いた場合に,より良い F 値が得られた.最良の分類器による精度はそれぞれ F 値 91.33,F 値 89.68,F 値 84.06 であった.また,カテゴリ階層構造は Recall の向上に特に効果的であり,その効果は分類先の固有名詞分類の粒度が細かくなれば減少することが分かった.We consider the effect of hierarchical category structures of Wikipedia in experiments for named entity categorization based on machine learning methods. We extracted hierarchical category structures of each category simply based on the shortest path from " Category:Main Category" of Wikipedia. We checked the effect of the hierarchical category structure in categorization of term of Wikpedia to named entity class defined by Sekine's Extended Named Entity Hierarchy. We prepared 3 types of experimental settings on the number and granularity of named entity classes: The first one is categorization to rough-grained 7 classes of named entity, the second is categorization to rough-grained 15 classes of named entity and the third is categorization to fine-grained 118 classes of named entity. The classifier learned with the hierarchical category structure got better than those without hierarchical category structure in F-measure. The F-measures of our best classifier are respectively 91.33%, 89.68% and 84.06% in above 3 experimental settings. Our study found that hierarchical category structures are especially effective in the recognition of named entities in categorization to rough-grained classes of named entity and its effect declines in categorization to fine-grained classes of named entity.
著者
中口孝雄 樋口 直史 真栄城哲也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.68, pp.67-72, 1999-08-07
参考文献数
9

自動表情付システムMorPHは,インターネットで公開されているシステムである.表情付けは,システム内に記述されたルールを用いて実行される.入力されたSMFデータの各トラックは,ブロックに分割され,さらにフレーズに分割される.フレーズの検出は,前後の音との長さの比を順次計算によって行う.また,ギターに関しては,弦へのマッピングを行い,コードやアルペジオの演奏のより忠実な表情付を実現している.ドラムとサクソフォンについては,人間の実演奏データを用いている.初期段階でのユーザーの反応は,特にドラムに関して評価が高い.MorPH : Musical Performance Humanizer is a system open for internet public. The humanization processes are described in rule forms stored in the system. The tracks of input SMF data are divided into blocks, which are further divided into phrases. The phrase detection is performed by successive calculation of relative duration between previous and next notes. Notes are mapped into six strings of guitar, for accurate humanization of chords and arpeggio parts. Human played data are used for drums and saxophone. Initial responce from the users is affirmative, particularly the drums.
著者
吉谷 幹人 松島 俊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.13, pp.59-64, 2009-02-11
参考文献数
11

楽曲より抽出したリズムパターン特徴により自動作成した楽曲マップを用い、プレイリスト (再生順リスト) の作成支援をおこなうシステム Music Walk Around を紹介する。本システムでは楽曲マップの拡大・縮小・移動、選曲履歴の経路表示、過去の履歴の強調表示などの機能に加え、自動選曲機能により、大量の楽曲空間の中でも街を散策する感覚で、楽曲の視聴やプレイリストの作成、編集が可能である。作成した楽曲マップが楽曲検索に十分応用可能であるとの実験結果を踏まえて、実際に本システムによる試用実験をおこなった結果、各機能が有効に働き、プレイリストの作成時の負荷を軽減することができた。This system assists to make a playlist using a two-dimensional musical piece map according to the rhythm pattern feature. A user's favorite in automatic song selection is reflected by evaluation of the distance between musical pieces. In addition to automatic song selection, viewing, listening and creation of the playlist are realized with the feeling which takes a walk a town in a vast musical piece space by functions, such as zooming and migration of a musical piece map, a route display of a song selection history, and highlighting of the past history.
著者
鶴田 節夫 江口 俊宏 大島 俊哉 酒井 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.103, pp.65-74, 1993-11-24
被引用文献数
4

外界からのメッセージに対応して、時間的に変化する目的 (時変目的と呼ぶ) を動的に生成し、これを分割したり、分割した目的を実行・調整しながら協調統合するための知識表現方法と、これを利用して問題を解くための推論機構を開発した。これを時変目的協調推論技術と呼ぶが、本技術は複雑かつ実時間で動的に変化する難問の解決のための知識情報処理機構を提供する。東京を始めとする大都市通勤圏では、ラッシュ時の混雑による列車ダイヤの乱れが問題となっているが、これを回復するための運転整理は、全線の列車の動きを考えた複雑な判断を実時間で動的に行なう必要があり、そのシステム化は20年以上の課題であった。時変目的協調推論技術を、この運転整理AIシステムに適用し、その開発において本技術が動的で複雑な問題の解決用ソフトウェアの柔軟性、生産性を高める点で有用であることを確認した。The inference technology called "Dynamical Goal Coordinating Inference" (DGCI) technology was developed. DGCI provides the knowledge representation style and mechanism for dynamical goal generation, control, and it's decomposition, execution and coordination. DGCI also provides an inference engine for solving problems by utilizing knowledge represented in the above style. DGCI was applied to an expert system for regulating commuters' trains in one of the biggest cities of Japan, which has not been in practical use for more than twenty years.
著者
樋口 哲也 北野 宏明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.871-883, 1993-07-15
参考文献数
49
被引用文献数
21

遺伝的アルゴリズムは、組合せ最適化問題に対して適用できる汎用の探索技法である。近年、学習の新しいパラダイムとしても注目されつつある遺伝的アルゴリズムの、概要と応用について述べる。
著者
渡辺 裕太 関口 芳廣 西崎 博光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1812-1821, 2006-06-15
参考文献数
11

この論文では,数人と対話ができる音声対話機能を備えた音色識別学習支援システムについて述べている.この論文では,特に,音色の例として人間の声を扱っている.まず,最初に音色識別学習支援システムに必要な機能を被験者実験により調査した.その結果,(1) 音声対話機能が必要である,(2) 1 人よりも2 人で学習すると学習効果が高い,(3) 聴覚情報だけでなく,視覚情報も有効である,という3 つのことが分かった.そこで,前述の機能を備え,複数人で使用できる音色識別学習支援システムを作成した.被験者実験により,学習支援システムを使って音色識別学習をした場合の方が,システムを使用しないで音色識別学習をした場合より音色識別精度が50%改善している.This paper describes a tone color identification learning support system with speech dialogue function that can have a conversation with a few person. In this paper, we especially deal with speech as an example of tone color. First of all, we have investigated functions which are required for the tone color identification learning support system by doing subject experiments. The results showed as follows: (1) a speech dialogue module are needed, (2) training in a twosome gets higher learning effect than training alone, (3) visual information such as spectrograph is useful for training as well as acoustic information. We constructed the support system, therefore, which can be used by a few person and has the functions described above. The experimental result of tone identification by subjects who used the support system showed that the performance of identification achived improvement of 50% accuracy comparing with the case in which the system was not used.
著者
猿舘朝 伊藤憲三
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.98, pp.89-93, 2008-09-29
参考文献数
22

本稿では,聴覚障害者のための事前登録型生活音識別システムについて提案した.我々はこれまで,フレーム処理に基づく信号検出及び識別アルゴリズムにより,高い精度で識別処理するシステムとして実現した,本報告では,識別アルゴリズムの際に分析した周波数帯域特徴や時間軸パタンを利用したメディア変換法,携帯電話を利用した職別結果呈示法,そして,システムの実装構成について述べる.The living sound identification system based on preregistered of signal characteristics for hearing impairments persons was proposed. This system accomplished with very high identification rate by signal part detection and identification algorism based on frame by frame analysis. In order to system implementation, conversion method from identification result to another information as vibration or a light were studied. And, method of transmitting identification result by cellular phone was described.
著者
飯山 真一 冨山 宏之 高田 広章 城戸 正利 細谷 伊知郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.455-464, 2004-10-15
参考文献数
8
被引用文献数
5

現在,自動車の制御系ネットワークでは,CAN(Controller Area Network)が事実上の標準となっており,CANメッセージの最大遅れ時間を求める手法が提案されている.しかしながら,従来の手法では,メッセージの送信要求時刻がオフセットを持つ状況を取り扱うことができない.より広範な実システムに対応するため,本論文では,グループ分けされたメッセージの送信要求時刻がオフセットを持つメッセージモデルに対する解析手法を提案する.また,実際の車両への適用が検討されているメッセージセットに対して提案手法を適用し,提案手法の有効性を確認した.CAN (Controller Area Network) is a de-facto standard of automotive networks for control. Some methods to evaluate the worst-case response time of CAN messages have been proposed. However, these conventional methods cannot evaluate response times of messages with offsets. This paper proposes a method to decide the worst-case response times of grouped CAN messages with offsets. We also apply our method to a message set currently considered using for a control network of an actual automotive, and confirm the method to be effective.
著者
渡部翔 金子正秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.241-243, 2011-03-02

本研究は、自律移動ロボットにおける聴覚センサ(マイクロホン)を用いた<br />オクルージョン環境下での人物認識を目的とする。<br />物陰など視野外にいる人物に対しては、カメラやLRF等の視覚センサでは<br />情報の取得ができないが、音であれば反射や回折などによって情報を取得<br />することができる。<br />本研究では聴覚情報を用いてオクルージョン環境下での人物認識を行い、<br />曲がり角の先やロボット自身の背後など死角になっている部分の環境を予想する。<br />これにより、自律移動ロボットの安全性および利便性の向上に資する。
著者
菊池 愛美 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.76, pp.49-54, 2006-07-11
参考文献数
9

虹は自然現象の中でも発生条件の厳しいものであるが、映画やドラマ等の映像で用いられることが多い。虹は、空気中の水滴内部での光の反射によって起こる現象であり、この光反射をモデル化することで、CGによる表現力同能である。しかし、CGによって表現された虹を撮影映像に合成する技術に関しては、まだ議論の余地があると考えられる。本報告では、CGで生成した虹を実写画像に合成する手法を提案する。提案手法では、まず実写画像に撮影された各物体の奥行きを仮想することで、3次元仮想空間を構築する。続いて、ユーザによって定められた位置に虹力境られるように、太陽光線方向を設定し、また3次元仮想空間全体に対して大気中の水滴分布を設定する。そして、実写画像における各画素について、空気中の水滴内部を反射して視点に到達する虹の光の強度を算出する。以上の処理手順により、視点と背景物体との距離による虹の見え方の違いを表現する。Rainbow is often seen in movies or dramas; however weather condition for seeing rainbow is severe. The rainbow is a phenomenon that happens due to the reflection of light in water drops in the air. It is possible to represent it by computer graphics (CG) by modeling the light reflection. However, there are some issues on the synthesis of the rainbow represented by computer graphics onto real photograph images.This report proposes a technique for synthesizing the rainbow generated by computer graphics to real Photograph images. In the proposed technique, a three-dimensional virtual space is constructed by assigning depth values for each object taken in the photograph images. Sunlight direction and water drop distribution is then set to the three-dimensional space, so that the rainbow is rendered at ttie desired position in the photograph image. Brightness and color of light of the rainbow that reflects inside the water drops are then calculated for each pixel of the photograph image. The technique realizes the representation of various rainbows depending on the distances between a viewpoint and objects taken in the photograph image.
著者
逢坂 雄美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, no.78, pp.1-8, 1994-09-16

我々は,マッキントッシュを使って,中期インド・アリアン言(プラークリット語)で書かれた聖典の計算機解析の為の以下のツールを開発した.(1)ローマ字化テキスト作成に適したフォント体系の構築;(2)デーヴァナーガリー文字で書かれたテキストをローマ字に書換:既に5冊の最重要なテキストの書き換えを終了した;(3)聖典の韻律解析プログラムの作成;(4)単語の索引・逆引き索引と詩脚の索引・逆引き索引作成プログラムの開発;(5)文法解析プログラム作成.現在,この言語は,大量のテキストデータを検討・比較しなければならない研究状況にある.上記の計算機ツールは,この分野の研究を飛躍的に進展させるものと思われる.
著者
佐々木謙太朗 吉川大弘 古橋武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-6, 2013-09-19

Latent Dirichlet Allocation (LDA) は,様々な分野で応用されているトピックモデルであり,Twitter におけるユーザ属性の推定や話題の要約などに適用した研究も数多く報告され始めている.LDA をツイート集合に適用する場合,1 ツイートを 1 文書とすると,文書の短さやノイズの多さにより,LDA が有効に機能しないことが多いため,1 ユーザの全ツイートを 1 文書とする方法が一般的に用いられる.これに対して,1 ツイートが 1 トピックから成るという仮定に基づいたトピックモデルである Twitter-LDA が提案され,前者の方法に比べて,トピックの意味のまとまりの面で優れていると報告されている.しかし一方で Twitter-LDA は,オンライン学習ができないという課題がある.本論文では,Twitter-LDA を改良し,Twitter に適したオンライン学習可能なトピックモデルを提案する.提案モデルでは以下の二点について Twitter-LDA を拡張する.第一に,一般語とトピック語との比率をユーザごとに推定することで,より高精度にツイートの生成過程をモデル化する.第二に,ユーザの購買行動をモデル化した Topic Tracking Model (TTM) の機構をモデルに加えることで,Twitter におけるユーザの興味と話題の時間発展をオンラインで学習可能とする.Latent Dirichlet Allocation (LDA) is a topic model which has been applied to various fields. It has been also applied to user profiling or event summarization on Twitter. In the application of LDA to tweet collection, it generally treats aggregated all tweets of a user as a single document. On the other hand, Twitter-LDA which assumes a single tweet consists of a single topic has been proposed and showed that it is superior to the former way in topic semantic coherence. However, Twitter-LDA has a problem that it is not capable of online inference. In this paper, we extend Twitter-LDA in the following two points. First, we model the generation process of tweets more accurately by estimating the ratio between topic words and general words for each user. Second, we enable it to estimate temporal dynamics of user interests and topic trends in online based on Topic Tracking Model (TTM) which models consumer purchase behaviors.
著者
新井誠也 平川豊 大関和夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-09-19

マイクロブログサービスの Twitter が注目を集めている.Twitter が持つ特徴の 1 つにリアルタイム性に優れていることが挙げられるが,近年ではその特徴を生かし,実世界で起きているイベントを Twitter から観測しようとする研究が活発に行われている.本研究では,列車の遅延というイベントに焦点を当て,鉄道利用者から発信されるツイートをもとに各路線の列車の運行状況を判断するシステムを提案する.加えて,リアルタイム性の観点からシステムの有効性を確認する.遅延検出の閾値を,実際の遅延発生時における単位時間当たりのツイート数と各路線・各時間帯の鉄道利用者数を考慮して定める.その結果,鉄道会社の公式運行情報よりも早く列車遅延の第一報を配信可能としたことを示す.