著者
吉野 孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-6, 2013-09-20

紀伊半島は,自然信仰の歴史的な価値を持つだけでなく,その特有の地形および気候,植生などの自然環境にも大きな特徴を持つ地域である.和歌山大学は,様々な紀伊半島に関する知的資産を有しており,情報通信技術とこれらの知的資産を有機的に結びつけた積極的な活用が求められている.そこで,本研究ではこれらの知的資産を最大限活用することを目指し,デジタル和歌山プロジェクトを立ち上げた.我々は,デジタルアーカイブの (1) 構築,(2) 収集支援,(3) 利用促進の 3 つの課題を設定し,それぞれの視点から紀伊半島における文化的,歴史的,地理的なデジタルアーカイブの構築および整理,収集を進め,地域の特徴に適した観光利用,教育利用の可能なシステムおよびサービスの実現を目指す.Kii Peninsula has historical worth of natural faith. Furthermore, it is an area with the large features, such as the characteristic geographical feature and climate, vegetation, and natural environment. Wakayama University has an intellectual asset about various Kii Peninsula. We will connect these intellectual assets using information and communication technology organically. We launched a new research project, named Digital Wakayama Project. Our research aims at utilizing these intellectual assets to the utmost. We focus attention on three challenges: (1) construction of digital archives, (2) collection support of digital archives, and (3) promotion of utilization of digital archives. We will perform the cultural, historical, and geographical construction of digital archives and arrangement in Kii Peninsula, and collection from each viewpoint. Furthermore, we aim at realization of the system and service suitable for the feature of the area in that sightseeing use and educational use.
著者
伊藤 俊之 芦崎 能広 木村 淳一 森垣 努
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.96, pp.85-90, 2006-09-15

ブロードバンドの普及により、ビデオ通話を用いて遠隔相談や遠隔手続きを実施する環境が整いつつある。我々は従来対面で実施していたこれ等の業務を遠隔で実現する、アイコンタクトを用いた高精彩映像による遠隔相談システムや、TV会議システムを用いた遠隔手続きシステムを開発した。遠隔相談システムでは、相談業務を円滑に実現するアイコンタクトを用いた高臨場感なビデオ通話機能等を、遠隔手続きシステムでは手続き業務を円滑に実現する高品質なビデオ通話機能などを実現した。開発したシステムをデモシステムや実システムとして運用し、遠隔相談業務や遠隔手続き業務が実際に運用可能なことを確認した。With the expansion of broadband networks, remote consultation and contract systems, using high quality video communication, have become increasingly possible. We develop "Faca-to-Face" Video Call Center System for remote consultation and contract system. It realizes high realistic video communication for consultation and contract. We also evaluate that these systems could be applied as remote consultation and contract services.
著者
安田 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.128-132, 1999-02-15
被引用文献数
3

情報産業の花ともいうべきマルチメディアサービス産業の規模は2010年にはGNPの5%を超え, 従来型の自動車産業や家電産業を抜き, 先進国の「米」となると想定されている. この情報産業の大繁栄をもたらす原因は, 情報大量消費文化に端を発する情報大量流通である. 21世紀を特徴付けるこの情報大量流通は,「通信網」と「マルチメディア」が「専門家のための」ではなく「大衆のための」要素となっていくことからもたらされるのである (「ディジタル」が技術を大衆化し,「インターネット」が通信網を大衆化し,「MPEG」がマルチメディアを大衆化した). たとえば使いやすいTV対話は, 専門家同士の打合せのみに使用されていたものが, 主婦の井戸端会議にも使われるようになろう. 取締役会や学会理事会といった小さな集団での電子投票が, 国民投票の電子化になってこよう.「電話網の大衆化」が「隣の家でも電話する・子供でも電話を使う」ことならば,「通信網とマルチメディアの大衆化」は, 仮に2人の人間が物理的に近い距離にいたとしても,「ある場面ではフェース・ツー・フェースよりも通信網を用いたほうが効率的なコミュニケーションが図れる」ということになろう. また素人の性急な個別要求を満足させるための通信網も必要となろう.「専門家」が使う場合には,「機能・性能・コスト」が未熟・不満足であっても本人の工夫によりそれなりの使用効果をあげることが可能である. しかしながら「大衆」が使うとなれば, 無意識ではあるが「機能・性能・コスト」に対する要求条件は厳しくなってくる. したがってより高速・高機能な通信網が要求されることは自明の事実であろう. 本稿は, このような流れの中で, マルチメディアの現状と現状要素技術の進展の状況を述べ, 将来の技術開発方向を模索するものである.
著者
小田 瑞穂 澤野 弘明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13, pp.55-60, 2007-02-19
参考文献数
9
被引用文献数
1

情報処理学会グラフィクスと CAD 研究会・画像電子学会の共催で2006年9月23日から3日間かけて行われた、ビジュアル情報処理研究会学生研究合宿2006(VIP2006: Visual Information Processing Camp 2006)の開催報告をする。VIP2006 はポスタ発表、登壇発表、レクリエーション、懇親会が主な活動内容であり、「人脈作り」を重要視した企画・運営を学生主体で行った。Web 上の Wiki ・掲示板を用い、参加者全員が合宿前から知合う機会を設けることで、VIP2006 当日には臨機応変な運営を行うことができた。参加後のアンケートでは88%の学生が他大学の学生や教員と交流でき、81%の学生が合宿への参加に満足であったと回答した。This is a report on the Visual Information Processing Camp 2006 (VIP2006), held during Sept. 23 to 25, 2006, co-hosted by Special Interest Group for Graphics and CAD of Information Processing Society, Japan and The Institute of Image Electronics Engineers of Japan. The main sessions of VIP2006 were poster and oral presentations, recreation, and banquets. Our camp focused on the creating of personal relationships and was managed by students. Participants in the camp had the chance to know each other beforehand by using a wiki and a BBS. Therefore, we could archive flexible management during the camp. In the questionnaire after VIP2006, 88% of student participants answered that they could communicate with students and professors of the other universities, and 81% of them felt satisfaction.
著者
末包 良太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.149-149, 1973-02-15
著者
栗山豊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.6, pp.27-40, 1997-01-21

『まあ一るい緑の山の手線』のコマーシャルソングでおなじみのヨドバシカメラが全社的な情報システム化に着手したのは、1985年、創業25年目の年である。商品のJANコード化は、一部の食品や雑貨に普及しはじめPOSの利用もようやく実用の域に達しようとしていた時期である。システム化計画を進めるにあたりヨドバシカメラの藤沢社長は、取引先メーカー、販社にJANコードの採用を要請して回り対各社の理解ある協力を見極めて計画にゴーサインを出した。
著者
田村 淳 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.202-210, 1987-02-15
被引用文献数
12

自然言語処理システムの研究では 構文解析 意味解析を経て 文脈解析の研究が進みつつある.また 高度な言語情報処理は連想によるところがあることも 生理学や心理学の進歩によって明らかにされつつある.一方 ハードウェア技術においては 従来の逐次型計算機だけでなく 並列型計算機の研究が発展しつつある.本論文の目的は こうした背景に基づいて筆者らが開発した Connectionist Modelを用いた自然言語処理システムの内容を述べることである.Connectionist Modelとは 多数の処理ユニットを興奮性リンクと抑制性リンクでつないだもので リンクを通じた値の受け渡しでそれぞれのユニットの活性化レベルが変化することによって 情報処理を行う計算モデルである.本研究では Connectionist Modelに基づいた 多義語を含む日本語文の意味処理を行う自然言語処理システムCMCPを設計し インプリメントした.CMCPは 日本語と英語に対して 構文解析と意味解析を擬似的に並列処理し 連想により文脈に応じて多義文を処理することができるその特徴は 筆者らが開発したオブジェクト指向型言語OPHELIAで書かれているために ユニットの数値的な活性化をユニット間通信によって実現し 同時に文法解析のような記号処理をも行えるようになっていることである.
著者
中村 美奈子 山川 誠 八村広三郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.51, pp.33-40, 2001-05-25
被引用文献数
4

舞踊記譜法Lavanotationは、欧米では舞踊の分析や振り付けの手法および舞踊教育のツールとして広く用いられているが、日本においては、まだあまり普及していない。一方、モーションキャプチャ技術は、舞踊学の分野においても舞踊の動作分析手法の一つとして注目されてきている。本研究では、モーションキャプチャシステム、3DCG、ビデオ映像、VRMLおよび、八村研究室でこれまでに開発してきた舞踊譜作成エディタLabanEditorを統合した形での、舞踊教育のための効果的なマルチメディア教材を開発することを目的とする。Labanotation is now widely used as dance notation in Western countries. If we use hypermedia in teaching dance with Labanotation, we can expect good results in choreography and dance education. In this paper, we report on a development of multimedia teaching materials for dance by using motion capture system and Labanotation, integrating with 3DCG, VRML, video, and LabanEditor which had been developed by our laboratory.
著者
小町 祐史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.86, pp.193-200, 1994-10-13

1994年9月13日にニースで開催されたIEC/ISO/ITUマルチメディアオーブンセションの内容を紹介する。開催までの経緯として,IECマスタープランによるマルチメディアの位置付けがあり,規格協会マルチメディア調査検討委員会による技術セミナーの開催提案,その後のIEC,ISOによる共同開催への合意がある。総会と同じニースのアクロポリス会場で行われたオープンセションには,予想を上回る参加者があり,18件の講演とそれに関する議論が17時過ぎまで行われた。マルチメディアの標準化活動は,関連標準化機関による調整と整合が必要であることが確認され,調整機構の設立が提案された。IEC/ISO/ITU Multimedia Open Session was held in Nice, Sept 13, 1994. This paper reports the conference, As the background, IEC clarified the inportance of multimedia standardization in its master plan. Corresponding the plan, the Multimedia Study Group, Japan madea proposal of technical conference and there was an agreement between IEC and ISO on holding a joint conference. There were much more numbers of attendance than expected in the Open Session. Acropolis in Nice. Seventeen presentations and discussions continued up to half past 17:00. As conclusion, the requirements for coordination and harmonization amongst related standardization organizations was recognized and the establishment of a coordination mechanism was proposed.
著者
河原 達也 住吉 貴志 李晃伸 武田 一哉 三村正人 伊藤彰則 伊藤 克亘 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.100, pp.37-42, 2001-10-19
参考文献数
20
被引用文献数
24

連続音声認識コンソーシアム(CSRC)は、IPAプロジェクトで開発された「日本語ディクテーション基本ソフトウェア」の維持・発展をめざして、情報処理学会 音声言語情報処理研究会のもとで活動を行っている。本稿では、2000年度(2000年10月-2001年9月)において開発されたソフトウエアの概要を述べる。今回、大語彙連続音声認識エンジン Julius の機能拡張、大規模なデータベースを用いた音響モデルの作成、種々の音響・言語モデル及びツール群の整備を行った。本ソフトウエアは現在、有償で頒布している。Continuous Speech Recognition Consortium (CSRC) was founded last year under IPSJ SIG-SLP for further enhancement of Japanese Dictation Toolkit that had been developed by the IPA project. An overview of the software developed in the first year (Oct. 2000 - Sep. 2001) is given in this report. We have revised the LVCSR (large vocabulary continuous speech recognition) engine Julius, and constructed new acoustic models using very large speech corpora. Moreover, a variety of acoustic and language models as well as toolkits are being set up. The software is currently available.
著者
海谷 治彦 佐伯 元司 青山 幹雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.22, pp.145-152, 2003-03-06
参考文献数
14

RE (IEEE International Requirements Engineering Conference)は,要求工学の分野でもっとも大規模な国際会議である.そのREが,2002年9月9日から13日の5日間,ドイツのエッセンで行われ,筆者らも参加した.本稿では,RE'02の内容と参加した感想について報告する.RE, IEEE International Requirements Engineering Conference, is one of the biggest conference of requirements engineering. RE'02 was held in Essen in Germany last year and we attendet it. In this article, we report the details of RE and my impression.
著者
有川 順進 石黒 隆之 中村 修 大塚 裕幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.87, pp.9-15, 2000-09-21
参考文献数
5

DoCoMOが開発した「P-link Station」は,1契約の公衆PHS番号で複数の自営PHS端末を公衆PHS網に接続可能とする新しいコンセプトのPHS端末である.本稿では,「P-link Station」の装置概要について説明し,本装置を用いたPHSの新しい利用方法を提案する.NTT DoCoMo developed a brand new concept PHS terminal, "P-link Station". This enables to connect private-mode PHS phones to public PHS network with only one public PHS phone number. In this article, we describe the outline of "P-link Station" and propose a new application for PHS with the terminal.
著者
岩井 儀雄 勞世竑 山口 修 平山 高嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38, pp.343-368, 2005-05-13
参考文献数
222
被引用文献数
24

画像処理による顔情報処理に関連した研究について,1)顔検出法 2)イメージベースの顔認識法 3)モデルベースの顔認識法 という観点に基づき最近の動向を紹介する.In this paper, we survey research on facial image processing. We explain the followings: 1) face detection, 2) image-based face recognition, and 3) model-based face recognition.
著者
清田 公保 尾島 潤 山本 眞司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.1821-1828, 1996-10-15
参考文献数
14
被引用文献数
1

視覚障害者のためのオンライン手書き漢字認識システムの第1段階として 漢字の部分構造情報を用いた大分類法を提案する. 視覚障害者の書く文字は視覚情報の欠如のために 晴眼者の文字と比べてストロークや部分パタン間で分離や重なりが著しく生じやすく 全体のバランスがとれていない. しかし文字変形分析の結果 局所的な部分 たとえば偏や冠 構え 旁などの部分パターン内では比較的安定であった. そこで偏 旁などの部分集合になりやすい 連続した3つのストロークに着目し 各ストロークの代表点の移動方向を特徴量として用いる方法を検討した. 3つのストロークの抽出法としては 文字の書き始めから3ストローク(偏 冠 構え系) および書き終わりから逆方向に3ストローク(旁系)を選んだ. またストローク代表点としては 始点 中点 終点のいずれかを動的に選ぶことにより特徴抽出の安定化を図った. 視覚情報欠如状態で書かれた教育漢字1005文字に対して個人学習辞書を用いた分類実験の結果 候補文字を被験者12名の平均で8.4個 最大でも38個にまで絞り込むことができた. このときの分類率は平均98.5% 最高100%に達し 本手法の大分類応用への見通しが得られた.This paper presents a classification method of on-line handwritten Chinese Characters of visually disabled persons. In general, the handwritten characters of visually disabled persons show significant shape distortions. However, the relative position of each partial structural strokes can be observed to be stable. Based on this characteristic a new concept is presented; the classification of on-line handwritten Chinese characters based on the relative positions of partial structural strokes. In this method, the feature parameters are extracted from the relative direction of vectors between two stroke representative points which represent the partial structure of handwritten Chinese characters. It is shown that the satisfactory classification accuracy and efficiency can be obtained using this method in the classification of Chinese characters written by visually disabled persons.
著者
千葉 昌幸 漆嶌 賢二 前田 陽二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.676-685, 2006-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
5

インターネットおよびE コマースの進展により,氏名,住所,資格情報などの"個人属性" 情報がインターネットを通じて様々な場所で交換されているが,同時に個人情報漏洩のリスクもまた急速に大きくなってきている.インターネットサービスにおいても個人情報保護法を遵守し,適切に個人属性を管理できる仕組みが求められている.本稿では,オープンな標準技術に基づき相互運用性の高い環境の下,個人属性を安全に交換,管理する情報化基盤「属性情報プロバイダ」を提案する.属性情報プロバイダは,運用システムの安全性について第三者機関の認定が得られた複数のサービス事業者により構成されるものである.利用者は,属性情報プロバイダに個人属性を登録および委託することで,以後は直接取引相手に渡すのではなく,利用者の同意を得たサービス提供者にのみ属性情報プロバイダを介して個人属性を安全に渡す.ネットワークプロバイダ,PKI などとともに今後,情報ネットワークの重要な基盤になると期待される.According to explosive growth of the Internet and e-commerce "personal attribute" information such like a name, a postal address and some qualifications have been exchanged on it. However privacy risk has been rapidly raised at the same time. Thus proper personal attribute management has been required conforming to the Personal Data Protection Law enacted in April 2005. In this paper we will propose the "Personal Attribute Provider" which is an infrastructure for secure exchange and management of personal attribute based on open standards that will provide higher interoperability. Some part of personal information will be registered and entrusted to the provider which should be founded by trusted authorized organization then user, attribute provider and service provider which can be online shopping site can exchange the personal attribute on the agreement with the user. Distributed management of personal attribute which relies on the federation of multiple attribute providers can reduce irreparable damage of privacy and digital signature technology used in the attribute provider can offer authenticated personal attribute to service provider. This paper describes the investigation result for it as it should be important commonly used infrastructure on the information network as well as network providers and PKI are in the future.
著者
土肥 浩 石塚 満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.547-555, 1999-02-15
参考文献数
10
被引用文献数
14

本論文では 自然感の高い顔と音声対話能力を備えたface-to-face型の統一的な擬人化エージェントインタフェースを実現する ビジュアルソフトウェアエージェント(VSA:Visual Software Agent)の新しいプロトタイプの構成について述べる. 新しいプロトタイプでは 顔画像 音声合成 音声認識 WWWブラウザ制御などをそれぞれ機能ごとにモジュール化した. これにより TCP/IPネットワークで結合された複数のWSで構成される分散環境下で 7つの機能モジュールが協調的に動作する擬人化エージェントインタフェースを実現した. それぞれの機能モジュールは 複数のWS上で並列あるいは並行に動作する. 新しい機能モジュールを動的に追加・削除したり 更新したりすることが容易に可能である. ユーザはテレビ電話を使うようにエージェントとの簡単な音声対話により 電子メイルの到着や時刻を尋ねたり WWWブラウザの操作を依頼したりすることができる. またVSAシステムはWWW上で常時更新されていく多種多様の情報を人手を介さずに自動的に収集し 音声で答えられるように変換する. これによりユーザーは同じ音声対話インタフェースを用いて天気予報やニュースなど 知りたいときに知りたい情報を得ることができる.This paper describes the design and the implementation of the Visual Software Agent (VSA) interface system connected with a voice-controlled NEtscape. VSA is a test bed for an Internet-based interface agent with an unified face-to-face style interface. Besides the texture-mapped rocking realistic face, it equips a camera, a speech recognizer, a speech synthesizer, and some sensors; corresponding with eyes, ears, a mouth, and some sense organs, respectively. A user asks the realistic anthropomorphic agent some questions and order some tasks, as if he/she usually asks his/her colleagues with a visual phone. It embodies a human-like face-to-face style communication environment, and therefore it will reduce the mental barrier for communication lying between a human and a computer. The system is also connected with World Wide Web (WWW)/ the Netscape navigator.
著者
秋葉巌 松山洋一 小林哲則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.10, pp.1-8, 2013-07-18

多人数会話において発生する発話機会の不均衡を調整するために,機会が十分に与えられず 「置いてけぼり」 状態になっている会話参加者に適切な手続きを経て発話機会を与えることのできる会話ロボットを提案する.特に,ファシリテーションのモデルを扱うための最小単位である 4 者会話 (ロボットを含む) を対象として,主導的に会話を進めている参加者らの状況も考慮しながら,段階的に主導権を奪取し,しかるべき対象者に発話機会を与えるような手続きの計算モデルを提案する.モデル化には,誤りを含むセンサ情報にロバストな部分観測マルコフ決定過程 (POMDP) を用いる.さらに手続きとそのタイミングの適切性について評価した被験者実験の結果を報告する.We propose a facilitation robot harmonizing four-participant conversations. Four-participant conversation is the minimum unit that needs facilitation skills. In general, three is the minimum number of participants of a multiparty conversation. In such three-participant situations, back-and-forth interactions between two participants out of three primarily occur and another participant tends to be left behind, who cannot properly get floors to speak. Here, they need one more participant who helps the participant left behind to harmonize him/her with the others. Conversational robots have potentials to participate in such conversations as the fourth participant. When the robot steps in the situation to help, there should be proper facilitating procedures to obtain initiatives to control conversational contexts. In this paper, we propose a conversational robot system harmonizing four-participant conversations along procedures of obtaining initiatives of topic and floor control. These situations and procedures were modeled and optimized as the partially observable Markov decision process. We conducted an experiment to evaluate appropriateness of the proposal procedures and the result shows evidence of its acceptability.
著者
佐藤 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.42, pp.33-42, 2007-05-14
参考文献数
32
被引用文献数
2

コンピュータビジョンでは、90年代に多視点幾何においてテンソル表記が用いられるようになって以来、様々な分野で用いられるようになり、今日ではグラフィックスにおける表現手段として、また認識の一手法としても用いられつつある。本稿では、テンソルの基礎となる多重線形性や多重線形性の上で成り立つ多重線形拘束について解説し、これらが今日の多視点幾何の理論においてどのように応用されているかを示す。テンソルに基づく情報表現や多重線形拘束は、多視点幾何に限らずコンピュータビジョンの多くの分野で応用可能な考え方であることから、多くの読者の参考となることを期待する。In computer vision, the tensor notation has been used for representing the multiple view geomery since 1990s, and now it is used in various fields, such as graphics representation, image recognition, etc. In this paper, I explain the basics of the tensor and its properties, such as multilinearity and tensor product, and show how the tensor is used in the multiple view geometry. Since the tensor representation is useful in various fields in computer vision, I hope this paper will be a good referece for many readers.
著者
岡墻裕剛 石塚晴通 斎木 正直
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.47, pp.69-76, 2008-05-16
参考文献数
13

「漢字字体規範データベース」(略称 HNG ) は,2004 年度よりオンラインで公開中のデータベースである。2008 年 4 月現在,各時代・各地域の標準的な文献 62 点に出現する 4 554 字種 432 596 字について,漢字の字種・字体・字形や字体規範に関する情報が検索可能である。この 62 文献について,各文献における字種数.字体数.総字数・異体字率を集計した。異体字率は文献の性質を示す指針となり,IDIG で取り扱っている文献の多く力轤準的な文献であることが確認できる。また,lDlG では複数の文献間での字体整理は行われていないが,その方法には一定の基準が必要であり,本稿では部首が「心」となる漢字を取り上げ,実例を交え報告を行う。Database of the normative glyphs in Hanzi script (abbreviation HNG) is a big data base, which is opening to the public online from 2005. Now HNG shows information of 4,554 character type 432,596 characters that appear in 62 standard documents. To use HNG, we can get the information of Chinese character, for example Zitai (standard of writing), Zikei (shape itsetf), and so much. We research the number of characters and character types, Zitai, and the rate of Itaizi (another from). We also report about the way to an adjustment of HNG, by the point of Zitai, giving an example of radical of 心.
著者
長尾 夏樹 西村 治彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1643-1652, 2001-06-15

複数個の解釈が可能な一定の図形刺激に対して,見えの自発的かつ不規則な交代が知覚される現象として多義図形認知が知られている.本研究では,この交代現象の基本メカニズムに関する新しい理論的モデルについて検討する.ここでは,外部刺激との相互作用の下でネットワークにカオス性が生じ,それが記憶の多安定性を動的にするという,刺激誘導型の開いたネットワークの性質に着目する.そして,カオス・ニューラルネットワークによるホップフィールド型連想記憶モデルの動的拡張として,多義図形認知を通常のパターン認識とともに統一的に取り扱うことを目指す.本論文では,計算機実験をもとにその過程と性質を具体的に分析した結果について報告する.さらに,カオス性に代わって確率ノイズを用いた場合には同様の性質は容易に得られるものではないことも示す.Perceptual alternation of ambiguous figures is known as the phenomenon that perception undergoes involuntary and random-like change in a circumstance the ambiguous stimulus is kept constant.In this paper,we present a new theoretical model of the perception of ambiguous patterns based on the chaotic neural networks with stimulus-response scheme and investigate the nature in detail through computer simulations.The results by chaotic activity,similar to those of psychophysical experiments,are difficult for stochastic activity to attain to in the same simple framework.Our demonstration suggests a functional usefulness of the chaotic activity in the modeling of dynamic perceptual systems.