著者
森川 治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.815-822, 2000-03-15
被引用文献数
11

我々は,ビデオ映像にふさわしい新しい対話方式を創作することをめざす.超鏡システムは,対面対話を模倣する代わりに,分かりやすく,魅力ある対話環境をめざして設計した.この超鏡システムは,すべての対話者が同一の仮想空間内に居るような映像により,同一の空間を分け合うという新たな魅力を演出する.さらにWISIWYS(What I See Is What You See:自分の見ている映像を相手も見ている)を満たす映像で対話するため,対話者全員が対等となる.その結果,通常では触れられない遠くにある事物も含め,画像上のすべての事物に映像上で触れることができ,対話に利用できる.また,同一画面を対話者が共有することから,対話者間に,同室に居るのと同等の社会的な行為も観測された.We designed HyperMirror to provide a new video image thatpresents an attractive,highly understandable communication environment,rather than imitating face-to-face communication.The HyperMirror environment enables all participants tofeel they are sharing the same virtual space.Participants communicate using images meeting the condition``What I See Is What You See'' (WISIWYS).Both local and remote participants appear together on ashared video wall,and all things on the wall---even those out of reach---becomeappear to come within reach.Participants sharing the screen tend to act as if they arein the same room.
著者
近山 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.599-604, 1983-09-15
被引用文献数
4

近年 プログラム言語Lispは その提供する高い会話的プログラム生産性のため 記号処理用言語としてのみならず 汎用のシステム記述言語として注目されている.筆者はシステム記述言語としての利用を目的として Lisp の方言Utilisp の処理系をHitac M シリーズVOS3上に開発した.Utilispはシステム記述用に必要な文字列や二進データの効率のよい処理機能や 操作系など外部との通信を行う機能をもつ.一方 Lisp本来の特質を生かし 多様な利用形態に対応するため 高い柔軟性と拡張性を有している.本論文では Utilisp システムの機能面での特徴を述べ その必然性と 実現に用いた手法を解説する.
著者
中嶋 正之 猿田誠一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.110, pp.1-8, 1993-12-16

近年、CGの分野では様々な材質や物体を取り扱えるようになり、人物の表現も盛んに研究されている。その中で人間の頭髪は、本数が膨大であり、髪の毛一本の太さが非常に細いものであるという特徴があり,しかも人によって髪型が様々に異なり、外力によっても変形しやすいため、CGで頭髪を描く際の大きな問題となっている。そこで、本研究では、頭髪を表現するのに適した新しい形状モデルである"分技毛モデル"を提案し、このモデルを用いた頭髪の画像の生成アルゴリズムと作成された頭髪画像の例を示す。分枝毛モデルは、複雑な髪型や運動の表現が可能であり、同時に頭髪全体の扱いやすさと必要な記憶容量の低減を実現するための形状モデルである。Computer Graphics technology is rapidly improved and almost all kinds of objects we can see become realistically generated using CG recently. However human hair remains to be one of the difficult object to generate easily using CG technology because the number of hair is enormous and the hair size has very thin figure. Furthermore the style is very different individually and easily changeable by external force. In this paper, the new hair model named "fractional hair m odel" is proposed and many human hair CG images using this model are shown.
著者
朝長 康介 太田 昌孝 荒木 啓二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.115, pp.127-132, 2002-11-28

ユビキタス環境において、携帯端末の位置情報はそのユーザの位置を表す。この位置情報を複数個組み合わせれば、複数の携帯端末ユーザが位置に基づいて協調するためのグループウェアが実現できる。本論文では、このグループウェアに位置情報を提供するためのプロトコルLBGPを設計し、この応用を提案する。応用としては、地理的に周囲の人に話しかける文字チャットや,自分の位置情報を望む相手に通知するサービスがある。この応用は、LBGPとエニキャストを用いた位置依存サービスを組み合わせることで容易に実現できる。In ubiquitous computing environment, location information of portable devices indicates location of the device users. Therefore, location based groupware can use location information of portable devices as their user's location information. This paper presents a protocol which defines how portable devices embed their location information into a URL. By using this protocol, portable devices can submit their location information on HTTP. This paper also presents applications of the protocol such as chat system which allow users to chat with people around them.
著者
高木 省吾 渡邊 寛 福士 将 天野 憲樹 舩曵 信生 中西 透
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.29, pp.1-8, 2014-02-24

ボランティアコンピューティング (VC) で高い性能を実現するためには,多数の参加者を集める事が重要である.しかし,既存の VC システムでは,参加に際して専用ソフトウェアのインストール等の手間がかかり,参加の障害となっている.そこで本研究では,参加者が Web ブラウザで指定の URL にアクセスするだけで即座に VC に参加することができるような,Web ベースの VC プラットフォームを提案する.提案するプラットフォームでは,PNaCl 等の LLVM 技術を用いることで,C/C++ で記述された計算問題を Web アプリ化し,ブラウザ上で高速に実行することができる.性能評価として,PNaCl を用いて姫野ベンチマークを Web アプリ化した場合,ネィティブアプリと同等の実行性能を実現できることを確認した.In Volunteer Computing (VC) systems, volunteer participants can contribute their idle computing resources by computing a piece of the computation (job) in their idle time. In existing VC systems, participants must put an extra effort, e.g. installing a dedicated software to their computers and register their personal E-mail addresses, which will be barriers to join as a participant. This paper proposes a web-based VC platform, in which participants can join to VC system by just accessing a specified URL with Web browsers. By using LLVM techniques such as PNaCL, VC jobs become convertible as fast-acting Web applications. As the results of our experiments based on Himeno Benchmark, we show that the performance of PNaCl codes on a web browser is equivalent of native one.
著者
相田 満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.10, pp.1-3, 2014-01-18

マンガを文学として扱う際の問題は,すでに文学研究に現れていたといえるだろう.逆に,マンガを研究の素材として扱うことからは,文学研究として様々な示唆を受けることも多い.両者のパラダイムは,将来的にも,相互に刺激し合うことになるだろう.ここでは,パネル討論への参加に際して,「あえて」 文学研究の側から考えるという枠組みに従って所与のテーマに応える意味での見通しを述べてみたい.It can be said of the problem when dealing literature as a comic, and had already appeared in the literature research. Conversely, since it is treated as a material for studies comics, be subjected to various suggestions in the literature many studies. Paradigm both going to be in the future, and mutually stimulate each other. Here, I would like to describe the outlook in the sense that meet the theme of the framework given in accordance with the time of participation in the panel discussion, "dare" and think from the side of the research literature.
著者
土山 玄 村上 征勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-01-18

本研究では,古典文学作品として著名な 『源氏物語』 と 『宇津保物語』 を分析対象とし,文の長さの分布を計量的に分析することで,両作品の各巻が作品別に分類されるのか検討を加えた.このような分析を行う背景に,欧米では古くは 19 世紀から文の長さを分析項目として,書き手の識別や同定を目的とした研究が行われていたが,その一方で,日本語で記述された文献については未だ十分に研究されていないことによる.本研究における分析の結果,文の長さの分布は日本語の文献においても,書き手の相違に起因すると考えられる文体的相違が認められた.
著者
竹原 信也 内田 眞司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-02-14

本報告では,政策分析や政策改善に資するような法律の定量的な分析方法について試み,結果を述べる。法律の文言をテキストデータ化し,法情報学や法哲学,情報処理学の知見を参照しながら,テキストマイニングソフトを活用して分析を行った。具体的には (1) 権利の主体や名宛人となるアクターを正確に測定すること,(2) 権利や義務の内容を正確に測定すること,(3) 諸アクターと権利や義務の関係を正確に分析することを試みた。This paper reports the results from the study that attempted to use quantitative analytical methods of laws for the purpose of policy analysis and policy improvement. We changed law provisions into text data and analyzed the data by a text mining software, referring to knowledge of legal informatics, philosophy of law, and information processing. In particular, we attempt to measure accurately what actors appear in the legal provisions, to measure accurately which rights and duties are used in the legal provisions, and to analyze the relationships between rights and duties, and various actors.
著者
中澤 篤志 加藤 博一 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.2895-2906, 2000-10-15
被引用文献数
5

本論文は,複数のカメラエージェントの協調によって広域環境中の人物位置検出を行う「分散カメラシステム」について述べたものである.カメラエージェントは各々1台の固定カメラを持つ画像処理コンピュータで,リアルタイムで複数の人物を追跡できる.またそれらはネットワークを通じて他のエージェントと通信を行うことができる.カメラエージェントは環境中のさまざまな位置に設置されており,互いの観察領域は重なっていたり離れていたりすることがある.さらに一部のエージェントの動作停止や新たなエージェントの追加といったイベントに対処する必要がある.このような問題に対し本論文では,各エージェントが与えられた環境マップと互いの観察領域から人物の追跡プランを動的に生成することで,複数のエージェント間で連続的に人物を追跡・位置検出する手法を提案する.実験では,追跡軌跡の評価実験およびエージェントの追加や動作停止実験を行い本手法の有効性を確認した.This paper proposes the ``Distributed Camera System''that can detect human position in a wide area.This system is constructed of many ``camera agents'' and achieves a task due to cooperation.Camera agents consist of a camera and an image processor and a computer network connects them.They are placed in a real environment and their viewing areas are either overlapping or separated.Each camera agent makes plans using an environmental map and the viewing information of the agent.Using these plans,the system can continuously track a person across all the viewing areas of camera agents.In addition, this system is robust with respect to agent's failure.We tested this system in two aspects: the detected trajectories and the system's robustness.In this paper,we present the results of these evaluations, confirming the efficiency of our system.
著者
林健司 横山真男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.189-191, 2013-03-06

本研究は、視覚障害者のためのメール読み上げシステムにおける感情表現の手段を検証し、 視覚障害者に役立つコミュニケーション補助の手法を示す。我々は普段メールを作成するにあたって、絵文字や顔文字などを用いて文字だけでは伝えきれない感情を伝えようとしている。だが、現在のメール読み上げソフトでは、絵文字や顔文字で表現される感情伝達においてはまだ不十分であり、視覚障害者にはテキストの文字情報は伝わるが、健常者にはわかる絵文字や顔文字によって表される感情の伝達は困難である。そこで顔文字付きメール読み上げ音声に感情を付与させる手法の提案をする。実験に当たっては視覚障害者に協力していただき、実際に視覚障害者の役に立つかで評価した。
著者
後藤 真孝 根山亮 村岡 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.1335-1345, 1999-03-15
被引用文献数
22

本論文では シンボル化された音楽情報をネットワークを介して共有するための通信プロトコルRMCPについて述べる. 本研究は 音楽情報処理システムを分散実装したり ネットワークを利用したアプリケーションを実現する際に有効な 音楽情報処理のためのネットワークプロトコルを設計することを目的とする. そのような目的では 音楽情報の効率の良い共有が望ましいが 従来の音楽情報用の関連プロトコルの多くは1対1通信を基本としたコネクション型であり 複数プロセス間での効率的な情報共有は十分考慮されていなかった. RMCPはコネクションレス型であり 全通信をブロードキャストで行うため 各プロセスへ個別に送信するオーバヘッドがなく情報共有の効率が良い. さらにRMCPは リアルタイム音楽情報処理のために タイムスタンプを用いた時間管理の機能を提供し 遠隔地間の合奏のために 信頼性を確保しながら遠隔地間で双方向にパケットを中継する機能も提供している. 本論文では これらの機能を活用することで実現できる 遅延を考慮した新たな形態の遠隔地間の合奏も提案する. RMCPはすでに様々な音楽情報処理システムを実現するために運用されてきた. その経験から RMCPの通信遅延時間が十分小さいことが確認されただけでなく RMCPを用いることで必要な機能が再利用できて実装が容易になり 拡張性が高くなることも確認された.This paper describes a communication protocol, called RMCP (Remote Music Control Protocol), which is designed for sharing symbolic musical information through computer networks. The purpose of this research is to design a network protocol which is suitable for musical information processing and facilitates distributed implementation of music-related applications. Although efficient musical information sharing is desirable for such a purpose, most previous music-related protocols were connection-oriented and did not emphasize efficient information sharing among multiple processes. Since the RMCP is a connection-less protocol, it supports broadcast-based efficient information sharing without the overhead of multiple transmission. It also supports time scheduling using time stamps for real-time musical information processing and reliable bidirectional packet relay for remote sessions. This paper also proposes an innovative remote session over the Internet that has a long delay. RMCP has been utilized in various applications and we found that the communication delay of RMCP was enough small and RMCP facilitated system implementation and expansion because of good reusability.
著者
今田 啓介 酒井 洋介 大塚 智宏 鈴木 順 樋口 淳一 飛鷹 洋一 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.75, pp.163-168, 2008-07-29

NEC により開発が進んでいる ExpEther は,PCI Express と Ethernet を統合するネットワークインタフェースである.本稿では,ExpEther を対象とする RDMA 通信機構を実装したネットワークインタフェースコントローラを利用するためのソフトウェア環境が RDMA 通信機構の性能に与える影響についての評価を述べる.実験用システムにおいて,RDMA 通信に必要な通信用バッファの Physical Buffer List (PBL) の取得に要する時間を測定した結果,1MByte の領域に対して 8.35μsec で済み,同じ領域に対するピンダウン処理の時間の半分程度であり,十分実用的であることがわかった.また PCI Express NIC に対するメモリアクセスをユーザレペルで行った場合のメモリアクセスレイテンシは 0.58μsec であり,カーネルを経由した場合と比べて 54.3% 削減できることを確認した.ExpEther by NEC is a network interface for a bridge between PCI Express and Ethernet for network connected virtual computer environment. In this paper, evaluation of the software environment which supports access to ExpEther network interface card (NIC) is described. On our experimental system, it takes 8.35μsec to get Physical Buffer List (PBL) for RDMA data transfer using 1MByte buffer. It is almost a half of time for pin-down the same memory area, and practical. The user-level memory access latency was 0.58μsec, and the overhead of using the kernel corresponding to 54.3% of execution time is removed.
著者
菅野 幹人 大越冬彦 村田 篤
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.38, pp.49-54, 2006-03-29
被引用文献数
1

ビジネスのITシステム依存度が高まっており、複数顧客の異なるITシステムを運用監視するMSP(Management Services Provider)の統合運用監視センターにおいては、監視対象のネットワーク、サーバの運用監視機能の強化が課題となっている。その対応として、ITIL(IT Infrastructure Library)を用いた運用監視業務の高度化、オペレータ作業の効率化、サービス提供の低コスト化を図る必要がある。本稿では、大規模ネットワーク・サーバの運用監視において、アラームを統合管理し、障害発生から障害復旧までを記録するインシデント管理システムを、ITILの定義をベースに設計構築したので報告する。In this paper, we report ITIL based Incident Management System which records whole life cycle of trouble for large scale network system. As dependency to IT of the business is rising, it is necessary to reinforce operational ability of the integrated operation monitoring center at the MSP. This system achieved sophistication of operation management based on ITIL, improving efficiency of operator's work and reducing service costs.
著者
稲垣和人 吉川大弘 古橋武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-6, 2013-12-04

マーケティングにおいて,アンケート調査は市場調査を行う上での重要な手段の一つである.一方近年,個性の多様化により,回答者が評価対象に対して抱く印象は様々なものとなってきている.これにより,得られたアンケートの解析においては,全体の傾向を捉えるだけでなく,他の回答者とは大きく異なるが強い印象を持った少人数のグループ,いわゆるマイノリティグループの発見が有益である.しかし,アンケートデータ解析に用いられる従来のクラスタ解析手法は,基本的にマジョリティグループを抽出するものや,データを大きく分類することを目的としたものが多いため,これらマイノリティを適切に抽出することは困難である.そこで本稿では,局所的な類似性を考慮した上で,全体とのつながりの低いクラスタ抽出を特徴とするスペクトラルクラスタリングを用いた,アンケートデータにおけるマイノリティグループの抽出手法を提案する.In the field of marketing, a questionnaire is one of the most important approaches in order to research the market or to design a marketing strategy. On the other hand, people have a variety of individuality recently, then respondents have various impressions to evaluation objects. In the analysis of collected questionnaire data, it is important not only to analyze overall trends but also to discover minority groups which have strong impressions but are different from general groups. It is, however, difficult to extract minority groups by conventional cluster analyses applied to questionnaire data, because they generally aim at extracting majority groups or making a rough clustering. In this paper, we propose the extraction method of minority groups in questionnaire data using the spectral clustering method which considers local similarity and extracts the clusters having less connection to general groups.
著者
中村 康弘 松井 甲子雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.2057-2062, 1995-08-15
被引用文献数
16

この論文では、コンピュータネットワークを介して送受される電子出版物が、印刷されたハードコピーの状態で二次配布される問題に着目し、電子形態で取り引きされる英語の文書にあらかじめ署名を埋め込み、印刷配布された文書の認証を行う一つの方法を提案している。まず、電子出版の著作権保護およびそれらの二次配布の問題を考察し、電子文書こ密かに版権者の署名を埋め込む方法を示す。すなわち、英文の語間に設定されるスペース(空白)を単なる区切り符ではなく一つの情報源とみなして、各単語の左右にあるスペースをその長短により1対の信号に見立てるものである。署名したい情報をビット列に分解し、必要ならば版権者のもつ暗号化鍵でランダム化し、その0,1情報を単語間のスペースに写像しつつ、文書を編集する。この方法によれば、編集された文書上に署名は顕在化せず、無断コピーを企図する第三者の注意も引かず、また文書体裁もほとんど変わらない。さらに、この署名法に対する攻撃、および、多世代にわたるハードコピーによる署名の劣化消失などの問題に対する強健性について検討し、十分に実用に耐えうるものであることを示す。
著者
北 研二 小倉 健太郎 森元 逞 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.1937-1943, 1993-09-15
被引用文献数
30

自然言語処理では、形態素レベルにおける曖昧性や統語的な曖昧性などさまざまな曖昧性に対処する必要がある。このような曖昧性を軽減するための実際的な方法の一つに、慣用表現や定型表現等の複合的な表現を一つのまとまりとして処理することがあげられる。近年、世界各地で大規模コーパスの構築が行われており、大量な言語データが容易に手に入るようになってきている。本論文では、頻繁に使用される定型的な表現をコーパスから自動的に抽出する基準として「仕事量」という概念を導入する。仕事量は、いくつかの単語を一まとまりの単位と考えることにより、各単語を別個に処理するよりも、どれだけの処理が削減できるかということを定量的に測る尺度である。また、仕事量基準を用いた定型表現の自動抽出方法について述ぺ、提案した方法を実際の日本語のコーパスに適用することにより、その有効性を示す。また、コーパスから抽出された定型表現を形態素解析に組み入れることにより、単語区切りや単語誤りをはじめとする形態素レベルの誤りを削減できることを示す。
著者
柴谷 篤弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.63-67, 1965-03-15
著者
水本旭洋 KhaledEl-Fakih 安本慶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.25, pp.1-6, 2013-12-04

本論文では,スマートハウスにおいて省エネルギーに様々なデバイスをコンテキストアウェア制御することを目的に,任意の 2 つのコンテキスト間を最小コストで遷移させるデバイス操作シーケンスを導出するツール PathSim を提案する.PathSim は,スマートスペースにおけるコンテキストの各構成要素の値域を有限個の範囲に分割することで,コンテキストを有限個の要素からなる空間として扱う.そして,各コンテキストにおいて任意のデバイスの操作イベントを実行した時に遷移するコンテキストをシミュレーションにより求めていくことで,最小コストで目的のコンテキストに遷移するデバイスの操作シーケンスを A* アルゴリズムに基づいて導出する.スマートスペースにおける典型的な要求仕様を想定したケーススタディを通して評価実験を行った結果,PathSim によって導出された操作シーケンスが,人が直感的な方法でデバイスを操作する場合と比べ,デバイスの合計消費電力量を 72% 削減できることを確認した.
著者
大内一成 鈴木 琢治 森屋 彰久 亀山 研一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ユビキタスコンピューティングシステム研究会 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.14, pp.29-36, 2007
被引用文献数
2

生活習慣病,メタボリック症候群などは,生活習慣が主な発症原因とされ,それらの予防のためには,食事,運動などの日頃の生活習慣管理が重要である.一方,不眠症で悩む人が多い現代社会においては,睡眠状態の管理も健康管理の上で非常に重要となってきている.そこで我々は,昼も夜もユーザの状況をリアルタイムに認識し,ユーザの生活習慣管理,快適な生活環境維持をサポートするウェアラブル機器を用いたヘルスケアサービスについて検討している.ユーザの脈波,加速度などの生体情報を日常生活において連続的に計測する腕時計型ウェアラブル生体センサと,携帯電話などの携帯情報端末で構成される手軽なシステムを想定している.実サービスを目指すに当たり,食事や運動などの生活習慣管理をタイムリーなアドバイスによりサポートするウェアラブル健康管理システム,脈波間隔の周波数解析から自宅でも手軽に睡眠状態をチェックできるウェアラブル睡眠管理システムを開発し,それぞれのシーンにおいてユーザの状況認識が可能であることを確認した.
著者
塚本耕司 後藤浩行 齋藤孝道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.611-613, 2013-03-06

本論文では, ユーザの行動追跡を行う上での新たな特徴点の一つとして, JavaScriptベンチマークであるsunspiderの結果を用いたユーザのCPUを推定する手法を提案し,その実装を示す.