著者
小室睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.55, pp.57-64, 1995-05-31
参考文献数
6

Dylan (Ynamic LANguag)はSmalltalk,CLOSの系譜に属する新しい動的オブジェクト指向言語(ODL,Object Oriented Dynamic Languag)である。Dylanはすぐれた開発環境、デバッグの容易さ、自動メモリ管理など動的言語の特長を保持する一方、小さいアプリケーションの作成、高い実行効率といった、従来C、C++などの静的言語に帰せられていた特長をも実現できるよう設計されている。Dylanはすべてがオブジェクトからなるオブジェクトシステムを持つ点ではSmalltalkに似ているが、メソッドディスパッチや関数定義の扱い方など多くの言語仕様にはCLOSおよびSchemeの影響が見られる。Smalltalk,CLOSに代表される既存の動的オブジェクト指向言語とDylanとの大きな違いは開発環境と実行環境の分離というコンセプトにある。
著者
莱孝之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.24, pp.61-61, 2004-03-05

何世紀にもわたりテクノロジーの進歩は、私たちの音楽、音楽の楽しみ方、そして社会の中の「音」を変化させてきた。本講演ではコンピュータ音楽の発展を通して、音楽芸術とテクノロジーの関係を考察する。
著者
安東 孝信 山城 明宏 神谷慎吾 山本修一郎 峰岸 巧 永田 守男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.22, pp.109-116, 2003-03-06
被引用文献数
3

OMGはMDAと呼ばれる技術を発表し,またそれに用いる表記としてUML Profile for EDOCをまとめている.これらは仕様としてまとめられているが,効果的な利用方法はまだ明らかにされていない.そこで我々は,簡単な業務システムを対象に, 実際に設計モデルまでを構築する試作を通して,MDAやUML Profile for EDOCに基づくシステム開発のノウハウの収集や実現可能性の検討を行い,実適用への足がかりを得ることができた.本論文では,この試作を通して得られた知見から,ソフトウェア生産技術に関する従来手法との関係/比較や,実適用に向けて今後解決せねばならない課題等について考察する.OMG published MDA as a new software development technology. OMG is specifying UML Profile for EDOC as a tool for the MDA. However, effective use of them has been unclear yet. So we have made a feasibility study using these new technologies through actual development of a simple business application. We got some clues for practice using these new technologies through the study. Based on the result, this paper describes relations and comparisons between these new technologies and some typical existing software development technologies. In addition, some left unsolved problems for practice picked up from the study are described.
著者
山田 奨治 早川 聞多 相田 満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.112, pp.39-46, 2006-10-27
被引用文献数
2

『古事類苑』は,明治政府の一大プロジェクトとして明治12年(1879)に編纂がはじまり,明治29年(1896)から大正3年(1914)にかけて出版された,本文1 000巻,和装本で350冊,洋装本で51冊の大百科事典である.そこには,前近代の文化概念について,明治以前のあらゆる文献からの引用が掲載されており,人文科学研究を行ううえでたいへん有用な事典として,いまでも利用されている.この『古事類苑』を電子情報資源化して活用すべく,著者らはその全頁の画像入力を行い,さらに全文テキスト入力作業を進めている.この論文では,現在までの作業の方法・進捗・課題点,インデックスからのシソーラス辞書作成,そしてHTML版の一部試験公開とWiki版の試作状況について報告する.Kojiruien (The Dictionary of Historical Terms) is a kind of large-volume Japanese encyclopedia with 1,000 volumes in original form, 350 volumes in Japanese-style binding, and 51 volumes in Western-style binding, which started editing in 1879 as a big project conducted by Government of Japan, and published during 1896 to 1914. It contains numerous words and cultural concepts of pre-modern Japan, citing plenty of books and documents before Meiji restoration (1867), and is frequently used even today among scholars of the Humanities. We are conducting a digital \it Kojiruien \rm project, with scanning every page images and making full-text data to utilize it as an electric information resource. In this report, we discuss on the project status, method, difficulty, thesaurus extraction from the index, making and public opening of the HTML version, and trial of the Wiki-based system.
著者
平野 基孝 首藤 一幸 田中 良夫 佐藤三久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.79, pp.17-24, 2005-08-03
被引用文献数
2

我々は数千ノードからなるP2P、グリッド等の大規模並列分散コンピューティング用の安全な通信基盤の形成を目的として、匿名相互証明書とP2P通信を用いる認証方式AUBReX(Authentication method Using Buddy-buddy relationship Represented by Cross centificate)を提案する。AUBReXでは、2ユーザ間(友人)の信頼関係を、そのユーザ間以外では個人情報の特定が出来ないように生成されたエンドエンティティ名(SubjectDN内のCommonName)を持つX.509デジタル証明書を相互に発行しあうことで表現する。これを匿名相互証明書と呼び、匿名相互証明書からなる証明書チェインをP2P通信により生成、検査することで、直後の信頼関係を結んでいないユーザ間での、匿名性を確保した上でのユーザ認証機構を提供する。AUBReXを用いることで、中央集権的CAを必要とせず、かつ不特定多数のユーザ間でのPKIベースの相互認証が可能になり、P2P環境でのピア間相互認証に有効である。We propose an authentication method called AUBReX(Authentication method Using Buddy-buddy relationship Represented by Cross certificate),which enables a secure communication infrastructure of a thousand of nodes for P2P and Grid distributed parallel computing using anonymous cross certificates and P2P communication. In the AUBReX,a trusted relationship (fellowship,or buddy-buddy relationship) between two users is represented by issueing X.509 cross certificate each other. The cross certificate has a secure-hashed CommonName as an end entity,that can only be revealed between the users. By collecting such anonymous cross certificates via P2P connection and generating a certificate chain and verifying it, the AUBReX provides an authentication mechanism between users who don`t have direct turusted relationship. By using AUBReX,it enables that PKI based mutual authentication between any users without a centralized CA,in which is suitable for P2P environment.
著者
浦本 直彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.2182-2189, 1996-12-15
被引用文献数
11

本論文では コーパスに基づくシソーラスを構築するための基礎として 既存の中規模のシソーラスとコーパスを用いて シソーラスを拡張する手法について述べる. シソーラス上にない単語に対して その単語がシソーラスのどの部分に配置される可能性が高いかをコーパスから抽出した統計情報を用いて決定する. シソーラスの分類基準(視点)を自動的に獲得することで 効率良く単語の位置を推定することが可能である. これらの知識を用いて 拡張されたシソーラス上での位置 上位語 単語間の類似度などを計算する関数群を提供するためのシステムを作成した.This paper describes development of a corpus-based thesaurus system. For the purpose, a method for positioning unknown words in an existing thesaurus is proposed. A likely area of the thesaurus for an unknown word is estimated by integrating the human intuition buried in the thesaurus and statistical data extracted from the corpus. To overcome the problem of data sparseness, distinguishing featured called "viewpoints" of each node are extracted automatically and used to calculate the similarity between the unknown word and a word in the thesaurus. The results of an experiment confirm the contribution of the viewpoints to the positioning task. By using some functions for accessing the thesaurus with viewpoints, users can get information for words in the thesaurus including unknown words.
著者
藤沢 卓矢 岩見 直樹 寄能雅文 三浦 雅展
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78, pp.161-166, 2008-07-30

ドラム演奏において正確なテンポ及び適切な強さで打叩するためには,ドラムスティックを制御する技術が必要である.ドラム演奏の練習において,ドラムスティックの制御を練習することを目的とした様々な演奏形態が存在し,そのような演奏形態において演奏される打叩パタンで用いられる奏法の一つにシングルストロークと呼ばれる奏法がある.シングルストロークはドラム演奏において最も単純かつ多用される奏法の一つである.これまでドラムスティックの制御に関する奏者の動作解析がドラムスティックの動作分析によって行なわれているが,奏者の生体的な情報を用いた解析はあまり行なわれていない.本研究では,筋肉が随意運動したときに発生する筋電位を表面筋電位として計測し,シングルストローク演奏時における奏者の腕及び手指の動作と演奏表現の関係について調査している.調査の結果,ドラム演奏者は十分なリラックスのもとに演奏を行なっていることが確認された.
著者
成澤和志 山田 泰寛 池田 大輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.59, pp.45-52, 2006-05-30

プログの増加が著しい近年、プログスパムが大きな問題であり、スパム検出の技術の発達が求められている。スパム検出に関する研究は内容解析やリンク解析によるものが多く、複雑な処理やアルゴリズムを使用する。我々はプログスパムの内容ではなく、コピーされ大凰に生成される性質に着目した手法を提案する。テキストの部分文字列を数え上げた時、出現頻度と異なり数にはジップの法則が成り立つことを利用して、自然言語の知識を必要としない、高速なスパム検出の技術を得ることができる。また、我々は人エ的なデータによる本手法の正当性を調ぺ、実際のプログデータから本手法によりプログスパムを検出することに成功した。Blog spam detection is a key for the blog spam problems as the number of blog sites is extermery in creasing.Existing methods for blog spam detection are based on contexts o rlinkstructures analysis,and does not work well completely.We suggest a method utilizing thefact that spamsaremassproducedatalowcostinsteadoftheircontext・Ourmethoddoesnot need backgroundknowledge of blog entries,such as naturallanguages,because of usingZipf's law for the frequency and the vocabulary size of substrings.We present the validity of our method by artificial data set,and succeed to detect blog spamsftomactualblogentries.
著者
大久保英嗣 津田 孝夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.59-65, 1984-01-15

本論文では 各次元でキーを有する多次元データを 1次元のアドレス空間へ写像する順序保存関数を提案する.提案する関数は 線形なハッシュ関数を基本としており 分布依存ハッシュ関数のクラスに属している.本論文では まず 提案するハッシュ関数の諸性質について議論する.次に 関係データベースにおける代表的な関係代数演算であるジョイン操作へ適用する場合の方法について述べる.最後に 実験結果を示し 本ハッシュ関数の有効性について考察する.
著者
篠田 裕之 竹内 亨 寺西 裕一 春本 要 下條 真司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.77-82, 2007-03-01

近年のユビキタス技術の発展により、空間センサやユーザの携帯端末から、多種多様なユーザの行動履歴が取得・蓄積可能となってきている。そこで、ユーザの行動履歴から、行動パターンを抽出することで、ユーザが興味を持つと考えられる場所を推測し、推薦するシステムが考えられる。本稿では協調フィルタリング手法を適用し、推薦の対象となるユーザと類似の行動パターンを持つ他のユーザの行動履歴を参照することで、ユーザが行ったことのない場所でも効果的な推薦を行ったり、潜在的に興味のある場所の推薦を行う行動ナビゲーション手法の考察を行う。By the development of ubiquitous technology of recent years, we will be able to acquire and accumulate various action histories of users from spatial sensors and mobile devices. Therefore, a system to recommend the interested places of users by extracting action patterns from action histories of users can be developed. In this paper, we propose action navigation method by collaborative filtering, which can recommend potentially interested places or even a place where users have not been by referring to action histories of other users having a similar behavior.
著者
田口 裕一 高橋 桂太 苗村健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.27, pp.79-86, 2008-03-10
被引用文献数
5

64台のネットワークカメラアレイを用いた実時間全焦点自由視点映像合成システムについて報告する.本システムでは,所望の視点位置における画素単位の奥行きマップを実時間で推定し,高品質な全焦点自由視点映像を合成する.画像合成処理をすべてGPU上で実装することにより,CPUとGPUで効率的な並列計算を行うシステムを1台のPCで実現した.これにより,解像度QVGAの入力多視点映像を用いて,フレームレート24fpsでの自由視点映像合成が可能となった.さまざまなシーンにおける高品質な自由視点映像を実験結果として示す.We present a real-time video-based rendering system using a network camera array. Our system consists of 64 commodity network cameras which are connected to a single PC through Gbit Ethernet. To render a high-quality novel view, we estimate a view-dependent per-pixel depth map in real-time based on a layered representation. The rendering algorithm is fully implemented on GPU, which allows our system to efficiently perform independent and parallel processing of CPU and GPU. Our system renders free-viewpoint videos at 24 fps using QVGA input video resolution. Experimental results show high-quality images synthesized from various scenes.
著者
相良 直樹 砂山 渡 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.108, pp.159-164, 2004-11-06

情報化社会の発展に伴い,文書の電子化や大量管理,共有が可能となった.これにより,人が処理しなければならない情報量も増加している.現在,この問題に対処すべくテキスト要約において主題抽出の研究は盛んに行われているが,ストーリー抽出に関しては人手に頼らざるを得ないのが現状である.本研究においては,従来の重要文抽出を利用したテキストからのストーリー抽出手法を提案し,この有効性について考察する.Development of information society caused computerizing of documents, and made a lot of managements and share of documents possible. It caused the increase in the amount of information which people have to process. Currently although research of extracting subjects is active in text summarization to deal with this problem, story extraction cannot be performed without manpower. In this paper, we propose a method of story extraction from text using key sentences, then discuss the proposing method.
著者
赤間清
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
宣言型計算モデル
巻号頁・発行日
pp.87-94, 1993
被引用文献数
8

関数モデルでは式の評価が計算であり,書換えモデルでは項の書き換えが,また論理モデルでは論理式の証明が計算であるとみなされている.本論文では,これに対して,宣言型計算モデルという新しい計算モデルを提案する.そこでは,「計算とは宣言的プログラムのプログラム変換である」と考える.宣言的プログラムとは,あるオブジェクト空間の元をatomとして作られる節の集合である.適切なオブジェクト空間を選択することによって,項書換えシステム,制約論理型言語,タイプつきユニフィケーション文法を含む,数多くのプログラミング言語や知識表現系における計算の基礎が宣言型計算モデルとして統一的に議論できる.宣言型計算モデルは,プログラム変換,抽象解釈,タイプ推論などを議論するためにも適している.
著者
村瀬 喜代美 小長谷 明彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.94, pp.85-91, 2000-10-12

世界で最も重要な音楽作品とされる、J.S.バッハ「マタイ受難曲」における暗黙知の機能を明確にし、その音楽鑑賞において、楽曲に関する知識の有無が生理反応にもたらす影響を、脳波計で測定した結果について報告する。This report intends to explore the function of tacit knowledge in J.S.Bach's St.Mtthew Passion as the most important Musical composition in the world, and investigate influence of the information of the composition upon the listener'sphysiological reaction through the electroencephalographical analyses of Music Appreciation.
著者
安達 栄輔 堀口 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1501-1511, 2005-06-15

本論文では,時系列画像の多重解像度解析によるオプティカルフロー推定法について議論する.多重解像度解析は,勾配法において発生する時間的エイリアシングの影響を除去するために用いられる.まず,各解像度画像におけるオプティカルフロー推定において,オプティカルフローの拘束式をフィッティングさせる局所領域の大きさをどのように設定すべきかの指針を与える.次に,各解像度間のオプティカルフロー統合法についても議論する.オプティカルフロー統合法は,画像歪曲型と解像度選択型に分類される.画像歪曲型と解像度選択型を比較したところ,画像歪曲型が速度の大きい場所特に動きの境界において解像度選択型よりも有利であることが分かった.また,解像度選択型において,多重解像度処理を各解像度ごとの処理に並列化し,その有効性を示した.This paper discusses optical flow estimation method using multiresolution analysis of image sequence. The multiresolution analysis is used to eliminate the time aliasing in gradient based method. This paper presents a guideline how to ajust a size of local region that constraint equation of optical flow is fit in optical flow estimation of each resolution image. We also discuss two optical flow unification methods; Image Warping type and Resolution Selection type. It is found that Image Warping type is more accurate than Resolution Selection type where speed is large particularly on motion boundary. In Resolution selection type, multiresolution processes are parallelized to different resolution processes to reduce computation times. It is shown that the parallelization can effectively reduce the computation times.
著者
西村 祥治 湯淺 太一 八杉 昌宏 小宮 常康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.96-96, 2001-11-15

Evaluation Strategyとは,並列プログラムを記述する一手法で,アルゴリズムと動的な振舞を分けてプログラムを記述することを可能にする.これはlazyな言語であるHaskellで提案されている手法である.遅延評価は評価する式を動的に決定するため,式の評価順序は不定である.しかし,評価要求を与えることによってそれを制御することは可能であり,Evaluation Strategyはこれを利用している.本発表ではこの手法をStrictな言語であるSchemeに導入する.導入にあたっては,Schemeに遅延評価の仕組みが必要である.Schemeにはdelay,forceがあり,これらを用いた遅延評価を実現することは可能であるが,プログラムの至るところに埋め込む必要があり,エレガントな手法ではない.本発表ではSchemeの言語機能として遅延評価系を導入し,そのインタフェースを用意することで遅延評価を容易に利用できる仕組みを提案する.それによって,Scheme上でEvaluation Strategyを実現する.Evaluation Strategy is a method to describe parallel programs, which enables us to describe the dynamic behavior of a program separately from the algorithm. It is proposed for a lazy programming language, Haskell. Since lazy evaluation dynamically decides which expression should be evaluated next, the evaluation order depends on execution. However, it is controllable by giving evaluation request to expressions and Evaluation Strategy uses this gauge, Scheme. For this purpose, it is necessary to introduce lazy evaluation mechanism into Scheme. Since Scheme has delay and force, we could construct lazy evaluation by using them. But we have to insert delay and force all over a program and it is not an elegant way. In this presentation, we propose to introduce lazy evaluator into Scheme and to provide lazy and touch as the interface to use it easily. Using this mechanism, we implement Evaluation Strategy on Scheme.
著者
林 良彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.22, pp.73-80, 1999-03-04
被引用文献数
1

英語の語彙データベースであるWordNet1.6の名詞部分を日本語へ手動で翻訳した。翻訳にあたりでは,英語の語彙的概念ノードであるsynsetを構成する英語単語を翻訳するだけでなく,その定義文(gloss)をも日本語へと翻訳した.その結果として,語彙概念にインデックスされた日英の対訳コーパスが得られた。本報告では,この日本語化されたWordNet名詞データの基本特性について報告し,本データが日英語の対照研究における良いリソースであること示す.また,synset単語の対応や上記の対訳コーパスからのバイリンガル辞書の抽出について説明し,得られるバイリンガル語彙データの多言語情報検索への適用可能性について検討する.The noun part of the WordNet 1.6 English lexical database was translated into Japanese by human translators. In the course of the translation work, elemental English words/collocations in a synset were translated into Japanese counterparts, as well as the "gloss", which defines the English lexical concept. This translation work turns out to give us an aligned and conceptually indexed pararell corpus. This paper shows the basic characteristics of the "Japanized" noun part of the WordNet. We argue that the resulted data might be a good resource for comparative linguistics. In addition to these, we examine how the derived bilingual lexical data can be applied to cross-linguistic natural language applications, such as cross-language information retrieval.
著者
谷崎 正明 上浦 真樹 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.12, pp.1-8, 1995-01-26
被引用文献数
1

近年、ハイパーテキストの分野では、文書情報だけでなく3次元CAIデータや・ビデオ動画像をも容易に扱うことのできるアプリケーションが望まれている。このなかで地図情報、CAD情報などを扱う場合、実世界において個々の実体が特定の空間を占め、かつ、有効な時間区間を持つと考えられる。本稿では、これらの情報を時空間上に存在するオブジェクト群としてとらえ、時間・空間属性を持つオブジェクトとオブジェクト間の関係を表すリンクからなる時空間型ハイパーメディアを提案する。そして、オブジェクト間の時間・抱間的な重なりの制約を表現する共存関係、またオブジェクトの空間的な包含関係に基づくリンク情報の継承に関して述べる。In this paper, we propose a temporal and spatial hypermedia model based on container-type objects in order to express real-world entities having some spatial time-stamp attributes. In the application domains such as geographic and CAD information systems, objects are often overlapped and thus some spatial coordinates at some point. An object model having spatial and temporal attributes, whose type holds the information about the 1) co-existent relationships between the container and its component objects, 2) co-existent relationships among the component objects, and 3) inheritance of links from the container to its component objects is proposed.