著者
青木 和麻呂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1030-1038, 2010-08-15
参考文献数
6

2009年12月12日(日本時間では13日),RSA-768と呼ばれる768ビットの合成数が素因数分解された.特別な形の合成数では以前に,より大きいものが素因数分解されているが,RSA公開鍵暗号に利用される大きな2素数の積の素因数分解に対しては,世界記録更新である.この記録は瑞,日,独,仏,蘭の5カ国の機関の研究者の共同作業の成果であり,筆者もこの作業に参加した.この素因数分解では,一般数体篩法(いっぱんすうたいふるいほう; GNFS)と呼ばれる代数的整数論を応用した方法が使われた.数体篩法を実際に実現するためには,概念的なアルゴリズムばかりではなく,細部の実装や計算資源の配分などが効率の重要な鍵を握っている.本稿では,数体篩法の概略を説明し,各ステップでの実装や計算機運用の問題点を紹介する.最後に,従来よりRSA公開鍵暗号で1024ビットの公開鍵の新規利用は推奨できないことが指摘されていたが,今回768ビットの合成数が現実に素因数分解されたことはこの指摘を補強するものであることを付け加えておく.
著者
EricA.Brewer 翻訳: 安藤進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1231-1233, 2001-12-15
被引用文献数
1
著者
戸辺 義人 蔵田 英之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.692-699, 2010-06-15
参考文献数
1
被引用文献数
2
著者
長 健太 大須賀 昭彦 本位田真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.3165-3178, 2006-12-15
参考文献数
31
被引用文献数
1

多数の小型センサから構成されるワイヤレスセンサネットワーク(WSN)を用いたビルオートメーションシステム,環境モニタリングシステム,サプライチェーンモニタリングシステムなどが実現されつつある.WSN 内の大量のセンサ群は環境に広範に分散配置され,かつそれらに搭載されているバッテリはきわめて限られているため,WSN アプリケーションにおいては電力消費量を抑えることが重要になる.WSN アプリケーションを実現するためのフレームワークは,消費電力と応答性能の間で発生するトレードオフを正しく扱える必要がある.我々は,複数の知的移動エージェントを用いてマルチパーパスなWSN アプリケーションを構築するというアプローチをとった.我々のフレームワークはエージェント群の動作方式を変化させることで,アプリケーションごとに異なる応答性能の要求に適応することができる.また,ビルディングオートメーションにおける移動エージェント群の動作をシミュレートすることで,消費電力と応答性能に関する評価を行った.A wireless sensor network (WSN) that is a network of many small sensors is being used for many applications such as structure and equipment monitoring, environmental monitoring and supply chain monitoring. Since these many sensors are widely spread in the environment and a battery of sensors is very limited, main concern for WSN applications is reducing battery consumption. Framework for these WSN applications should handle the trade-o. between battery consumption and response time. Our approach for this problem is using a multi intelligent mobile agent framework to implement multi-purpose WSN applications. By changing the movement pattern of agents, our framework can adapt to the requirements of response time that di.er from each application. We evaluate battery consumption and response time with simulating mobile agents for the building automation WSN application.
著者
本田 新九郎 富岡 展也 木村 尚亮 岡田 謙一 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.7, pp.1454-1464, 1997-07-15
被引用文献数
8

本稿では,在宅勤務の問題点である,コミュニケーションの機会の減少からくる個人の心理負担,社会からの疎外感を解消した仮想オフィスシステムについて述べる.システムでは,オフィス内での自然なインフォーマルコミュニケーションの実現のために,コミュニケーションの支援技術であるアウェアネスの概念を発展させた「位置アウェアネス」を考慮した.位置アウェアネスの実現に際しては,3次元仮想空間内に社員の座席を設けた「大部屋メタファ」に基づく仮想オフィスを構築した.このことにより,これまで考えられていなかったコミュニケーションの空間依存性を考慮したより自然なインフォーマルコミュニケーションが実現された.また「アウェアネススペース」という新たな概念の導入により,コミュニケーション空間とパーソナルスペースの確保の両立をはかった.個室ベースのシステムとの比較による評価から,在宅勤務における問題点解消について良好な結果を得た.In this paper,we describe a virtual office system that dissolves the estrangement feeling of home-office workers,which comes from less opportunity of communication.In order to realize a natural informal communication in the virtual office,the system has considered the new awareness concept "Position Awareness".We have realized the "Position Awareness" by building a virtual office based on the "Shared-Room-Metaphor" on a 3D graphics workstation.By doing this,the system enabled more natural informal communication that depends on the positional relationship.And also by introducing the new concept of "Awareness Space",both the facility of communication and personal space was made compatible.By comparing with the result of the system based on the private room,we have gained a better result on solving the problem of home-office.
著者
中川靖士 羽田 久一 今井 正和 砂原 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.12, pp.193-198, 2002
被引用文献数
3

インターネットのブロードバンド化により映像配信が盛んに行われるようなりつつある。しかし、限られた人手や予算の中で映像内容を理解し、整理や編集することが難しいため、視聴者にとって理解しにくい内容となっている。本研究では、解説者が手作業で行っているサッカー映像のゲーム分析を自動化する。映像に対して2値化、円形度、ハフ変換、アフィン変換、オプティカルフローを用いて画像解析を行い、選手、ボール、ラインを認識し、視点移動、カメラワーク認識、プレー認識を行う。その結果を時間、場所、チーム、プレーについて数値化したスコアブックで管理する。さらにスコアブックからボールキープ時間やボールの移動軌跡に展開する。実際の映像に対して実験を行い、手作業との比較において本手法の有効性を確認した。
著者
黄 錫炯 辻野 嘉宏 都倉 信樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1003-1011, 1995-04-15
参考文献数
10
被引用文献数
1

オブジェクト指向プログラミングにおいて、品質の良いプログラムを作成するためには、プログラムの性質と構造などを厳密に理解した上でプログラムの複雑さを減らすための方法を考える必要がある。オブジェクト指向プログラムでは、プログラムの複雑さはクラスの間のメッセージ転送より発生するクラス間の相互依存関係に起因する。この考え方に基づいて、クラス間の不必要な相互依存関係を減らすためのプログラミングスタイルに関する規則としてデメテノレの規則(TheLawofDemeter)が知られている。しかし、その定義が非常に暖味であるため、いろいろな解釈が生じる恐れがあり、実際にプログラムに適用する際には問題がある。本論文では、従来の非形式的なデメテルの規則を実際のプログラムに適用、評価するために、クラス間の関係として継承と集約、そして関連などの諸定義を行い、それらを用いてデメテルの規則を定式化する。またデメテルの規則の判定アノレゴリズムと、デメテルの規則に違反したプログラムに対する変換方法について述べる。
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-28, 2014-01-30

ヒ卜の言語は脊髄反射であるようだ.その生物物理的・分子生物学的基盤は他の脊椎動物の記号反射と同じ脳室内の脳脊髄液中の免疫細胞ネットワークである.およそ 7 万 7 千年前から 6 万 6 千年前にかけて,いまの南アフリカ共和国の東・西ケープ州に属する海岸線の近くで,ヒトは音素とアクセントを獲得したことによって無限の語彙とそれらを連接する文法を獲得して,論理的音節を一次元配列した音声波形を使ってデジタル通信を開始した.話し手から聞き手に送られる音声波形は,すぐに消える音声から,記録の残る文字,遠くに伝わる電話や放送のアナログ電気通信,双方向のオートマトンであるコンピュータ・ネットワークへと進化をとげた.一方,脳内の音声記号の形態は,一貫して免疫細胞ネットワークのままで,(i) 二分法論理によるパターン認識を行う抗原抗体反応と,(ii) 文法と思考を操作するための二元論論理による信号伝達系であり,音節の音素性とモーラ性がもつ論理性が,免疫細胞の二分法・二元論論理に対応する.脊髄反射が生理的基盤であるために,言葉の意味は常に過去の経験や思考に基づく反射であり,新しい単語にはすぐには対応できないほか,じっくり考える前に反射的対応をとってしまう.また,知能は過去の経験に基づいた均衡状態にあるために,自分が知らない事象や現象を耳にすると,無意識のうちにそれを拒否して門前払いするかあるいは否定的に受容してしまう.言語記憶を司ると思われる脳脊髄液中の B リンパ球のまったく同じ細胞の免疫ネットワーク構造が,五官記憶にもとづいて構成される具象概念にも,論理記憶にもとづいて構成されるさまざまな抽象概念にも適用されるために生じている混乱は,これまでほとんど検討されてこなかった.脳内免疫記憶ネットワークである言語と知能が正しく作用するためには,同じ B リンパ球の生理メカニズムが,五官記憶や論理記憶や言語記憶とネットワークしている事実に注目して,明快で段階的で可逆的な思考を重ねることによって,概念装置を正規化する必要がある.経験の裏付けのないアプリオリな数式や概念は,人類文明の知的発展のためには排除されなければならない.
著者
相原 健郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.525-530, 2002-05-15
参考文献数
2

サッカーのワールドカップが2002年5月末から日本と韓国で共同開催される.情報処理技術者にとっても,これだけの世界規模のイベントでのITの活用事例は興味深いものであろう.本稿は,日本の組織委員会(JAWOC: Japan Organising Committee for the 2002 FIFA World Cup Korea/Japan)の情報通信専門委員へのインタビューをもとに,IT活用の概要を解説する.
著者
伊藤 孝行 大栗 和久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.2792-2804, 2004-12-15
参考文献数
15
被引用文献数
2

コンピュータ関連技術の進歩による作業の非同期化,作業環境の分散化,勤務形態の変化にともない,組織のメンバの状況をリアルタイムに知ることが重要になっている.組織内の位置情報をメンバ間で共有することができれば,相手の状況を配慮したコミュニケーションやコラボレーションの方法を動的に選択することが可能となり,組織活動をより効果的に支援できる.一般的に,位置情報取得技術には,状況によっては位置検出ができないという問題点がある.また,より正確な検出と,そのコストにはトレードオフが存在する.本研究で用いた位置検出システムEIRIS も,同様に利用状況によっては位置検出できないという問題点をかかえていた.本研究ではEIRIS により取得した位置情報とともに,状況に応じて位置検出システムの過去の情報から構築した確率ネットワーク,経験的ルール,スケジュール,書き置き情報を基にした推定による情報を表示する位置情報システムを実現した.位置情報システムでは位置検出が困難な際にも連続的に位置情報を提示することを可能としている.また本研究では,メンバの行動傾向の取得が比較的容易な組織として,大学院の研究室を対象とした.本位置情報システムを7 名から構成される研究グループにて試用し,実験を行った.実験では,各メンバの位置情報を共有することによる利用者の影響と推定情報の精度についての2 つを主な評価項目として行い,実験結果を基に評価・分析することにより位置情報システムの有用性を示す.In this paper, we present an implementation of a real-time position inference system for a research group. In a research group, knowing the other members' presence, predicting visitors, and holding real-time meetings are time-consuming but important tasks in everyday life. Thus, in this system, we realize a prediction mechanism for group members and visitors. We also develop a support mechanism for holding real-time meetings. In order to implement a real-time position inference system, we need to detect location information of group members. In our school building, EIRIS (ELPAS InfraRed Identification and Search System) has been installed, and we utilize EIRIS to detect members' positions. However, there exists a trade-off between the value and cost of detecting exact positions. Thus, we first try to complement EIRIS's detection ability by employing a stochastic method, probabilistic reasoning, and heuristic rules. Then, we implement a visitor prediction mechanism and a real-time meeting support mechanism. Our experiments demonstrate that our position inference mechanism is more effective than a simple prediction mechanism that employs only stochastic data. According to questionnaires, we could confirm the effect of our system. Furthermore, we discuss on privacy issues that are important in planning positioning system for people.
著者
吉川 雄一郎 篠沢 一彦 石黒 浩 萩田 紀博 宮本 孝典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1284-1293, 2007-03-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

人間同士のコミュニケーションにおいて,視線は意図の伝達や会話の調節など,重要な役割を持つことが知られている.人間と対面するロボットやスクリーンエージェントの従来研究においても,それらの視線をどのように構成するかに注目が集まっているが,相手の視線の動きを考慮した枠組みの研究は少ない.しかし,相手の視線が自分の視線に対してどのように変化しているかを見ることは,人間が相手の視線を認識するうえで重要な手がかりになっていると考えられる.そこで本研究では,対面相手の視線に基づいて自身の視線を動かすことのできるロボットを構築し,応答的視線によってより強い被注視感を相手にいだかせることができることを示す.In face-to-face communication, eyes play a central role, for example in directing attention and regulating turn-taking. For this reason, it has been a central topic in several fields of interaction study. Although many psychology findings have encouraged previous work in both human-computer and human-robot interaction studies, so far there have been few explorations on how to move the agent's eye, including when to move it, for communication. Therefore, it is this topic we address in this study. The impression a person forms from an interaction is strongly influenced by the degree to which their partner's gaze direction correlates with their own. In this paper, we propose methods of controlling a robot's gaze responsively to its partner's gaze and confirm the effect of this on the feeling of being looked at, which is considered to be the basis of conveying impressions using gaze in face-to-face interaction experiments.
著者
萱島 信 松本 勉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1097-1104, 2008-03-15
被引用文献数
1

今日,インターネット技術を用いたネットワークでは,サービス不能(Denial of Service,DoS)攻撃対策が重要になりつつある.DoS 攻撃手法は,ホストの脆弱性を悪用する脆弱性攻撃タイプと,大量のIP パケットでホストやネットワークのリソースを使い尽くすFlood 攻撃タイプがある.特に後者は,分散サービス不能攻撃(Distributed DoS,DDoS)の出現で深刻化している.そこで本論文では,分散DoS 攻撃の影響を回避する方式を提案する.本提案方式は,アクティブ計測手法であるOne-Packet 方式とパケットペア/パケットトレイン方式の長所を組み合わせて実現した"パストラフィック推測機構" と,TCP プロキシを用いたオーバレイネットワークで実現した"代替パス構築機構" により構成される.本論文では,Flood 攻撃のシミュレーションにより,パストラフィック推測機構が従来の帯域推定手法より有効に機能することを示した.さらに,代替パスを構成する他の実現方法との比較により,代替パス構築機構の実用性を評価した.On Internet-based networks, defending networks against attacks, particularly denial-ofservice (DoS) attacks, is becoming important. DoS attack methods can be classified into two types: the first type uses a security hole in a target host, and the second type exhausts network bandwidth by sending a large number of data packets to a target. The second type is becoming more of a problem because distributed DoS attacks are now taking place. We have developed a method that reduces the severity of distributed DoS attacks. Our method uses two mechanisms: an "path traffic estimation mechanism", which works by combining onepacket and packet-pair models; and a "substitution path construction mechanism", which uses a tcp-proxy. We demonstrated that "path traffic estimation mechanisms" effectively reduced the severity of a simulated flood attack. And we demonstrated that "substitution path construction mechanism" is more practical than usual method.
著者
戸村 哲 三輪 信介 大野 浩之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1186-1190, 2001-12-15
参考文献数
17
被引用文献数
4

筆者の大野,戸村は内閣官房情報セキュリティ対策推進室の非常勤職員に併任しており,専門調査チームの一員として勤務している.まず内閣官房情報セキュリティ対策推進室の情報セキュリティ対策への取り組みの経緯と概要を,公開情報に基づいて説明する.続いて筆者らの所属する研究チームにおける,電子政府のための情報セキュリティ対策への取り組みを紹介する
著者
久保 ゆき子 高島 康裕 中武 繁寿 梶谷 洋司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.881-888, 2000-04-15
参考文献数
10
被引用文献数
8

平面配線領域上に指定された複数の点を相互に結ぶスタイナ木を別のスタイナ木へ変換するアルゴリズムFlipを提案する.これは,現スタイナ木の1枝をそれを含む面上のパスで迂回させる操作である.Flipは高速で働き,また任意のスタイナ木から任意のスタイナ木へ多項式回の適用で到達できることが証明できるので,VLSI配線における複雑な評価に対する有効なアルゴリズムになる.Flipは,2層HV配線領域のスタイナ木にも適用できるよう拡張される.例として採用した総配線長,クロストーク,スキュー,VIA数などの複合評価関数に対応する実験では,従来の構成的手法では達成できない特徴を有する結果を得ることができた.また,類似の手法であるrip-up and reroute手法との差異を付録で論ずる.Given a Steiner tree thatconnects designated terminals on a plane routing area, the Flip isdefind as a procedure that makes a current Steiner tree change itsconfiguration.It is to replace one of the edges of the Steiner treewith a detour on an adjacent face.Since the procedure runs quickly, and the reachability is proved, theidea can be a useful routing algorithm if it is implemeted bysimulated annealng.The idea is enhanced to the 2-layer HV routing.The performance of the algorithm was experimented for multipleobjectives.Some unique and satisfiable results were observed.The difference from the rip-up and reroute strategy is discussed in Appendix.
著者
並木 美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.607-611, 2007-06-15
参考文献数
7

初等中等教育での情報教育において音楽を題材として用いた事例を紹介する.音楽は繰返し構造などプログラミングの基本的な考え方に近く,論理的な思考を養い,適切なプログラミング言語を記述し,計算機上で実行することで,テストやデバッグなどを行える.本稿では,教育用プログラミング言語ワークショップ2007で紹介された各種事例について示し,音楽を用いた情報教育と音楽教育における情報教育について論じる.
著者
加藤 誠巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.552-557, 1998-06-15
参考文献数
20
被引用文献数
4
著者
松井 祥悟 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1874-1884, 1995-08-15
参考文献数
12
被引用文献数
4

本論文では、並列型(parallel)および漸次型(incremental)ガーベジコレクションの基本アルゴリズムである相補型ガーベジコレクタ(Complementary Garbage Collector)の提案およびその評価を行う。このアルゴリズムは、増分更新型(incremental update)とスナップショット型(snapshot-at-begiming)という2つの基本アルゴリズムを相補的に組み合わせたものである。ゴミの回収効率の良さと正当な(無矛盾な)実装の容易さという両者の長所を併せ持つ。このアルゴリズムは、現在広く便用されているスナップショット型アルゴリズムを代替する。この型を基本アルゴリズムとしている現存の並列型および漸次型ガーベジコレクションに直ちに応用できる。Complementary Garbage Conectorを並列型mark-and-sweep法および潮次型mark-and-sweep法に組み込み、評価を行った結果、ゴミセルの回収効率は一括型GCと同程度まで改善されることが確認された。これにより実行速度、実時間性(無停止性)が改善された。
著者
平岡 慶子 小寺 信治 寺島 元章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.36, 2003-02-15

使用中データオブジェクトをヒープの一端にそれらの配置順序を保存して再配置する圧縮方式(mark-and-compact )に基づいた三世代ガーベッジコレクションの実装とその評価について述べる.圧縮方式のガーベッジコレクション(GC )ではヒープ上での世代の序列が永久に変化しないため,各世代は単にヒープのアドレスで区分できる.そこで,GC はGC 対象領域と呼ぶヒープ中の1 区画を決めることで,3 つのオブジェクト世代に対して包括的かつ効率的に行うことができる.隣接したGC間で消費された領域には新しい世代のオブジェクトがあり,それをGC 対象領域とするのが新世代GC である.1 回のGC 経験回数で殿堂入りした新古世代オブジェクトはその総量が閾値を超えるとGC により古世代オブジェクトとなる.このときのGC 対象領域は新世代と新古世代のオブジェクトが存在する連続した区画となる.新世代GC と異なるのは区画が大きくなるだけである.なお,古世代はヒープが枯渇しない限りGC の対象とはならない.また,新古世代オブジェクト量を調整するための新世代領域の動的変更機能についても述べる.We describe implementations and evaluation of three-generational garbage collection based on a sliding compaction (mark-and-compact)scheme that moves data objects being in use toward an end of a heap preserving their allocated order.The GC based on the sliding compaction scheme preserves the allocated order of generations as a group of data objects,so that the generations are simply classi fied according to their addresses of the heap.Our generational GC processes three generations efficiently and collectively by choosing a continuous space being subjected to GC from the heap.The GC for a young generation (minor collection) chooses the space that has been consumed since the last GC invocation and contains newest data objects.The objects that were subjected to the process of a single GC invocation changes to an old generation.The old generation is processed by the GC if its amount exceeds a prescribed value,and then changes to the oldest generation.This GC (major collection)chooses the continuous space that contains both the young and the old generations that is larger than the space for the minor collection.The oldest generation is free from the GC provided that the heap is not full of objects.Our generational GC also adopts dynamic adjustment of the space for the minor collection in order to reduce the amount of the old generation that affects the GC performance largely.