著者
服部 孝道
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.581-591, 2004-08-01 (Released:2011-03-18)
被引用文献数
1

自律神経系は呼吸、循環、消化、代謝、分泌、体温維持、排泄、生殖など、生体にとって最も基本的な機能調節を担う神経系である。随意的に運動機能の調節を行う体性神経系とは異なり、自律神経系は随意的な制御を受けずに無意識的に機能しており、平滑筋、心筋、腺などを支配し、生体の内部環境の恒常性 (ホメオスタシス) の維持に重要な役割を果たしている。本講演では私どもの教室で取り組んでいる自律神経研究の中から起立性低血圧と食事性低血圧および神経因性膀胱を取り上げ、その病態と診断および治療について述べた。これらはいずれも頻度が高く、患者のADLを阻害し、時に重篤な合併症をきたす重要な疾患であるが、あまり注目されておらず、見逃されていることの多い疾患である。治療法や予防法があるので、積極的に見出し、治療することが望まれる。
著者
堀部 豪 荒木 信夫 小内 愛 井畑 真太朗 山口 智
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.34-40, 2023-02-01 (Released:2023-06-01)
参考文献数
25

【目的】神経サルコイドーシスは両側末梢性顔面神経麻痺の原因疾患の一つであるが、 これに対して鍼治療を実施した報告は我々が調査した限り存在しない。 今回、 両側末梢性顔面神経麻痺を発症、 神経サルコイドーシスが強く疑われた患者に対して鍼治療を実施し良好な経過を認めた症例を報告する。 【症例】73歳男性。 主訴:両側顔面神経麻痺。 現病歴:X年7月24日に右顔面神経麻痺発症、 27日に左顔面神経麻痺発症。 8月2日に当院脳神経内科を受診、 翌日に精査加療のため入院。 精査により神経サルコイドーシスが強く疑われステロイドパルス療法を実施。 8月26日に退院するも両側顔面神経麻痺は残存、 9月13日に当科を受診し鍼治療が開始。 身長159cm。 体重48.6kg。 神経学的所見:バレー徴候陰性、 病的反射陰性、 上下肢の深部腱反射や感覚検査は正常。 MMTは左足関節背屈のみ3。 柳原法:右26点、 左10点。 顔面神経を目標とした鍼通電刺激による表情筋収縮反応は、 右は0.04mAで収縮あり、 左は0.30mAで収縮なし。 右は軽度、 左は重度麻痺と考え、 麻痺の改善・後遺症の抑制を目的に鍼治療を実施。 鍼治療方法:右は聴会 (GB2)・下関 (ST7) へ鍼通電療法。 左は前頭筋、 眼輪筋の上・下、 上唇鼻翼挙筋、 鼻筋、 大・小頬骨筋、 口輪筋、 口角下制筋、 広頚筋へ置鍼治療を10分間実施、 106病日からは同部位に非同期鍼通電療法を実施。 治療頻度:週1-2回。 評価:柳原法。 経過:脳神経内科から処方されたステロイド薬に鍼治療を併用し、 右は170病日に38点、 左は204病日目に38点となった。 【考察・結語】本症例への治療効果は薬物治療と鍼治療の併用効果と言える。 神経サルコイドーシスが疑われた両側顔面神経麻痺患者に対して、 顔面神経の障害程度を考慮した鍼治療を実施した結果良好な治療成績を認め、 鍼治療は治療法の選択肢の一つとなり得る可能性が示唆された。
著者
宮本 直 伊藤 和憲 越智 秀樹 山田 充彦 大橋 鈴世 糸井 恵
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.384-394, 2009 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 3

【目的】変形性膝関節症 (以下、 膝OA) に伴う運動機能と痛みに対し、 鍼刺入深度の違いが及ぼす効果を検討した。 【対象】膝OAと診断された患者のうち研究条件に適合した患者26名。 【方法】コンピュータによりA) 浅刺群 (3mm前後の刺入)、 B) 深刺群 (10~20mm刺入) の2群に分類し、 下肢の圧痛点10ケ所に対して10分間の置鍼を行った。 【評価】膝痛の主観的な評価としてvisual analogue scale (VAS) を、 運動機能の客観的な評価としてTimed Up & Go test、 20m歩行時間、 階段昇降時間を、 膝OAのQOL評価としてWestern Ontario and MacMaster Universities osteoarthritis index (WOMAC) をそれぞれ4週ごとに計4回記録した。 【結果】痛みの程度は両群ともに治療前と比較して有意に改善したが (p<0.05)、 客観的な運動機能はすべての測定項目において、 治療前と比較して浅刺群のみ有意に改善した (p<0.05)。 【結語】浅刺は痛みと運動機能を改善しQOL向上に寄与したことから、 膝OAの症状に対する、 より効果的な治療方法である可能性が示唆された。
著者
中島 美和 井上 基浩 糸井 恵
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.477-485, 2009 (Released:2010-12-27)
参考文献数
16

【目的】鍼通電刺激の骨癒合能に対する影響を調査する目的で、 ラット脛骨の骨折モデルを用いて、 X線学的、 肉眼的、 および生体力学的に検討した。 【方法】Wistar系ラット (雄性、 12週齢) 30匹を用いて、 片側の脛骨骨幹部に開放的横骨折モデルを作成し、 無作為に鍼通電刺激群 (EA群)、 鍼群 (Sham群)、 無処置群 (Control群) の3群に分けた。 EA群は鍼を骨折部、 および骨折部より近位15mmの脛骨骨膜まで刺入し、 骨折部を陰極、 他方を陽極とした間欠的直流鍼通電刺激 (刺激条件:刺激幅5ms、 50Hz、 20μA、 20分間) を骨折作成日の翌日から3週間連日行った。 Sham群はEA群と同一部位・同一深度まで鍼の刺入のみ行い、 電気刺激は行わなかった。 Control群はモデル作成後、 処置を行わなかった。 評価は、 モデル作成後1、 3、 4、 6週に軟X線画像を用いて仮骨・骨面積の定量を行った。 併せて、 モデル作成後6週には脛骨を摘出し、 仮骨部の前後径、 左右径の計測を行った後、 3点曲げ試験を行い、 破断点試験力を測定した。 【結果】EA群ではSham群・Control群と比較して早期に仮骨形成が見られた (モデル作成後3週の仮骨・骨面積の比較;p<0.05)。 経過とともに全ての群で仮骨量の増大を認めたが、 モデル作成後6週経過時において、 EA群では他の実験群と比較して、 仮骨量の有意な増大を認めた (仮骨・骨面積;p<0.05、 仮骨部の前後径、 および左右径;各々p<0.01、 p<0.05)。 さらに、 EA群では、 モデル作成後6週において、 力学的にも高い仮骨強度を示した (p<0.001)。 全ての評価においてSham群とControl群の間には有意差を認めなかった。 【考察・結語】EA群で良好な結果が得られた理由として、 直流鍼通電刺激が陰極周囲、 骨折部局所の環境変化を引き起こし、 細胞活性に有利に働いた可能性が考えられ、 それにより仮骨形成の促進・増大を引き起こしたことが示唆された。 さらには、 仮骨の石灰化を促進・誘導した可能性が考えられた。
著者
大山 良樹 佐々木 和郎 中村 辰三
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.567-574, 1999-12-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
19

The effects of acupuncture treatment were investigated in 200 patients (99 males and 101 females, average age 16.1±0.2 (SE.)) who complained of reduced visual acuity, including juvenile myopia (age 13.25).Acupuncture treatment involved leaving the needle in place for 15 min, after inserting to a depth of 10-5 mm from the skin surface.The vital points Taiyo (Ex-HN5), Fuchi (GB-20), Shokyu (ST-1) and Goukoku (LI-4) were the basic points used for acupuncture therapy with Ganen (GB-4), Sanchiku (BL-2), Zui (ST-8) or Kyokuchi (LI-11) as supplemental points depending on individual symptoms. These acupuncture treatments improved the mean acuity by 0.33 in the right eye and 0.31 in the left.Analysis of these results indicated that acupuncture treatment caused significant improvement of visual acuity (P<0.01). Therefore, acupuncture therapy was considered to be an effective treatment that improved regulation of the ciliary muscle and the pupillary myosis system.
著者
荻原 正識 下中 周次
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.410-414, 1984-03-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
5

本症例に関し, 小腸経少沢穴より刺絡を試みたところモニター心電図, 血圧, 臨床症状がともに変化改善をした。成書などの心筋梗塞症的記述に対し一症例ではあるが, 一定検証されたと考えたい。また, 本症例に参加し, チーム医療の一員として患者にアプローチでき, その格闘の過程で, 他職種との信頼関係を深めることができた。患者の「あァー楽になりました。」という生命的響きを基軸に, 今後とも可能な限り鍼灸領域の拡大を計ってゆきたい。
著者
石松 菜摘 鮎澤 聡 櫻庭 陽 成島 朋美
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.45-52, 2021 (Released:2021-10-28)
参考文献数
16

【はじめに】骨盤骨折後に便漏れ(切迫性便失禁)と仙骨部から肛門周囲の感覚障害が残存した患者に対し、仙骨部に低周波鍼通電を行い症状の改善が得られた一症例を経験したので報告する。 【症例】60歳代、男性。主訴は便漏れと左側仙骨部から左側肛門周囲の痺れおよび感覚鈍麻。X-1年5月、交通事故により骨盤骨折を受傷し外科治療を受けるも上記症状が残存し、その後も改善を認めず。X年4月当センターに来所し、鍼治療が開始された。 【治療及び評価】左右の第2~4後仙骨孔部(次・中・下穴)および会陽穴に斜刺にて40mm程度刺入し会陰部に得気を得た後、1~3診は1Hz15分、4~7診は20分、8診以降は50Hz 間欠波で20分施行した。評価には、便失禁の程度にNumerical Rating Scale(NRS)を、便失禁に関連したQOLに日本語翻訳版Fecal Incontinence Quality of Life Scale(FIQL)を用いた。また痺れについてVisual Analogue Scale(VAS)で評価を行った。 【経過】便失禁の程度は初診時NRS8が7診時に2まで減少し、FIQLでも改善がみられた。肛門周囲の痺れは初診時VAS69mmであったが9診目で消失した。感覚鈍麻は残存した。 【考察・結語】切迫性便失禁は陰部神経障害による外肛門括約筋の障害で生じる。今回の治療では後仙骨孔部で鍼通電を行うことで仙骨神経叢後枝を刺激し、陰部神経の活動に影響を与えた可能性がある。近年便失禁に対しては外科手術によるSacral Neuromodulation Therapy(SNM療法)が行われるが、侵襲度が小さい仙骨部の低周波鍼通電療法は、便失禁に対する安全で簡便な治療法の1つとなりうる可能性が示唆された。
著者
山田 勝弘
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.713-726, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)

平成15年1月23日に代田文彦先生は63年の生涯を全うされた。それ以後の私共は、まるで主を失った迷える小羊のような3年間であった。このたび、今学術大会において先生の足跡を辿る機会を得て、先生が示された数々の教えを「鍼灸臨床の真価」として報告する。この演題を頂いた時、偉大な先生をわたくし独りの思いで語るにはあまりに-面的であると考え、26年間にわたり日産厚生会玉川病院東洋医学研修センターで先生に学んだ方々にもご協力を頂き今回の内容になった。この講演内容は、かつて日産厚生会玉川病院東洋医学研修センターに所属し先生に学んだ18名の方々の報告、先生のご著書、学会報告など基にした先生の思い、私が演題に沿うように構成した。本大会のような公の場で先生が言い切れなかった思い、臨床の場で何気なく研修生に語りかけた先生の真実の思い、そして2000年の神戸大会の先生の遺言ともいえるような講演の一部を取り上げ纏め.上げたものである。
著者
村主 道雄
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
自律神経雑誌 (ISSN:03870952)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2-3, pp.119-121, 1976-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
7
著者
楊 應吟
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.191-195, 2006-05-01 (Released:2011-03-18)
被引用文献数
1 1

過去、台湾の鍼灸術は「師徒伝承」の個別伝授法だったが、1955年に台北市鍼灸学会が政府機関の認可を獲得した後, 研修会を介した体系的な習得法にかわった。20年のうちに鍼灸学を学習する者も増えて、一般民衆にも鍼灸に対する効果を認められ、徐々に鍼灸治療を受ける患者さんも増えてきた。1975年やっと鍼灸療法が受け入れられるようになってきた矢先に、「新医師法」が実施され、今までの鍼灸師は無資格となり、数多くの鍼灸師は台湾から国外へ流出してしまった。国外では資格試験の制度があるが、台湾には鍼灸に関する資格制度が無く「中医師」の試験に合格した者は、 “漢方薬の処方も、鍼灸師の資格と開業を許される” と言う摩詞不思議な制度が出来てしまったのである。中医師の試験に鍼灸の科目が加わったのは1989年になってからで、筆記試験だけで実技試験はない。だからこの間、中医病院の鍼灸治療はバリ専門の実技研修を受けたベテラン達が担当していて中医師ではない。この様にこの道に精通しない者が指導的な役割を担っていることは、鍼灸界の発展はおろか阻害となり、台湾における鍼灸に対する研究の遅れは、この不当な制度の為である。過去30年間も、「鍼針灸の合法化」の抗議運動を起こしてきたが、衛生署と中医師公会の反対に逢い、いまだに混沌たる時代にいる。日本に於いては、電子顕微鏡、コンピュータ等のハイテクを駆使して針灸に取り組んでいるのである。政府はいち早くこの事に目覚めて、早急に針灸の発展に切り替える政策こそが衛生署主管の急務だと思う。いまや鍼灸術は国際的になり、WFASは毎年国を変えて学術大会を行っている。もし先進国の日本に、世界各国から鍼灸の勉強が出来る環境をもつ国際的な鍼灸大学が出来れば、鍼灸を通して国際交流が出来, 若き未来の医師たちに切れ掛かった親日の絆を挽回してもらえると思う。
著者
坂井 友実 津谷 喜一郎 津嘉山 洋 中村 辰三 池内 隆治 川本 正純 粕谷 大智
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.175-184, 2001-05-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

【背景】本邦での鍼に関するランダム化比較試験の試みは数少なく、対照群に鍼治療以外の治療法をおいた研究はほとんどない。本邦において、医療制度の中に鍼灸が位置付いてゆくためには、質の高い臨床研究の結果が求められている。今回の臨床試験はこのような状況を踏まえ鍼を受療することの多い「腰痛症」を対象として行われた。【目的】「腰痛症」に対する低周波鍼通電療法の有効性および安全性を経皮的電気刺激法を対照としたランダム化比較試験により検討する。本試験は1995年9月から1996年6月にかけて瀬踏み的になされた第1期の研究を引き継ぐ第2期に相当する探索的なもので, 第3期の確認的な試験へ向けてのデータ収集の意味を持つ。【対象および方法】下肢症状がなく、発症から2週間以上経過した腰痛患者を対象に低周波鍼通電療法 (A群) と経皮的電気刺激法 (T群) の多施設ランダム化比較試験とした。観察期間は2週間、治療回数は5回とした。通電は各群とも1 Hzで15分間行った。【結果】目標症例数の80例に対して71例の応募者があり、68例が封筒法によりA群とT群に割付けられ、最終的にはA群の31例とT群の33例が解析の対象となった。背景因子として、年齢、罹病期間などには両群間に有意差はみられなかったが、性別、鍼治療経験の有無、経皮的電気刺激法の経験の有無には有意差がみられた。疼痛スケール (以下「VAS」とする) は最終時でA群は5.3±3.0に、T群は5.9±3.4に軽減した。また、主要評価項目であるVASをもとにした痛み改善度の効果判定では、A群は13/31例 (41.9%) に改善がみられ、T群では10/33例 (30.3%) に改善がみられた。さらに、副次的評価項目である日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準 (以下「JOAスコア」とする) は初診時14.5±3.0点、T群は15.0±2.8点であったが、最終時では15.9±2.0点と15.8±2.6点であった。しかし、A群とT群の両群問では、VAS及びVASをもとにした痛み改善度JOAスコアにおいて統計学的な有意差はみられなかった。【考察】プロトコールに沿ってデータの収集が行われたことは中央委員会の設立によるところが大きいと考える。目標症例数に達しなかったことは、臨床試験に対する患者の理解が低いことや参加施設のおかれている立地条件が考えられるが、患者募集の仕方にも工夫をしてみる必要があると思われる。また、鍼の効果を立証していくためには介入の方法や評価項目などについて検討していく必要があると思われた。【結論】腰痛症に対するA群とT群との間には有効性の差はみられなかった。第3期へ向けての基礎的データが収集された。