著者
猿渡 実
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.991-992, 2005 (Released:2005-12-05)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1
著者
藤波 裕樹 田中 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.968-976, 2013 (Released:2013-11-18)
参考文献数
29
被引用文献数
3

ドチザメは伊豆半島下田周辺海域において混獲されるが,その生物学的知見は少ない。そこで,下田周辺海域におけるドチザメの年齢・成長・繁殖について調査した。試魚は,1991~2012 年に採集された雄 113 個体,雌 123 個体である。椎体に形成される輪紋は雄で 3~15 輪,雌で 2~18 輪確認された。観察値より求めた von Bertalanffy の成長式は雄:Lt=1329−1079 exp(−0.178 t),雌:Lt=1436−1186 exp(−0.165 t)であった。50% 成熟全長および年齢は雄で 914 mm,5.7 歳,雌で 1083 mm,8.6 歳であった。近年,大型個体の数が減少しているため,継続的な調査の必要が示唆された。
著者
安 永一 有元 貴文
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.713-718, 1994-11-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
16
被引用文献数
4 6

The avoidance response of the jack mackerel Trachurus japonicus to a strobe light barrier was investigated in the laboratory, by electrocardiogram measurement. The avoidance response varied with the strobe flash frequency (1.7-430 Hz) and strobe light intensity. Avoidance was greatest at flash frequencies of 5 and 10 Hz and clearly decreased as the strobe light intensity (15 Ix•s) was reduced. Heart rate increased when the fish stayed in the dark section of the tank or approached the barrier, but decreased when fish avoided or passed through the barrier or strobe light. Therefore, heart rate change can be used as an index of fish response to the effect of strobe light stimuli.
著者
鈴木 康友
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.419-420, 2010 (Released:2010-07-07)
参考文献数
2
著者
山田 真知子 大坪 繭子 多田 邦尚 中野 義勝 松原 賢 飯田 直樹 遠藤 宜成 門谷 茂
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.25-33, 2017
被引用文献数
6

<p> 我が国5海域における珪藻<i>Skeletonema</i>属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域では<i>S. grevillei</i>,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾では<i>S. dohrnii</i>が優占し,<i>S. japonicum</i>が混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾では<i>S. costatum</i>が,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順に<i>S. grevillei</i>と<i>S. pseudocostatum</i>が出現した。</p>
著者
大河内 裕之 中川 雅弘 山田 徹生 藤浪 祐一郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.360-370, 2014 (Released:2014-05-27)
参考文献数
22

本州でのニシン稚魚の最適放流条件を知るため,岩手県宮古湾を実験海域として,採卵時期が 1 ヶ月異なる平均全長 50 mm と 60 mm の稚魚群を 1998-2003 年に放流し,2000-2006 年に産卵回帰した親魚の回収率を推定した。得られた回収率は 0.01-0.87%であり,中期採卵群より前期採卵群で高く,同じ採卵群であれば 60 mm 群より 50 mm 群が高かった。放流全長に関係なく早期に放流した群ほど回収率が高い傾向があった。春季の水温上昇に伴うニシン放流稚魚への捕食圧の増加が,回収率決定の主要因と考えられた。
著者
伊藤 克磨 松嶋 はるか 野崎 征宣 大迫 一史 松林 法寛
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.70-75, 2006 (Released:2006-01-31)
参考文献数
17
被引用文献数
3 10

これまでからすみ市販製品についてその特性を明らかにする研究例がないことから,市販品及びその原料卵巣の粗脂質含量,粗タンパク質含量,脂質クラスの成分分析を行った。市販品は,個体差は大きいものの成熟度の高い原料を用い,粗脂質およびワックスエステル含量の高い製品が製造されている。トリアシルグリセロールは,過去の測定例と比較して高い含量を示した。からすみ製造過程で,脂質はタンパク質と同様に分解する。ワックスエステルの分解は明らかにできながったが,からすみ製造過程で酵素分解による脂質の分解が起こり,トリアシルグリセロールは減少し遊離脂肪酸は増加する。
著者
山田 真知子 大坪 繭子 多田 邦尚 中野 義勝 松原 賢 飯田 直樹 遠藤 宜成 門谷 茂
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.16-00040, (Released:2016-12-22)
参考文献数
36
被引用文献数
6

我が国5海域における珪藻Skeletonema属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域ではS. grevillei,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾ではS. dohrniiが優占し,S. japonicumが混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾ではS. costatumが,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順にS. grevilleiとS. pseudocostatumが出現した。
著者
片野 静次 沖 智之 松尾 由佳 義平 邦利 奈良 安雄 三木 知博 松井 利郎 松本 清
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.975-980, 2003-11-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
11 26

アコヤガイ貝肉タンパク質をアルカリプロテアーゼ分解し,その分解放による血圧降下作用を高血圧自然発症ラット(SHR/Izm)を用いて,投与後6時間の収縮期血圧により調べた。分解放の低分子溶出画分側からACE阻害活性の高い画分を得たので,これを逆相クロマトグラフィーに供し,ACE阻害活性の高い生理活性ペプチドを,ACE阻害ペプチド(Ala-Trp)を含めて4種類分離・同定した。さらにこれらのペプチドのACE阻害への寄与率は4.5%であった。アコヤガイ貝肉の機能性食素材としての可能性を検討したので報告をする。
著者
須山 三千三 徳廣 眞 須山 善雄
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.211-214, 1950-10-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
16
被引用文献数
1 5

Respectively by the xanthydrol method9, 12) and the WEBER-WILSON's method, we have determined the amounts of urea and ammonia (calculated from the amounts of volatile basic nitrogen) in 100 grams of the muscle of shark-fishes as shown in Table 1. When the muscle of Prionace glauca (LINNÉT) is caused to decay at 35°C, the contents of urea was decreased quickly by linear function and after 48 hours all urea was decomposed by the urease of the bacteria. On the other hand, the formation of ammonia was much slower in the early stage of putrefaction as compared to the ammonia calculated from the decreasing amounts of urea, but was more rapidly in the later stage (Fig. 1). At the room temperature of winter (9±2°C), a similar tendency was observed (Fig. 2). As demonstrated by YAMASAKI15) and SUMNER16), we assumed that an intermediate product will be formed in the enzymatic hydrolysis of urea, at least in the limit of this experiment.
著者
山崎 淳 桑原 昭彦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1977-1983, 1993-12-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
17
被引用文献数
5 5

Eight experimental fishings with crab traps were made to study the spatial distribution pattern of snow crab Chionoecetes opilio on the bottom of a bank known as the Yamato-tai located in the center of the Japan Sea. The size of the terminal molt crab was comparatively examined for three regions, i. e. Yamato-tai in the Japan Sea, coastal waters of the Japan Sea off Kyoto Prefecture, and coastal waters of the Pacific Ocean off Fukushima Prefecture.Adult females were mainly distributed in an area shallower than around 320m in depth in conditions of a gradual down ward slope with a muddy bottom. On the other hand, males were distributed in all survey areas from 290m to 349m in depth.Terminal molt males were divided into five groups with average carapace sizes of 64.9mm, 80.5mm, 96.4mm, 110.5mm, and 125.0mm. Adult female sizes of terminal molt females was 69.8mm. These sizes were 10-20mm smaller than the terminal molt size of crabs obtained from the coastal areas off Kyoto and Fukushima Prefectures.
著者
小林 孝幸 竹内 俊郎 荒井 大介 関谷 幸生
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.1006-1013, 2000-11-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
13 22

アルテミア摂餌期におけるノコギリガザミ幼生へのエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の給餌適正量を明らかにすることを目的に, 各齢期の生残率, 平均到達日数, 第1齢稚ガニの全甲幅長および餌料中の脂肪酸含量等を検討した。その結果, ノコギリガザミ幼生は生残に対してEPAを強く要求し, 乾燥重量当り1.3&acd;2.5%程度必要であるものと推察された。また, DHAは第1齢稚ガニの全甲幅長を大きくすることに機能するが, 0.46%以上強化するとメガロパ幼生への変態に際し, 脱皮失敗によるへい死率の増加がみられることが明らかとなった。
著者
宮崎 泰幸 河邉 真也 山下 翔大 小島 綾夏 臼井 将勝
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.763-770, 2016 (Released:2016-10-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

くさみを抑制するとされる郷土料理の一つ,魚の糠味噌炊きの効果を検証することを目的とし,マアジの水煮調理の際糠あるいは糠味噌を添加して,においの改善効果を調べた。糠あるいは糠味噌を加えると調理時のトリメチルアミンの生成を抑え,保蔵時の脂質酸化で生じるアルデヒドなどのカルボニル化合物の増加を抑制した。官能検査では,魚臭さの低減が糠炊きで有意となった。しかし糠味噌炊きの風味は,糠床漬け物を食した経験のない多くのパネルには嫌われた。
著者
甲田 和也 津行 篤士 海野 徹也 竹下 直彦 辻村 浩隆
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.720-726, 2016 (Released:2016-10-06)
参考文献数
41
被引用文献数
2

クロダイ幼魚を塩分5, 10, 17, 34 PSUの飼育水で60日間飼育した。飼育塩分の違いは幼魚の成長,生残,耳石Sr:Ca比に影響を及ぼさなかった。ただし,飼育塩分が低いほど肝重量や筋肉中の脂質含量が低下する傾向がみられた。淡水馴致飼育試験では幼魚の死亡率が高く,成長が低下した。クロダイは幅広い塩分に順応可能であるが,天然クロダイにとって河口などの汽水域や淡水域は必ずしも好適環境でない可能性もある。
著者
高木 香織 北原 武
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.351-355, 2002-05-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1

平衡石の研磨度合による輪紋計数値の差について検討した。外套長236-292mmのスルメイカ15個体の平衡石の後部面を研磨し,2人の検鏡者が研磨度合ごとに輪紋を計数した。研磨完了は平衡石を半分の厚さに研磨した状態,研磨途中はそれより平均0.04mm厚い状態と定義した。研磨途中では,検鏡者は研磨完了と較べて輪紋数を多く計数する場合と少なく計数する場合があり,検鏡者間の差の平均は43本であった。一方,研磨完了では,輪紋数の平均値はそれぞれ188本と192本であり,検鏡者間の差は4本に滅少した。
著者
伊東 尚史 毛良 明夫 村田 寿 吉田 照豊 境 正 山内 清 山崎 義弘 山口 登喜夫 宇川 正治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.50-54, 2000-01-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
16
被引用文献数
5 7

ブリの細菌性溶血性黄疸と酸化ストレスとの係わりを明らかにするため, ブリに原因菌を接種後, 肝臓および血漿の脂質過酸化の程度を調べた。その結果, 著しい溶血と黄疸を引き起こした病魚は, 対照区と比較して脂質過酸化が顕著に進行していた。すなわち, 黄疸ブリは過酷な酸化ストレスを受けていた。したがって, ブリの細菌性溶血性黄疸は, 溶血による酸化ストレスの増加により発症すると考えられる。
著者
伊東 尚史 村田 寿 大山 剛 吉田 照豊 境 正 山内 清 山口 登喜夫 宇川 正治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.298-299, 2000-03-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

ブリの細菌性溶血性黄疸の症状を, アスコルビン酸(AsA)給与により軽減できることを明らかにするため, AsAカルシウム塩を94mg/100g配合されたシングルモイスト飼料(1区)を対照とし, これに外割で2%L(+)-アスコルビン酸を加えた高AsA飼料(2区)を5日間ブリに給与後, 黄疸原因菌を接種した。原因菌の接種によりすべてのブリで黄疸が発症したが, 高AsA飼料給与区の肝臓および血漿のAsA含量は, 対照区の値と比べ著しく減少した。黄疸発症魚の血液ヘモグロビン含量の減少, 比肝重値および比脾臓重値の増加および血漿ビリルビン含量の増加は, それぞれ1区に比べ2区の方が抑制された。すなわち, 高AsA飼料の短期間給与により, ブリの細菌性溶血性黄疸の症状を軽減できた。