著者
島田 義之 広瀬 盛行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.457-462, 1983-10-25 (Released:2020-09-01)

This study proposes an estimating model of work trips to the metro center by an easy method. This also analyses how the changing patterns of urban structure (population and job distribution) affect the number of work trips to metro center, taking Tokyo metropolitan region as an example.
著者
伊藤 日向子 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1200-1207, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
2

独居高齢者の増加が社会の趨勢として避けられない中、独居しつつも周囲との繋がりを実感でき、生活の質を保ったまま老いていくことができる社会を実現することは喫緊の課題である。本研究の目的は、独居高齢者の生活行動と孤独感の関係を解明し、独居であっても孤独を感じずにいる人々の生活行動の特徴を明らかにすることにある。それによって、孤独感の解消に資する都市空間を実現していくために、介入の根拠となる基礎的知見を構築する。特定の住宅団地を対象にアンケート調査を行った結果、対人交流と外出行動に関する項目が孤独感と相関を示す要素として明らかになった。さらに、補足的なヒアリング調査から、様子確認ができる親密な人の存在に加えて、生活に余暇外出(とりわけ、徒歩30分圏内で行う日常的な散歩)を取り入れることが重要であるということが、孤独感を低減させる上で重要であると示唆された。「社会的孤立」の解消には家族以外による共助・公助の確立が課題となっている一方、「孤独感」は散歩など余暇外出を生活に取り入れることで改善できるとすれば、余暇外出行動を促進する都市環境を整えることで、一人暮らしの「孤独感」を低減できる可能性がある。
著者
田村 一軌 腰塚 武志 大澤 義明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第38回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.25, 2003 (Released:2003-12-11)

本研究の目的は,移動効率および通過量から一方通行規制を評価することである.一般に,一方通行規制によって移動の平均距離は大きくなるものの,都心部の交通量を減らす効果もある.そこで本論文ではに目的空間を用いて一方通行規制を評価する.はじめに格子状道路網での距離分布および通過量分布を解析的に導出し,次に交互通行規制が時計回り規制に比べ効率的であることを示す.最後に,新宿一丁目の道路網において,平均距離と通過量の標準偏差との間のトレードオフを分析する.
著者
王 爽 藤井 さやか
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.954-961, 2020
被引用文献数
1

<p>近年、外国人人口が急増しており、今後も増加する可能性が高い。本研究では、全国の外国人集住がすすむ公的住宅団地を抽出し、外国人集住の実態と課題、対策の現状と効果を把握し、今後の対応策の検討を目的とする。団地の抽出は2015年の国勢調査小地域集計を利用して110の外国人集住団地を抽出した。外国人集住団地は、300戸以下の小規模かつ外国人率20%以下のものが多いが、一部に外国人率45%以上の団地もあった。半数以上は中部圏に立地している。次に外国人集住の実態と課題を調査するために110団地の118管理者にアンケート調査を行った。半数以上の団地で特定の国籍住民の集住があり、騒音問題、ごみ問題、無断転居、無断駐車といった管理上の問題と自治会不参加、コミュニケーションといったコミュニティ上の問題が発生していた。集住している国籍ごとに問題傾向の違いがあった。トラブルへの対応を進めている団地は半数で、一部の改善はありつつも、抜本解決には至っていない。外国人のコミュニケーションに苦労しており、新しいツールの活用や担い手との連携が必要なことが分かった。</p>
著者
樋野 公宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.128, 2008

本研究では、防犯カメラを設置した駐車場及び駐輪場において、可能な限り条件を統制した上でその犯罪抑止効果と副次的効果の検証を行った。また、防犯カメラの正負の影響に着目し、防犯カメラ設置駐車場の利用者及び管理者の意識や反応について調査、分析した。結果として、両対象地において前年同期から犯罪の減少傾向が見られ、懸念された犯罪の転移現象は見られなかった。管理者等へのインタビュー調査からは、無断駐車や放置自転車の減少、ゴミのポイ捨てや落書きの減少などが確認された。110番件数については、両対象地とも大幅に減少した。犯罪だけでなく、トラブルや秩序違反行為等も減少した可能性が示唆される。利用者の意識調査からは、犯罪抑止や検挙率向上への期待によって、利用者の犯罪不安が低減され、設置に賛成する割合も高いことが分かった。一方、防犯カメラの負の側面として、プライバシーや肖像権の侵害を感じる利用者がいずれの対象地でも15%前後存在すること、そしてこの懸念は賛成態度に影響することが分かった。
著者
樋野 公宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.763-768, 2008-10-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究では、防犯カメラを設置した駐車場及び駐輪場において、可能な限り条件を統制した上でその犯罪抑止効果と副次的効果の検証を行った。また、防犯カメラの正負の影響に着目し、防犯カメラ設置駐車場の利用者及び管理者の意識や反応について調査、分析した。結果として、両対象地において前年同期から犯罪の減少傾向が見られ、懸念された犯罪の転移現象は見られなかった。管理者等へのインタビュー調査からは、無断駐車や放置自転車の減少、ゴミのポイ捨てや落書きの減少などが確認された。110番件数については、両対象地とも大幅に減少した。犯罪だけでなく、トラブルや秩序違反行為等も減少した可能性が示唆される。利用者の意識調査からは、犯罪抑止や検挙率向上への期待によって、利用者の犯罪不安が低減され、設置に賛成する割合も高いことが分かった。一方、防犯カメラの負の側面として、プライバシーや肖像権の侵害を感じる利用者がいずれの対象地でも15%前後存在すること、そしてこの懸念は賛成態度に影響することが分かった。
著者
須永 大介 村木 美貴
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.939-946, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
23

本研究は、都心部において今後予想される建物更新を契機としたZEBの導入と面的エネルギーの導入が環境性・防災性の観点でどのような効果を発揮するのかを評価することを通じて、都心部におけるZEB導入と面的エネルギー導入のあり方を明らかにすることを目的とした。研究を通じ、札幌市では導入に関する施策が位置付けられていることから、計画に基づくZEBや面的エネルギー施策展開が志向されていること、単体の建築物のZEB化と再エネを活用した面的エネルギーの拡充を合わせて推進することで大きな排出量削減効果が期待できること、面的エネルギーの拡充は環境面だけでなく、強靭性の観点からも有効であることを明らかにした。我が国において今後のZEBと面的エネルギーネットワークの拡充を推進するにあたり、技術革新と連動した新築と継続的な改修、再生可能エネルギー生成源の計画的な導入と接続、ネットワーク接続インセンティブや規定の制定が必要であると考える。
著者
永井 護
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.25-30, 1993
被引用文献数
3

<p>THIS PAPER DEALS WITH THE METHOD TO ESTIMATE THE PROGRAM TO DECREASE CAR-TRAFFIC IN THE EXCELLENT SCENIC AREA THROUGH THE CASE STUDY IN OKU-NIKKO AREA.THE PROGRAM IS COMPOSED OF TWO ELEMENTS,NAMELY,THE CONSTRUTION OFCAR-PARKING OUTSIDE OF THE AREA AND THE PROGRESS OF THE BUS SERVICE INTO THE AREA. WE INVESTIGATE THE SURVEY METHOD TO GET DISAGGREGATE DATA ON MODAL-SPRIT IN SCNIC AREA, BECAUS SUPECIAL FACTORS HAVE THE INFLUENCE ON IT THERE.ESTIMATION OFTHE PROGRAM ITRIED THROUGH APPLICATION OF SYSTEM DYNAMICS METHOD.</p>
著者
井上 莞志 田中 健太 田中 貴宏 松尾 薫 横山 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.931-938, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

近年、地球温暖化と都市ヒートアイランド現象による都市高温化が進んでおり、特に多くの人が利用する都心部においては、快適な屋外空間を形成するために、熱環境改善策を積極的に取り入れた都市環境デザインが求められる。またこのような取り組みを効果的に進めていくためには、都市内における熱環境改善策導入が優先度の高いエリアの抽出が必要である。そのため、広域の気温分布形成要因の分析から中心市街地周辺の気候的特徴(特に海風効果と河川効果)を把握し、さらに中心市街地の熱環境の詳細な現状把握とその形成要因分析を行った上で、中心市街地における熱環境改善策導入推進エリアを抽出することを目的とした。その結果、都心部の昼間の気温分布は河川距離、周辺緑量、周辺建物密度に影響を受けており、その中でも陸風が止み、かつ海風が十分に発達する前の時間帯で地表面被覆の影響が相対的に強くなる。これらの気温形成要因と猛暑日の定義から熱環境改善策導入推進エリアの抽出し、建物密度を減らしつつ、緑化を推進することが効果的であることを示唆した。