著者
五島 淑子 大石 奈津美 竹中 りえこ 古川 和樹
出版者
山口大学
雑誌
研究論叢. 人文科学・社会科学 (ISSN:02860589)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.A31-A50, 2003-12-20
被引用文献数
2

大学生の朝食の実態を把握する目的で、山口大学学生を対象にアンケート調査を行い、以下のような結果を得た。1)山口大学学生の起床時刻は平日では7時台が多く、休日はより遅い傾向にあった。また、就寝時刻では0時〜2時が多かった。2)17時以降アルバイトをしている学生は4割であった。外食(市販の弁当などの利用を含む)の利用頻度は、7割の学生が週1回以上外食を利用していた。3)朝食を食べる習慣のある学生は約6割であり、4分の1の学生に欠食傾向があった。朝食を食べない理由は、「時間がない」「面倒くさい」であった。4)6割の学生は起きて20分以内に朝食を食べ始めていた。また、朝食摂取時間は20分以内で済ませるものが9割であった。朝食の内容は、「パンを食べる」ついで「ご飯を食べる」であった。5)朝食を約半数が作っていなかった。作らない理由は、「作る時間がない」「店で買った物を食べる」「面倒くさい」であった。6)朝食を外食で済ませたことがある学生は、4分の1で、「半年に2〜3回」がそのうちの半数であった。場所はファミリーレストランが最も多く、和食が半数を占めていた。朝食を外食する理由は、「作るのが面倒くさいから」が多かった。今後、朝食の外食が増える可能性がある。7)平日早く起きる学生は、休日の起床時間も早く、平日の就寝時間が早い傾向があった。平日早起きの学生は、起床から朝食までの時間、朝食摂取時間が長く、朝食を料理する学生が多かった。朝食にかける時間が短い学生ほど作らない学生が多かった。8)自宅の学生は、平日早起きが多く、朝食を毎日食べている学生が多かった。9)アルバイトの回数が増えると就寝時刻が遅くなる傾向があった。アルバイトをしている学生の方がしていない学生より朝食を食べていない。10)学年別にみると、高学年になるにつれ、平日の起床時刻、休日の起床時刻、平日の就寝時刻が遅くなっていた。1年生では、朝食を「毎日食べる」が5割であったが、学年があがるにつれてその比率が減少し、「ほとんど食べない」が増加した。また、朝食を作らない学生も増加した。朝食の外食は、学年が上がるに従い増加した。11)理想の朝食を和食と答えた学生が多かった。品数は2〜4品が多かった。食生活の問題点として、朝食、栄養、食生活に関する内容があげられていた。12)朝食を食べるためには、まず早起きの習慣をつけることが必要である。高学年になるほど欠食率の増加、外食への依存が高まることから、「食べること」の意識を改めて問い直すための総合的な食教育が必要と考える。
著者
神田 知子 安藤 真美 高橋 徹 丸山 智美 五島 淑子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1005-1009, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
22
被引用文献数
3

We analyzed the levels of free amino acids and related substances, and nucleic acid-related compounds in a niboshi extract soup stock and niboshi-flavored mixed seasoning soup stock by using an amino acid analyzer. Niboshi (30 g) was soaked in 1 l of water for periods of 0, 30, and 180 min. Each solution was boiled for 5 min and used to prepare the niboshi extract soup stocks. These soup stocks contained serine, 3-phospho-1-serine, taurine, threonine, aspartic acid, asparagine, glutamic acid, glutamine, glycine, alanine, valine, cysteine, methionine, cystathionine, isoleucine, leucine, tyrosine, tryptophan, phenylalanine, ornithine, lysine, histidine, arginine, hydroxyproline, proline, urea, NH3, and nucleic acidrelated compounds of ATP, ADP, AMP, IMP and HxR. The mole fraction of glutamic acid in the total amino acids and their related substances in the mixed seasoning soup stock was 95%. The only nucleic acid-related compound detected in the mixed seasoning soup stock was IMP. The glutamic acid content was over 11.8-fold higher in the mixed seasoning soup stock than in the niboshi extract soup stocks. The IMP content was over 2.9-fold higher in the niboshi extract soup stocks than in the mixed seasoning soup stock.
著者
仲島 淑子 松岡 達郎
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.728-737, 2004 (Released:2005-07-08)
参考文献数
29
被引用文献数
17 19

逸失底刺網のゴーストフィッシング (GF) の経時的変化と死亡数の定量的評価を試みた。模擬逸失網の連続2日の潜水観察で罹網魚/日を調べる実験を当初は毎日, 以後は間隔をおいて最長1,689日間, 計3回行った。網周辺の魚類相の定常性を確認し, 罹網数の変化は網のGF能力の変化を代表すると考えた。GF能力低下をその短期・長期的要因による2項の和で近似し, GF継続期間 (GF能力が当初の5%になるまで) を142日, 総死亡数を455尾と推定した。マダイ, ムロアジはおもに初期の短期間, カワハギは長期間罹網が生じた。
著者
五島 淑子 角田 祐亮
出版者
山口大学教育学部
雑誌
研究論叢. 人文科学・社会科学 (ISSN:1349810X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.15-29, 2004-12-20

大学生を対象とし、飲み物の種類と飲む時間帯を調査し、さらに主成分分析を行うことによって飲み物を特徴づけた。1)大学生によく飲まれている飲み物は、麦茶、緑茶であった。男女別に比較すると男子学生の方が、炭酸飲料、スポーツ飲料をよく飲んでおり、女子学生の方が、緑茶、麦茶、紅茶、果実飲料100%をよく飲んでいた。学年別で比較すると、1年生は牛乳をよく飲み、2年生以上はコーヒーをはじめ多種類の飲み物を飲んでいた。健康に気をつけていない群が、炭酸飲料、スポーツ飲料をよく飲んでいた。運動をしている群が、緑茶、果汁飲料、スポーツ飲料、水をよく飲んでおり、飲み物の種類が多かった。2)飲み物を購入するときに、価格が優先されていた。3)自動販売機、売店、コンビニで購入し、よく飲まれている飲み物は、緑茶、果実飲料100%、果汁飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料であった。一方、買い置きされてよく飲まれている飲み物は、麦茶、緑茶、牛乳であった。4)主成分分析を行った結果、3個の主成分を認めた。第1主成分は「量の多さ」を、第2主成分は「自宅と外出時」の飲み物の対比を、第3主成分は「休養時と運動時」の飲み物の対比を示す主成分である。主成分得点から、多量に飲まれている飲み物として、麦茶、緑茶、水、スポーツ飲料、量の少ない飲み物として、ココア、インスタントコーヒー、コーヒーが位置づけられた。自宅で飲まれているものに、牛乳、麦茶、果実飲料100%、外出時の飲み物として、缶コーヒー、炭酸飲料、緑茶、果汁飲料、スポーツ飲料、休養時の飲み物には、緑茶、果実飲料100%、缶コーヒー、果汁飲料、対して運動時の飲み物として、スポーツ飲料、水に分類することができた。本研究を行うにあたり、平成15年度教育学部研究支援経費を受けた。
著者
時枝 久子 橋爪 伸子 大下 市子 五島 淑子 田代 文子 林 裕子 和仁 皓明
出版者
一般社団法人 日本家政学会 食文化研究部会
雑誌
会誌食文化研究 (ISSN:18804403)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.37-45, 2012 (Released:2022-02-25)
参考文献数
4

This chronology of comparative food culture has been prepared as a continuation of the previous two publications on the Taisyo = Meiji era and the Edo era of Japan. The present chronology covers the period from the Jomon = Yayoi period which is considered to be almost the same period as Neolithic age to 1602, end of Azuchi=Momoyama era; the year before the establishment of Tokugawa shogunate. The authors have compiled information on 476 chronological items from 245 sources, which include 222 published books and documents and 23 web pages and institutional electronic documents.In order to compare chronology of food cultural phenomenon with Asian countries excluding Japan, the American continent,the African continent and the Eurasian continent excluding Asia, the geographical designation and time span of events we have evaluated as being noteworthy of being recorded are included in this chronology. The classification of food culture phenomenon is identical to that of the previous papers.
著者
大下 市子 山本 友江 五島 淑子
出版者
日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.273-282, 1989
被引用文献数
3

大阪, 広島, 山口に在住する学生の家族の調理担当者の, 調理済み・半調理済み食品の利用とイメージについて調査し, 次の結果を得た。<br>1) 最もよく利用されている食品は, インスタント食品の袋入りラーメンで, 月1~2回利用59.1%, 週1~2回利用21.5%, 週3~4回利用3.6%であった。<br>2) そう菜の天ぷら・フライ, コロッケ, パック入りうどん・そば, 佃煮, および冷凍食品のコロッケは, 週1~2回利用する人が15%以上あった。9割の人が利用していないと答えた食品は, だしまき卵, 冷凍食品のシチュー, 茶碗蒸しであった。<br>3) 調理済み・半調理済み食品の利用度合は, 地域間, 世代間, 主婦の就業の有無と関係がみられた。<br>4) 各食品群のイメージをまとめると, 次のとおりである。<br>(1) そう菜は, 煮物に代表されるが, 味はまずく, 衛生面が心配である。<br>(2) 冷凍食品は, コロッケ, ハンバーグに代表され, 揚げ物のイメージが強く, 保存性もあり, 弁当の利用に便利である。<br>(3) レトルト食品は, カレーに代表されるが, まだまだなじみがない。<br>(4) インスタント食品は, ラーメンに代表され, 手軽で便利であるが, 塩分が多い。<br>(5) 持ち帰り食品は, すし, 弁当, ハンバーガーが多く, 便利で手軽であるが, 価格は高い。<br>全般のイメージからは, 味はよくないとしながらも, その簡便さを認めて使用している主婦の姿が写し出された。
著者
仲島 淑子 松岡 達郎
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.728-737, 2004 (Released:2011-03-05)

逸失底刺網のゴーストフィッシング(GF)の経時的変化と死亡数の定量的評価を試みた。模擬逸失網の連続2日の潜水観察で罹網魚/日を調べる実験を当初は毎日、以後は間隔をおいて最長1689日間、計3回行った。網周辺の魚類相の定常性を確認し、罹網数の変化は網のGF能力の変化を代表すると考えた。GF能力低下をその短期・長期的要因による2項の和で近似し、GF継続期間(GF能力が当初の5%になるまで)を142日、総死亡数を455尾と推定した。マダイ、ムロアジはおもに初期の短期間、カワハギは長期間罹網が生じた。
著者
宇都宮 通子 五島 淑子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 日本は、箸を使って食事をする文化圏に属している。近年、その箸の持ち方が個性化してきていると懸念されている。そこで、幼児・中学生・大学生の箸の持ち方の実態を探り、「伝統的な持ち方」をする人の割合が低下している理由を考察することを通して、箸の持ち方を決定する要因等を検討した。 【方法】 (1)中学生505人・大学生262人に対し、質問紙法による調査を行った。実施時期は、平成18年6月~9月、内容は、箸の持ち方・箸の持ち方の決定要因・箸の持ち方と作法・箸の持ち方と意識についてである。 (2)保育園・幼稚園に通園し、昼食時に箸を使用する1歳児クラスから5歳児クラスの幼児499名に対し、昼食での箸使用時の観察等により、箸の持ち方の調査を行った。実施時期は、平成18年6月~19年2月、内容は、箸の持ち方・持ち方の類型化・掌の長さ・箸の持ち方へ取り組む様子についてである。 【結果】 箸の「伝統的な持ち方」の割合は、5歳児が1割弱、中学1年生が6割弱、大学生が7割弱で、年齢が高くなるにしたがって増加した。また、向井・橋本(1986年)がおこなった20年前の調査と比較し、伝統型でも鉛筆型でもない、「その他の型」が増加したことが明らかになった。箸の「伝統的な持ち方」の習得には、心身の発達・教育(家庭教育・集団教育)・適切な道具「箸」の使用などが重要であることが示唆された。
著者
五島 淑子 小野 佑輔 広津 理恵 石田 佳菜絵 前田 綾子 村尾 奈美 柏木 享
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1006, 2009

<BR>【目的】近年日本酒の消費量が減少している。日本の食文化のひとつである日本酒について、将来の酒の消費量に影響を与える年齢層の大学生を対象に、日本酒に対するイメージと嗜好について調査を行い、若者に日本酒を普及させる方法を探る。<BR>【方法】(1)酒のイメージ調査 平成20年6月上旬~7月上旬、山口大学学生290名を対象に、SD法によるイメージ調査を行った。(2)実態調査 平成20年6月中旬から7月中旬、山口大学学生353名を対象に、日本酒の飲酒頻度、日本酒についての関心などについてアンケート調査を行った。(3)日本酒の試飲調査 平成20年12月10日~12日に、山口大学学生102名(20歳以上で試飲後運転をしない人)を対象に、山口大学教育学部食物調理科学教室で、4種類の日本酒(純米酒、地酒)から好きな酒を選ばせた。<BR>【結果】(1)大学生は、日本酒を「アルコール度数が高い」「男性的」「年配向き」「高級」「辛い」とイメージしていた。(2)お酒として一番に思い浮かべるのはビールついで日本酒であったが、最も好きな酒はカクテルついで梅酒、ビールであった。(3)日本酒を飲む頻度は「月1回以下」「飲まない」が6割以上を占めた。(4)「料理にあう日本酒」「日本酒の飲み方」「日本酒の種類」に関心が高かった。(5)日本酒離れが進む原因として、「においがきつい」「アルコール度が高い」「値段が高い」「近寄り難い」「辛い」ためと考えていた。(6)試飲調査の結果、純米大吟醸、発泡純米酒、アルコール度数の低い酒が好まれた。(7)若者に日本酒を普及させるためには、若者が好む種類の日本酒の販売、料理にあう酒や飲み方などについて情報の発信など、日本酒の知識と経験が重要だと考える。
著者
五島 淑子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.1169-1178, 1990-12-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
22

The purpose of this study is to make a quantitative study of local food and nutrition in Edo Period, based on a data base processed from “Bocho Fudo Chushin-an” (a geographical description and local history of Chasha-han compiled in 1840s). The average individual food supply (per capita per day) was estimated by dividing total food production estimated in the previous studies by population (523, 000) and further divided by the number of days per year (365). The individual nutrition supply was estimated in reference to Standard Tables of Food Composition in Japan (third edition).The daily food supply of individual can be summarized as follows : cereals, 465.1 g; sweet potatoes and starch, 71.9 g; nuts and seeds, 0.6 g; pulses, 22.6 g; fishes and shellfishes, 12.5 g; meat, 3.7 g; eggs, 0.1 g; vegetables, 179.5 g; fruits, 8.1 g; fungi, 0.2 g; algae, 1.0 g and beverages, 95 ml. This result shows that people in those days lived on rice and barley.The daily nutrition supply of individual was 1, 861 kcal of energy, 52.4 g of protein, 11.3 g of lipid, 284 mg of calcium, 10 mg of iron, 1, 603 I.U. of retional potency, 1.62 mg of thiamin, 0.66 mg of riboflavin and 100 mg of ascorbic acid. Cereals formed 86.4% of total energy, and lipid 5.5%. Animal protein was only 5.7% of total protein supply. It was clarified that their living depended chiefly on cereals.
著者
調所 廣之 福島 淑子 小柳津 聖子 岡 嗣郎 黒石 敏弘 風間 玲子 藤居 荘二郎 浅賀 英世
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.519-523, 1980-05-20 (Released:2008-03-19)
参考文献数
7
被引用文献数
3 2

A standard olfactory acuity test using T & T olfactometer has recently been developed and gradually becomes in wide use, while the conventional intravenous olfaction test is also widely used.In the present experiment we studied the relationship between results of these olfactory tests and prognosis in 180 patients with olfactory disturbances who had received the nose-drop treatment with glucocortico steroid hormone. As a result, cure or improvement was attained in 88 percent of the patients who gave a positive reaction to the standard olfactory acuity test and in 66 percent of those who were judged to be scaleout in this test.In the case of the intravenous olfaction test, cure or improvement was attained in 90 percent of cases which gave a positive reaction and in 40 percent of the negative cases. Particularly in reference to the patients who gave a negative reaction to the intravenous olfaction test, one out of 65 cases attained cure and 39 cases remained unchanged. The intravenous olfaction test proved most effective among the tests to tell the prognosis of olfactory disturbances.
著者
神田 知子 安藤 真美 五島 淑子 櫻井 菜穂子 花井 玲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.390-400, 2004
参考文献数
20
被引用文献数
2

山口県の豆類といも類を用いた料理に関するアンケート調査および聞き取り調査を行い,山間部(阿東町)と海岸部(山陽町)における地域性を検討したところ,以下の知見が得られた. 1)阿東町は豆類やいも類の自家栽培が多く,平均6.4種類の作物を栽培していた. またきな粉,豆腐,こんにゃくなどの食品を手づくりしている世帯も多かった. 一方,山陽町では,平均2.8種類の作物が栽培されていた. 2)阿東町では,自家栽培の多い食材を用いた料理が多く,工夫して食されていることが明らかとなった. 一方,山陽町では出現した料理の種類が多く,とくにじゃがいもと木綿豆腐の料理が多かった. 3)行事に関連する料理は阿東町の方が多く,葬式の料理を地域で作るという風習も残されていた. 4)豆類を用いた郷土料理である「けんちょう」と「いとこ煮」について検討した結果,材料や作り方に両地域で違いが見られた. 本研究を行うにあたり,アンケート調査にご協力いただきました阿東町消費者連絡協議会と山陽消費者の会の皆様に深謝いたします. なお本研究は日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学」の一環として行った. また平成13年度日本調理科学会大会において発表した.
著者
五島 淑子 藤本 美紀子 濱名 智美
出版者
山口大学教育学部
雑誌
山口大学教育学部研究論叢 第1部 人文科学・社会科学 (ISSN:02860589)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.35-50, 2002
被引用文献数
1

(1)山口大学生協食堂のレシートのデータをもとに、生協食堂利用者の食生活に関する調査を行った。平成12年4〜6月に実施した。調査対象者は16,996人で、そのうち4月は4,597人、5月は61,77人、6月は6,222人であった。(2)生協食堂を利用する学生の栄養価の特徴は、エネルギーは適正または少なめ、塩分は適正であるが一部に過剰摂取があること、「黄」は十分であるが「赤」はほぼ満足「緑」が不足していることが分かった。炭水化物(糖質)を主とする食事をすることで、ビタミンやミネラルが不足しているといえる。(3)1食あたりに費やす金額が大きくなるにつれ、品目数が増えるにつれ、各栄養数値も高くなった。セルフバーを除いて分析を行ったことも一因と考えられるが、緑の点数にはほとんど変化がみられず、6品目取った場合も目標点数に達しなかった。(4)利用者数の多かった12時台と16時台について比較した結果、品目数は違いがみられなかったが、金額、エネルギー、塩分、「赤」「緑」「黄」の項目で、16時台が高い数値を示した。(5)5月のメニューで、よく食べられていた丼類、麺類は、ともに単品での摂食が目立った。丼類は汁物を組み合わせるパターンが多かったが、麺類は単品での摂食が非常に多く、栄養バランスが崩れがちであった。(6)5月のセルフバー利用数は896人で5月全体の15%であり、1人平均148.1gであった。セルフバー利用者は「緑」を満足していると考えられた。(7)ビタミン・ミネラル類が不足しがちであることが分かったので、積極的な摂取方法について啓発する必要がある。
著者
五島 淑子 篠原 里香
出版者
山口大学
雑誌
研究論叢. 人文科学・社会科学 (ISSN:02860589)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.15-23, 2005-12-20

1)大学生の米の購入と摂取、食事様式、嗜好の実態を明らかにする目的で、質問紙による自己記入法により、調査を行った。調査時期は2003年5月20日〜31日、調査対象者は、大学生247人(男子学生83人、女子学生159人)である。2)米の入手方法は、「実家から送られてくる」と答えた学生が最も多かった。米の購入時には「価格」を優先し、米の購入頻度は「3ヶ月に1回」、購入量は「5kg」、購入費用は「2000円未満」と答えた学生が最も多かった。3)米の摂食では「白米」を食べている学生が最も多く、「毎日」食べているが、炊飯は週に「1〜2日」、1度に「2合」の炊飯をする学生が多かった。また、米が食べたくなったときには「炊く」と答えた学生が最も多かった。4)米料理で「好きなもの」と「よく食べるもの」と「よく買うもの」との関連をみると、「おむすび」は「好き」で「よく食べ」、「よく買うもの」であった。
著者
仲島 淑子 松岡 達郎
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.728-737, 2004-09-15
被引用文献数
7 19

逸失底刺網のゴーストフィッシング(GF)の経時的変化と死亡数の定量的評価を試みた。模擬逸失網の連続2日の潜水観察で網羅魚/日を調べる実験を当初は毎日,以後は間隔をおいて最長1,689日間,計3回行った。網周辺の魚類相の定常性を確認し,夜網数の変化は網のGF能力の変化を代表すると考えた。GF能力低下をその短期・長期的要因による2項の和で近似し,GF継続期間(GF能力が当初の5%になるまで)を142日,総死亡数を455尾と推定した。マダイ,ムロアジはおもに初期の短期間,カワハギは長期間網羅が生じた。