著者
飯高 哲也 中井 敏晴 定藤 規弘 二橋 尚志
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

社会的コミュニケ-ション機能の低下などを含む自閉性傾向は、健常者と疾患の間で連続性があることが知られている。このようなこころの働きの脳機能および脳形態的基盤を研究することは、自閉性障害の理解に貢献するものである。このために機能的磁気共鳴画像(fMRI)と拡散テンソル画像(DTI)を30名の被験者で行い、同時に自閉性尺度であるAutism-Spectrum Quotient(AQ)も施行した。顔認知に特異的な扁桃体と上側頭回の領域をfMRIで同定し、それらの領域を結ぶ神経線維をDTIで描出した。この神経線維の体積は被験者のAQ得点と有意な正の相関(Spearman rank order correlation,ρ=0. 38, p<0. 05)があった。この結果は健常者の中でも自閉性傾向の強い者は、顔認知に関わる脳領域間の結合性が高まっている可能性を示唆している。
著者
石井 三記
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

従来の法制史研究ではエピソード的にしか言及されてこなかった1792年から1793年にかけての、フランス革命期の議会(国民公会)でのルイ16世の国王裁判について、その法的側面に注目し、そもそも国王を裁判にかけることが可能かどうかの問題、被告人とされた国王の弁護人の言説の分析、国王裁判のクライマックスといえる1月15日から20日未明までの、4回の指名点呼による投票、すなわち、「罪責」「人民への上訴」「刑の内容」そして量刑が死刑となったことから「刑の延期」の4つの争点をめぐる定足数749名の国民公会議員全員の投票行動を一覧表にして、連続した4回の表決の推移がもつ意味を、県別の特徴があるのかないのか、年齢の世代ごとの違いがあるのか否か、さらに法律家の議員(たとえば、革命前のパルルマン法院裁判官や弁護士、革命期の治安判事など)はどのような法的論理を用いて自分の主張の論拠としているのかを議会議事録の『アルシーヴ・パルルマンテール(Archives parlementaires)』を用いて分析した。このような研究は、すくなくともわが国において初めての画期的なものであり、一覧表にしてみて判明する点が、たとえば刑法典に論及したうえでの死刑の求刑になっているなど、ルイ16世の国王裁判が単純な「政治裁判」であるといってすませることができないものであることを明らかにしえた。こうして、国王裁判は短期的には革命裁判所につながるものではあるが、長期的には政治裁判制度を考える原点になっているといえる。
著者
小田 寛貴 池田 和臣 増田 孝
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.15, pp.215-227, 2004-03

タンデトロン加速器質量分析計業績報告 Summaries of Researches Using AMS 2003 (平成15)年度
著者
青木 直子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.123-133, 2005
被引用文献数
2 2

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
福山 泰子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.29-48, 2002

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
中村 登志哉
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.260, pp.189-209, 2015-02-25

本論文は、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号23243026)「日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究」の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
大曽 美恵子
出版者
名古屋大学
雑誌
言語文化論集 (ISSN:03886824)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.21-30, 2001
被引用文献数
9
著者
田中 英夫
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学史紀要 (ISSN:09155848)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.25-88, 1991-04

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
伊東 祐吏
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2011

博士論文
著者
川喜田 敦子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
vol.260, pp.165-187, 2015-02-25

本論文は、平成23-26年度科学研究費補助金基盤研究(A)(課題番号23243026)「日米特殊関係による東アジア地域再編の政治経済史研究」の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
宮崎 千穂
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

平成20年度より平成23年8月まで(途中、出産・育児による中断あり)の約3年間に亘る本研究では、医療・衛生の観点より「帝国」を捉えなおすことを目的とし、特に、ロシアから日本へと伝播された「検黴」(梅毒検査)を手がかりに、「性病」のあり方を考察してきた。最終年度である本年度(平成23年4月~8月)は、幕末の長崎で日本初の検黴を実施したロシア艦隊がその後、1890年代にいかなる「梅毒との闘い」を繰り広げたのか、ロシアにおいて収集した史料を分析することで明らかにし、その内容を論文としてまとめた。日本最初の検黴以後も、ロシア艦隊は継続して<長崎の梅毒>を憂慮しており、特に、<秘密売春(私娼)>目を向け、その取締りを長崎当局に要請していた。一方で、注目すべきことは、同時に、<売り手>である長崎の女性のみならず、<買い手>であるロシア水兵に対する管理も本格化していたことである。1890年代、ロシアでは梅毒蔓延対策をめぐり梅毒学者や医師などが参加する全国規模の大会が開催され、子孫の絶滅危機という梅毒を<国民病>とする語りによって農村での梅毒蔓延の危険性が訴えられた。その時、下級軍人(兵士)には<帝国全土への梅毒の散布者>というラベルが貼られ、罹患者の洗い出しのため、病に対する差恥心を捨てて病を自白し医師の治療を受ける必要性が教育されるとともに軍務生活中の自律が強く求められたのである。その際、下級軍人には、梅毒は都市の売春婦との性的関係により感染するものの、帰郷後の農村では性的関係以外の経路で家庭、子孫に感染させると教えられた。かような軍医による医学的語りは、<都市の性病>、<農村の生活習慣病>としての梅毒像を結んだのである。
著者
護 雅史 福和 伸夫 飛田 潤
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、未曾有の被害が予測されているこの大震災に対して、有限かつ変動するヒト・コト・モノ・カネで、莫大な情報量の中から学術的に重要な被害調査情報を取捨選択するための、いわば「データトリアージ」と効率的な被災調査行動戦略の策定を、満足化手法により実現しようとするものである。研究成果としては、過去の地震被害調査状況調査の取りまとめや、被害予測等に必要なデータの収集とデータベース化とともに、WebGISによる公開システム等について検討した。さらに、2011年東日本大震災関連の情報収集に努め、情報集約拠点を設置した。また、戦略立案システム構築にあたって必要となる、想定東海地震、東南海地震、南海地震の地震動評価やこれらを用いて災害時に重要施設となる小学校の被害予測を行った。
著者
永田 郁
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.9-28, 2002

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。