著者
仁木 宏
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1019-1036, 1996

近世、肥後熊本細川藩の筆頭家老であった松井家は、一方で同国八代(熊本県八代市)城主として領内の経営にあたるなど、独自の地位と格式を有していた。同家はまた、江戸時代の文書や『松井家譜』などの編纂史科の他、中世古文書の写など、多数の貴重な史科を伝来している。……
著者
誉田 貴子 友田 尋子 坂 なつこ 玉上 麻美
出版者
大阪市立大学
雑誌
大阪市立大学看護短期大学部紀要 (ISSN:13447688)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.27-35, 2001

夫婦や恋人など、親密な関係にあるパートナーからの暴力をドメスティック・バイオレンス(以下DVとする)という。この暴力は、被害者が直接受ける場合と第三者に向けられた暴力を被害者が目撃する間接的な暴力も指している。つまり、暴力による被害はDV被害者に限らず、DV家庭で育つ子どもにもあると考えられている。今回、DV被害者を対象に被害の実態と子どもへの影響について調査した結果、DV被害者は、暴力を継続的に受け、不安感や緊張感の中で生活を送っていることがわかった。そして、暴力の存在する家庭で暴力現場を目撃し、また実際に暴力がふるわれる家庭で生活する子どもも被害者と同様に心身に影響を受けていたことがわかった。
著者
宮崎 大介 向井 孝彰 前田 有希 村上 進 宮崎 剛
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

インテグラルイメージング方式による3次元像表示と半球凹面鏡による空中像表示、回転ミラーの全周囲走査の組み合わせによる、全周囲から観察可能な空中3次元像形成技術の研究を行った。表示像には、光学系の収差による像の歪みや、光放射方向の不適切さによる像の欠けなどの問題があった。そこで、光学系中にスクリーンを配置して投影像を撮影し、光学シミュレーションと比較して、像形成の特性を解析した。また、凹面鏡の形状を計測し、光学シミュレーションに測定結果を適用することで、精度の高い光学系の設計を行った。試作システムにより全周囲から観察可能な3次元空中像の形成を行い、提案手法の有効性を確認することができた。
著者
松本 万紀子
出版者
大阪市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

妊娠高血圧症の病態には、胎盤虚血や血管内皮障害が一因であると考えられている。アネキシンファミリーの一つであるAnnexin A2は線溶活性増強因子であり、今回の研究で正常妊娠に比し妊娠高血圧症例の胎盤ではAnnexin A2が高発現を示すことを確認した。さらに臨床経過の異なる二つの妊娠高血圧症群間で比較検討した。結果は状態の安定している妊娠高血圧症に比し、急性増悪のため急遂分娩を要した症例群はmRNAの発現が有意に上昇しており、児の出生体重も有意に低下していた。母体状態のみならず、胎児胎盤系の病態にもAnnexin A2が関与していることが示唆された。
著者
丹下 和彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1115-1140, 2000

VI. 第2スタシモン(863~910行) : 四つのスタンザからなる。まずストロペー1では人知によらぬオリュンポスを父とする天上の掟の存在が告げられ, その掟に従って言動いずれも清らかに過ごす定めが我とともにあるようにと歌われる。……
著者
谷 彌兵衛
出版者
大阪市立大学
雑誌
経済学雑誌 (ISSN:04516281)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.121-150, 2005-06

本文書は, 相続文書や手紙等の内容から見て, 川上村大字井戸の井上家に旧蔵されていたと思われるが, 流出の経緯は詳らかではない。本学部は大阪市内の古書店より購入した。川上村は吉野林業地帯の中心地であり, 井戸は村のほぼ中央部に位置している。井上家は屋号を松屋といい, 代々村役人を勤めた家であり, 材木商人でもあった。……
著者
古久保 さくら
出版者
大阪市立大学
雑誌
人権問題研究 = The journal of human rights (ISSN:1346454X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.91-113, 2007

はじめに : 2006年6月27日、大阪市立大学人権問題研究センターの研究員がキャンパス・セクシュアル・ハラスメントを事由にして停職3ヶ月という懲戒処分を受けたことは、人権問題を研究する研究組織として全国においてその独自性と先進性を誇ってきた大阪市立大学人権問題研究センターとして、断腸の思いで受け止めざるを得ないできごとであった。……
著者
市川 美香子
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.393-408, 1999

フィクションは「嘘」である。したがって, 語り手は読者に対して暴かれない嘘をついてはならない, つまり正直でなければならない。理由は単純至極。嘘をついたのにそれが暴かれないとすると, 元のフィクションは消滅し, 別の<フィクション=嘘>になってしまうからである。フィクションにおいて語りに「嘘」があるとすれば, 「嘘」と「真実」の両方が見えていなければならない。つまり, 歪みは歪みとして見えなければならないのである。その歪みがより明確に見えやすいのが, 作中のドラマに関わっている人物の一人称による語りである。……
著者
高島 葉子
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.997-1018, 1998

1 はじめに : 蛇女とは何ものなのだろうか。それはまず, 水に関係した超自然の生き物つまり水の妖精である。水の妖精の最も代表的な存在は, 人魚, 特に女の人魚であろう。そして, 人魚の姿は, よく知られているように, 上半身は女性で下半身は魚か蛇である。キリスト教的図像では, 人魚は「女性の姿をした蛇」であり, OEDにも, 人魚と同義的に使われるセイレーンは, 「想像上の蛇の一種」と説明されている。蛇女は人魚と同類と言える。……
著者
朱 東平
出版者
大阪市立大学
雑誌
経済学雑誌 (ISSN:04516281)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.287-304, 1999-12

本稿は, インセンティブ・スキームの問題を考慮せずに, 経営努力とモニタリングの関係および市場競争と企業の清算圧力の効果について分析を行う。その結果, 次の結論が得られる。インセンティブ・スキームが存在しない場合, 経営努力のインセンティブは, 清算圧力と虚偽報告によるprivate benefitの存在に起因する。経営者の虚偽報告による期待収益がマイナスのときには, 所有者のモニタリングは不必要である。そのとき, もし虚偽報告による経営者のprivate benefitが失業コストより大きければ, 経営努力は市場競争の激しさと清算圧力の増加関数である。しかし, もし虚偽報告によるprivate benefitが失業コストよりも小さければ, 経営努力は市場競争の激しさの減少関数になる場合もある。一方, 虚偽報告による経営者の期待収益がプラスのときには, 経営努力は所有者のモニタリング努力と清算圧力の減少関数になる。そのとき, 市場競争の総合効果は不明であるが, 競争の激化は清算確率を高めることを通じて経営努力を低下させる効果を持つと同時に, コストの削減による所有者の収益が市場競争の激しさの増加関数である場合には, 所有者の収益を高めることを通じて経営努力を低下させる効果を持つ。
著者
小林 直樹
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.685-702, 1998

一 『今昔物語集』巻一七第33話は、女人と変じた法輪寺の虚空蔵菩薩が好色な叡山僧を学問の世界へと「謀リ」導く顛末を幻想味豊かに語って、本朝仏法部中でもひと際印象深い一篇である。その末尾は次のように結ばれる。……
著者
瀧川 裕英
出版者
大阪市立大学
雑誌
法学雑誌 (ISSN:04410351)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.382-346, 2009-12
著者
瀧川 裕英
出版者
大阪市立大学
雑誌
法学雑誌 (ISSN:04410351)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.1256-1215, 2007-11
著者
瀧川 裕英
出版者
大阪市立大学
雑誌
法学雑誌 (ISSN:04410351)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.230-192, 2009-09