著者
中野 不二男 藤田 辰人
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-8, 2009-03

The technologies obtained through the space activities should be used in various areas including "Humanities study". "Surveillance study by ALOS data on the trace of migration in ancient history" is an experiment to invent a new field as "Space Humanities study". At the ancient time in Japan, how have the people moved, and how have they lived? The history of mankind is coexistence of the movement and settling down. About settling down place, the verification work is still continuing in every ruin. However, in comparison with "Settling down ", the researches in movement are not performed enough. Because the verification work is usually done on the ground, and spots of ruin exist has been replaced to the average maps. On 2D-maps without rich indications of geographical features, it makes difficult to find out and trace the ancient people's footprint between ruin-to-ruin. The bird's-eye view photos by ALOS, which show details of geographical features, are ideal for those verification works. But processing costs of the bird's-eye view photos by ALOS are quite high for students. Using the newly developed software"Daichi no hoko" ,ALOS data , and 3D- software on the market, it becomes capable to show the details of geographical features on 3D-maps. And tracing footprints of ancient people will be possible in low cost. This method is expected to apply for various fields such as cultural anthropology, archeology, and even for amateur historian's personal study.
著者
上杉 邦憲 平尾 邦雄 林 友直 原 宏徳 山本 東光 升本 喜就 折井 武 上村 正幸
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.17-31, 1987-03

「さきがけ」, 「すいせい」両探査機に対する科学観測ミッションからの要求, 重量, 電力, 通信, 熱設計等工学上の諸要求と制限を考慮したシステム設計及び打上げ後の運用結果によるその評価について述べる。
著者
中安 英彦 塚本 太郎 南 吉紀 石本 真二 藤井 謙司 栗田 充 青木 良尚 麥谷 高志 鷲谷 正史 山本 行光 石川 和敬 冨田 博史 元田 敏和 二宮 哲次郎 濱田 吉郎 舩引 浩平 津田 宏果 牧 緑 小野 孝次 廣谷 智成 LIFLEXチーム Nakayasu Hidehiko Tsukamoto Taro Minami Yoshinori Ishimoto Shinji Fujii Kenji Kurita Mitsuru Aoki Yoshihisa Mugitani Takashi Washitani Masahito Yamamoto Yukimitsu Ishikawa Kazutoshi Tomita Hiroshi Motoda Toshikazu Ninomiya Tetsujiro Hamada Yoshiro Funabiki Kohei Tsuda Hiroka Maki Midori Ono Takatsugu Hirotani Tomonari LIFLEX Team
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 = JAXA Research and Development Report (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-10-004, 2010-09-30

宇宙航空研究開発機構では,次世代の再使用宇宙輸送システムの様々なコンセプトについて検討してきたが,その中の有望なものの一つとしてリフティングボディ形状の往還システムがある.これは翼をもたず,胴体の形状によって揚力を発生するタイプの機体であり,構造の軽量化,高い容積効率,極超音速域での空力加熱特性の観点から優位性があるとされている.一方,リフティングボディ形状は揚抗比が小さく,また低速時の安定性/ 制御性が弱いため,ALFLEX(小型自動着陸実験1996)のような翼胴型の機体に比較して滑走路への進入/ 着陸時に困難がある.そこで,リフティングボディ形状の往還システムを実現するうえで最も重要な技術課題の一つとなっている自動着陸技術の蓄積を主目的とした飛行実験を,小規模で低コストな機体を用いて行うことを計画した.本報告では,飛行実験計画および実験システムの概要と,地上試験やヘリコプタを用いた懸吊飛行試験を含む開発のプロセスについて詳述する.
著者
長友 信人 松尾 弘毅
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.325-334, 1968-04

太陽熱を動力源とした低推カロケットを,地球の近傍のミッションに用いる場合は,地球の日かげの部分でエネルギーの供給が停止する.とくに低高度の人工衛星として打ち上げられた太陽熱ロケットが,その速度方向に加速することによって,その軌道を拡大する場合は,日かげに入っている時間が長く,その飛行軌道に日かげの影響があらわれる.ここでは,この影響がもっともよくあらわれるようなケースについて軌道計算し,日かげなしの場合と比較した.すなわち,地球の公転によるかげの一の移動はなく,太陽熱ロケットは太陽と地球を含む面内を飛行し,しかも太陽ロケットの作動は,日かげでは停止し加速されないとする.ミッションとしては,500km高度円軌道から同期円軌道への遷移として,太陽熱ロケットの諸元としてのこのミッションに適した値とし考えられるものを用いた.解析結果を比較すると,日かげのある場合は,ない場合に比べてミッションに要する時間は25%多く,この値はロケットの比推力その他のパラメータの変化の影響をほとんどうけない.日かげなしのとき準円軌道で拡大してくる飛行経路は日かげありの場合,出発直後は比例的に長円となる傾向があるが,ミッション最終段階では,この傾向は鈍化し,そのときの離心率に相当する値はそれほど大きくなく,ここでの軌道修正は容易である.したがってエネルギー的損失も,ほとんど問題にならないくらい小さい.
著者
棚次 亘弘 成尾 芳博 丸田 秀雄 秋葉 鐐二郎 倉谷 健治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.13-54, 1983-03

宇宙科学研究所は昭和51年から行ってきた液水/液酸ロケット開発における最終段階の試験としてステージ燃焼試験を行った。ステージ燃焼試験は最初に7トン級エンジンと小形厚肉タンクシステムを用いて, 次に10トン級エンジンを用いて行った。これらのエンジンは昭和55年と56年にそれぞれ確認試験を行っている。ステージ燃焼試験は昭和56年10月から昭和57年4月に3期に分けて8回実施し, ステージシステムが計画した性能で自立運転状態になることを確認した。また, ステージシステムの起動と停止シーケンス, およびシステムの予冷運転の方法が確立され, タンクの推進剤を過不足なく消費するためのPU制御も試みられ良好な結果が得られた。
著者
徳留 真一郎 八木下 剛 羽生 宏人 鈴木 直洋 大毛 康弘 嶋田 徹
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-15, 2008-02

無毒で常温貯蔵可能な液体推進剤として亜酸化窒素(N_2O)/エタノールの組合せに着目し,それによる扱い易い液体推進系の実証研究を進めている.当面の目標として大気吸い込み式極超音速推進系の飛行試験に用いる加速用ロケットエンジンへの適用を目指しているが,その低温環境順応性を活かす衛星・探査機搭載推進系への応用も視野に入れている.これまでに,推力700N級の要素試験供試体を用いた燃焼試験を2シリーズ行って,エンジン噴射器設計のための有用なデータと運用特性を取得してきた.併せて,水冷式燃焼器による燃焼器壁面熱流束分布の測定や厚肉のシリカ繊維強化プラスチックSFRP製燃焼器を用いた燃焼試験によって燃焼器への耐熱複合材料適用の可能性も探っている.
著者
河田 三治
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.1, no.14, pp.361-404, 1926-03

プラントルの翼の理論を基として「プロペラ」の空氣に對する作用を考へて見た.その結果は第一部航空機用「プロペラ」に於ては(イ)「インフロー」速度は「スリツプストリーム」の速度の増しの半分ではないが之に極めて近いものである.(ロ)「インフロー」のうち軸に向ふものは「プロペラ」の働きに大きい影響があるが圓周に沿ふものは大した影響がない.(ハ)「ブレード」の表面の空氣の摩擦等によって「トルク」増し推力へるが「トルク」の増加は推力の減少に比してその割合が大きい.(ニ)併しその量は多くも全體の數「パーセント」にすぎぬから「ブレード」の表面を骨折つて滑かにしても效果は少ない.(ホ)それよりも効率は「プレード」に沿ふての「サーキユレーシヨン」の分配に左右されることが大きい.(ヘ)現在の最もよい「プロペラ」の効率は達し得べき極限に達したものと思はれる.(ト)「プロペラ」の最大効率は主として推力係數.[chemical formula]及z=wR/vの凾數である.(チ)「プレード」の各半徑に於ける入射角には外見的と實際的の二通りある.之は「インフロー」速度の爲起ることで縱つて揚げ係數にも二通りあることゝなる.その關係は本文第四節に掲げた通りである.(リ)二つの「プロペラ」をタンデムに置いたときは後方の「プロペラ」は單獨の場合に比して最大效率が落ちる.そのおちる量は「プロペラ」の推力係數及z=wR/vの値による。前後兩「プロペラ」が同じ方向に囘轉しておるときは反對方向に囘轉しておるときより効率の落ちが大きい.(ヌ)反對方向に囘轉しておる同軸「プロペラ」及「コントラプロペラ」を備へた「プロペラ」の最大効率は何れもよくなる.「コントラプロペラ」は船舶用としては可なり有効であるが航空機用としては効果はない.(ル)以上は「ブレード」の數が多い場合の話であるがその數の少ない「プロペラ」は外徑が幾分小さくなつた「ブレード」の數の無限に多いものと同じと見られ上に書いた結果には變りを来さぬ.第二部「ヘリコプタ」用「プロペラ」に於ては(イ)から(ニ)までは第一部のものと同じ結論に達する.(ホ)結果を簡單にする爲圓周に向ふ「インフロー」を省略すれば同じ推力に對して最小の「パワー」は「サーキユレーシヨン」が半徑に沿ふて一定の「プロペラ」に依つて得られる.(ヘ)此の場合空氣の摩擦を省略すれば推力TとパワーP.半徑〓の間には次の關係式が成立する.z=wR/vは空氣の密度である.(ト)各「ブレード」の空氣に對する入射角は囘轉數にかゝわらず一定の値を有する.(チ)横風の存在は(ヘリコペタが水平飛行におる場合)「プロペラ」の同じ囘轉數に對して推力及「トルク」を増加ぜしめるが前者の増加する率は後者のそれより小し大きい.(リ)「プロペラ」それ自身の横風に對する抵抗は極めて小さい.故に「ヘリコプタ」を進行せしめろには軸を垂直から少し傾ければ充分であるといふ結論に達する.(終り)
著者
春山 純一 本田 親寿 本田 親寿 横田 康弘
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本件研究課題では、日本の月探査機SELENE(かぐや)の大量のカメラデータを用いて、これまで推定されてきたクレータサイズ頻度分布(CSFD)やクレータ崩壊消滅直径(DL)などを元にした再解析を試みるなどして、月のごく小さなユニットを含めた地質地域の年代推定法の研究を行った。その結果、年代推定精度向上が確認され、その結果を利用して、これまで十分な解像度では得られていなかった地域を含む月の海ほぼ全域の年代について、新たに再推定することが出来た。
著者
奥山 圭一 加藤 純郎 山田 哲哉
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.55-75, 2005-03

REV was the first reentry capsule developed through pure domestic technology and successfully recovered. REV is thermally protected against the severe aerodynamic heating by carbon-phenolic ablator material. The present paper describes the feature of the heating test in the arc windtunnel and the ablator characteristics clarified during the research and development process of the REV heatshield. Because the heat flux anticipated on the stagnation surface is about 2 MW/m^2, the dominant surface recession mechanism is identified to be in the reaction control region. The thermochemical reaction data have been acquired through three arc-heater facilities with different enthalpy level for calibration and tuning of the ablation analysis code. The thermomechanical behavior of the ablator under the high heat flux environment such as delamination, or spallation also has been investigated for functional safety of the heatshield.
著者
定点滞空飛行試験実験隊
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-428, 2007-03

成層圏プラットフォーム飛行船の鍵となる技術を実証すると共に、各種ミッション試験を実施すべく、定点滞空試験機の飛行試験を実施した。定点滞空試験機は、全長68 m の無人飛行船であり、遠隔操縦または自律で飛行する。試験機は合計8 フライト飛行、最後の3 フライトでは、自律による定点滞空飛行を実施、約900 m と2 km の高度に於いて地球観測ミッションに成功、4 km 及び4 km 近傍の高度に於いて通信放送ミッションに成功した。本稿では、定点滞空試験機の開発及び定点滞空飛行試験について: 1) プロジェクトの概要; 2) 系統ごとの試験システムの構成及び関連する開発試験、追跡管制系との噛み合わせ試験; 3)飛行試験計画から実施に至る、飛行試験実施作業; 4) 第一段階から第三段階の各飛行の概要及び系統毎の結果を含む飛行試験結果、について報告する。ハイテク膜材製の試験機船体構造は、試験期間中健全であり、安全な運用に供し得ることが確認された。熱浮力制御は、実飛行状態で海面から4 km の高度まで有効であった。定点滞空精度は設計要求内であり、飛行誘導制御則が妥当であることが確認された。以上、目的は総て達成され、定点滞空飛行試験は成功裡に終了した。
著者
二宮 敬虔 上杉 邦憲 川口 淳一郎 横田 博樹 村中 昇 滑 孝和 北出 賢二 小笠原 雅弘 木村 雅文 土橋 雅之
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-45, 1986-03

To support the operation of onboard AOCS (Attitude and Orbit Control System) of "SAKIGAKE" and "SUISEI", ground support software for attitude control and orbit correction was developed. The software, named POPS (PLANET-A AOCS Operation Software), has the function of (1) generating the commands for RCS thruster control and HGA (High Gain Antenna) despin control, (2) simulating spacecraft attitude dynamics to confirm the generated RCS control commands. (3) performing orbit correction analysis to provide the optimum ⊿V-maneuver under various maneuvering constraints, (4) estimating RCS fuel consumption, and (5) conducting the calibration of RCS thrusters. In this paper the functions of POPS are described in detail. The operational results of "SAKIGAKE" and "SUISEI" in orbit are also presented.
著者
永田 武 等松 隆夫 小川 利紘
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.918-927, 1966-07

K9M-9ロケットによる昼間大気光,酸素原子6300Å線およびN_2^+イオンの3914Å帯の測定結果とその理論的解釈.測定は高度78kmないし335kmの間でおこなわれた.6300Å線の全輝度は13KRであったが,そのうと5.5KRは太陽紫外によるO_2シューマンルンゲ解離により,0.55KRはO_2^+およびNO^+イオンと常子の解離再結合によりまた,0.03KRはO原子の電子による熱励起により発輝されたものとおもわれる.このほか280kmより高処に別の6300入線の放射源があるようである.一方O(^1D))のO_2(X^3-Σ_0^-)の非活性化の大きさは200km以下の高度ではいちぢるしく大きく,その反応速変係数は2×10^<-10>cm^3/secと推定された.3914Å帯の全輝度は6.5KRであったが,330kmで3.2KRまで減少した.この発輝機構を太陽放射のN_2^+イオンによる螢光散乱として,N_2^+の密度の高度分布を求めた.またN_2^+イオンの電離層内での消失機構について論じた.