著者
西本 一志 渡邊 洋 馬田一郎 間瀬 健二 中津 良平
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1556-1567, 1998-05-15
参考文献数
13
被引用文献数
7

音楽との能動的な接し方の特徴は,自分なりの音楽表現という創造性の発揮にある.しかし現実には音楽理論や楽器操作技術の困難により,多くの人は能動的な音楽との接触を諦めている.筆者らは,これらの困難を計算機で支援することにより,だれでも容易に創造的音楽表現に取り組める楽器の実現を目指している.本論文では,そのための一手段として,音機能固定マッピング手法を提案する.従来の楽器は音高を演奏インターフェース上の固定ポジションにマッピングする音高固定マッピング型の楽器であった.しかし,音には音高以外の属性があり,その1つとして,音楽的環境に応じて個々の音が人に様々な情動的作用を与える,機能という属性がある.音機能固定マッピングとは,常時一定の演奏ポジションに一定の機能を持つ音をマッピングする手法である.ある音の機能の判定には音楽理論に基づく解析が必要であるが,この手法によれば,演奏者は必要な機能を持つ音を理論的解析を行うことなく直接取り出せ,さらにそれらを自由に組み合わせることにより,容易に自分なりの創造的音楽表現を実現できるようになる.本論文では,特に音の機能の考え方が重要となるジャズの即興演奏を対象として作成した試作器と,それを用いた被験者実験について説明し,本手法の可能性について検討する.Many people cannot help but give up to play music bacause of difficultyof a musical theory or a manipulation of a musical instrument.The authors aim todevelop a musical instrument with whcih anyone can enjoycreating of music with the support of a computer.In this paper,we propose a concept called the "fixed mapping of note-funcitons".With an ordianary musical instrument,a specific pitch is always mapped on a specific position of the instrument;this is a "fixed mapping of pitch" instrument.However,a note has other attributes.A note-function,i.e.,theemotional effect of a note depending on the temporal musical situation,is one of them.The mapping of a specific note-function on a specific position is the basis of the "fixed mapping of note-funcitons" concept.In order to determine the note-function,a theoretical analysis is usually necessary.Using the proposed method,however,it becomes possible to directly extract notes with the required functions without any theoretical considerations and to exhibit creativity by combining the notes.In this paper,we show a prototype of an instrument for improvisational jazz,provide several subjective experimental results and dsicuss the possibilities of the method.
著者
中村 聡史
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.17, pp.1-8, 2010-07-23
参考文献数
10

近年,様々な分野の新鮮な情報をウェブ経由で即座に手にいれることができるようになった.一方で,こうした情報の氾濫は,ネタバレなどにより視聴や閲覧を楽しみにしているコンテンツの面白さを低減させてしまうという問題がある.本稿では,こうした問題を考慮して,時間ベースでのフィルタリングを行うことにより,楽しみを低減させるようなネタバレ情報をフィルタリングする AntiSpoiler システムを提案する.本提案システムでは,ユーザの指定したプリファレンスに基づき,コンテンツを動的にフィルタリングする.Nowadays, we can obtain various kinds of fresh information from the Web. On the other hand, such fresh information sometimes spoils user's enjoyment. This paper proposes a temporal filtering system called the Anti-Spoiler system. The system changes filters dynamically based on user-specified preferences and the user's timetable. The system then blocks contents that would spoil the user's enjoyment of a previously unwatched content. The system analyzes a user-requested Web content, and then uses filters to prevent portions of the content being displayed that might spoil user's enjoyment. For example, the system hides the final score of football from the Web content before watching it on TV.
著者
小場隆行 中所武司
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.1-6, 2011-02-26

数独とは,ナンバープレイスとも呼ばれるペンシルパズルの一種である.長年,この数独に対して数学・情報科学等の様々な分野から研究がなされ,近年では高性能な自動解法プログラムや問題の自動生成プログラムなどが作られるようになっている.本研究では,その中でも数独の研究分野の一つである問題の難易度判定の手法に関して述べるものである.既存の数独の難易度判定アプリケーションは,問題の難易度判定の基準を予め定義している難易度埋め込み型であるのに対し,本研究ではユーザに問題の難易度判定の基準の定義を委ねる難易度定義型のアプリケーションを提案し,前述した難易度埋め込み型アプリケーションとの比較検証を行う.比較検討は,一般の書店で販売されているパズル誌二誌を使用し,難易度埋め込み型と難易度定義型における難易度判定の精度を比較した結果,難易度定義型を採用したことによって,判定結果のばらつきを減らすことができた.Recently, Sudoku solvers and Sudoku generators have been studied in the fields of mathematics and information science. In this paper, a method of difficulty level ranking by using application programs is described. Most of conventional applications for difficulty level ranking have given the fixed definition of the difficulty level criteria. This paper proposes a new method in which the difficulty level criteria are defined by users. An application supporting this method is developed and used for feasibility studies with two articles on difficulty level ranking in the popular journals. As a result, it is confirmed that the new method reduces dispersion of difficulty level ranking by using application programs.
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.e1-e33, 2023-07-15
著者
森本 尚之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.10-13, 2022-12-15

三重大学では,2018年度に学部入学生のノートPC必携制度が始まった.筆者は2017年から総合情報処理センターの教員として全学的な必携制度の推進に従事したのち,2021年度からは工学研究科の教員として,立場を変えながら必携制度と向き合ってきた.本稿では三重大学の必携制度の5年間とこれからについて,全学からの視点と学部教員の視点の両方から考察する.特に,ノートPCのスペック,サポート体制,必携PCの活用を念頭に開設した施設である数理・データサイエンス館(CeMDS),学部の研究室でのPC活用,そして必携制度のこれからに焦点を当てる.
著者
竹中 姫子 古宮 嘉那子 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-6, 2011-03-21

Twitter ではハッシュタグという,自分の投稿 (ツイート) に則した内容のインデックスをつける機能が提供されている.本研究ではハッシュタグのついていないツイートにたいしてハッシュタグを推定することを目的とする.そこでハッシュタグのついたツイートを学習し,そしてあるツイートがどのハッシュタグに属するかの推定を行った.分類器としてベイジアンフィルターを使用し,それぞれのタグについて 2 値分類を行い,複数のハッシュタグの推定を行った.実験では 50 種類のハッシュタグのつきの約 4 万件のツイートを学習データとして使用した.ツイート文にベイジアンフィルターを適用する場合は既知語に限定して処理を行うことで良い結果が得られるとわかった.In this paper, we propose a method of discovering hashtags, which are indexes in Twitter. We estimate hashtags of tweets without hashtags using tweets with hashtags. Binary classifier was developed for every tweet so as to they have more than one tags, and Bayesian filtering was used to classify. In the experiment, about 40,000 tweets with 50 kinds of hashtags are classified. The result shows Baysian filtering with limiting known words is effective in estimating hashtags of tweets.
著者
川島 拓也 渡邊 恵太
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.1483-1492, 2023-11-15

エンタテインメント性の評価は難しく,評価基準や実験手法が模索されている.エンタテインメントの本質を「心の動き」とすると,評価には体験中のリアルタイムな感情を観測する必要がある.そこで本研究では,リアルタイムな思考を観測する思考発話法を応用した,「あ」だけ発声する「あアラウド法」を提案する.あアラウド法は,実験参加者がタスク中に「あ」の大きさやトーンを変化させて感情を表現し,実験者が実験参加者の感情の強弱や種類を観測する手法である.「あ」は日常的に感動詞として使われているため,自然に感情を表現するのに適していると考察する.実験では「あ」が表現する感情の分析と,他の発声方法との比較を行い,リアルタイムな感情の観測手法としての有用性を調査する.実験結果からエンタテインメント性の評価への利用可能性を示す.
著者
赤澤 紀子 赤池 英夫 柴田 雄登 山根 一朗 角田 博保 中山 泰一 Noriko Akazawa Hideo Akaike Yuto Shibata Ichiro Yamane Hiroyasu Kakuda Yasuichi Nakayama
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.19-34, 2022-10-21

2022年度より,高等学校の「共通教科情報科」は,必履修科目の「情報I」と選択科目の「情報Ⅱ」が設置され,すべての高校生が,プログラミングなどを含む情報の科学的な理解を主とした「情報I」を履修することになる.また,2025年度入試から「情報I」が大学入学共通テストで出題されることが正式に決定された.これにより,各大学の個別入試においても入試科目に「情報」が設置される可能性が増してきた.大学入学試験として情報を出題するためには,大学など出題する側と,受験する高等学校側で,出題内容や範囲,用語などの共通な知識体系が必要となる.しかし現在はまだ,「情報科」の知識体系は明確に定められていない.そこで,本研究では,知識体系の明確化を目標として,「情報I」の教科書で用いられる用語から知識体系に関する考察を行う.
著者
森國 泰平 吉田 光男 岡部 正幸 梅村 恭司 Morikuni Taihei Yoshida Mitsuo Okabe Masayuki Umemura Kyouji
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌(トランザクション)データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.16-26, 2015-12-28

ツイートに含まれる特徴と位置情報を対応させることで,実世界を観測するセンサとしてTwitterを活用することができる.しかし位置情報が付加されたツイートは少なく,Twitterをセンサとして活用するときの問題の1つとなる.そこで本研究では,ツイートの投稿位置を推定し,より多くのツイートに正確な位置情報を付与することを目的とする.この目的を達成するために,ツイート中のノイズとなる単語を除去するためのフィルタリング手法を提案する.また,単語の地理的分布を平滑化するためのスムージング手法も提案する.これらの提案手法が従来手法よりも有効に機能することを示し,その考察を行う.Twitter can be considered as a real-time sensor that responds to real-world events by combining the content and location information of tweets. However, a problem persists: tweets containing location information are too small. To overcome this problem, we estimate the location where a tweet was posted. Our main method involves using word filters called AF filter and TF-IAF filter that detect stop words. In addition, we propose a smoothing method called Distance smoothing for overcoming sparsity of words. We show that both our methods improve location estimation accuracy and discuss the features of the results.
著者
富田 雄希 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
vol.1B-37, pp.328-331, 2019-02-27

地域活性化の施策として,多くのご当地アイドルが各地で活動している.ご当地アイドルが円滑な活動を続けるためには,新規ファンの獲得が必要不可欠である.しかし,既存ファンコミュニティによる熱狂的応援や独特のルールなどが,潜在ファンの参入障壁を形成してしまう.本研究ではこの障壁を軽減するため,役割体験学習を活用した古参ファンの体験を追体験するノベルゲームを構築し,その効果を他者理解と愛着の増加の観点で検討する.モデルケースとして,石川県西金沢の商店街を拠点に活動する西金沢少女団の既存ファンコミュニティから実体験を収集し,その実体験を織り込んだノベルゲームBNO-Storyを潜在ファンに楽しんでもらう.このゲームにより,古参ファンがなぜ熱狂的応援をするのかを理解できるか,アイドルへの愛着が増加するかを評価する.
著者
筧 捷彦 中山 泰一 Katsuhiko KAKEHI Yasuichi NAKAYAMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.632-635, 2018-06-15
著者
小川 文夫 馬場 雅志 日浦 慎作 浅田 尚紀
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-5, 2010-11-01

広島への原爆投下によって発生したきのこ雲の高さについては様々な議論がなされてきた.我々はきのこ雲の写真をその特徴により分類し,爆心地に高さを変えた物体を仮想的に配置し,推定されたカメラ位置からの画像を生成することによりきのこ雲の高さを推定した.その結果,きのこ雲が成長していく過程が確認され,高さは最大で約 16km となることが分かった.推定には様々な誤差を含む要因が考えられるため,推定結果の精度を増すにはさらなる検討が必要である.The height estimation of mushroom cloud after the A-bomb explosion at Hiroshima has been a controversial issue for many years. We have tried to classify there pictures by their feature, and measure the height of the cloud from a single picture by superimposing a vertical object on the picture projected in the same geometry. In the result, we confirm the growing of the mushroom cloud, and the height of mushroom cloud is estimated up to 16 kilometer. There is necessity of consideration for accuracy because the result involve error by various reason.
著者
宮下芳明 西本一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 : ヒューマンインタフェース研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2004, no.90, pp.13-18, 2004-09

本稿では、温度を媒介として打鍵後に助言を行う即興演奏支援システムを開発した。従来の即興演奏支援システムとは異なり、楽器の基本機能を変更しない点が特徴である。システムの効果を検証するため、典型的な即興演奏支援システムとの比較実験を行った。その結果、即興演奏未経験者にとって、従来の即興演奏支援システムのほうがより楽しいと評価されたが、本システムは即興演奏の支援にとどまらず、即興演奏に対する学習を促す効果を持っていることが示された。 : In this paper, we propose an improvisation support system that makes advice after a player hits the key via thermal sensation. Differ from conventional improvisation support systems, it does not change the essential function of a musical instrument itself. To examine effectiveness of the system, we carried our an experiment and compared it with a typical improvisation support system and the instrument with no support. Though the traditional improvisation support system was rated more enjoyable by novice subjects, our system certainly supported them and facilitated learning the harmony, namely, fostered their music ability.
著者
片岡 真 香川 朋子
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.464-469, 2014-04-15

近年,テクノロジーの著しい進歩やコンテンツのディジタル化が進み,図書館でも冊子資料に加え,電子ジャーナルや電子書籍,学術データベース,機関リポジトリ,ディジタルアーカイブ,電子教材など,様々なコンテンツをWeb上で提供している.また,貸出更新や施設予約,図書購入,自著のセルフアーカイブなどのサービスもWeb化が進んでいる.九州大学附属図書館では,「すべてのWebサービスを統一的にデザインし,大学の学術コンテンツ基盤として有機的に機能させる」ことを基本コンセプトとし,標準的な技術を用いたユーザインタフェースの構築とデザイン,データ管理システムの統合を進めてきた.そのコンセプトと技術について紹介する.
著者
松尾 真一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.e1-e7, 2023-09-15

ブロックチェーンと関する研究開発は,Satoshi Nakamotoの未査読の論文から想起される形で,基礎的な研究から幅広い応用の実現までさまざまな形で行われている.一方でその多くは,Satoshi Nakamotoの発明につながる技術史を考えた場合,Satoshi Nakamotoの発明がサイバー空間におけるトラストの実現方法に与えたインパクトを台無しにしているか,それゆえにブロックチェーンそのもののセキュリティを犠牲にする結果になっており,結果として「Why Blockchain(なぜブロックチェーンを使うのか)」というう疑問を生じさせている.本稿では,改めてSatoshi Nakamotoの発明が与えたインパクトを振り返り,ブロックチェーンがもたらしているもの,もたらしていないものを振り返った上で,今後のブロックチェーンの研究開発の方向性を述べる.
著者
Sachiko Kanamori Taeko Abe Takuma Ito Keita Emura Lihua Wang Shuntaro Yamamoto Le Trieu Phong Kaien Abe Sangwook Kim Ryo Nojima Seiichi Ozawa Shiho Moriai
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, 2022-12-15

To tackle financial crimes including fraudulent financial transactions (FFTs), money laundering, illegal money transfers, and bank transfer scams, several attempts have been considered to employ artificial intelligence (AI)-based FFT detection systems, particularly, deep learning-based ones. However, to the best of our knowledge, no federated learning systems using real transaction data among financial institutions have been implemented so far. This is because there are several issues to be addressed as follows: (1) it is difficult to prepare sufficient amount of transaction data for training by one financial institution (e.g., a local bank), and a small amount of dataset does not promise high accuracy for detection, (2) each transaction data contains personal information, and thus it is restricted by Act on the Protection of Personal Information in Japan to provide the transaction data to a third party. In this paper, we introduce out demonstration experimental results of privacy-preserving federated learning with five banks in Japan: the Chiba Bank, Ltd., MUFG Bank, Ltd., the Chugoku Bank, Ltd., Sumitomo Mitsui Trust Bank, Ltd., and the Iyo Bank, Ltd. As the underlying cryptographic tool, we proposed a privacy-preserving federated learning protocol which we call DeepProtect, for detecting fraudulent financial transactions. Briefly, DeepProtect allows parties to execute the stochastic gradient descent algorithm using a set of techniques for the privacy-preserving deep learning algorithms (IEEE TIFS 2018, 2019). In the demonstration experiments, we built machine learning models for detecting two types of financial frauds ― detecting fraudulent transactions in customers/victims' accounts and detecting criminals' bank accounts. We show that our federated learning system detected FFTs that could not be detected by the model built using the dataset from a single bank and detected criminals' bank accounts before the bank actually froze them.------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.30(2022) (online)DOI http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.30.789------------------------------
著者
竹野 真帆 高田 明典
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2761-2771, 2009-12-15
被引用文献数
1

コンピュータゲームやアニメーションや映画などの娯楽制作物は,今日では,私たちの生活に深く影響を及ぼしている.私たちはそれらをプレイもしくは視聴することによって価値観を形成し,その価値観とともに生きている.娯楽に関する分析的研究の主たる目的とは,したがって,それによってどのような価値観が,どのようにして形成されるかを知ることにあるといえる.ゲーム研究や物語論の分野において作品の分析手法に関しての多くの議論が行われてきたが,実際にコンピュータゲームの分析に適用可能な手法が提示されている報告は少ない.一方で,物語構造分析の分野には,多くの手法の蓄積が存在している.本研究の目的は,それらの物語構造分析の手法をコンピュータゲームの分析に適用しうる手順を模索することにある.Barthesによって用いられた標準的な構造分析の手順を検討し,そこで用いられている手法に若干の変更を加えた手法を提案している.さらに,RPG "テイルズウィーバー" の分析例を示し,そこで抽出された訴求構造について検討を加えている.Entertainment products such as video games, animations and movies deeply influence our life nowadays. We form sense of values by playing or viewing them and also live by those values. Therefore the primary goal of analytical entertainment studies is to know what those values are and how they are formed. Many arguments about analysis method for video games have been made in the domain of game studies and narrative studies. But there are very few reports that have methods available for video game analysis in actual use. On the other hand there are many methods in structuralism's analysis. The purpose of this study was to improve the methods of structuralism's analysis of narrative so that we can apply them to video game. We examined standard procedures used with structuralism's analysis basically along with Barthes' method, and suggested implementing several changing to those procedures. A sample analysis of RPG "Tales Weaver" was presented and resulted appealing structure was discussed.
著者
斉藤 典明 金井 敦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.295-308, 2013-01-15
被引用文献数
1 3

現在,組織の知識を蓄積するために多くの組織では共有フォルダを用いてボトムアップ的に情報を大量に蓄積している.しかしながら,多くの情報は情報管理の属人化がおこり,組織環境の変化によりどこにどのような情報があるのかが分からなくなった結果,情報が死蔵され,組織知識の忘失がおこる.そこで,長くにわたって情報を継承してきた事例を基に,死蔵することなく組織の知識を継承する手法を検討した.その結果,長期にわたって情報を蓄積するためには,時間(年度),知識分類,案件の順番で情報を管理することが有効である.また,組織知識として蓄積・継承するべき知識の分類には7つの項目があるが,そのうち組織の記録が最も重要であることが分かった.Numerous information are stored in the shared folders for storing organizational knowledge by members, day by day. However, the information management depends on the member's memory, then many stored information are hoarded by changing environment of the organization, at last organizational knowledge is lost. In this paper, we examined the shared folder construction method which can avoid dead-stock, based on the case study of sharing and storing information in the organization between the long-term. As the result, we clarified that the shared folder which was constructed by the layer of time (year), knowledge classification, and matter can avoid hoarding. The knowledge classification had seven types, and the record of organization was the most important classification in those.
著者
鈴木 俊哉
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.7, pp.1-8, 2009-07-23

昨年、7 年間の作業を経た CJK 統合漢字拡張 C が ISO/IEC 10646:2003 の Amd.5 として正式に発表された。拡張 C ははじめて原規格分離を適用せずに整理された漢字集合である。拡張 C への中華人民共和国からの申請は辞典類から収集された漢字が大半である。本発表では、その中で最大の収集元である「殷周金文集成引得」に由来する 1800 字程度の図形集合について、典拠を再調査した結果を報告する。拡張 C の統合作業中に提出された典拠確認資料を見ると、この収集は「殷周金文集成引得」の総画索引から、拡張Bまでで符号化済みと思われるものを削って選定したと思われる。しかし、選定された漢字を本文中で確認すると、総画索引には出現するが、釈文では使われていないものも少なくないため、それらを全て申請することの妥当性には疑問がある。また、金石学の分野では「古文字字形表」や「金文編」など過去にいくつもの字書が出版されているが、「殷周金文集成引得」の特徴の一つに、見出し字の大半を宋体 (風の図形) にしている点がある。金文字形に対する宋体 (風の図形) が一意的に定まる、言い換えれば「殷周金文集成引得」で導入された図形文字が (この字書の外部でも) 金文字形に対する識別子として機能するのであれば、他の金石学の字書類と整合する筈である。そこで、代表的な金石学字書である「金文編」と「殷周金文集成引得」の比較を行ない、この結果を報告する。また、これらの結果を踏まえ、「殷周金文集成引得」典拠情報の今後の管理方法について考察したい。After the long efforts during 7 years, finally ISO/IEC 10646:2008 has included CJK Unified Ideographs Extension C. This is the first Hanzi collection which is standardized after the expire of the source code separation rule which was introduced for existing regional character encodings. There are 2 large groups of the sources: Hanzi for personal names (especially from TCA) and Hanzi for post-kaisu palaeographic documents (especially from ROK).In Ext. C, PRC submitted 366 glyphs taken from "Index to Collections of the Inscriptions in Yin-Zhou period" (殷周金文集成引得, I2CIYZ). The book is used to lookup Bronze objects (collected in "Collections of the Inscriptions in Yin-Zhou period" (殷周金文集成引得, CIYZ) including a specified Old Hanzi. Most of 366 glyphs taken from I2CIYZ are suspected to be the glyphs invented only for the specification of Old Hanzi.In this report, the submission by PRC and that by UTC are investigated for their original glyphs based on Bronze or Seal scripts (篆文, Zhuan Wen), and their original shapes (in references and evidences) and modernized shapes (in proposal and submission documents) are compared. The unification rules of CJK Unified Ideographs (ISO/IEC 10646 Annex S) are under revision process, but the discussion is based on the information interchange by the stabilized shapes of Hanzi current in use. The glyphs to specify Bronze script shape can be synthesized by different granurality. In fact, the identification rule by IRG Old Hanzi group for Oracle Bone script (甲骨文, Jia Gu Wen) is incompatible with ISO/IEC 10646 Annex S.