著者
影山 昇
出版者
放送大学
雑誌
放送教育開発センター研究紀要 (ISSN:09152210)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.81-128, 1995

With the Meiji Restoration of 1868, the Meiji government appointed lesato Tokugawa, the master of the Tokugawa family, as governor of the Shizuoka-clan. The Tokugawa administrator was an earnest promotor of education, and established modern schools mainly in Shizuoka and Numazu for the study of foreign books and languages, western military organization and science. In this article the author attempts to research schools estab-lished by the Tokugawa administrator in the Shizuoka-clan during the early Meiji period.
著者
奥宮 清人 稲村 哲也 木村 友美 Kiyohito Okumiya Tetsuya Inamura Yumi Kimura
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of The Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.69-79, 2015-03-20

インドのラダーク地方において、チャンタン高原(標高4200-4900m)の遊牧民、都市レー(標高3600m)の住民、及び農牧地域のドムカル谷(標高3000-3800m)の農民・農牧民を対象に医学調査を行なった。その結果、①生活習慣病(糖尿病、高血圧など)が都市でより多く発症していること、②標高が高いほど高血糖の率が高いこと、③高カロリー食・高ヘモグロビンの群に高血糖の率が高いだけでなく、低カロリー食・低ヘモグロビンの群においても高血糖が多い、などが明らかになった。①についてはエピジェネティックスや節約遺伝子の考え方によってある程度説明できる。しかし、②や③については説明がつかない。そこには、高所における低酸素への適応が作用しているからである。 Beallによれば、高所への遺伝的適応の方式として、チベットの住民は、肺活量を大きくし、低酸素に対する呼吸応答を調節し、血管を拡張して多くの血液を体に流す「血流増加方式」をとっており、アンデスの住民は、「ヘモグロビン増加方式」をとってきた。 私たちの健診の結果、Beall仮説を指示する結果がでた一方、高齢者の場合、都市レーや生活スタイルが変化しはじめたドムカルで、多血症(高ヘモグロビン)が多くみられるという、Beall仮説に矛盾する結果がでた。また、多血症と糖尿病の相関が認められた。 そこで、その原因を究明した。その結果、高所における酸化ストレスの実態、低酸素と酸化ストレスの関係、酸化ストレスと糖尿病の強い関連がわかってきた。チベット系住民は、NO増加による血管拡張と血流増加によって、低酸素に対する有利な適応をしてきた。ところが、高齢とともに、生活スタイルの急激な変化によって適応バランスが崩れると、多血症や高脂血症を発症して体内低酸素を生じ、その結果、NOの過剰な増加等により酸化ストレスが高まり、かえって糖尿病や老化を促進する。糖尿病と酸化ストレスは相互に影響しあい、症状は重篤化するのである。
著者
浜野 保樹
出版者
放送大学
雑誌
放送教育開発センター研究紀要 (ISSN:09152210)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.23-31, 1993

1993年1月にアメリカを訪問し、マルチメディアに関する人材育成の実体について調査した。訪問機関は、センター・フォー・クリエイティヴ・イメージング、アメリカ映画協会、南カリフォルニア大学、カリフォルニア大学の4ヶ所である。長い歴史を有する映画とテレビの人材育成機関が、既にマルチメディアについてのカリキュラムを作り出し、新しい人材育成を開始していることがわかった。研修内容を見ると、ハリウッド以来のエンターテイメント指向が強く、各機関は新しいビジネス市場に人材を供給することを目指している。マルチメディアの人材育成以外にも、HPCCの資料収集のために全米科学財団を訪問し、マルチメディア技術によって放送局自体のダウンサイジングを実現したオレンジ郡ニューズチャネルを訪問した。
著者
笠原 潔
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.93-105, 2008

1839(天保十年)年6月、長者丸という名の難破船が太平洋でアメリカの捕鯨船に救助された。救助された7人はハワイに送られたが、そこで船頭の平四郎が死亡した。生き残った6人の乗組員はハワイで1840年まで生活した後、1843年に日本に帰還した。ハワイでの彼らの生活は、日本側(『蕃談』『時規物語』、その他)・アメリカ側(メアリー・シャルロッテ・アレクサンダ-の『ラハイナのボールドウィン博士』第10章に所収)に記されている。驚いたことに、これらの資料は遭難前の乗組員たちの日本での生活や遭難後のハワイでの生活の記述において、非常によく一致している。いくつかの記述は、双方の欠を補うものである。そこで、アレクサンダ-の書の第10章を日本語に訳して、これに日本側の資料に基づき、注を付けることにした。
著者
井口 篤
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.63-68, 2011

本稿の目的は水村美苗の小説『私小説 from Left to Right』を言語とアイデンティティの観点から論じることである。『私小説 from Left to Right』は日本語と英語の二言語で書かれており、二言語のどちらにも共感できない水村の深い疎外感が作品には色濃く現れている。水村は多くの日本人読者を失う代償を払って小説に英語を織り交ぜるのだが、それは日本語と英語の二言語を受け入れつつも距離を取らざるを得ない水村の作家としての苦境を表現しようとしたものである。
著者
小町 真之
出版者
放送大学
雑誌
放送教育開発センター研究紀要 (ISSN:09152210)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.217-226, 1990
被引用文献数
1

Besides the lecturer, an indispensable element in every lecture program, in some of the programs of the University of the Air in Japan there is another person appearing and playing important roles. Why does he/she appear, and what kinds of roles does he/she play? In this paper, I name this second person "Kikite" and try to examine the styles of programs they appear in, the types of roles that they play, and note some problems that occur between them and the lecturers. The roles of Kilites are: as an interviewer to the lecturer asking questions; as a student to discuss problems with the lecturer; as an assistant to support the lecturer by narrrating texts or showing some objects; and as "subtitles" for printed materials to accentuate each block in the program. In short, Kikite is an activator to prevent monotonous programs. This paper is a first step to consider the roles of the lecturers in straight-talk style programs with or without Kikite person, and the roles of Kikite that he/she is expected to play.
著者
二河 成男
出版者
放送大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アズキゾウムシゲノムのボルバキアから水平転移したゲノム断片が360kbに及ぶこと、転移断片上の遺伝子は、読み枠が壊れ、転写産物もわずかであり、偽遺伝子化していることを示した。エンドウヒゲナガアブラムシでは、宿主昆虫の必須共生細菌ブフネラを保持する菌細胞で高い発現を示す遺伝子の中に、ボルバキアの近縁種から水平転移した遺伝子が存在することを示した。この転移遺伝子は、その由来とは異なる共生細菌の維持に関与している。
著者
宮本 みち子 長須 正明 樋口 明彦 平塚 眞樹 津富 宏 西村 貴之 新谷 周平
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

現代における若者のリスクは、教育から労働市場への移行の困難として表現されてきたが、それは特定の階層に集中している。これらの若者は家庭・学校・職場のいずれにおいても不利な立場で連鎖的に社会から排除されている。日本・オランダ・オーストラリア・イギリス・フィンランドの国際比較から日本の特徴をみると、若者の自立を担保する社会保障制度は極めて弱体である。社会的に孤立し就労困難な若者の増加に歯止めをかけるためには、所得保障と就労支援サービスのセット、教育・福祉・労働・保健医療制度の連携が必要である。ターゲットを絞った支援サービスだけでなく、若者の社会参加とエンパワメントを若者政策に位置づけるべきである。
著者
島内 裕子
出版者
放送大学
雑誌
放送教育開発センター研究紀要 (ISSN:09152210)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.99-114, 1995

This paper aims to survey the formation of Ken'ichi Yoshida's literature. In doing this the author first traces the history of Yoshida's reading from his early days to youthful days. In the second place, takes up his translation of Poe, Valely, and Laforgue. In the third place, examines his early works in the point of view what experience produces them. Finally, the influence of translation in his creations, is pointed out.
著者
六本 佳平 ダニエル フット IWAI Hiroshi DOI Tadashi KURIYAAM Hiromichi KOMEDA Mototane
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1)法報道の概念および研究分野としての意義について考察した。2)法報道の量の増大について数量的なデータを得るべく、朝日新聞縮刷版により60年、80年、00年の各偶数月の法報道(一定の基準を設定)記事の内容・大きさ・頻度等を調査し、40年間に記事の数が3倍近く増えていることを確認した。3)法律の専門知識とジャーナリズムの専門性とにまたがるこの分野に対する報道機閧の体制について内外の関係者に若干のインタビュー、研究報告により、現状を考察した。4)アメリカ大統領選挙におけるTV報道とその役割について、六本およびフットの報告・討論を行い、メディアの法報道が重要な政治的役割を果たす過程を具体的に分析した。