著者
山田 寛 NAIWALA PATHIRANNEHELAGE C. NAIWALA PATHIRANNEHELAGE CHANDRASIRI
出版者
日本大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

表情応答を行う刺激人物の視覚的特性についての検討を行うことの重要性を認識し、平均顔の視覚的特性について吟味する心理工学的実験も行った。より具体的に問題としたのは、二枚の顔画像の平均顔画像が人間にとっても平均として認識されるかという点である。この検討を行うにあたり、まず顔画像サンプルの全てのペアの平均顔画像を作成した。次に、実験参加者に、ある平均顔画像とその元の二つの顔画像を提示し、平均顔画像の全体的な印象から、それがどちらの元画像に似ているか判断させる実験を実施した。平均顔画像が知覚的にも平均の顔として認識されているならば、実験を通じてどの元画像も同一割合で選択されると仮定される。しかし、結果として、それぞれの元画像が選択された割合には顕著な差が現れた。この点を検討する上で顔画像の主成分分析を行い,shape-free eigenface methodに基づいた顔空間を作成した。そこで顔空間での各顔画像の原点からの距離とその顔画像が選択される割合との間の相関分析を行ったところ、両者に高い相関が認められた。この研究は、心理学における顔研究の中での一つの重要な研究課題となっている人物の顔の特異性の問題を解明する上でのきわめて重要な手がかりを提供するものといえる。PFES(Personal Facial Expression Space)に基づく顔表情分析・合成システムを構築した。さらにシステムの表情応答分析能力を確認するための表情同調反応実験を実施した。まず3次元構造を持つ顔モデルをベースに、モーフィングの技法を用いて変形させた顔画像の合成を行う。実験では、フレームの時間制御を行うことによって、さまざまな変化速度の条件のアニメーションを実験参加者に提示できるようにした。また、システムでは、そのアニメーションをモニターに提示しながら実験参加者の表情応答を分析することができる。実験の結果として従来の研究ではほとんど扱われてなかった顔表情応答の表情の強度とタイミング情報までを取得できることが確認できた。さらに、これまでの心理学研究において現象として報告されている、喜びと怒りの表情の同調反応の確認も行い、その同調のパターンの詳細な分析を行い得る可能性が示された。
著者
澤田 博司 山濱 由美 間瀬 啓介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は,カイコ休眠卵を浸酸処理し休眠移行を阻害した際に特異的に発現する一酸化窒素合成酵素(NOS)の新規スプライシングバリアント(NovNOS-V)を見出し, NovNOS-VがNOS遺伝子の35残基のアミノ酸に相当する一つのエキソンを除いて合成されること及びNOS遺伝子が22のエキソンと21のイントロンで構成されていること等を明らかにした。また,休眠卵,非休眠卵,浸酸処理休眠卵でのNOSの遺伝子発現と酵素活性を解析した。その結果,活性変動は転写レベルでなく,翻訳後の修飾による可能性が示唆された。更に,抗NOS抗体を用いた免疫組織化学的解析を行ったところ, NOSは卵黄細胞に局在していることも明らかにした。
著者
里田 武臣
出版者
日本大学
雑誌
日本大学経済学部経済科学研究所紀要 (ISSN:03859983)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.17-25, 1991-03-20

The role of the market mechanism is now being reappreciated partly as a consequence of the frustration of planned economies. In order that the market mechanism can smoothly function and satisfactory market performance can be realized, it is obviously important to compensate with deliberate policies for the limitation of the market mechanism, which is often referred to as market failure, but it is no less important to take note of the behaviors of and mutual relationships among business enterprises, consumers and the government, who all participate in the market mechanism. If the ultimate objective of economic activities lies in the improvement of people's life, it is reasonable to ascribe the right of final decision on the all option of resources to consumers, who constitute the people of a nation. Viewed the other way around, unless the consumer's choice is ensured, there can be realized no desirable allocation of resources for people. In Japan, as the protection and fostering of entrepreneurs has been given overriding priority under the policy to boost production and promote industry since the Meiji period, the importance of ensuring the consumer's choice, and of consumer policies to make it possible, was little recognized. The frequent occurrence of disastrous victimization of consumers during the phase of high economic growth, however, aroused the awareness of consumers, leading to the development of full-scale consumer policies. The consumer's choice greatly benefits by the liberalization of international trade. It is constrained by various regulatory measures taken by government. For this reason, further liberalization of international trade and deregulation are under way. The Japanese system of consumer policies consists of two main pillars, regulation of business activities on one hand and the enlightenment of and the supply of information to consumers on the other. In the former aspect, more recently, business enterprises are called on to strengthen their own responsibilities. As regards the latter, the essentials of the consumer's choice, in other words the desirable way of consumer life, in the affluent society are being redefined, and the importance of consumer education is emphasized.
著者
青山 武憲
出版者
日本大学
雑誌
日本法學 (ISSN:02874601)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.35-64, 2013-03-10
著者
佐甲 徳栄
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

少数の電子をナノスケールの人工的な低次元ポテンシャル井戸に閉じ込めた人工原子は,量子力学原理に基いて動作する次世代ナノデバイスの基本素子としての大きな役割が期待されており,その量子構造の解明は最も本質的な研究テーマである.本研究では,人工原子および自然原子における電子スピン配列を決定する「フントの規則」および電子の集団運動を規定する「角度相関」に着目し,その起源の解明に取り組んだ.そして,スピンが反平行な一重項状態の波動関数において共役フェルミ孔と呼ばれる空孔が存在することを見出し,この共役フェルミ孔の存在によってフント則の起源および角度相関の由来が説明できることを明らかにした.
著者
青木 一能 林 幸博 水野 正己 水嶋 一雄 辻 忠博 段 瑞聡 新海 宏美 日吉 秀松
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

平成23年度から平成25年度まで3年間の研究活動を通じて、本研究テーマの趣旨に則した情報収集・分析や現地調査を行い、予期した成果を得られたと考える。各年度において、中国、南アフリカ、台湾からの研究者を招いてワークショップを開催し、本研究のメンバー全員は参加し、報告した。日本国内では、研究会を開き、研究の進捗や途中経過報告などを行った。3回にわたって述べ8カ国(南アフリカ共和国、ボツワナ、マラウイ、ナミビア、レソト、タンザニア、ルワンダ、ウガンダ)にて現地調査を行った。また、アフリカに関する著作を出版する予定し、論文を学術誌に発表することによって、日本社会に還元することができると確信する。
著者
鈴木 俊夫 本間 道雄 吉田 敬
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01 (Released:2010-08-23)

原子核のガモフ・テラー遷移強度等のスピンモードの記述の著しい改善に成功した新しい殻模型ハミルトニアンを用いて、ニュートリノ-原子核反応の断面積、高密度・高温の天体条件下での原子核からの電子捕獲率、ベータ崩壊率等の弱過程のより正確な評価を行い、元素合成過程や星の進化に応用した。超新星爆発時でのr-過程による元素合成、コア崩壊過程における中性子過剰ニッケルアイソトープの合成や核URCA過程による星の冷却において精密な弱遷移率の評価の有効性と重要性を示した。
著者
四宮 一総
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

衛星運動型高速向流クロマトグラフ装置を新規に考案・製作した。本装置は、カラムが太陽軸(角速度ω1)、惑星軸(ω2)及び衛星軸(カラムの中心軸、ω3)の周りを同時に回転するもので、ω1 = ω2 + ω3の関係が成り立つように設計した。本装置の分離効率を4-メチルウンベリフェリル糖誘導体を試料に用いて検討した結果、ω1=300rpm、ω2=150rpm、ω3=150rpm付近で良好な結果が得られた。
著者
田中 孝明 水川 一広 妻鹿 純一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997 (Released:1997-04-01)

銀系無機抗菌剤のイオンピュア^<TM>およびノバロンAG300^<TM>を用いて各種口腔細菌に対する抗菌作用と抗菌効果について検討した結果,以下の結論を得た。1. イオンピュアおよびノバロンのS.mutansに対する最小発育阻止濃度(MIC)はそれぞれ7.5mg/mlおよび1.3mg/mlであり,抗菌作用は静菌的であった。抗菌剤練り込み試料に対するMICはイオンピュアでは5wt%,ノバロンにおいては10wt%において認られた。抗菌剤練り込み試料面での生存率はイオンピュアおよびノバロンでは3wt%より顕著に減少した。2. C.albicansに対するノバロンのMICは500μg/mlであり,抗菌作用は殺菌的であった。ノバロンの義歯床への添加をインプリントカルチャー法により検索した結果,Candida属菌の顕著な発育阻止が認められた。3. 1)ユニファーストIIに対する各種コーティング材の接触角は,429R 37.8度,740 28.9度,プライトナー27.9度であり,比重は,429Rは1.00,740は1.04,プライトナーは1.07であった。コーティング試料表面のヌープ硬さ(HK)は,429Rで3.88,740は2.31,プライトナー13.00であった。試料表面の元素分析により,練り込みよりもプライトナーでコーティング処理した試料において,より強いAgの元素強度が認められた。2)イオンピュアおよびノバロンのカップ法によるA.viscosusへのMICは,それぞれ2.5mg/mlおよび1.3mg/mlであり,ラップ密着法による検討において,プライトナーでは429Rや740よりも,低い混入率において抗菌効果が認められた。
著者
松嶋 隆弘 工藤 聡一 大久保 拓也 鬼頭 俊泰
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-11-30)

本研究は、デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)及びデット・デット・スワップ(負債の劣後化)を中心とする不良債権処理スキーム、ないしは企業のリストラクチャリングのための法的手段につき、会社法、そして広く民事法的観点から考察を加え、その可能性と限界を明らかにしようとするものである。
著者
甲斐 素直
出版者
日本大学
雑誌
法学紀要 (ISSN:02870665)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.9-36, 2013-03-01
著者
田中 ゆかり
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

首都圏方言を中心に「気づき」の程度と言語変化というテーマから研究を進めてきた。「気づき」と「言語変化」の関係には、次の4パターンを想定し、それぞれのパターンによる特性を検討したいと考えた。(A)「気づきやすく変化しやすい」/(B)「気づきやすく変化しにくい」(C)「気づきにくく変化しやすい」/(D)「気づきにくく変化しにくい」(A)のケース・スタディとして、東京首都圏生育者の「関西弁」受容や、ケータイ・メイルなどに特徴的に現れる「母方言」「ジモ方言」「ニセ方言」などをとりあげた。また、(C)のケース・スタディとしては、従来(D)と考えられてきたアクセント事象を取り上げた。とりわけ、意識しにくいアクセント事象として形容詞活用形アクセント型を取り上げた。イントネーション事象として、形容詞活用形アクセント型変化とも一部連動する「とびはねイントネーション」をとりあげた。これは、「気づきやすく変化しやすい」側面をもつ事象である。一連の研究により、語彙は「気づきやすく変わりやすい」、流行的あるいは文末イントネーションも「気づきやすく変わりやすい」ということが確認された。アクセントについても予想したように「気づきにくく変わりやすい」という側面を持つことは確認された。これは従来アクセントが「気づきにくく変わりにくい」とされていたこととは異なる。ただし、その「変わりやすさ」はある同一の体系内において、という条件がつくようである。この点は今後の課題としたい。
著者
田島 良一
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.A5-A18, 2003-03-15
著者
此経 啓助
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.A47-A63, 2005

神道が仏教に対抗する形で意識上にのぼり、思想化の試みが果敢に実行されたのは、近世に入ってからといわれる。人々の生活に密着した葬祭(葬儀・埋葬)に関してもさまざまな計画が生まれ、明治新政府の神道を柱にした宗教政策に大きな影響を与えた。しかし、何をもって「神葬祭」というのかは公に統一されないまま今日に至っている。この小論では、神道を意図した墳墓を「神道式墳墓」と仮定して、近世における大名・神職・儒家・国学者などによる「神道式墳墓」の計画・意図・実行をさぐり、資料化を計った。
著者
廣澤 文則
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
no.47, pp.5-20, 2008

映画が発明されて約百二十年経った。映画の発明には多くの科学者や技術者達の技術開発や努力のおかげであり、一朝一夕に出来上がったものではない。映画技術史を授業で教えるためには、映画技術に関する科学史・写真史等は必要不可欠であり、時には化学史や機械開発史まで必要となってくる。しかし、それぞれの名専門分野での詳しい開発史はあるが、映画技術史に関すると思われるものを専門家ではないが、広く浅く年表にまとめ資料化を計った。
著者
鈴木 薫 高瀬 浩一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

エタノールとシリコン基板の境界面に直流沿面放電を行い、陰極と基板間に挟んだ触媒金属メッシュの溶融とエタノールの熱分解によるカーボンナノチューブ(CNT)の析出で鉄やニッケル・銅・ステンレスを内包したCNTの生成に成功した。特にNi内包CNTは、直径D:5~80nm・長さL:50~800nmと直線でアスペクト比が10~20と高く、3~50層のグラフェンがNi棒の周りに析出したCNTが生成し、Niは面心立方構造の結晶性を有し格子定数は0.34nmであった。また、強磁性金属内包CNTを収束イオンビームにより針状タングステン先端に移植し、磁気力顕微鏡用の新規なプローブ作製に成功した。
著者
高橋 恭子
出版者
日本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

腸管のマスト細胞及び上皮細胞と腸内共生菌との相互作用の解析を行った。その結果、腸内共生菌がマスト細胞の最終分化過程に影響を及ぼすこと、腸管上皮細胞における菌体認識に関わる遺伝子の発現を調節することが明らかとなった。腸内共生菌によるマスト細胞及び腸管上皮細胞の機能の調節に関わるこれらの機構は、腸共生系の恒常性の破綻に起因する炎症反応を食品により制御するための有用なターゲットとなることが期待される。
著者
厳島 行雄
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

裁判等の証人は記憶を頼りに、自分の経験を語る。そのような記憶は再構成的であり、経験される出来事の記憶の正確さは、その出来事の後に触れる社会的情報によって大きく損なわれることが知られている。本研究ではそのような影響の基礎的研究を行い、情報が伝えられる媒体の違いによる効果、嘘をつくという行為による記憶への影響、耳撃証言の正確さを明らかにした。