3 0 0 0 OA 北限のケヤキ

著者
生方 正俊
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.55-59, 2006-06-01 (Released:2017-07-26)
著者
大田 伊久雄
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.88-98, 2011 (Released:2011-06-22)
参考文献数
15

1947年にJournal of Forestry誌に掲載されたリチャード・ヴァーネイ氏の論文「日本における林務官の地位」は, 終戦後間もないわが国の国有林野の現状を鋭く捉えている。そこで本論文では, ヴァーネイ論文の邦訳を中心に, そこから学び取れる問題点を考察した。彼の論文では, 林野行政における特権的高級官僚制度こそが最大の問題点であるとの指摘がなされているが, それはわが国の林野行政にとっては現代にも相通じる警鐘であった。
著者
北島 博
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.61-69, 2008 (Released:2008-10-15)
参考文献数
136
被引用文献数
1 1

カミキリムシ類の人工飼育技術に関して,供試虫の確保,成虫,卵,幼虫,蛹の各発育ステージごとの取り扱い,および発育の斉一化方法に分けてレビューした。幼虫の餌として,一般的には天然の餌および人工飼料が用いられる。人工飼料として,寄主植物の乾燥粉末が主成分である飼料と,脱脂大豆粉末,デンプン,スクロース,および小麦胚芽が主成分で,それに寄主植物を添加した飼料が多く用いられている。また,休眠打破のための低温処理や,蛹化を斉一化させるための最適な日長条件が考案されている。人工条件下で継代飼育を行うためには,飼育の目的,労力,および設備に合わせて幼虫の飼育方法を選択し,その上で飼育計画を策定する必要がある。
著者
張 涵泳 沖井 英里香 後藤 栄治 宮原 文彦 宮崎 潤二 前田 一 古澤 英生 宮里 学 吉田 茂二郎 白石 進
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.101, no.2, pp.88-93, 2019-04-01 (Released:2019-06-01)
参考文献数
31

九州の8地域に生息するマツノザイセンチュウの遺伝的多様性と遺伝的構造の解明を10個のEST遺伝子座の塩基配列多型を用いて行った。九州全域の遺伝子分化係数(GST)は0.53で,全遺伝子多様度(HT=0.63)の半分以上が地域集団間に存在し,集団間に大きな差異があった。8地域集団のHTは0.12~0.59であり,多様性に富んでいたのは,川内,新富,松浦,唐津(0.59,0.57,0.56,0.55)で,地域集団内におけるGST(0.43,0.35,0.25,0.25)も高く,被害木内集団(亜集団)間に大きな差違があった。一方,多様性が特に低いのは,天草,宮崎(0.12,0.18)で,そのGSTも小さく(0.01,0.02),亜集団間の違いは極めて小さかった。これらの2集団の形成には,ボトルネック/創始者効果が影響していることが示唆された。九州では地域集団が保有する多様性の二極化が進行していると思われる。
著者
後藤 秀章
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.479-485, 2009 (Released:2011-03-28)

日本産キクイムシ類の分類について、これまでの研究史を述べるとともに、キクイムシ類研究の基礎的資料として、日本産キクイムシ類の学名、および和名のリストを作成し、その中で5種について新たに和名を与えた。その結果日本産のキクイムシ類はキクイムシ科302種、ナガキクイムシ科18種が記録されていることがわかった。
著者
宮本 基杖
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.226-234, 2010 (Released:2010-10-05)
参考文献数
84
被引用文献数
3 2

本稿では, 熱帯の森林減少の原因に関する近年の研究動向を整理し, とくにこれまでおもな原因として検討されてきた焼畑・人口増加・貧困・道路建設について研究の進展を概括する。「人口増加と貧困を背景に焼畑が拡大して熱帯林が減少した」という広く普及した通説は, 約20年にわたる研究成果により見直しが進んだ。農地拡大がおもな原因であることに変わりはないが, 焼畑原因説は影をひそめ, 代わって商品作物や輸出用農産物の生産拡大の影響が重要視されている。人口増加と貧困の影響については, 多くの実証研究により検証がなされたものの, 賛否両論で議論が分かれている。道路建設の影響は多くの実証研究で裏付けられており, 道路建設が森林減少を加速する仕組みについては生産物の輸送コストの低下による熱帯奥地の土地収益性 (地代) の上昇が指摘される。地代と土地利用の関係を示すチューネン・モデルが森林減少の説明に有効な概念として近年注目されているが, 他の理論で補完すべき課題もある。
著者
加藤 顕 石井 弘明 榎木 勉 大澤 晃 小林 達明 梅木 清 佐々木 剛 松英 恵吾
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.168-181, 2014-06-01 (Released:2014-09-17)
参考文献数
176
被引用文献数
10 5

近年のレーザーリモートセンシング技術(LiDAR)の発展により,近距離レーザーを用いた森林構造の詳細なデータを迅速かつ正確に取得できるようになった。これまでは航空機レーザーによる研究が圧倒的に多かったが,地上・車載型の近距離レーザーセンサーが身近に利用可能となり,森林構造計測に利用され始めている。航空機レーザーデータから林分レベルでの平均樹高,単木の梢端,樹冠範囲,樹冠単位での単木判別,成層構造,経年的樹高成長を把握できる。一方,地上レーザーを用いることで,幹を主体とした現存量や正確な立木密度が把握できるようになった。これまで手が届かなく測定不可能であった樹冠を森林の内部から測定でき,人的測定誤差の少ない客観的なデータを取得できる。レーザーデータは森林の光・水環境の推定,森林動態の予測,森林保全などといった生態学的研究に応用されてきた。今後は,生理機能の定量化,森林動態の広域・長期モニタリング,森林保全における環境評価手法など,様々な分野での利用拡大が期待される。樹木の形状や林分の現存量を正確に計測できるだけでなく,様々な生態現象を数値的に把握できるようになることを大いに期待したい。
著者
国武 陽子 寺田 佐恵子 馬場 友希 宮下 直
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.217-220, 2010 (Released:2011-05-27)

アオキ(Aucuba japonica)の花粉媒介様式と主要な花粉媒介者を、網掛けによる訪花者の排除実験と訪花昆虫の観察から推定した。花序当たりの結果率は、花序に網(1mmまたは3mmメッシュ)を掛けて昆虫の接触を制限すると、無処理区に比べて著しく低下したが、網を掛けて人工授粉を施すと無処理区との差はみられなかった。また、1mmと3mmメッシュの網では、網掛けの効果に有意な差はみられなかった。以上の結果より、アオキの種子生産は主に虫媒依存であることが示唆された。次に訪花昆虫の同定と体サイズの測定より、花粉媒介者は、ジョウカイボンおよびゾウムシなどのコウチュウ目や、クロバネキノコバエなどの長角亜目であることが推測された。花粉媒介はこれらの昆虫の機会的な訪花に依存していると考えられる。
著者
後藤 義明
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.14-21, 1998-10-01 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1
著者
知念 良之 芝 正己
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.266-271, 2019-12-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
18

沖縄県における一般的な住宅構造は,鉄筋コンクリート造であったが,近年は戸建を中心に木造率が増加傾向にあり,1990年代以降は県外産プレカット材を移入する動きが報告されてきた。2015~2016年に,二つのプレカット工場が経済特区へ進出すると,木造建築はさらに活発化した。本研究では,関連事業者に対して,進出の動機や活動実態,県外出荷に係る公的助成制度の利用についてインタビュー調査を行い,沖縄県における木造住宅の拡大とプレカット工場の関係を明らかにした。プレカット工場の進出は,県内の木造需要増加への対応と遠隔地特有の流通に不利な条件を緩和する目的があった。供給する住宅には,主に人工乾燥材または集成材が使用されており,台風対策や耐震性の向上が図られていた。工場には,公的助成制度を利用して県外にも出荷するものと県内専売のものがあり,使用する主な原材料や工場の立地選択に違いがみられた。一方,県内における木材産業に対する認知度の低さや木造関連技術者の少なさから,住宅生産が制限されていた。また,ボイラー燃料需要がなく,産業廃棄物として排出されるオガ粉や端材の処理費用の負担が大きい課題があった。
著者
山口 浩和 猪俣 雄太 伊藤 崇之
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.416, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)

ショックレスハンマーは打撃時の反動が少なく、また打撃力を効果的に伝達する特性から、クサビ打ち作業における作業者への身体的負担の低減と作業能率の向上が期待される。そこで、一般的に伐倒作業時に用いられているヨキと、ほぼ同じ長さのショックレスハンマーを用いて、クサビ打ち作業を模した打撃試験を行い、それぞれの器具の作業者への衝撃緩和効果と打ち込み効率を比較した。その結果、それぞれの道具を使って同じ仕事をした時に手元に伝わる振動加速度は、ヨキの方がショックレスハンマーよりも1.4倍程度大きく、持ち手が受ける反力は2倍程度大きかった。一方、同じ仕事をした時に加えた運動エネルギーの大きさは、ヨキの方がショックレスハンマーよりも1.7倍程度大きかった。これらの結果から、クサビ打ち込み作業において作業者がショックレスハンマーを使用することにより、腕への衝撃を和らげつつ、打ち込み回数を減少させることができる可能性があることが明らかとなった。
著者
鈴木 重雄
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.11-14, 2010-02-01 (Released:2017-07-07)
被引用文献数
4
著者
清野 嘉之
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.6, pp.310-315, 2010 (Released:2011-02-16)
参考文献数
33
被引用文献数
2

スギ花粉に関する文献をレビューし, スギ林の花粉生産量を削減するためにどのような森林管理を行ったら良いか, 長期的な予測のもとに森林経営者のための指針 (案) を作成した。都府県を単位とすると, 土地面積当たりの花粉生産量の多い都府県でスギ花粉症有病率が高い傾向があることから, 花粉症対策のための森林管理の目標はスギ林面積の削減ではなく, 花粉生産量の多いスギの削減とするのが合理的である。間伐や枝打ちに大きな花粉生産量削減効果は期待できない。モデルの予測結果によると, スギ林の伐期短縮やスギ花粉を生産しない樹種への転換には大きな削減効果を期待できる。気候変化シナリオが予測する21世紀の夏の気温上昇と, 気候変化を緩和するための国策の一つとして全国的に実施されている人工林間伐の影響とにより, 花粉生産量が1割程度増加する可能性が指摘されている。この増分の削減は, 気候変化による悪影響への対策の目標になる。増分対策としてはスギ林の皆伐が有効であり, 皆伐を増やすことにより増分の相殺時期を早められる。また, 花粉生産量の多いスギ林を優先的に皆伐し, 花粉生産量の多いスギの再造林を減らすことによっても時期を早められる。
著者
中越 信和 頭山 昌郁
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.8-13, 1998-10-01 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1