著者
山田 明義 小林 久泰
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.41-42, 2008
参考文献数
16
著者
升屋 勇人 菊地 泰生 佐橋 憲生
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.153-157, 2015-06-01 (Released:2015-08-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

サクラてんぐ巣病菌 Taphrina wiesneri はソメイヨシノをはじめとするサクラ類に大きな被害を及ぼしている。本菌の全ゲノム解読と近縁な 3 種 (モモ縮葉病菌, スモモふくろみ病菌, ポプラ葉ぶくれ病菌) との比較ゲノム解析の結果, Taphrina 属菌のゲノムは 4 種の間で, ゲノムサイズ, 遺伝子数, 遺伝子の種類の点で類似していることがわかった。同時に, 4 種の菌はそれぞれの宿主に適応し寄生を成立させるような, 染色体重複による寄生性関連遺伝子数の増加や, 遺伝子水平転移による新たな遺伝子の獲得などが起こっており, これらの違いが各宿主への寄生成立や病徴の違いに関与していることが示唆された。さらに, オーキシン, サイトカイニン, アブシジン酸など, 多くの植物ホルモンの合成にかかわる遺伝子が同定できた。本病原菌が宿主植物体内でこれらの植物ホルモンを生産し宿主のホルモンバランスが乱れることが, 奇形誘導に深く関与していると考えられた。今後, 得られたゲノム情報を活用した病原菌の生理生態の解明とそれに基づく生態的防除法や, 病原菌の生存に関わる特定の遺伝子をターゲットにした農薬の開発が可能になってくると予想される。
著者
小林 正秀 上田 明良
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.435-450, 2005-10-01 (Released:2008-05-22)
参考文献数
188
被引用文献数
39 48 21

カシノナガキクイムシの穿入を受けたブナ科樹木が枯死する被害が各地で拡大している。本被害に関する知見を整理し,被害発生要因について論じた。枯死木から優占的に分離されるRaffaelea quercivoraが病原菌であり,カシノナガキクイムシが病原菌のベクターである。カシノナガキクイムシの穿入を受けた樹木が枯死するのは,マスアタックによって樹体内に大量に持ち込まれた病原菌が,カシノナガキクイムシの孔道構築に伴って辺材部に蔓延し,通水機能を失った変色域が拡大するためである。未交尾雄が発散する集合フェロモンによって生じるマスアタックは,カシノナガキクイムシの個体数密度が高い場合に生じやすい。カシノナガキクイムシは,繁殖容積が大きく含水率が低下しにくい大径木や繁殖を阻害する樹液流出量が少ない倒木を好み,このような好適な寄主の存在が個体数密度を上昇させている。被害実態調査の結果,大径木が多い場所で,風倒木や伐倒木の発生後に最初の被害が発生した事例が多数確認されている。これらのことから,薪炭林の放置によって大径木が広範囲で増加しており,このような状況下で風倒木や伐倒木を繁殖源として個体数密度が急上昇したカシノナガキクイムシが生立木に穿入することで被害が発生していることが示唆された。
著者
梶 光一
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.28-34, 2003-10-01 (Released:2019-03-20)
被引用文献数
1
著者
塚田 森生
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.348-355, 2008 (Released:2009-01-20)
参考文献数
55
被引用文献数
1

シカの個体群密度が数百年にわたって高密度で維持されている奈良公園では,植生の単純化によりカメムシ目の植食性昆虫トサカグンバイの寄主植物が事実上アセビしかない。このため,通常はアセビおよびネジキの2種の寄主植物間で季節的な寄主転換を行う本種が,奈良公園では寄主転換を行わない。長期間にわたるこのような生活環の違いがどのような遺伝的な変化をもたらしているのかを実験的に調べた。同じ条件下で羽化させた場合でも,寄主転換する京都個体群の個体は奈良個体群の個体より産卵数が少ない傾向があった。どちらの個体群の虫にとっても,ネジキはアセビよりもはるかに多い産卵数を達成できる質の良い寄主であったが,通常ネジキを利用している京都の虫にこの傾向がやや強かった。同じ条件で飼育したあとでも,京都の虫は奈良の虫と比較して,ネジキを強く選好する傾向がみられた。寄主転換を行う場合,特に寄主間の移動を行う世代で相対的な翅長が長くなることから,産卵数の減少はそれにともなうコストと考えられた。
著者
今城 香代子 江崎 功二郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.95, no.6, pp.312-314, 2013-12-01 (Released:2014-03-03)
参考文献数
19

我々は, 樹幹表面に分布するカシノナガキクイムシ (以下, カシナガ) の穿入孔を濡らしたタオルでカバーするだけで, カシナガの成虫を捕獲できることを明らかにした。2012年10∼12月の間, カシナガの穿入木3本の地際部にタオルを設置したところ, 日当り平均13.3頭/m2の成虫が継続して捕獲された。カシナガの坑道が穿入孔からタオル内部に延長され, タオルの回収によってそこに滞在する成虫が捕獲された。成虫の性比は著しくオスに偏り, 12月に捕獲されたオス成虫のうち, 親は24.0%であった。冬前にオス親を除去することで繁殖成功度を下げる効果が期待される。
著者
伊東 宏樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.172-175, 2017-08-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

ナラ枯れ跡地の更新に対するニホンジカの影響を明らかにするため,京都市内のナラ枯れ跡ギャップ内に設置された防鹿柵と,その外のギャップ内とで更新状況を比較した。樹高1.3m 以上にまで成長していた更新木としては,防鹿柵内ではカラスザンショウ・アカメガシワ・アラカシ・ウワミズザクラなど14種が確認された。一方,柵外で1.3m 以上にまで成長していたのは,シカの不嗜好性樹種であるナンキンハゼおよびクロバイのみであった。また,樹高1.3m 未満の下層木については,防鹿柵内では,ニガイチゴ・イヌシデなど34種が更新していた。柵外では7種が確認されたが,樹高10cm を超えるものはなかった。ただし,柵外でもヒサカキなどの新規の実生は認められた。これらの結果から,シカの採食圧下にあるナラ枯れ跡では,特定の少数の樹種のみが更新する場合があることが示唆された。
著者
山中 聡
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.26-27, 2019-02-01 (Released:2019-03-13)
参考文献数
3
著者
榎木 勉 村田 秀介 内海 泰弘
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.198-201, 2020-06-01 (Released:2020-09-16)
参考文献数
26

2015年5月に九州大学北海道演習林内のカラマツ人工林に発生した山火事跡地において,焼失したミヤコザサの回復過程と,林床における木本および草本植物の更新動態を調査した。2015年7月,山火事跡地(山火事区)において山火事後に回復したミヤコザサの被度,稈高,バイオマスは,隣接する非焼失地(対照区)のそれぞれ83,70,38%であった。2016年7月,2017年7月とも山火事区のミヤコザサの被度,稈高,バイオマスは対照区と有意な差がなかった。2016年に山火事区の林床に出現した草本・木本の種数は対照区の2倍近くあった。出現種数は2017年も同様であったが種組成は変化した。山火事区と対照区の群集の違いをPERMANOVAにより検定した結果,山火事区では山火事発生後に対照区と異なる組成の植物群集が形成され,その後2年間は維持されたと考えられた。
著者
關 義和 小金澤 正昭
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.241-246, 2010 (Released:2010-12-14)
参考文献数
33
被引用文献数
8 5

栃木県奥日光地域では, ミミズ類の現存量は防鹿柵内のササ型林床よりも柵外のシロヨメナ型林床において多いことが報告されている。本研究では, 柵外のミミズ類の増加要因について明らかにするために, ササとシロヨメナの地上部現存量とミミズ類との関係について調査を行った。表層性のミミズ類の個体数および現存量とシロヨメナの現存量との間には有意な正の相関が認められ, シロヨメナの現存量が増加してもA0層の深さの増加はみられなかった。これらのことと, 表層性のミミズ類は表層でリターを摂食することが報告されていることから, 表層種にとってのシロヨメナの嗜好性は高いと考えられる。一方, ササ型林床では, 1コドラートで1個体が採集されたのみで, ササの現存量が増加するにつれてA0層の深さは有意に増加した。これらの結果は, 表層種にとってササは餌資源として不適である可能性を示唆する。奥日光地域の柵外では, シカの食害によりササ類が全面枯死し, いまではシロヨメナが群生している。以上のことから, 本地域の柵外におけるミミズ類増加の主要因は, シカによりササ類が消失し, シロヨメナが増加したことであると結論した。
著者
益守 眞也 野川 憲夫 杉浦 心 丹下 健
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.51-56, 2014-02-01 (Released:2015-04-07)
参考文献数
6
被引用文献数
13

東京電力福島第一原子力発電所事故翌年の2012年と2013年に,福島県南相馬市の森林において,林木に含まれる放射性セシウムの分布を調べた。放射性セシウムの大部分は枝葉と樹皮に検出されたが,個体や個体内の部位によって大きな濃度差があった。スギでは幹木部でも放射性セシウム濃度が 1 Bq/g を超える試料もあった。とくに高い位置の幹木部では辺材より心材に高濃度で分布していた。事故時に根系から切り離されていた幹の木部にも含まれていたことなどから,幹木部の放射性セシウムは経根吸収したものではなく枝葉などで吸収され移行したものと推察した。
著者
野口 英之 ソウザ カシルダ アデリア サンパイオ シルバ ホジアニ オリベイラ オウリケ ルーカス 諏訪 錬平 梶本 卓也 石塚 森吉 ピント アルペルト カルロス マーティンス リマ アドリアーノ ジョゼ ノゲイラ サントス ジョアキン ヒグチ ニーロ
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

細根は森林の炭素循環の重要な構成要素であるが、その動態を測定する各種の手法には、微環境の改変や測定値の信頼性、機材の価格等、それぞれに問題点がある。とくにアマゾン等の熱帯地域では細根の成長・枯死・分解のサイクルも早いと考えられるため、環境条件に応じた適切な測定方法の検討が不可欠である。本研究では、ブラジル・マナウス近郊の熱帯林において、砂質土壌が分布する斜面下部と、粘土質の土壌が分布する斜面上部で、フラットベッド・スキャナを用いて直径2 mm未満の細根の成長と枯死の動態を測定した。イングロースコアを用いた細根成長量の測定も併せて実施し、結果を比較した。また地形単位ごとに土壌含水率の変動も測定し、細根の動態との関係を検討した。スキャナによる測定では、とくに多雨期に斜面下部で活発な成長と枯死が観察されていたが、斜面上部では成長・枯死のサイクルは非常に緩慢であった。一方、イングロースコアによる測定では、斜面下部と上部で1年間の細根生長量にほとんど差がなかった。後者では埋設期間中の枯死分を測定できず、とくに斜面下部ではかなりの過小評価になっていた可能性が高い。
著者
升屋 勇人 山岡 裕一
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.433-445, 2009 (Released:2011-03-28)

菌類が関連していないキクイムシは存在しない。キクイムシ関連菌の中には子嚢菌類や担子菌類といった非常に多様な菌類が含まれる。その中で経済的、生態的重要性からオフィオストマキン科、クワイカビ科の菌類に関する研究が進んできた。アンブロシア菌は養菌性キクイムシと絶対的共生関係にあるが、系統的に異系のグループであることが近年になって判明してきた。またオフィオストマキン科、クワイカビ科にそれぞれ近縁であることも明らかになってきた。両科は樹皮下穿孔性キクイムシの主要な随伴菌としても知られ、直接的、間接的にさまざまな共生関係を樹皮下キクイムシと結んでいる。キクイムシは進化の過程で養菌性を複数回進化させてきたが、菌類は自身の系統とは無関係にキクイムシと共生関係を結んできたと考えられる。そして結果的に、キクイムシ随伴菌はキクイムシの主要栄養源として機能する絶対的共生関係から、宿主樹木に対する病原力をもってキクイムシの繁殖戦略に貢献する共生関係まで、非常にさまざまな関係を結ぶことになったと考えられる。
著者
江藤 寛子 佐々木 ノピア
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.88-92, 2010
被引用文献数
4

近年, 温室効果ガス削減対策の一つとして, 再生可能エネルギーであるバイオマスの利用が注目されている。本稿では, 木質バイオマス利用による発電に着目し, 発電量が堅調に増加傾向である欧州各国 (ドイツ・スウェーデン・オーストリア・イタリア) における, 再生可能エネルギー政策に関する分析を行い, 木質バイオマス利用促進のために, 日本が導入するべき政策の検討を行うことを目的としている。分析の結果, 欧州各国の共通する政策として, 電力市場の全面自由化, 再生可能エネルギー利用による電力を優遇固定価格で買い取る制度, 優遇税制措置が導入されており, 木質バイオマス発電量が増加している。一方, 日本においては, 欧州と比較して, 木質バイオマス利用における促進政策が十分ではなく, 木質バイオマス発電が普及していないと考えられるため, 実質的な優遇制度の導入が必要であると考える。
著者
鶴田 燃海 王 成 加藤 珠理 向井 譲
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.210-213, 2017-10-01 (Released:2017-12-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1

‘染井吉野’ は日本で最も親しまれているサクラの品種で,エドヒガンとオオシマザクラとの雑種といわれている。本研究はエドヒガン,オオシマザクラそれぞれ3 集団で ‘染井吉野’ の連鎖地図に座乗するSSR マーカー 27 座の遺伝子型を決定し,この野生種における対立遺伝子頻度を基に ‘染井吉野’ のそれぞれの対立遺伝子の起源を推定した。54 個の ‘染井吉野’ 対立遺伝子のうち,44.4% がエドヒガン由来,33.3% がオオシマザクラ由来と推定された。残りの22.2% は,どちらの種でも頻繁にみられるまたは両種ともに稀な対立遺伝子のため,由来は不明とした。染色体ごとにみると,複数の染色体でエドヒガンとオオシマザクラに由来する領域とが混在していた。この結果は, ‘染井吉野’ の染色体が乗り換えを経て形成されたことを意味し, ‘染井吉野’ が1回の種間交雑による雑種ではなく,より複雑な交雑に由来することが示唆された。
著者
近藤 崇 水谷 瑞希 肘井 直樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第130回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.679, 2019-05-27 (Released:2019-05-13)

森林生態系において樹洞は鳥類、哺乳類、昆虫類などの多様な生物に利用される環境であるが、針葉樹人工林は一般に広葉樹林と比較して樹洞が少ない森林である。そこで樹洞営巣性であるシジュウカラ科鳥類(カラ類)を対象に人工林において樹洞の代替環境として巣箱を設置した結果、カラ類に加えて、様々な森林生物による巣箱の利用がみられた。本発表では、巣箱の利用状況から、人工林における樹洞代替環境の提供が人工林内の生物相に与える影響について検討した。愛知県豊田市にある名古屋大学稲武フィールドの55年生スギ人工林において、2011年に20個、2012年~2016年に約60個の木製巣箱(底面15×16 cm、高さ20 cm、巣穴直径3 cm)を、長さ1.5 mのポールに取り付けて地面に固定した。各年の4月から8月上旬ごろまで週に2、3回、すべての巣箱の見回りを行った。その結果、カラ類のほか、ネズミ類やヤマネによる休息場所としての利用や、アオダイショウやテンによる捕食場所としての利用、ハチ類による営巣場所としての利用等がみられた。人工林における巣箱の提供は、様々な樹洞利用生物に対して生息地としての質を向上させることが示唆された。
著者
野宮 治人 山川 博美 重永 英年 伊藤 哲 平田 令子 園田 清隆
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.139-144, 2019-08-01 (Released:2019-10-24)
参考文献数
25
被引用文献数
4

シカ食害を潜在的に受けやすい高さの範囲と,それに与える斜面傾斜の影響を明らかにする目的で,苗高160 cmを超えるスギ大苗を植栽して1年間のシカによる枝葉採食の痕跡(食害痕)の高さを測定し,スギ植栽位置の斜面傾斜を5゜間隔で区分して比較した。斜面傾斜が急なほど食害率は低く食害痕数は少なくなる傾向がみられた。斜面傾斜が5゜以下の平坦地では高さ75~110 cmの範囲に食害痕の67.4%が集中し,食害高の中央値は96 cmであった。食害高は斜面傾斜が15゜を超えると高くなり始め,35゜を超えると食害高は平坦地に比べて40 cm以上高くなった。また,30゜を超える急傾斜地の食害痕は81~100%が樹冠の斜面上側に分布していた。以上の結果から,斜面傾斜の影響がない状態で食害痕が集中した1 m前後(75~110 cm)の高さは食害リスクが潜在的に高く,スギ樹高がこの高さより低い場合には主軸先端が最も食害を受けやすいと示唆された。スギ大苗の主軸先端への食害を回避するためには,緩傾斜地では110 cm以上の大苗,斜面傾斜が35゜を超えると少なくとも140 cm以上の大苗が必要だといえる。