著者
田勢 長一郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.264-271, 2005 (Released:2005-05-27)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

麻酔科医にとり挿管困難症例は避けては通れない重大な問題である. 挿管困難症に対しては種々の方法が考案されているが, このなかで気管支ファイバースコープ (BF) をガイドにして気管挿管を行う方法は, 使用法に慣れれば合併症が少なく, 短時間ででき, 最も成功率が高い. 経口あるいは経鼻挿管が可能なすべての挿管困難症例に適応があると思われる. BFによる気管挿管は安全かつ確実な方法であるため, 麻酔を専門とするすべての医師にとり必須の技術であり, 熟練していなければならない.
著者
鮫島 達夫 奥村 正紀 濱田 文仁 大西 良 三野原 義光
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.393-403, 2020-07-15 (Released:2020-08-27)
参考文献数
17

電気痙攣療法(electroconvulsive therapy:以下ECT)は,うつ病,統合失調症などで,自殺が差し迫っている症例などで,早急な改善が望まれる場合の唯一無二の方法である.安全性の観点から,麻酔薬,筋弛緩薬を使用する修正型ECT(modified-ECT)が行われている.m-ECTは,一般病院を中心に行われてきたが,最近では精神科病院でも行われる.平成30(2018)年度より,ECTの麻酔管理料の加算が行われるようになった.麻酔科医によるECTの有害事象への対応やハイリスク症例への対応が求められている.今後安全性をより高めるために,精神科と麻酔科,精神科病院と一般病院の医療連携が望まれる.
著者
佐久間 絢 上田 朝美 池田 敏明 玉井 謙次 高橋 宏行 佐藤 智行
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.323-327, 2022-07-15 (Released:2022-08-27)
参考文献数
12

心臓外科手術の術中・術後に急性硬膜下血腫を発症した3症例を経験した.発症要因として,既報で論じられているヘパリン化や凝固能異常,マンニトールによる脳容積減少に加えて,術中の手技も発症の一要因としてなり得たのではないかと考察した.今回経験した1症例では,術中のBIS値の急激な低下が早期診断の一助となったが,心臓外科手術後の脳神経障害は,術中や術後の鎮静薬,鎮痛薬の影響で早期発見が困難である場合が多い.人工心肺を用いた心臓外科手術では特に高齢者において急性硬膜下血腫が発症し得ることを念頭に置き,術中に頭部に加わる外力を最小限にすることや,術後に定期的な中枢神経評価を行うことが重要である.

3 0 0 0 OA 麻酔薬と記憶

著者
和泉 幸俊
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.191-202, 2008 (Released:2008-04-16)
参考文献数
48

術中覚醒とは術中に意識が回復する事態だが, 術後記憶が保持されれば外傷後ストレス障害に帰着しうる. よって術中覚醒について論じる場合, 使用される麻酔薬の記憶に対する薬理作用が明らかにされなければならない. 記憶の実験的モデルである海馬の長期増強 (LTP) の誘導を後からの投与で阻止するものとしては代謝性グルタミン酸受容体の拮抗薬があるが, 術中覚醒時の使用が論議されるベンゾジアゼピンよりも, 術中覚醒後の記憶形成の阻止には有用かもしれない.
著者
笹野 寛 水落 雄一朗 伊藤 彰師 薊 隆文 藤田 義人 祖父江 和哉
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.375-384, 2011 (Released:2011-06-28)
参考文献数
7

硬膜外カテーテル挿入を超音波ガイド下に行うと,穿刺予定の硬膜外腔がある椎弓間隙の位置に合わせて,皮膚刺入点,穿刺方向,深さを決めることができる.これらの利点により,穿刺の安全性の向上,患者の快適性の向上,穿刺にかかる時間の短縮などを期待できる.2008年1月に英国のNICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)が超音波ガイド下硬膜外カテーテル挿入に関するガイダンスを発表し,挿入困難が想定される状況下では有用であるかもしれないと述べている.本稿では,2008年5月より導入した,われわれの施設における18ヵ月の経験をもとに,傍正中斜矢状面像を用いた超音波ガイド下硬膜外カテーテル挿入法のピットフォール,今後の課題について述べる.
著者
鈴木 昭広 寺尾 基
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.151-158, 2007 (Released:2007-03-30)
参考文献数
11
被引用文献数
6 5

エアウェイスコープ® (AWS) はCCDカメラとLCDモニターを内蔵するビデオ硬性喉頭鏡で, 付属のディスポーザブルブレードとともに用いる新しい気管挿管器具である. 舌などの軟部組織に対して最小の外力で声門にアプローチでき, モニター画像で声門を詳細に観察できる. マッキントッシュ型とは異なるアプローチ方法のため, AWSを用いた際の喉頭所見はすべてCormack分類でgrade I 相当となる. さらに, ブレードには気管チューブガイド用の溝があり, チューブは気管軸に対して平行に進む. その際, モニター上にはガイド溝を経由したチューブの予想進行方向を示すターゲットマークが表示されるため, 施行者は声門をマークに合わせるように操作すれば容易に気管挿管を行うことができる. 初心者の気管挿管から熟達者の挿管困難症例への使用まで応用範囲は幅広く, 気管挿管の新しい時代を開くだけの潜在能力をもつと期待される. われわれは2006年7月の発売開始後より毎月50例程度, 4ヵ月でのべ200例の挿管症例を重ねたので, これまでに得られた知見をもとに, 本稿でその使用の実際について紹介する.
著者
入駒 慎吾 小久保 荘太郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.757-764, 2008-09-12 (Released:2008-10-17)
参考文献数
7

周産期医療を取り巻く環境は, 最近大きく変化している. さまざまな報道により, 国民の間にも周産期救急医療の重要性が認識され始めた. このことは周産期医療の集約化を後押しする力となり, われわれ麻酔科医は周産期救急医療に一層貢献できるようになる. 周産期救急は大きく母体救急と胎児救急とに分けられる. 母体救急には大出血への対応, 痙攣あるいは塞栓等があり, 胎児救急には超緊急帝王切開術等がある. 大出血への対応力や麻酔導入の迅速性は, まさに麻酔科医の得意とするところであろう. しかし, 麻酔科医が帝王切開術の麻酔管理を行っているのは全体の30%にも満たない現状がある. まずはここから変えていかねばならないと考える.

3 0 0 0 OA 覚醒時興奮

著者
金谷 明浩 亀山 良亘 山内 正憲 蔵谷 紀文
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.739-744, 2014 (Released:2014-10-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

小児の覚醒時興奮は自傷行為のリスク,看護スタッフの負担,両親の満足度を低下させるなど,術後の大きな問題の一つである.リスク因子には年齢,術前不安,性格,痛み,麻酔方法,術式がある.麻酔方法は重要で,血液/ガス分配係数の小さいセボフルランやデスフルランは広く使用されているが,小児の覚醒時興奮の原因として注目されている.予防・治療にはオピオイド,ミダゾラム,ケタミン,α2受容体作動性鎮静薬,非ステロイド性抗炎症薬などの周術期投与が有効とされている.プロポフォールによる麻酔維持も予防に有効である.小児では覚醒時興奮が生じにくい麻酔方法を選択するべきで,発生した場合は適切に治療を行わなければならない.
著者
長嶺 嘉通 村山 裕美 大木 浩
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.441-448, 2020-09-15 (Released:2020-10-31)
参考文献数
14

近年麻酔科医不足が深刻な問題となっている.それに対し,特定行為研修制度等により周術期チーム医療がさらに推進された.今回われわれは周術期業務の質の向上を目的として,鹿児島県域麻酔科関連20施設の麻酔科部長を対象に周術期業務に関する「現状」と「今後の期待」についてアンケートを行った.その結果,周術期業務の47%において麻酔科医以外のメディカルスタッフへの業務移譲が期待されていた.麻酔行為の補助を行う看護師の育成と普及には時間がかかる.そのためまずは一般看護師やメディカルクラークでも実施可能と考えられる術前・術後の管理業務から,タスクシフティングを促進すべきである.
著者
上嶋 浩順
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.282-286, 2019-05-15 (Released:2019-06-19)
参考文献数
23

声門上器具である「ラリンジアルマスク」の登場から約40年が経過した.ビデオ喉頭鏡などのさまざまな気道確保器具が登場しても,声門上器具の最も迅速に気道確保できる利点は現在においても変わりない.英国の手術室,救急室,集中治療室での1年間の麻酔中に発生した合併症を検討した「NAP4 study」の報告以降,誤嚥をできる限り予防する目的にて胃管アクセスが装備されている「第2世代」の声門上器具が推奨されている.手術室以外での気道確保においても声門上器具は迅速に気道確保できる器具として有効である.今後は内視鏡室を含めた手術室外での気道確保にも声門上器具の使用が望まれており,用途に合わせた声門上器具が開発されている.声門上器具は気道確保を行うための重要な器具として今後も進化を続けなければならない.
著者
鈴木 隆雄
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.629-636, 2011 (Released:2011-08-15)
参考文献数
1

イラク,アフガニスタンともに紛争地であるが,医療事情は大きく異なる.イラクは1991年から2004年まで国連の経済制裁下に置かれていたが,人的資源では自立再生可能な範囲にあり,2003年のイラク戦争後の経済回復で医療機器が充実し医療事情も驚くほど向上している.アフガニスタンは1979年のソ連軍侵攻以来,現在に至るまで経済が麻痺し,社会的インフラも大きく破壊されたため自立再生に向けた人的資源も不十分である.  両国とも紛争地のため戦傷外科麻酔が行われる.戦傷外科麻酔は麻酔の基本についてだけでなく,術後管理,栄養管理等の周辺領域においても原点を考えさせられる分野である.
著者
田中 義文
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.570-579, 2011 (Released:2011-08-15)
参考文献数
6

体表心電図はアイントーベン(Einthoven),ウイルソン(Wilson)の発見したベクトル手法で説明される記述が多い.しかし,この考えに固執するとST変化やT波の異常を説明できない.本稿は,心電図測定の基本原理に戻って,心内膜側細胞内電位と心外膜側細胞内電位との電位差が各種の異常心電図をもたらすことを解説する.
著者
井上 莊一郎 平 幸輝 瀬尾 憲正
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.676-682, 2010 (Released:2010-10-28)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

経静脈的自己調節鎮痛法(intravenous patient-controlled analgesia:IV-PCA)は,投与経路の確立が容易で硬膜外鎮痛が適応とならない症例にも用いることができる利点がある.しかし,硬膜外鎮痛と比較すると,体動時の鎮痛効果が劣ること,呼吸器合併症の頻度が高いこと,消化管運動機能の回復が遅いことが欠点である.また,オピオイドのIV-PCAだけで鎮痛を得ようとすると,オピオイドの副作用によって術後回復が妨げられることもある.そこで,IV-PCAを用いる際には,ほかの鎮痛法と組み合わせたmultimodal analgesiaによって,オピオイドの弊害を回避しながら鎮痛効果を高める工夫をする方がよい.また,IV-PCAの適応とならない症例があることにも留意する必要がある.
著者
辛島 大士
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.389-397, 2006 (Released:2006-07-26)
参考文献数
5

出張麻酔を生涯の職業として開業する場合, 麻酔科医としての独自性, 身分, 誇りの確保は無視できない最重要事項である. 周術期グループ医療の中で, 麻酔科医が外科医の補助ではなく, 麻酔科医として主体性をもった対等の立場で責任ある医療を患者に提供する唯一の手段は, 保険医療機関開設による 「対診型出張麻酔」 の選択にある.   本稿では, 対診型出張麻酔の現状を辛島クリニックの実例で紹介し, 出張麻酔開業を選択する場合の麻酔科医の生き方, 職業意識について私見を述べる. さらに, 対診型出張麻酔の将来像として著者が提唱している 「センター麻酔科医療機関構想」 について解説する.
著者
齋藤 繁
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.573-581, 2012 (Released:2012-10-11)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

アドレナリンやエフェドリンは,日本人が抽出,精製したものとして知られているが,その化学的労務を担当した技術者 上中啓三の名を知る人はほとんどいない.上中は日本薬学の祖として知られる長井長義の門下生で,長井流の化学薬学技術を習得した後,単身米国に渡る.そこで,高峰譲吉の助手となり,アドレナリンの結晶化に成功する.その後,アドレナリンの量産やタカジアスターゼ,ベークライトなどの生産技術向上に尽力する.上中のアドレナリン精製法は比較的単純であるが,細かい配慮がなされており,化学的,薬学的に大いに示唆に富んでいる.また,当時の研究環境や上中の名が世に知られなかった社会的背景は大変興味深い.
著者
山口 厚
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.869-879, 2009-11-13 (Released:2009-12-17)
参考文献数
2

刑事法領域で医療従事者にとって最も身近な話題である刑法の考え方, とりわけ過失犯の考え方について述べた. 刑罰の基本は犯罪を予防し, 私達の利益を保護することにあり, 故意犯処罰が原則である. 例外的に故意のない行為でも, 処罰の対象となるものが過失犯である. 故意犯では犯人に明確な意思があるが, 過失犯にはそのような意思がみられず, そのため本質的に処罰範囲が広くなる傾向がある. したがって, 過失犯の範囲を, いかにどのような形で限定するかが過失犯の基本的な問題となり, その中で特に重要なものとして信頼の原則がある. これに付随してチーム医療の場面での監督過失にもふれた. これからの医療現場において参考にしていただけたらと思う.
著者
白神 麻依子 林 行雄
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.428-437, 2012 (Released:2012-07-05)
参考文献数
7

抗不整脈薬の作用機序はイオンチャネルおよびβ受容体にある.Vaughan Williams分類はその点を単純に分類し,優れた抗不整脈薬の分類法であるが,抗不整脈薬の中にはこの分類法では不十分なものが現われ新たな分類法が模索された.その結果生まれたのが,Sicilian Gambitである.Sicilian Gambitは抗不整脈薬の単なる分類にとどまらず,不整脈の発生機序からその治療法の考え方,さらには抗不整脈薬に伴う副作用の留意点を示したもので,抗不整脈薬の臨床使用において大いに参考になる.
著者
前田 倫
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.654-660, 2017-09-15 (Released:2017-10-20)
参考文献数
7

区域麻酔・神経ブロック時の抗血栓療法(抗凝固薬・抗血小板薬)の休薬は,血栓予防には短期間が望ましいが,出血・血腫予防には十分な休薬が望ましい.この相反する問題解決のために2016年12月,日本ペインクリニック学会・日本麻酔科学会・日本区域麻酔学会が共同で,抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックの日本版ガイドラインを作成した.手技と出血性素因により,高・中・低リスク群に分類した上で,各薬剤の休薬期間を設定しているが,休薬による血栓形成より出血予防を優先している.合併症が極めてまれであるため,DOAC(direct oral anticoagulant)も含めエビデンスに乏しいが,抗血栓療法の休薬基準がない本邦の現状から脱する一つの道標としての意義があり継続的な内容改訂が望まれる.
著者
早崎 史朗 三浦 実 有賀 友則
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.480-489, 2008-04-28
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

  エホバの証人は命を大切にしており, 命を長らえるために, 道理にかなった取り組みを積極的に行う. そのため, 良質の医療を求め, ほとんどの医療処置を受け入れる. しかし, 聖書に基づく宗教上の理由から, 同種血輸血は受け入れず, 無輸血で行われる代替療法を求めている. その立場が医学的な面からも法律的な面からも道理にかなったものと言える理由を考察する. 未成年者に対する医療が問題となるが, 判断能力のある未成年患者であればその意思を尊重すべきであり, 判断能力がないのであれば基本的には親権者の意思が尊重されるべきである.