著者
高井 昌吏 谷本 奈穂 石田 あゆう 坂田 謙司 福間 良明 村瀬 敬子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

ポピュラー・カルチャーのなかで形成される戦争の表象を、ジェンダーの視点から考察した。たとえば、男らしい戦争イメージの形成では、『男たちの大和』『連合艦隊』などの映画、さらに「大和ミュージアム」や知覧という観光、あるいはプラモデルなどが大きく絡んでいる。女らしさやこどもらしさについては、むしろ『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などの児童書・アニメの影響が大きい。こうした点を考慮し、それぞれの戦争(沖縄戦、原爆、空襲など)が社会的に受容されるうえで主に寄与したポピュラー・カルチャーに着目し、それらを横断しながら構築される戦争イメージについて分析した。
著者
根建 金男 石川 利江
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.147-159, 1990-03-25

Recently, researchers and clinicians in psychology and medicine are showing keen interest in cognitive behavior modification (CBM) which has been developed based upon behavior modification but puts emphasis on cognition. The purpose of the present paper is to overview CBM, examine the present state of it, and suggest its future directions. The techniques, targets, and objects of evaluation, the theoretical basis, and the procedures of CBM, and so on were reconsidered. Suggested main future directions of CBM are as follows. (1) "Cognition" should not be considered as the explanatory concept but instead as the operational indepenent variable. (2) It is necessary to confirm if the belief system of the client changes when such cognitive techniques as "cognitive restructuring" and "self-instruction" are introduced. (3) Intrinsic studies concerning the nature of cognitive techniques are required. (4) The procedural validity and the effects of "imagery rehearsal" techniques should be more clarified. Cognitive behavior modification is a prospective approach, however, further research considering the above directions is needed to develop and refine it.
著者
坪郷 實
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

本研究では、社会民主党と90年同盟・緑の党との連立であるドイツ・シュレーダー政権の政権政策を比較政治の観点から調査し、分析を行った。特に、2002年連邦議会選挙の分析と、第一期(1998-2002年)の政権政策の分析に重点をおいた。シュレーダー首相とフィッシャー外相は、2002年9月の連邦議会選挙において辛うじて再選された。最大の課題としてきた失業者数の削減を果たせなかったことが、辛勝の理由である。有権者は、赤と緑の連立に「第二のチャンス」を与えた。本政権の再選は、直前のスウェーデンにおける中道左派政権の継続とあわせて、ヨーロッパレベルでの中道左派政権の退潮に歯止めをかけたものと位置づけられる。シュレーダー政権は、経済・財政政策では、緊縮財政政策をとっているが、雇用政策において成果を挙げられないでいる。社会保障制度の改革の課題も大きい。現在「アジェンダ2010」という改革プロジェクトが継続しているが、改革には負担が伴い、有権者の支持を得ることは困難であり、政権への支持は低迷している。他方、赤と緑の「政策革新」の領域である「多文化社会」をめぐる政策、脱原発と新しいエネルギー政策、エコ税制改革、「ジェンダーの主流化」への動きについては、一定程度の成果をあげている。さらに、「新しい政治スタイル」として合意形成の手法の重視も指摘できる。また、経済政策、環境政策、社会政策の総合化を目標にする「維持可能性の戦略」も注目される。社会民主党は、「社会的公正」の現代的理解を初めとして、新しい基本綱領について議論を継続している。シュレーダー政権は、中長期的見通しのある政権政策の形成と、有権者の多数派を獲得する政治戦略の形成を課題としている。
著者
森 元孝
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

2004年10月に、1999年10月に実施したアンケート調査結果と比較研究ができるように設計した質問項目と、「グローバル化」「外国人」についての意識を問うを質問を含めて、2003年の東京都知事選挙で石原慎太郎候補が獲得した300万票の意味を考えるためのデータの収集を目的とする質問紙法による調査を実施した。質問票は、1999年の調査項目をもとに作成したもの(A票)と、外国人についての意識を問う調査項目で構成されたもの(B票)、そして対象者の自由記述形式(C票)とから成っている。(1)調査地域杉並区、港区、新宿区、国立市、江戸川区、大田区、多摩市(2)調査対象上記各地域に居住する男女(3)標本数6300人(4)標本抽出ゼンリン住宅地図から世帯名簿を作成して系統抽出(5)調査票配布方法郵送法(督促葉書1回も含む)(6)実査期間2004年10月20日から11月10日まで2005年10月に、前年2004年10月に実施した2003年4月の東京都知事選挙における投票行動調査の結果分析から、この選挙で300万票の得票をした東京都知事石原慎太郎氏についてのイメージ、とりわけ何がそれを形成し、どうして300万票を獲得することを可能にしているのかという仮説を設定することができた。この仮説を、いかに支持していくことができるかについて、経験的データを得る質問紙法による調査を実施した。質問票は、2004年の調査項目をもとに作成した部分と新たにイメージを問う質問項目の部分からなるもの(A票)と、外国人についての意識を問う調査項目で構成されたもの(B票)、そして対象者に自由に記述していただく形式(C票)とから成っている。(1)調査地域品川区、豊島区、葛飾区、立川市(2)調査対象上記各地域に居住する男女(3)標本数4800人(4)標本抽出ゼンリン住宅地図から世帯名簿を作成して系統抽出(5)調査票配布方法郵送法(督促葉書1回も含む)(6)実査期間2005年10月20日から11月10日まで
著者
楊 立明 中村 みどり 池上 摩希子 周 飛帆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、中国人留学生を英語、日本語能力によりグループに分け、言語能力と社会適応の諸側面を調査した結果、以下の成果を得た。(1)適応意識の多様化(2)適応戦略の変化(3)日本語習得と使用意識の相違また、日本で就職した留学生への面接から、大学生活には適応しても企業での適応には困難を抱えているとわかった。環境要因を加味しつつ、就職後、留学生がどのように適応を図っていくか追跡調査をすることが今後の課題である。
著者
内田 直 宝田 雄大 渡邉 丈夫 宮崎 真 宝田 雄大 後藤 一成 関口 浩文 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

近年、国民の健康に対する関心の高まりとともに身体運動への関心も高まっている。しかしながら、このような関心は、身体的な健康が主体となっている。一方で、精神的なあるいは脳の健康も同様に重要であることは疑い。このような、精神的なあるいは脳の健康と、これに対する身体運動の効果についての研究は、いまだ十分に行われているとはいえない。本研究では、身体運動と精神活動あるいは脳活動の関連について焦点をあて、これについて健康科学的な側面から実証的な研究を行った。このような研究は、身体活動と身体の健康に関連した研究に比べると新しいものであり、今後うつ病や認知症予防のための運動療法としての活動につながるものである。研究は、以下の5つのテーマ(方法)によって行った。すなわち(1)身体運動が睡眠に及ぼす影響について、(2).睡眠中の代謝活動についての予備的研究、(3)朝行う身体運動が、その後の認知機能に及ぼす影響について、(4)身体運動と児童の発達の関連について、(5)観察学習の効果とスキルの転移、である。(1) 身体運動が睡眠に及ぼす影響については、二つの実験を行った。昼寝により人工的に作成した不眠状態への運動の影響をみたが、これは大きな影響が観察されなかった。次に睡眠直前に高強度の運動を行わせ、これが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを観察した。これまでの研究では、ストレス反応により睡眠が悪化すると言う説があったが、我々の研究では変化無く、悪化は無かった。しかしながら、睡眠中の体温が睡眠中期で運動後運動しないときよりも有意に高いという興味深い結果が得られた。(2) はヒューマンカロリーメータを用いた睡眠中の代謝の連続測定と言う新しい分野の研究であり、今後運動後の代謝の変化など興味がもたれた。(3) 朝の運動については、日常的に行われる健康運動と似たパタンであるが、これが日中の活動にどのように影響を及ぼすのかを見た。しかしながら、結果としては一過性の効果は認められたが、一日の中での変化は無かった。このような運動を習慣的にした場合の影響が今後の課題として残った。(4) 小学生を対象とした研究のまとめが一部完成した段階である。現状では、認知機能のうち、判別と抑制の発達パタンが小学生年代では異なっている可能性が示唆された。(5) 観察学習は、運動学習の一部であるが、観察学習により獲得された手続き記憶は、必ずしも転移しないことが示唆される結果であった。全体として基礎研究と応用研究の両方から成果が得られ、身体運動が脳と心に及ぼす効果の解明と健康科学への応用についての業績がえられた。期間は終了しているが、この結果を国際論文として発表している作業を持続して行っている。
著者
筒井 和義 南方 宏之 浮穴 和義 田中 滋康
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

我々は新規脳ホルモンである生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(gonadotropin-inhibitory hormone;GnIH)を鳥類から発見した。本研究では、GnIHはヒトなどの霊長類から無顎類に至る全ての脊椎動物に存在することを明らかにした。さらに、GnIHは生殖腺刺激ホルモンの合成と放出を抑制して生殖腺の発達と機能を抑える働きがあることを明らかにした。本研究により、この新規脳分子による新しい生殖制御機構の大略が解明された。
著者
柿沼 陽平
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本年度は、2006年4月以来の日本学術振興会特別研究員(DC1)として報告者が研究してきた内容を一挙に発表した。まず戦国秦漢時代における貨幣経済の展開過程とその構造的特質について、「秦漢帝国による「半兩」銭の管理」・「前漢初期における盗鋳銭と盗鋳組織」・「戦国秦漢時代における布帛の流通と生産」の三本の論文にまとめた。それによると、戦国秦漢時代には銭・黄金・布帛を中心とする多元的貨幣経済が営まれており、その中で複数の貨幣がそれぞれの社会的文脈に沿ってさまざまな社会的機能を果たしていた。機能面のみを挙げれば、銭も布帛も黄金も経済的流通手段としての役割を果たしていたといえるけれども、それらにはそれぞれ異なる社会的機能・社会的制約があり、全く異なる存在意義を有していたわけである。そしてその中で、人々はそれらの貨幣を求め、それらを用いて生活し、それらに振り回されながら人生を送っていた。またその一方で、それゆえに国家はその利益を独占する政策を次々に打ち出していった。上記の諸論考においては、そのような戦国秦漢時代における国家と民のおりなす多元的な貨幣経済の実態を究明することを試みた次第である。また2009年1月には、上記の成果の一部を韓国の成均館大学において報告した。「戦国秦漢貨幣経済の特質とその時代的変化」がそれである。つづいて報告者は、中国古代貨幣経済そのものの起源にも言及した。その結果、殷周時代においては宝貝が殷系人を中心に営まれた贈与交換の媒体物であったが、その文化が殷系人の各地への分散化とともに各地に広がり、その後、戦国秦漢貨幣経済の成長とともに、そのような貨幣経済の中で生活する人びとに「貨幣の始原」をしめずものと誤解され、そのような「記憶」が形成されたと論じた。これは論文「殷周時代における宝貝文化とその「記憶」」として発表した。
著者
西村 清貴
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-220, 2015

早大学位記番号:新7018
著者
谷澤 毅
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:乙2290号 ; 学位の種類:博士(経済学) ; 授与年月日:2010/7/21 ; 早大学位記番号:新5460
著者
鈴木 晶夫 小貫 悟
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-32, 1994-03-25
被引用文献数
2

There are many factors that have effects on facial recognition. We used adopted four kinds of "Noh" masks, "Waraijou", "Daikasshiki", "Shakumi", "Douji", to investigate the effects on facial recognition of changes in the angle of the view of the masks. This study investigated two points: the relation between the angle of the face of the "Noh" masks and the selection of emotional categories on facial recognition; and changes of impressions of the Noh Mask due to changes in the angle of the mask. The results of ANOVA showed statistically significant differences in conditions of the angle and the kind of "Noh" masks. The selection of emotional categories and the changes of impression on each "Noh" mask depend not only on the angle, but the combination of the kinds and the angle of view of the "Noh" mask.
著者
竹本 幹夫
出版者
早稲田大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990 (Released:1990-04-01)

1、江戸時代の能は、幕府で行われた四座の能、地方諸藩の大名の下で行われた四座の弟子筋に指導された能、地方在住の町衆や農民による神事能、諸国を巡業する群小猿楽役者の辻能の四種に大別される。2、その担い手は、幕府直属の役者である四座の役者及びその弟子筋と、四座以外の系統の役者とに分かれる。四座の系統の役者がいわゆる玄人猿楽であり、それ以外の役者は手猿楽と呼ばれていた。3、四座の役者がそれ以外の系統の役者を圧倒し、能に志す者が四座の家元の印可を得るようになり、幕府直属の能役者、その弟子筋のお抱え役者や雇い役者、さらにその弟子の町役者という一枚岩の構造へと、江戸時代を通じて徐々に整えられていくのであるが、その過程がすなわち家元制度の完成過程でもあった。4、将軍の四座の能愛好に迎合して多くの大名がその弟子の能役者を育成・雇用したため、武士本来の職務から能方に転じる者もあり、また浪人していた武士階級の多くが役者に転身して仕官の道を求めるようになった。5、このようにして誕生した武家役者は武士とも役者ともつかぬ中途半端な身分であったが、多くは次第に役者として専門化した。養子を迎えて役者の家業を継がせ、自分の嫡子には武士の道を歩ませる者もあった。6、藩の方でも、神事能大夫に扶持や名字帯刀の格式を与えて藩の制度に取り込んだり(熊本藩の場合など)、辻能の興行を藩当局の権威を背景として藩の役者が妨害・弾圧したり(加賀藩の場合など複数の例がある)、ということが行われた。そうした動きが全国的な傾向かどうか、またいつごろから具体化しはじめるかを解明するのが今後の課題であろう。
著者
小金澤 鋼一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1987

博士論文
著者
山口 仁一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1997

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1200号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:1997-03-06 ; 早大学位記番号:新2453 ; 理工学図書館請求番号:2056
著者
高西 淳夫
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1988

制度:新 ; 文部省報告番号:甲757号 ; 学位の種類:工学博士 ; 授与年月日:1988-03-10 ; 早大学位記番号:新1422 ; 理工学図書館請求番号:1209
著者
鄭 卿元
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-147, 2015

早大学位記番号:新7101
著者
佐々木 葉 羽藤 英二 岡田 智秀 佐々木 邦明 平野 勝也 山田 圭二郎 星野 裕司 山口 敬太 出村 嘉史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

本研究では 景観計画およびまちづくりの理念を構築するための理論的研究として、①固定的視点からの景観把握モデルに代わる広域を捉える地域景観把握モデルの可能性を示し、②欧州風景条約から本研究の理念の位置づけを確認した。理念を実現する方法論として、③シーン景観、④移動景観、⑤生活景それぞれの視点で地域景観を記述する手法を考究した。理念実現化の運用方策として、⑥地域景観の保全から捉えた地域ガバナンス、⑦地域景観を活用した地域連携方策、⑧地域景観の価値の継承方策を調査した。以上を含めた本研究の成果は2014年1月23日に土木学会ワンデイセミナー「地域景観まちづくりの理論と実践を探る」において公表された。