著者
柿崎 京一 矢野 敬生
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.71-89, 1991-03-25

The Bay of Tokyo was once full of fishery resources and there used to be a number of fishing villages along the coast. Since 20th century, however, because of the overdevelopment of the seaside industrial zone and the expansion of urban area, the environmental pollution has gotten worse and the reclaimed land over the sea has steadily progressed. Because of the worsened environment for fishing ground, the inshore fishery has rapidly declined, along with disappearance of these fishing villages, as a result. This research was conducted in Kaneda district in Kisarazu City, Chiba Prefecture and that is the only fishing village area along the Bay of Tokyo where people still depend their living mainly on fishery. We particularly chose Nakano rural community located inland area. We mainly look through the conflict with other fishing villages around that community, considering some of the incidents after the mid-19th Century and describe the historical development and analyze it. To be more concrete, we would like to examine the historical process of Nakano rural community from two aspects. 1) The change of the land reform projects concerning the farm land and the water for irrigation. 2) The process of how the Fishing Cooperatives were developed. In addition, we would like to make clear of the structure of the changing fishing village by analyzing the self-government organization and social stratification of the rural community.
著者
寒川 恒夫 杉山 千鶴 石井 昌幸 渡邉 昌史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

全4年度研究の最終年度に当たる本年度は、東アジアにおける民族スポーツの観光化変容補充調査及び、本研究の目的である"民族スポーツに観光化変容をもたらした要因の分析"及び、本研究活動を報告書にまとめる作業にあてられた。補充調査は、日本にあっては、北海道最大規模の観光イベントであるよさこいソーラン祭り、また沖縄県最大規模の観光イベントである那覇祭りの民族スポーツ(大綱引き、エイサー)、韓国においては忠清北道忠州市の忠州世界武術祭と慶尚南道の晋州闘牛、中国においては新彊ウイグル自治区ウルムチの少数民族民族スポーツ、また広東省広州市で2007年11月に催された第8回中国少数民族伝統体育運動会、それに北京市及び河南省温県陳家溝の武術について実施された。民族スポーツの観光化変容については、当該地域の経済活性化が最大要因として指摘されるが、担い手が少数民族である場合、経済要因に加え、民族の存在主張・文化主張の動機が無視し得ない。また、観光化に当たっては当該地の行政が大きく関与する事も全体的に認められる。特に中国の場合、1990年代の改革開放政策後に民族スポーツの観光化変容が開始するのが、その良い例である。それまで中国の民族スポーツは当該民族の伝統文化保存と健康という目的に存在根拠が求められていたが、改革開放後は「文化とスポーツが舞台を築き、その上で経済が踊る」のスローガンのもと、全国的規模で民族スポーツの観光化が進行して現在に至っている。観光化する民族スポーツの種目は多岐にわたるが、今回の調査で、これまではもっぱら修行や教育の枠内で展開し、経済や観光とは無縁であった武術に観光化の熱いまなざしが注がれていることが大いに注目される。
著者
薮下 史郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998 (Released:1998-04-01)

本研究は、これまで行ってきた『不完全情報と金融市場』に関わる研究の延長線上にあるもので、情報の不完全性や取引費用観点から貨幣金融制度の役割およびその発展過程を理論的に考察し、さらにそれらを日本とアメリカに関して歴史的に比較分析を行ったものであった。完全情報や完全競争市場を前提とした新古典派経済学においては「貨幣」、「金融機関」や「制度」は重要な役割を果たさないが、不完全情報や取引費用が存在し、市場が不完全な経済においては、貨幣制度や金融システムなどの制度のあり方によって、経済活動や経済発展が大きな影響を受けることになる。また、こうした問題を分析するためには経済と政治制度や政治過程との関連を重視した政治経済学的アプローチが不可欠になる。本研究で行った研究は大きく次のように分類することができる。(1)これまでの成長理論や内生的成長理論における貨幣の役割を整理するとともに、貨幣金融制度と経済成長との関連を理論的に分析した。(2)中小企業金融の問題点がどこにあるかを情報の不完全性から明らかにするとともに、それを経済発展と関連づけて考察した。(3)経済制度の意味を明らかにし、また、そうした制度の成立および変化をゲーム理論や新制度学派のアプローチなどを用いて理論的に考察した。(4)明治初期およびアメリカの19世紀における貨幣制度の成立過程を比較検討することにより、政治と経済の相互依存の重要性を明らかにし、理論的分析を補完した。こうした研究成果を『貨幣金融制度と経済発展:貨幣と制度の政治経済学』(有斐閣:2001年9月)としてまとめ刊行した。また、大学内外の研究会などで発表するとともに2002年3月末には上掲書の内容に基づき、『不完全情報下の金融システムと経済発展』と題して南開大学(中国天津)において集中講義を行った。本研究から導いた結果は、今後進める予定である中小企業金融や開発金融に関する研究の基礎となるものであった。
著者
今関 源成 戸波 江二 西原 博史 石川 健治 毛利 透 小山 剛 戸波 江二 岡田 信弘 市川 正人 西原 博史 石川 健治 小山 剛 江島 晶子 高見 勝利 宍戸 常寿
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

2008年3月, 台湾の憲法・行政法研究者10名を迎え、東京(早稲田大学)で「議院内閣制と大統領制」および「実効的人権保障とその問題点」をテーマとして、第3回共同研究シンポジウムを開催した。2009年3月, 日本の憲法研究者8名が台湾に赴き、台北(台湾大学)で、「公法典範的継受與轉型」をテーマとして、第4回共同研究シンポジウムを開催した。これまでの成果をまとめた論文集の刊行に向けて, 鋭意努力中である。
著者
石濱 裕美子 福田 洋一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究はチベット仏教の大成者ツォンカパ・ロサンタクペーペル(1357-1419)の最古層の伝記の研究を通じて、ゲルク派の歴史・教会史を明らかにすることを目的とした。現在入手可能なツォンカパの最も古い伝記には、『自伝』、直弟子のケドゥプジェ(1385-1438)の一般的な伝記『信仰入門』と神秘体験を綴ったンカ『秘密の伝記』、それに対する補遺として書かれたジャンペルギャムツォ(1356-1428)の『ツォンカパ伝補遺』他2篇がある。本研究課題では、これらの伝記の和訳研究を通じて、文献学、歴史学、仏教学の視点からツォンカパの思想形成や当時の教団の具体的な姿などを明らかにした。これらの伝記の成立順も確定することができた。まず最初に『自伝』が書かれて、ツォンカパの学習過程が修学期間、思想形成期間、講説期間という三つの期間に分けるパターンが確立した。ケドゥプジェの『信仰入門』が書かれ、次に同じく『秘密の伝記』が書かれ、それらを踏まえて『ツォンカパ伝補遺』が書かれた。その大部分はツォンカパ在世時に書かれたが、ツォンカパの死後『信仰入門』の最後にその様子が付け加えられたと推定される。また、ツォンカパの著作の全てのコロフォンを整理した。そこには、著作年次はほとんど見られないが、著作場所が記されていることが多く、また『信仰入門』にはツォンカパの場所の移動が細かく記されているので、それらを対照することで、多くの著作の著作年次または著作順序を明らかにすることができた。本研究課題の成果として、報告書において『自伝』、『秘密の伝記』、『補遺』の訳注と『信仰入門』の梗概を収録した。『信仰入門』全体の訳注は後日、その他の資料も含めて刊行予定である。
著者
箸本 健二
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究は、地方都市の中心市街地活性化が直面する諸問題のうち、(1)郊外型SCへの行政の対応、(2)ホームページを用いた情報発信、(3)タウンマネジメントをめぐるセクタ間の対立を検討した。(1)については、群馬県太田市と栃木県佐野市を対象とした分析を行い、消費の流失を阻止すると同時に、税収と雇用の確保するため、大規模モールの進出を自治体が事実上「誘致」している点を指摘した。(2)については、大阪市42商店街の34サイトを分析し、買回り品を中心とする商店街が広域情報発信や電子商取引機能を重視するのに対して、最寄り品を中心とする近隣型商店街は地域情報の発信機能を重視すること、自治体のIT対応補助金が導入時期を規定していることなどを明らかにした。(3)については、広島県呉市で実態調査を行い、専任のTMを常駐させることが、新規創業者の定着に大きな効果を持つこと、既得権者である旧来の商業者との調整を図る機関が必要であること等を指摘した。
著者
砂岡 和子 保坂 敏子 砂岡 和子 敬松
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

日本語と中国語による対面異文化交流時に発生する障害の解決支援を目的に、ミス・コミュニケーション・コーパスを構築し、会議参加者が相互にコメントを付加できる異文化交流ビデオ教学プラットホームを開発した。話者の各種属性による言語・非言語要素、および対話における協調・非協調などの要因から討論シーンが検索可能となる。
著者
野坂 和夫
出版者
早稲田大学
雑誌
産業経営 (ISSN:02864428)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.71-81, 2004-12-15

会計の2005年問題の中で,日本企業にとって最も大きな問題となるのは,業績報告であろう。現在,IASBから提案されている業績報告の基本様式には,日本基準に存在する当期純利益の項目が存在しないからである。したがって,IFRSと日本基準との間には,業績報告における利益概念に大きな相違が存在する。このような会計環境に鑑みて,本稿では,業績報告における利益概念を考察する。具体的に,業績報告における利益概念が備えるべき機能を,投資家に対して投資意思決定に有用な情報を提供するという「意思決定有用性」,投資家に対して利益配当に関する情報を提供するという「配当可能性」,および,経営者が企業内容開示責任を負い投資家が投資意思決定について自己責任を負うという,証券市場での責任分担原則を維持する「業績報告と企業評価の区分明確化」の三機能に区分して,業績報告における利益概念を考察する。
著者
田辺 俊介 松谷 満 永吉 希久子 濱田 国佑 丸山 真央 米田 幸弘 斉藤 裕哉 張 潔 五十嵐 彰 伊藤 理史 桑名 祐樹 阪口 祐介
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

近年の日本のナショナリズムの時点間比較として、前回調査の2009年全国調査データと本科研費によって得た2013年全国調査データを用い、2時点間の比較分析を行った。その結果、愛国主義については大きな変化は見られず、純化主義は一定程度強まる傾向が示された。また排外主義は、対中国・対韓国に対するものと他の外国人に対するものの2種類に分けられた上で、対中国・韓国への排外主義については日本型愛国主義の影響力が強まっていた。この点は、尖閣/釣魚諸島沖衝突事件(2010年)や李 明博大統領の竹島/独島上陸(2012年)ような国家レベルの紛争が、人々の抱く排外主義にも影響した結果と考えられる。
著者
田辺 俊介 松谷 満 阪口 祐介 永吉 希久子 濱田 国佑
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

2016年度は、2009年・2013年データの再分析を行うことで、現状の問題点を確認するとともに、新たな知見の獲得・探求を目指した。その研究成果は、主に各種国内学会(日本社会学会、数理社会学会等)における報告として発表した。具体的な知見としては、例えば日本社会における「排外主義」、中でも特に強い「嫌韓・嫌中」(極端な排外主義者)の全体的傾向を2009年と2013年データから確認した結果、ナショナリズムの一側面(愛国主義)の影響が強いこと、また脅威認知の影響も特に2013年で強まっていることが示された。この点は、国家間の紛争が「国対国」というレベルの人々の集団志向性を刺激した結果と考えられ、2009年に比べて2013年に強い嫌韓・嫌中層が増加した原因の一つと解釈している。一方、スケール化して線形で検討した際には排外主義を高める傾向をもつ権威主義と年齢について、極端な排外主義者か否かについてのロジスティック回帰分析の結果では、「負」の影響を持っていた。この点から、極端に強い排外主義を表明する層と、より弱い形態の排外主義を抱く層の間に、一定の質的相違が存在する可能性が示唆された。他にも研究実績として例えば、政治的関心が高い地域でのみ、反差別的態度をもっている人がヘイトスピーチ規制法を支持するようになることが明らかになった。また、排外意識の高揚について、差別に関する「記述的規範」と「命令的規範」、潜在的な排外意識と顕在的な排外意識を区別することによる検討なども行った。さらに本年度の実績として、2013年に取得したデータに対する最終的なクリーニング作業を行い、データアーカイブへの寄託準備が終了した点が挙げられよう。そのため、2017年度の早い時期に、日本最大のデータアーカイブであるSSJDAにデータを寄託する予定である。
著者
松下 洋一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1988

制度:新 ; 文部省報告番号:乙694号 ; 学位の種類:工学博士 ; 授与年月日:1988-10-13 ; 早大学位記番号:新1464 ; 理工学図書館請求番号:1247
著者
江島 清
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1988

制度:新 ; 文部省報告番号:乙684号 ; 学位の種類:工学博士 ; 授与年月日:1988-10-13 ; 早大学位記番号:新1454 ; 理工学図書館請求番号:1243
著者
小塩 真司 橋本 泰央 下司 忠大 三枝 高大
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2014-07-25)

二分法的思考とはものごとを「白と黒」「善と悪」のように二項対立的に捉えようとする思考形態である。本研究では特に,二分法的思考と外在化問題に結びつきやすい心理指標との関連を通じて,二分法的思考の持つ意味や役割を明らかにすることを目的とする。第1に二分法的思考は誇大型の特権意識と強く結びついていた。第2に,外在化問題に結びつきやすいパーソナリティ特性であるダーク・トライアドは,二分法的思考と関連していた。第3に,二分法的思考は年齢にともなって直線的に低下していた。第4に,二分法的思考と攻撃性との間には正の関連が認められるが,その関連の大きさは若い年齢集団ほど大きいという効果が認められた。
著者
Miyata Shinya
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-248, 2013

早大学位記番号:新6580
著者
田中 愛治 川出 良枝 古城 佳子 西澤 由隆 齋藤 純一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31 (Released:2013-06-20)

平成27年度は、CASI世論調査を実施するとともに、MP(ミニパブリックス,市民討論会)を実施するための準備を開始する年度であった。年度当初に議論を重ねた結果、CASI調査・MPのテーマ、即ち市民に熟慮もしくは熟議を促すテーマを、「外国人労働者受け入れ政策」とすることにした。また、全国を対象とするよりも1つの県を対象とする方がより効果的な調査が可能になると判断し、静岡県を研究の対象地域とすることにした。熟慮/熟議の効果を検証するにあたり、全国の有権者を対象とすると、対象者の社会経済的属性や外国人労働者に対する既存の態度に関するばらつきが大きくなるため、効果の測定が困難になることが想定される。その点、都市規模や産業構造のバランスも取れていることから、「日本の縮図」として市場調査の対象となることも多い静岡県に対象を絞れば、過度なばらつきを抑制でき、熟慮/熟議の効果をより厳密に測定できると考えられるためである。熟慮・熟議を促すために提示する「外国人労働者受け入れ政策」に関する客観的情報を作成し、CASI調査に向けたパイロット調査として平成27年8月と11月に2度Web調査を実施した。これらの準備を経て、静岡県の全有権者から無作為抽出した2,000名を対象に平成28年1月9日から3月13日にかけてCASI調査を実施した。有効回答が得られた870名の意見分布を、「公共圏における市民の意見」として、平成28年6月に実施するMPで参加者に提示し、それが熟議に及ぼす影響を検証する予定である。MPの準備として、静岡県の全有権者より無作為抽出した10,000名に郵送調査を実施し、MPの参加者の募集の過程に入った。この郵送調査への有効回答者4,279名を対象に、次年度(平成28年度)にMPの案内を送る計画である。これにより代表性を備えた参加者をMPに集めるための準備が整えることが出来た。