著者
坂野 雄二 久保 義郎 神村 栄一
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.11-18, 1993-03-25

The purpose of this study was to examine the effects of individual differences in an imaginal ability and presentation of prompting film on self-regulation of peripheral skin temperature and heart rate. Two hundred and fifty students completed Sophian Scale of Imagery (SSI), and 32 students who had extremely high or low imaginal ability participated in an experiment, in which they were asked to regulate their peripheral skin temperature and heart rate using mental imagery. Ss were assigned to one of the following four groups: high imaginal ability with warm film presentation (HW), high imaginal ability with neutral film (HN), low imaginal ability with warm film (LW), and low imaginal ability with neutral film (LN). The major findings were as follows; (a) warm film had significant effects on the increase of skin temperature, (b) the difference of imaginal ability had no effect on both temperature and heart rate regulation. These results indicate the response-specificity of regulation-prompting imagery.
著者
小松 香織
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究は、オスマン帝国において海洋活動にたずさわった人々のパーソナルヒストリーを、人事関係等の史料を分析することにより集積し、近代オスマン帝国の社会構造を見直そうと試みたものである。結果、オスマン帝国末期に海事に関わった人々の出自 (民族、宗教、出身地、社会階層等)、キャリアパターンについて、一定の法則性を見出し、海事における黒海沿岸出身者の重要性が明らかとなった。
著者
寺崎 秀一郎
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

2003年度、2004年度にホンジュラス共和国コパン県に位置するロス・イゴス遣跡、エル・アブラ遺跡、エル・プエンテ遺跡の3遺跡において発掘調査をおこなった。本研究における発掘調査の目的は、古典期(AD250〜AD900)に南東マヤ地域最大のセンターであるコパン遺跡の周縁部において、地方センターがどのようなプロセスを経て形成されていくのかを明らかにすることである。上記3遺跡は、コパン遺跡北東約60kmに位置するラ・エントラーダ地域に分布する8箇所の地方センターの一部であるが、発掘調査の結果、少なくともフロリダ谷に位置するエル・アブラ遺跡とエル・プエンテ遺跡の起源はほぼ同時期と考えられる資料を得た。一方、ロス・イゴス遺跡は斜面を利用して構築されていることから層位学的に良好なサンプルを得ることができなかったが、二次堆積層から原古典期の年代を示す放射性炭素年代測定結果が得られている。本年度は、現地において、出土土器資料の予備分類を現地スタッフを中心に進めた。予備分類については、メソアメリカ地域の考古学研究で広く採用されているタイプ・ヴァラエティ・システムに準じておこなうが、適宜、周辺地域では唯一土器編年が整備されているレネ・ヴィエルによるコパン編年を参考にしている。また、図面も現地スタッフの協力の下、データ化を進行中である。これらの成果の一部は、2005年12月に開催された古代アメリカ学会第10回研究大会において報告した。本研究では、地方センターの起源に重点を置いた発掘方法を採用したが、より詳細な都市形成過程の解明には建造物のシークエンス研究が必要不可欠であり、そのための集中的な調査が望まれる。本年度はこうした視点も含め、ホンジュラス国立人類学歴史学研究所所長リカルド・アグルシア氏と本研究が対象とするラ・エントラーダ地域での今後の考古学調査研究の展開についても協議をおこなった。
著者
田中 愛治
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

本研究は、日本の政治システムについて日本の一般有権者の態度を、世論調査データと選挙結果のデータを時系列に分析することによって、解明しようとしたものである。本研究の目的は、日本国民がどの程度、日本の民主主義政治システムに対する支持態度(システム・サポート)を持っているのかを、1970年代後半から2000年までにわたり時系列に分析し、そのシステム・サポートの源泉となる要因を探ることにあった。本研究は、レヴァイアサン・データバンクから提供された学術的全国世論調査データ(1976年JABISS調査、1983年JES調査、1993年JESII調査)と、研究代表者(田中愛治)自身が実施に参加したJEDS96調査(1996年)、JEDS2000調査(2000年)、JSS調査(2001年:文部科学省科学研究費特定領域研究(B)「世代間利害調整に関する研究」領域代表者・高山憲之のA7班「世代間利害調整の政治学」研究代表・北岡伸一による全国世論調査)のデータを時系列に分析した。1976年〜2001年までの25年間の時系列分析によって、日本人の政治不信に関する政治意識と、政治システムに対する信頼感(system support)の変化を分析し、以下の3点が明らかになった。第1に、日本人の一般的な政治信頼はもともと低いもの(40%程度)であったが、1996年から2000年にかけて急速に悪化し(2001年3月の森内閣の退陣直前に最低の11.1%)、2001年も十分に回復していない(小泉内閣時でも23.6%)。第2に、日本の政治システムを支える民主主義的政治制度(選挙、国会、政党)の機能に対する信頼感は1976年〜1996年までは非常に高いレベル(選挙への信頼は1993年に82.3%)にあったが、これすらも2000年には急激に低下し(32.3%)、2001年にも十分に回復していない(42.7%)。日本の政治システムの政治・経済の業績の悪化が、政治不信のみならず政治システムへの信頼感も低下させている。第3に、政治システム(すなわち、民主主義政治制度)への信頼は世代間に差異はなく、どの世代の日本人も時代と共に信頼感が低下しているが、国の政治への信頼は、世代間の差異が大きい。
著者
野村 雅昭
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.149-162, 1998-06-10
被引用文献数
1
著者
竹中 晃二
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

現在,糖尿病を中心とする生活習慣病罹患者の数は増加の一途をたどり,この増加傾向はとどまるところを知らない.従来,運動処方の名のもとに,運動やスポーツの推奨が行われてきたものの,運動を実施する人口は増加していないのが現状である.本研究は,これらの現状に鑑み,運動と言わないまでも,日常生活における人々の身体活動量をいかに増加させるかという問題を,1)行動変容理論・モデルの活用,および2)多様な介入デリバリーチャンネルの使用という2つの観点で多様なプログラムを開発し,評価を行うことを目的としていた.実際には,自治体健康保健センターと連携を保ちながら,特に中高年者のライフスタイル改善を目的とした健康行動カウンセリング・プログラムをソフトおよびハード面から支援できる地域型システムの開発を行った.研究期間の初期では,中等度の強度(4メッツ以上に相当)の身体活動を行った数とその時間を提示させる簡易機器を開発し,また主観的身体活動量の測定尺度の開発を試みた.その後,これらの機器,および尺度も一部使用しながら,自助冊子,郵便による通信教育,およびインターネットプログラムを開発し,その評価を行った.プログラムの内容は,対象者に同一の介入を行うことを避け,トランスセオレティカル・モデルをもとに,初期ステージ者と後期ステージ者に分け,それぞれに異なる情報を送るように勤めた.その結果,ステージ・マッチドが行われていない統制群と比べて,ステージ・マッチド群の方が大きな身体活動量改善を示した.本研究では,地域における職域の健康づくりにも注目し,健康行動変容プログラムの開発とそれを配信するチャンネルとの組み合わせに関して検討を行った.地域介入を職域にも広げていった本研究は,そのプログラム開発だけでなく配信などの現実的実践方法の検討を行い,包括的観点から議論を行えた.
著者
荒尾 孝 稲山 貴代 北畠 義典 劉 莉荊 仲里 佳美 根本 祐太 大滝 裕美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

小学5年生を対象に身体活動の促進および正しい食事の知識とスキルの習得を目標とした教育介入を実施した。その結果、介入終了直後では介入校で遊びに対する積極的な態度や、放課後に友人と遊ぶ頻度が増加し、総エネルギー消費量では対照校に比べて介入校は有意に高い水準が維持された。食生活については、食事バランスガイドの知識が増え、望ましい食事をとることの結果期待や自己効力感が向上した。しかし、介入終了1年後では、これらの変化のうち行動に関する効果は維持されない傾向が示された。
著者
北村 歳治 吉村 作治 佐藤 次高 山崎 芳男 店田 廣文 長谷川 奏
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

本研究は、イスラム社会の変動を科学技術の視点から分析することを目的とする。具体的には、1)イスラム世界を歴史と現代に至る技術革新の流れの中で概観し、2)IT等の科学技術がもたらす「一様化」と個別化がもたらす「多様化」の双方からイスラムの社会経済・文化の問題を分析する。1)では、マムルーク朝の文献資料を基に農業分野の技術革新を分析し、エジプトが砂糖産出国に変貌していった過程に焦点をあて、イスラム文化が実践性と受容性に富んでいる背景を明らかにした。また、今日のイスラム系のウェブサイトが英語とアラビア語を駆使して双方向性のコミュニケーションに成功している事実を明らかにした。2)では、イスラム地域でのワークショップやフィールド調査等を通じて、以下の成果を得た。(1)経済・ビジネス関連:民主化推進派と保守強硬派がせめぎあう中で、科学技術を意識した湾岸諸国は、石油依存経済からの脱却と産業の多角化を進め東アジア等との経済関係を強化したが、イスラム地域全体としては取組みが停滞している点、トルコでは経済改革を通じEU加盟を現実化させる方向に進んでいることが逆に西欧キリスト教国に対しイスラム的努力をどれだけ受容できるのかという新たな問題を提起した点、また、イスラム金融が東アジアの金融取引において看過できない動きとなっている点等を明らかにした。(2)情報・技術関連:ITの進展とともに、インターネットが過激派のサイバー・テロ手段となる傾向も顕著となった点を具体的に捉えた。(3)社会・文化関連:エジプトでは、電子化政策の推進が文化財保護行政にプラスしている点、東南アジアでは、インドネシアのユドヨノ政権の成立過程でイスラム団体を含む民主化勢力の貢献が見られた点、マレーシアでは海外からの投資を梃子にした人材育成やハイテク産業の育成及び中等教育に主眼を置いた教育体系も科学技術と経営を重視してきた点等を明らかにした。
著者
柿崎 京一 矢野 敬生
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.71-89, 1991-03-25

The Bay of Tokyo was once full of fishery resources and there used to be a number of fishing villages along the coast. Since 20th century, however, because of the overdevelopment of the seaside industrial zone and the expansion of urban area, the environmental pollution has gotten worse and the reclaimed land over the sea has steadily progressed. Because of the worsened environment for fishing ground, the inshore fishery has rapidly declined, along with disappearance of these fishing villages, as a result. This research was conducted in Kaneda district in Kisarazu City, Chiba Prefecture and that is the only fishing village area along the Bay of Tokyo where people still depend their living mainly on fishery. We particularly chose Nakano rural community located inland area. We mainly look through the conflict with other fishing villages around that community, considering some of the incidents after the mid-19th Century and describe the historical development and analyze it. To be more concrete, we would like to examine the historical process of Nakano rural community from two aspects. 1) The change of the land reform projects concerning the farm land and the water for irrigation. 2) The process of how the Fishing Cooperatives were developed. In addition, we would like to make clear of the structure of the changing fishing village by analyzing the self-government organization and social stratification of the rural community.
著者
寒川 恒夫 杉山 千鶴 石井 昌幸 渡邉 昌史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

全4年度研究の最終年度に当たる本年度は、東アジアにおける民族スポーツの観光化変容補充調査及び、本研究の目的である"民族スポーツに観光化変容をもたらした要因の分析"及び、本研究活動を報告書にまとめる作業にあてられた。補充調査は、日本にあっては、北海道最大規模の観光イベントであるよさこいソーラン祭り、また沖縄県最大規模の観光イベントである那覇祭りの民族スポーツ(大綱引き、エイサー)、韓国においては忠清北道忠州市の忠州世界武術祭と慶尚南道の晋州闘牛、中国においては新彊ウイグル自治区ウルムチの少数民族民族スポーツ、また広東省広州市で2007年11月に催された第8回中国少数民族伝統体育運動会、それに北京市及び河南省温県陳家溝の武術について実施された。民族スポーツの観光化変容については、当該地域の経済活性化が最大要因として指摘されるが、担い手が少数民族である場合、経済要因に加え、民族の存在主張・文化主張の動機が無視し得ない。また、観光化に当たっては当該地の行政が大きく関与する事も全体的に認められる。特に中国の場合、1990年代の改革開放政策後に民族スポーツの観光化変容が開始するのが、その良い例である。それまで中国の民族スポーツは当該民族の伝統文化保存と健康という目的に存在根拠が求められていたが、改革開放後は「文化とスポーツが舞台を築き、その上で経済が踊る」のスローガンのもと、全国的規模で民族スポーツの観光化が進行して現在に至っている。観光化する民族スポーツの種目は多岐にわたるが、今回の調査で、これまではもっぱら修行や教育の枠内で展開し、経済や観光とは無縁であった武術に観光化の熱いまなざしが注がれていることが大いに注目される。
著者
薮下 史郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998 (Released:1998-04-01)

本研究は、これまで行ってきた『不完全情報と金融市場』に関わる研究の延長線上にあるもので、情報の不完全性や取引費用観点から貨幣金融制度の役割およびその発展過程を理論的に考察し、さらにそれらを日本とアメリカに関して歴史的に比較分析を行ったものであった。完全情報や完全競争市場を前提とした新古典派経済学においては「貨幣」、「金融機関」や「制度」は重要な役割を果たさないが、不完全情報や取引費用が存在し、市場が不完全な経済においては、貨幣制度や金融システムなどの制度のあり方によって、経済活動や経済発展が大きな影響を受けることになる。また、こうした問題を分析するためには経済と政治制度や政治過程との関連を重視した政治経済学的アプローチが不可欠になる。本研究で行った研究は大きく次のように分類することができる。(1)これまでの成長理論や内生的成長理論における貨幣の役割を整理するとともに、貨幣金融制度と経済成長との関連を理論的に分析した。(2)中小企業金融の問題点がどこにあるかを情報の不完全性から明らかにするとともに、それを経済発展と関連づけて考察した。(3)経済制度の意味を明らかにし、また、そうした制度の成立および変化をゲーム理論や新制度学派のアプローチなどを用いて理論的に考察した。(4)明治初期およびアメリカの19世紀における貨幣制度の成立過程を比較検討することにより、政治と経済の相互依存の重要性を明らかにし、理論的分析を補完した。こうした研究成果を『貨幣金融制度と経済発展:貨幣と制度の政治経済学』(有斐閣:2001年9月)としてまとめ刊行した。また、大学内外の研究会などで発表するとともに2002年3月末には上掲書の内容に基づき、『不完全情報下の金融システムと経済発展』と題して南開大学(中国天津)において集中講義を行った。本研究から導いた結果は、今後進める予定である中小企業金融や開発金融に関する研究の基礎となるものであった。
著者
今関 源成 戸波 江二 西原 博史 石川 健治 毛利 透 小山 剛 戸波 江二 岡田 信弘 市川 正人 西原 博史 石川 健治 小山 剛 江島 晶子 高見 勝利 宍戸 常寿
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

2008年3月, 台湾の憲法・行政法研究者10名を迎え、東京(早稲田大学)で「議院内閣制と大統領制」および「実効的人権保障とその問題点」をテーマとして、第3回共同研究シンポジウムを開催した。2009年3月, 日本の憲法研究者8名が台湾に赴き、台北(台湾大学)で、「公法典範的継受與轉型」をテーマとして、第4回共同研究シンポジウムを開催した。これまでの成果をまとめた論文集の刊行に向けて, 鋭意努力中である。
著者
石濱 裕美子 福田 洋一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究はチベット仏教の大成者ツォンカパ・ロサンタクペーペル(1357-1419)の最古層の伝記の研究を通じて、ゲルク派の歴史・教会史を明らかにすることを目的とした。現在入手可能なツォンカパの最も古い伝記には、『自伝』、直弟子のケドゥプジェ(1385-1438)の一般的な伝記『信仰入門』と神秘体験を綴ったンカ『秘密の伝記』、それに対する補遺として書かれたジャンペルギャムツォ(1356-1428)の『ツォンカパ伝補遺』他2篇がある。本研究課題では、これらの伝記の和訳研究を通じて、文献学、歴史学、仏教学の視点からツォンカパの思想形成や当時の教団の具体的な姿などを明らかにした。これらの伝記の成立順も確定することができた。まず最初に『自伝』が書かれて、ツォンカパの学習過程が修学期間、思想形成期間、講説期間という三つの期間に分けるパターンが確立した。ケドゥプジェの『信仰入門』が書かれ、次に同じく『秘密の伝記』が書かれ、それらを踏まえて『ツォンカパ伝補遺』が書かれた。その大部分はツォンカパ在世時に書かれたが、ツォンカパの死後『信仰入門』の最後にその様子が付け加えられたと推定される。また、ツォンカパの著作の全てのコロフォンを整理した。そこには、著作年次はほとんど見られないが、著作場所が記されていることが多く、また『信仰入門』にはツォンカパの場所の移動が細かく記されているので、それらを対照することで、多くの著作の著作年次または著作順序を明らかにすることができた。本研究課題の成果として、報告書において『自伝』、『秘密の伝記』、『補遺』の訳注と『信仰入門』の梗概を収録した。『信仰入門』全体の訳注は後日、その他の資料も含めて刊行予定である。
著者
箸本 健二
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究は、地方都市の中心市街地活性化が直面する諸問題のうち、(1)郊外型SCへの行政の対応、(2)ホームページを用いた情報発信、(3)タウンマネジメントをめぐるセクタ間の対立を検討した。(1)については、群馬県太田市と栃木県佐野市を対象とした分析を行い、消費の流失を阻止すると同時に、税収と雇用の確保するため、大規模モールの進出を自治体が事実上「誘致」している点を指摘した。(2)については、大阪市42商店街の34サイトを分析し、買回り品を中心とする商店街が広域情報発信や電子商取引機能を重視するのに対して、最寄り品を中心とする近隣型商店街は地域情報の発信機能を重視すること、自治体のIT対応補助金が導入時期を規定していることなどを明らかにした。(3)については、広島県呉市で実態調査を行い、専任のTMを常駐させることが、新規創業者の定着に大きな効果を持つこと、既得権者である旧来の商業者との調整を図る機関が必要であること等を指摘した。
著者
砂岡 和子 保坂 敏子 砂岡 和子 敬松
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

日本語と中国語による対面異文化交流時に発生する障害の解決支援を目的に、ミス・コミュニケーション・コーパスを構築し、会議参加者が相互にコメントを付加できる異文化交流ビデオ教学プラットホームを開発した。話者の各種属性による言語・非言語要素、および対話における協調・非協調などの要因から討論シーンが検索可能となる。
著者
野坂 和夫
出版者
早稲田大学
雑誌
産業経営 (ISSN:02864428)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.71-81, 2004-12-15

会計の2005年問題の中で,日本企業にとって最も大きな問題となるのは,業績報告であろう。現在,IASBから提案されている業績報告の基本様式には,日本基準に存在する当期純利益の項目が存在しないからである。したがって,IFRSと日本基準との間には,業績報告における利益概念に大きな相違が存在する。このような会計環境に鑑みて,本稿では,業績報告における利益概念を考察する。具体的に,業績報告における利益概念が備えるべき機能を,投資家に対して投資意思決定に有用な情報を提供するという「意思決定有用性」,投資家に対して利益配当に関する情報を提供するという「配当可能性」,および,経営者が企業内容開示責任を負い投資家が投資意思決定について自己責任を負うという,証券市場での責任分担原則を維持する「業績報告と企業評価の区分明確化」の三機能に区分して,業績報告における利益概念を考察する。
著者
蔵持 不三也
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.67-79, 2004-04-01

In the end of November 1721, a great thief named Cartouche was sent off the scaffold of wheel at the Place of Greve in Paris. Chief of 366 followers forming a group "Cartousien", he committed with his complices many criminal acts like murders and thefts: their victims were a secret agent, messenger, merchant, and so on. Very interestingly, even before the execution of Cartouche, an Italian comedy titled "Cartouche and his company" was put on the stage of the Comedie-Frangaise in Paris, where Cartouche was indentified with Arlequin (Arlecchino), farcical trickster and descendant of "Familia herlechini". One year after the execution of Cartouche, his life story began to be published in the collection of "Bibliotheque blueu", cheep books of the colportage, and seemed to be distributed, by the beginning of 20th century 40,000,000 copies (!) for 40,000 editions. That is veritable best-seller book which shows us the popularity of Cartouche. In the popular imagnation, his negative characters became less distinct as time goes on. Then, laying emphasis on his extraordinary boldness and wiseness, people would get rid of their daily discontents or resentments due to the social injustice and unfairness. As the legendarization of histories makes a Hero, the historicization of legends makes an Anti-hero. We can find there a kind of representation of popular culture.