著者
野原 将揮
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2016

終了ページ : 170
著者
阿藤 誠 津谷 典子 福田 亘孝 西岡 八郎 星 敦士 田渕 六郎 吉田 千鶴 岩間 暁子 菅 桂太 中川 雅貴 曺 成虎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-15)

研究成果の概要(和文):本研究では第一に男性の未婚化・晩婚化は非正規雇用の増大により引き起こされ、女性の未婚化・晩婚化は高学歴化に伴う賃金稼得力の上昇と関係がある。第二に結婚や家族に対して非伝統的な価値意識を持つ人ほど出生力が低く、反対に伝統的な意識を持つ人ほど出生力が高い。第三に男性と比べて女姓は結婚・出産を経験すると家事や育児を極めて多く遂行するようになる。第四に高齢の親に対しては男性よりも女性の方が心理的、経済的支援をより多く行っており、特に配偶者の親よりも自分の親に対して顕著である。また、孫がいない夫婦より孫のいる夫婦の方が祖父母から様々な支援をより多く受けていることが明らかとなった。
著者
長谷川 洋三
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田社会科学総合研究 (ISSN:13457640)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.A37-A58, 2003-11-25

論文
著者
上田 洋子
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

ロシアモダニズム期の作家S.D.クルジジャノフスキイによる、芸術における演劇的構造に関する指摘を出発点として、19世紀末から20世紀初頭に誕生した演出家主導型の演劇に関する調査・研究を行った。海外でのアーカイヴ調査を経て演劇の豊穣と他の芸術との相関関係を確認した。論文と学会発表以外に、演劇博物館所蔵の未整理資料調査の結果発見した同時代の貴重な資料等を用い、展示および図録での成果発表を行った(「メイエルホリドの演劇と生涯」展、「ロシア演劇のモダニズムとアヴァンギャルド」展)。
著者
田中 妙子
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.17-40, 1998-03-31

<先取り>は, 相手の発した一発話が完全に終わらないうちに, 言語化されていない部分の内容を予測し, それに関わりのある何らかの言語表出を行うことである.本稿では, 日常会話とテレビ番組の会話を主な用例資料として, この<先取り>に関する分析を行った.<先取り>の性質は, 何を予測するかという点に注目した「予測の内容」と, 予測した内容をどのように言語化するかという点に注目した「言語化の方法」によって規定される.予測の内容は, (1)発話内容を予測する, (2)文末の述べ方を予測する, (3)発話が終わることを予測する, という三種に分類された.また, 言語化の方法は, (1)<代弁先取り>, (2)<相づち先取り>, (3)<返答・発展先取り>の三種に分類された.<先取り>という言語行動が会話の中で果たす役割については, 「効果」という語を用いて説明した.<先取り>の効果は, ・対人的な効果として, (1)理解・共感・一体感を表す, (2)からかい・皮肉を表す, (3)否定的感情・反発を表す, という三種に分類された.また, 会話展開上の効果として, (1)発話に要する時間を短縮させる, (2)会話が途切れることを防ぐ, (3)相手の発話や話題の打ち切りを示唆する, という三種に分類された.
著者
青柳 肇 細田 一秋
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-41, 1994-03-25

前処置とテスト課題の間に同種または異種の課題を挿入した際のテスト課題の成績および帰属の変化,コントロール感の変化,および随伴性の認識について検討する事を目的とした.実験は,3つのセッションからなっている.第1セッションでは,190名の大学生に前処置として50%しか解答できない数的処理課題を行わせた.その後第2セッションでは,被験者を4群に分け別々の課題を与える.LI群は,10個のアナグラムでそのうち半分は解答不能である.LS群は,10個の解答可能なアナグラムを与える.MI群は,10個の数的処理課題で,そのうち半分は解答不能である.MS群は,10個の解答可能な数的処理課題であった.その後第3セッションとして,全群に対してテスト課題として解答可能な数的処理課題10問与える.第1セッションと第2セッション,第2セッションと第3セッションの間に帰属スタイル尺度(ASQ)を実施し,実験終了後に随伴性の認識について聞いた.主な結果は,以下の通りである.(1)挿入課題で数的処理を行った群は,アナグラムを行った群より高得点である.とりわけ,解決可能な数的処理課題は,テスト課題での成績がよい.(2)挿入課題で解決可能なアナグラムを行うと課題全体の成績がよくなる.(3)解決不可能なアナグラム課題を与えられると帰属スタイルは,内的統制得点が低くなる.それ以外は大きな変化はない.(4)解決不可能なアナグラムと数的処理課題が与えられるとコントロール感が減少する.(5)随伴性の認識は,解決可能なアナグラム課題が与えられたとき最も強くなる.これらのことは,学習性無力感解消には,テスト課題と同種の解決可能課題を与えることだけが有効なのではなく,異種の解決可能な課題を与えることも有効であることを示唆するものである.
著者
高橋 淳一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.5-81, 2015

早大学位記番号:新7133
著者
佐藤 照雄
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-120, 2015

早大学位記番号:新7121
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-15, 1998-03-31

日中両国の文体改革の流れを見ると, ともに外圧的な動きの中で形成されてきた点に類似した面がある.日本の「言文一致運動」は, 明治維新, 外来文化の流入と同時に起こったのではない.中国の文体改革運動の&Lt;文学革命&Gt;, 清末の洋務運動・辛亥革命以来の洋化運動と直接に連動して始まったものではない.「言文一致運動」が明治二十年代, &Lt;文学革命&Gt;が1910年代後半と, ある一定の慣熟期間を経て醸成して来た点でもまた同様である.本稿では, &Lt;文学革命&Gt;のスローガンである, 胡適の"八不主義"の顛末を主として眺めてみたい.すなわち;1916年8月に「寄朱経農」から始まり, 1916年10月の「寄陳独秀」, 1917年2月の「文学改良芻議」(以上三者はアメリカで書かれる)経て・1918年4月叫建設的文学革命論」に至って定稿となる.いずれも八力条からなっており, 「建設的〜〜」で初めて, 文頭に「不上字の冠された"八不主義"が完成する.&Lt;文学革命>および"八不主義"は, 様々な問題を内包したスローガンである.アメリカのニュームーブメントを主導したイマジストクリードとの関連も見逃しがたい.ただ中国では, &Lt;文学革命&Gt;は単に文学の形式を変えるというだけでな<, 「文言と白話の木目克」の解消という文体論的課題を持っている.またそれは, 「五四運動」の先駆として, 数千年来の奥深い文化的側面の改革をも意味しているわけで, とても一日にして論是られるものではない."八不主義"の生成過程を辿ることにとって, そうした一端を考えてみたい.
著者
趙 倩倩
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2015

終了ページ : 140
著者
小川 史
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田教育評論 (ISSN:09145680)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-23, 2004-03-31

近年,戦時下の総動員体制についての研究が深められるなかで,それが単に上からの強圧的な支配のみによって成立したのではなく,民衆の自発性によっても基礎付けられようとしていたことが強調されている。むろん,日本の場合,総体的にみれば1930年代後半以降の総動員体制がきわめて抑圧的なものであることは明白であり,教育の領域も教化的な色彩が強い。したがって,そこに民衆の自発性をゆるす余地は大きいとは言えないかもしれない。だが,当時の論調には民衆の自発性を求めるものが多く存在し,政策サイドも実際にそうした自発性を涵養する試みを展開しているのである。それは実は生産力の増加と労働力の再生産を意図したものであった。当時にあってそうした論調が強かった分野のひとつが文化政策論,とりわけ素人演劇論であった。当時文化政策へと転回していった社会教育行政は主に法整備の面で素人演劇に関わっている。脚本の作成から上演までさまざまな団体が関わった素人演劇運動を通して,演劇による表現空間は政府および政府関連組織によって政策的に形成が目指される。総動員体制は,民衆に表現と娯楽の機会を与え自発性を引き出すことで,その存立を図ったのである。だが,その際,素人演劇運動は,警察的な抑圧を前提に自発性を引き出しつつ,同時にそれを国策的な方向へと導くという,きわめて難しい課題を引き受けねばならなかった。当時素人演劇運動が直面していたこの問題は,民衆を「国民」として規定しかつその「国民」の自発的な参与によって成り立つ政治体である近代国民国家の存立という,きわめて重要な政治的問題と密接に結びついている。ここで問題となるのが自発性の意味である。この自発性は,中性で純粋なものではなく,ある歴史的に特殊な性格を持つべく方向付けられたものである。本研究もその点を中心としつつ論を展開してゆくことになる。
著者
小川 史
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2005

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2018号 ; 学位の種類:博士(教育学) ; 授与年月日:2005/2/22 ; 早大学位記番号:新3969
著者
神尾 達之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28 (Released:2011-08-05)

エイズは、①免疫不全を引き起こす点で、ヒトの身体レベルにおける自他の区別を無効にする病であり、かつ、②当初は性行為による感染がクローズアップされた点で、《他者》たちとの《つながり》の病であった。「エイズ」は単なる感染症の名称にとどまらず、《他者》による自己の侵犯をめぐる表象である。本研究はエイズから始まる《感染》の表象が、寄生、共生、インターネット、sns、微生物、絆、ともだち、ゾンビなどのイメージに転移することで、突然変異を繰り返し、変奏されるプロセスを考察する。
著者
若林 幹夫 田中 大介 南後 由和
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は、消費化・情報化時代の「都市の論理」と、それを成立させる社会的過程と構造を明らかにすることを目的としている。具体的には、1990年代以降、全国の都市部や郊外地域に普及した消費空間であるショッピングセンター、ショッピングモールを主要な対象として、現代都市社会における空間の生産・流通・消費のあり方と、それが生み出す社会と文化の様態を、情報化・消費化社会における新たな「都市の論理」として分析した。
著者
高井 昌吏 谷本 奈穂 石田 あゆう 坂田 謙司 福間 良明 村瀬 敬子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

ポピュラー・カルチャーのなかで形成される戦争の表象を、ジェンダーの視点から考察した。たとえば、男らしい戦争イメージの形成では、『男たちの大和』『連合艦隊』などの映画、さらに「大和ミュージアム」や知覧という観光、あるいはプラモデルなどが大きく絡んでいる。女らしさやこどもらしさについては、むしろ『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などの児童書・アニメの影響が大きい。こうした点を考慮し、それぞれの戦争(沖縄戦、原爆、空襲など)が社会的に受容されるうえで主に寄与したポピュラー・カルチャーに着目し、それらを横断しながら構築される戦争イメージについて分析した。
著者
根建 金男 石川 利江
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.147-159, 1990-03-25

Recently, researchers and clinicians in psychology and medicine are showing keen interest in cognitive behavior modification (CBM) which has been developed based upon behavior modification but puts emphasis on cognition. The purpose of the present paper is to overview CBM, examine the present state of it, and suggest its future directions. The techniques, targets, and objects of evaluation, the theoretical basis, and the procedures of CBM, and so on were reconsidered. Suggested main future directions of CBM are as follows. (1) "Cognition" should not be considered as the explanatory concept but instead as the operational indepenent variable. (2) It is necessary to confirm if the belief system of the client changes when such cognitive techniques as "cognitive restructuring" and "self-instruction" are introduced. (3) Intrinsic studies concerning the nature of cognitive techniques are required. (4) The procedural validity and the effects of "imagery rehearsal" techniques should be more clarified. Cognitive behavior modification is a prospective approach, however, further research considering the above directions is needed to develop and refine it.
著者
坪郷 實
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

本研究では、社会民主党と90年同盟・緑の党との連立であるドイツ・シュレーダー政権の政権政策を比較政治の観点から調査し、分析を行った。特に、2002年連邦議会選挙の分析と、第一期(1998-2002年)の政権政策の分析に重点をおいた。シュレーダー首相とフィッシャー外相は、2002年9月の連邦議会選挙において辛うじて再選された。最大の課題としてきた失業者数の削減を果たせなかったことが、辛勝の理由である。有権者は、赤と緑の連立に「第二のチャンス」を与えた。本政権の再選は、直前のスウェーデンにおける中道左派政権の継続とあわせて、ヨーロッパレベルでの中道左派政権の退潮に歯止めをかけたものと位置づけられる。シュレーダー政権は、経済・財政政策では、緊縮財政政策をとっているが、雇用政策において成果を挙げられないでいる。社会保障制度の改革の課題も大きい。現在「アジェンダ2010」という改革プロジェクトが継続しているが、改革には負担が伴い、有権者の支持を得ることは困難であり、政権への支持は低迷している。他方、赤と緑の「政策革新」の領域である「多文化社会」をめぐる政策、脱原発と新しいエネルギー政策、エコ税制改革、「ジェンダーの主流化」への動きについては、一定程度の成果をあげている。さらに、「新しい政治スタイル」として合意形成の手法の重視も指摘できる。また、経済政策、環境政策、社会政策の総合化を目標にする「維持可能性の戦略」も注目される。社会民主党は、「社会的公正」の現代的理解を初めとして、新しい基本綱領について議論を継続している。シュレーダー政権は、中長期的見通しのある政権政策の形成と、有権者の多数派を獲得する政治戦略の形成を課題としている。
著者
森 元孝
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

2004年10月に、1999年10月に実施したアンケート調査結果と比較研究ができるように設計した質問項目と、「グローバル化」「外国人」についての意識を問うを質問を含めて、2003年の東京都知事選挙で石原慎太郎候補が獲得した300万票の意味を考えるためのデータの収集を目的とする質問紙法による調査を実施した。質問票は、1999年の調査項目をもとに作成したもの(A票)と、外国人についての意識を問う調査項目で構成されたもの(B票)、そして対象者の自由記述形式(C票)とから成っている。(1)調査地域杉並区、港区、新宿区、国立市、江戸川区、大田区、多摩市(2)調査対象上記各地域に居住する男女(3)標本数6300人(4)標本抽出ゼンリン住宅地図から世帯名簿を作成して系統抽出(5)調査票配布方法郵送法(督促葉書1回も含む)(6)実査期間2004年10月20日から11月10日まで2005年10月に、前年2004年10月に実施した2003年4月の東京都知事選挙における投票行動調査の結果分析から、この選挙で300万票の得票をした東京都知事石原慎太郎氏についてのイメージ、とりわけ何がそれを形成し、どうして300万票を獲得することを可能にしているのかという仮説を設定することができた。この仮説を、いかに支持していくことができるかについて、経験的データを得る質問紙法による調査を実施した。質問票は、2004年の調査項目をもとに作成した部分と新たにイメージを問う質問項目の部分からなるもの(A票)と、外国人についての意識を問う調査項目で構成されたもの(B票)、そして対象者に自由に記述していただく形式(C票)とから成っている。(1)調査地域品川区、豊島区、葛飾区、立川市(2)調査対象上記各地域に居住する男女(3)標本数4800人(4)標本抽出ゼンリン住宅地図から世帯名簿を作成して系統抽出(5)調査票配布方法郵送法(督促葉書1回も含む)(6)実査期間2005年10月20日から11月10日まで
著者
楊 立明 中村 みどり 池上 摩希子 周 飛帆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、中国人留学生を英語、日本語能力によりグループに分け、言語能力と社会適応の諸側面を調査した結果、以下の成果を得た。(1)適応意識の多様化(2)適応戦略の変化(3)日本語習得と使用意識の相違また、日本で就職した留学生への面接から、大学生活には適応しても企業での適応には困難を抱えているとわかった。環境要因を加味しつつ、就職後、留学生がどのように適応を図っていくか追跡調査をすることが今後の課題である。
著者
内田 直 宝田 雄大 渡邉 丈夫 宮崎 真 宝田 雄大 後藤 一成 関口 浩文 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

近年、国民の健康に対する関心の高まりとともに身体運動への関心も高まっている。しかしながら、このような関心は、身体的な健康が主体となっている。一方で、精神的なあるいは脳の健康も同様に重要であることは疑い。このような、精神的なあるいは脳の健康と、これに対する身体運動の効果についての研究は、いまだ十分に行われているとはいえない。本研究では、身体運動と精神活動あるいは脳活動の関連について焦点をあて、これについて健康科学的な側面から実証的な研究を行った。このような研究は、身体活動と身体の健康に関連した研究に比べると新しいものであり、今後うつ病や認知症予防のための運動療法としての活動につながるものである。研究は、以下の5つのテーマ(方法)によって行った。すなわち(1)身体運動が睡眠に及ぼす影響について、(2).睡眠中の代謝活動についての予備的研究、(3)朝行う身体運動が、その後の認知機能に及ぼす影響について、(4)身体運動と児童の発達の関連について、(5)観察学習の効果とスキルの転移、である。(1) 身体運動が睡眠に及ぼす影響については、二つの実験を行った。昼寝により人工的に作成した不眠状態への運動の影響をみたが、これは大きな影響が観察されなかった。次に睡眠直前に高強度の運動を行わせ、これが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを観察した。これまでの研究では、ストレス反応により睡眠が悪化すると言う説があったが、我々の研究では変化無く、悪化は無かった。しかしながら、睡眠中の体温が睡眠中期で運動後運動しないときよりも有意に高いという興味深い結果が得られた。(2) はヒューマンカロリーメータを用いた睡眠中の代謝の連続測定と言う新しい分野の研究であり、今後運動後の代謝の変化など興味がもたれた。(3) 朝の運動については、日常的に行われる健康運動と似たパタンであるが、これが日中の活動にどのように影響を及ぼすのかを見た。しかしながら、結果としては一過性の効果は認められたが、一日の中での変化は無かった。このような運動を習慣的にした場合の影響が今後の課題として残った。(4) 小学生を対象とした研究のまとめが一部完成した段階である。現状では、認知機能のうち、判別と抑制の発達パタンが小学生年代では異なっている可能性が示唆された。(5) 観察学習は、運動学習の一部であるが、観察学習により獲得された手続き記憶は、必ずしも転移しないことが示唆される結果であった。全体として基礎研究と応用研究の両方から成果が得られ、身体運動が脳と心に及ぼす効果の解明と健康科学への応用についての業績がえられた。期間は終了しているが、この結果を国際論文として発表している作業を持続して行っている。