著者
野原 将揮
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-12-12)

平成24年度は前年度に引き続き戦国出土資料に見える通仮字の分析、〓東語の記述を行った。具体的には、(1)『清華大学蔵戦国竹簡』(以下清華簡と略称する)に見える通仮字の分析、(2)戦国時期の竹簡に見える舌音の再分類、(3)戦国出土資料に見える無声鼻音の再構、(4)〓東語福鼎店下方言の記述、以上の4点を中心に研究を進めた。(1)清華大学に所蔵される戦国期の竹簡は、その資料の特徴から、所謂「戦国楚簡」と称される竹簡とはやや異なる性格を有する(特に用字法の面で)。本研究では、上古中国語音韻体系から清華簡の通仮字(当て字の用法)に分析を加えた。その結果、『清華大学蔵戦国竹簡』の音韻体系はこれまでに再構された音韻体系とそれほど大きな違いが無いことが確認された。用字法の面では他の竹簡と差異がみられるが、音韻面では大きく異なるような通仮は多くない。(2)従来の研究成果(上古舌音のT-typeとL-typeの2類)を基礎に、新出土資料に見える字音について考察を加えた。いくつかの文字の字音はこれまで資料の制約により再構が困難であったが、新出土資料の出現によって明らかとなった(たとえば「潮」等は従来T-typeと再構されたが、L-typeである可能性が高い)。(3)そもそも上古中国語の研究では、研究対象とする時代を定めることが困難であるため、出土資料は音韻史にひとつの定点を与えるものとして重要視される。本研究は戦国時代中期~後期における無声鼻音について考察を加えたものである。結果、戦国期に無声鼻音が存在していたことを確認した。(4)上古中国語音韻体系の再構を進める上で、出土資料は貴重な資料であるが、明らかにできない点も少なくない。したがって古い要素を保存しているとされる〓語の記述も重要となる。本研究は前年度より継続してきた〓東語福鼎店下方言の記述を進めた。本年度は字音と語彙の記述を進めた。
著者
早稲田大学 編
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
vol.昭和12年, 1936
著者
野原 将揮
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2016

終了ページ : 170
著者
阿藤 誠 津谷 典子 福田 亘孝 西岡 八郎 星 敦士 田渕 六郎 吉田 千鶴 岩間 暁子 菅 桂太 中川 雅貴 曺 成虎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-15)

研究成果の概要(和文):本研究では第一に男性の未婚化・晩婚化は非正規雇用の増大により引き起こされ、女性の未婚化・晩婚化は高学歴化に伴う賃金稼得力の上昇と関係がある。第二に結婚や家族に対して非伝統的な価値意識を持つ人ほど出生力が低く、反対に伝統的な意識を持つ人ほど出生力が高い。第三に男性と比べて女姓は結婚・出産を経験すると家事や育児を極めて多く遂行するようになる。第四に高齢の親に対しては男性よりも女性の方が心理的、経済的支援をより多く行っており、特に配偶者の親よりも自分の親に対して顕著である。また、孫がいない夫婦より孫のいる夫婦の方が祖父母から様々な支援をより多く受けていることが明らかとなった。
著者
長谷川 洋三
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田社会科学総合研究 (ISSN:13457640)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.A37-A58, 2003-11-25

論文
著者
上田 洋子
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

ロシアモダニズム期の作家S.D.クルジジャノフスキイによる、芸術における演劇的構造に関する指摘を出発点として、19世紀末から20世紀初頭に誕生した演出家主導型の演劇に関する調査・研究を行った。海外でのアーカイヴ調査を経て演劇の豊穣と他の芸術との相関関係を確認した。論文と学会発表以外に、演劇博物館所蔵の未整理資料調査の結果発見した同時代の貴重な資料等を用い、展示および図録での成果発表を行った(「メイエルホリドの演劇と生涯」展、「ロシア演劇のモダニズムとアヴァンギャルド」展)。
著者
竹村 和久 岩満 優美
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

これまで描画や風景構成法は、解釈における客観性が乏しいという問題ががあったため、本研究では、社会的認知を測定するための投影的方法ついての統計的画像解析技法を提案した。本研究では、(1)画像の走査と分割、(2)濃度ヒストグラム法(GLHM)、空間濃度レベル依存法(SGLDM)、濃度レベル差分法GLDM)などのテクスチャー解析、(3)特異値分解、(4)フーリエ解析、(5)風景構成画や描画の心理的解釈という手続きである。我々は、今回提案した統計的画像解析で分析を行い、心理過程を考察した。併用した不安や抑うつに関する心理テストなどからも、これらの画像特徴との関係性があることがわかった。
著者
齋藤 久美子
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

壁塗り用石膏に関して、前年まで研究で、当時石膏焼きの際、過焼成によりプラスターに無水石膏が混入していた可能性を指摘したが、これが現在までに二水石膏部分をも無水化させた原因ではないかと考え、半水石膏と、半水石膏と無水石膏の混合物をそれぞれ水和させ、変化を観察した。1年半にわたり湿度30〜40%の状態に置き、定期的に石膏の脱水の有無を調べたが、両者とも脱水は見られなかった。さらに、温度など壁画が置かれていた環境も検討し、長期的な観察を行う必要がある。顔料については、壁画には銅を発色源とするエジプシャン・ブルー、土器の彩色にはコバルトを発色源とするコバルト・ブルーという使い分けが行われていた理由を実験により検証した。分析結果に基づき合成したエジプシャン・ブルーと、出土したエジプシャン・ブルーの塗られた壁画片を、土器を焼く温度で輝いてみたところ、ともに黒く変色した。エジプシャン・ブルーは熱に弱く土器には使えなかったものと考えられる。コバルトブルーの製法については、同じくコバルトを使用していたガラスの製法、及びコバルト・ブルーより二千年以上前から作られていたエジプシャン・ブルーの製法と比較してみた。成分分析の結果、ガラスに比べて、コバルト・ブルーには多量のアルミナが含まれていた。分析結果に基づいて合成実験を行ったところ、アルミナが多いと融解温度が高くなるため、当時ガラスが作られていた温度ではガラス化が困難であり、ガラス製法そのままではコバルト・ブルーは作れないことがわかった。また、エジプシャン・ブルーともガラス質部分の配合が異なり、伝統的な顔料製法を用い、新たに導入された原料であるコバルトを単に銅に置き換えただけではないことが判明した。当時の技術体系の複雑さが伺える。顔料に関する実験の成果の一部を、6月に行われた日本西アジア考古学会第10回大会で発表した。
著者
田中 妙子
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.17-40, 1998-03-31

<先取り>は, 相手の発した一発話が完全に終わらないうちに, 言語化されていない部分の内容を予測し, それに関わりのある何らかの言語表出を行うことである.本稿では, 日常会話とテレビ番組の会話を主な用例資料として, この<先取り>に関する分析を行った.<先取り>の性質は, 何を予測するかという点に注目した「予測の内容」と, 予測した内容をどのように言語化するかという点に注目した「言語化の方法」によって規定される.予測の内容は, (1)発話内容を予測する, (2)文末の述べ方を予測する, (3)発話が終わることを予測する, という三種に分類された.また, 言語化の方法は, (1)<代弁先取り>, (2)<相づち先取り>, (3)<返答・発展先取り>の三種に分類された.<先取り>という言語行動が会話の中で果たす役割については, 「効果」という語を用いて説明した.<先取り>の効果は, ・対人的な効果として, (1)理解・共感・一体感を表す, (2)からかい・皮肉を表す, (3)否定的感情・反発を表す, という三種に分類された.また, 会話展開上の効果として, (1)発話に要する時間を短縮させる, (2)会話が途切れることを防ぐ, (3)相手の発話や話題の打ち切りを示唆する, という三種に分類された.
著者
青柳 肇 細田 一秋
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-41, 1994-03-25

前処置とテスト課題の間に同種または異種の課題を挿入した際のテスト課題の成績および帰属の変化,コントロール感の変化,および随伴性の認識について検討する事を目的とした.実験は,3つのセッションからなっている.第1セッションでは,190名の大学生に前処置として50%しか解答できない数的処理課題を行わせた.その後第2セッションでは,被験者を4群に分け別々の課題を与える.LI群は,10個のアナグラムでそのうち半分は解答不能である.LS群は,10個の解答可能なアナグラムを与える.MI群は,10個の数的処理課題で,そのうち半分は解答不能である.MS群は,10個の解答可能な数的処理課題であった.その後第3セッションとして,全群に対してテスト課題として解答可能な数的処理課題10問与える.第1セッションと第2セッション,第2セッションと第3セッションの間に帰属スタイル尺度(ASQ)を実施し,実験終了後に随伴性の認識について聞いた.主な結果は,以下の通りである.(1)挿入課題で数的処理を行った群は,アナグラムを行った群より高得点である.とりわけ,解決可能な数的処理課題は,テスト課題での成績がよい.(2)挿入課題で解決可能なアナグラムを行うと課題全体の成績がよくなる.(3)解決不可能なアナグラム課題を与えられると帰属スタイルは,内的統制得点が低くなる.それ以外は大きな変化はない.(4)解決不可能なアナグラムと数的処理課題が与えられるとコントロール感が減少する.(5)随伴性の認識は,解決可能なアナグラム課題が与えられたとき最も強くなる.これらのことは,学習性無力感解消には,テスト課題と同種の解決可能課題を与えることだけが有効なのではなく,異種の解決可能な課題を与えることも有効であることを示唆するものである.
著者
高橋 淳一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.5-81, 2015

早大学位記番号:新7133
著者
佐藤 照雄
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-120, 2015

早大学位記番号:新7121
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-15, 1998-03-31

日中両国の文体改革の流れを見ると, ともに外圧的な動きの中で形成されてきた点に類似した面がある.日本の「言文一致運動」は, 明治維新, 外来文化の流入と同時に起こったのではない.中国の文体改革運動の&Lt;文学革命&Gt;, 清末の洋務運動・辛亥革命以来の洋化運動と直接に連動して始まったものではない.「言文一致運動」が明治二十年代, &Lt;文学革命&Gt;が1910年代後半と, ある一定の慣熟期間を経て醸成して来た点でもまた同様である.本稿では, &Lt;文学革命&Gt;のスローガンである, 胡適の"八不主義"の顛末を主として眺めてみたい.すなわち;1916年8月に「寄朱経農」から始まり, 1916年10月の「寄陳独秀」, 1917年2月の「文学改良芻議」(以上三者はアメリカで書かれる)経て・1918年4月叫建設的文学革命論」に至って定稿となる.いずれも八力条からなっており, 「建設的〜〜」で初めて, 文頭に「不上字の冠された"八不主義"が完成する.&Lt;文学革命>および"八不主義"は, 様々な問題を内包したスローガンである.アメリカのニュームーブメントを主導したイマジストクリードとの関連も見逃しがたい.ただ中国では, &Lt;文学革命&Gt;は単に文学の形式を変えるというだけでな<, 「文言と白話の木目克」の解消という文体論的課題を持っている.またそれは, 「五四運動」の先駆として, 数千年来の奥深い文化的側面の改革をも意味しているわけで, とても一日にして論是られるものではない."八不主義"の生成過程を辿ることにとって, そうした一端を考えてみたい.
著者
趙 倩倩
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2015

終了ページ : 140
著者
小川 史
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田教育評論 (ISSN:09145680)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-23, 2004-03-31

近年,戦時下の総動員体制についての研究が深められるなかで,それが単に上からの強圧的な支配のみによって成立したのではなく,民衆の自発性によっても基礎付けられようとしていたことが強調されている。むろん,日本の場合,総体的にみれば1930年代後半以降の総動員体制がきわめて抑圧的なものであることは明白であり,教育の領域も教化的な色彩が強い。したがって,そこに民衆の自発性をゆるす余地は大きいとは言えないかもしれない。だが,当時の論調には民衆の自発性を求めるものが多く存在し,政策サイドも実際にそうした自発性を涵養する試みを展開しているのである。それは実は生産力の増加と労働力の再生産を意図したものであった。当時にあってそうした論調が強かった分野のひとつが文化政策論,とりわけ素人演劇論であった。当時文化政策へと転回していった社会教育行政は主に法整備の面で素人演劇に関わっている。脚本の作成から上演までさまざまな団体が関わった素人演劇運動を通して,演劇による表現空間は政府および政府関連組織によって政策的に形成が目指される。総動員体制は,民衆に表現と娯楽の機会を与え自発性を引き出すことで,その存立を図ったのである。だが,その際,素人演劇運動は,警察的な抑圧を前提に自発性を引き出しつつ,同時にそれを国策的な方向へと導くという,きわめて難しい課題を引き受けねばならなかった。当時素人演劇運動が直面していたこの問題は,民衆を「国民」として規定しかつその「国民」の自発的な参与によって成り立つ政治体である近代国民国家の存立という,きわめて重要な政治的問題と密接に結びついている。ここで問題となるのが自発性の意味である。この自発性は,中性で純粋なものではなく,ある歴史的に特殊な性格を持つべく方向付けられたものである。本研究もその点を中心としつつ論を展開してゆくことになる。
著者
小川 史
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2005

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2018号 ; 学位の種類:博士(教育学) ; 授与年月日:2005/2/22 ; 早大学位記番号:新3969
著者
神尾 達之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28 (Released:2011-08-05)

エイズは、①免疫不全を引き起こす点で、ヒトの身体レベルにおける自他の区別を無効にする病であり、かつ、②当初は性行為による感染がクローズアップされた点で、《他者》たちとの《つながり》の病であった。「エイズ」は単なる感染症の名称にとどまらず、《他者》による自己の侵犯をめぐる表象である。本研究はエイズから始まる《感染》の表象が、寄生、共生、インターネット、sns、微生物、絆、ともだち、ゾンビなどのイメージに転移することで、突然変異を繰り返し、変奏されるプロセスを考察する。
著者
若林 幹夫 田中 大介 南後 由和
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は、消費化・情報化時代の「都市の論理」と、それを成立させる社会的過程と構造を明らかにすることを目的としている。具体的には、1990年代以降、全国の都市部や郊外地域に普及した消費空間であるショッピングセンター、ショッピングモールを主要な対象として、現代都市社会における空間の生産・流通・消費のあり方と、それが生み出す社会と文化の様態を、情報化・消費化社会における新たな「都市の論理」として分析した。