著者
宮崎 清孝 小野寺 涼子 田中 康生 福田 稔
出版者
早稲田大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:18800270)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.51-65, 2005-03-25
被引用文献数
1 or 0

This paper studied how the process of collaborative art production developed in a professional artist's workshop for children. The focus of the study was to examine the role of the artist's and other adults' behavior to stimulate the children's art production. The target of the study was 7-day art workshop held by the world famous installation artist Tadashi Kawamata in a kindergarten in Gifu prefecture, in which the artist and children, helped by other adults, built a construction named "Kichi", or "the Base", and many small objects decorated in Kichi. Two cases were taken up and their video records were analyzed. In the case 1, 8 children were observed while they were making small wooden decorations with one of their teachers and one of Kawamata's students. In the case 2, one class of children were observed while they were building house like construction in their classroom, in which Kawamata intervened and affected their course of production. The results showed that the process of their production can be schematized as a circular repetition of "proposal" and "adoption" or "rejection". Three modes of proposal were identified. Among them, the most important from this study's interest was the introduction of the resources for production, only done by adults. This type of proposal opened up the children's new courses of production behavior, which were unexpected even by adults who made the proposal. The implication of this proposal was discussed, using Wartofsky's (1979) analysis of art as tertiary artifacts. (Waseda Journal of Human Sciences, 18 (1) : 51-65, 2005)
著者
上田 洋子
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

ロシアモダニズム期の作家S.D.クルジジャノフスキイによる、芸術における演劇的構造に関する指摘を出発点として、19世紀末から20世紀初頭に誕生した演出家主導型の演劇に関する調査・研究を行った。海外でのアーカイヴ調査を経て演劇の豊穣と他の芸術との相関関係を確認した。論文と学会発表以外に、演劇博物館所蔵の未整理資料調査の結果発見した同時代の貴重な資料等を用い、展示および図録での成果発表を行った(「メイエルホリドの演劇と生涯」展、「ロシア演劇のモダニズムとアヴァンギャルド」展)。
著者
佐藤 照雄
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-120, 2015

早大学位記番号:新7121
著者
鈴木 義昭
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-15, 1998-03-31

日中両国の文体改革の流れを見ると, ともに外圧的な動きの中で形成されてきた点に類似した面がある.日本の「言文一致運動」は, 明治維新, 外来文化の流入と同時に起こったのではない.中国の文体改革運動の&Lt;文学革命&Gt;, 清末の洋務運動・辛亥革命以来の洋化運動と直接に連動して始まったものではない.「言文一致運動」が明治二十年代, &Lt;文学革命&Gt;が1910年代後半と, ある一定の慣熟期間を経て醸成して来た点でもまた同様である.本稿では, &Lt;文学革命&Gt;のスローガンである, 胡適の"八不主義"の顛末を主として眺めてみたい.すなわち;1916年8月に「寄朱経農」から始まり, 1916年10月の「寄陳独秀」, 1917年2月の「文学改良芻議」(以上三者はアメリカで書かれる)経て・1918年4月叫建設的文学革命論」に至って定稿となる.いずれも八力条からなっており, 「建設的〜〜」で初めて, 文頭に「不上字の冠された"八不主義"が完成する.&Lt;文学革命>および"八不主義"は, 様々な問題を内包したスローガンである.アメリカのニュームーブメントを主導したイマジストクリードとの関連も見逃しがたい.ただ中国では, &Lt;文学革命&Gt;は単に文学の形式を変えるというだけでな<, 「文言と白話の木目克」の解消という文体論的課題を持っている.またそれは, 「五四運動」の先駆として, 数千年来の奥深い文化的側面の改革をも意味しているわけで, とても一日にして論是られるものではない."八不主義"の生成過程を辿ることにとって, そうした一端を考えてみたい.
著者
趙 倩倩
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2015

終了ページ : 140
著者
小川 史
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田教育評論 (ISSN:09145680)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-23, 2004-03-31

近年,戦時下の総動員体制についての研究が深められるなかで,それが単に上からの強圧的な支配のみによって成立したのではなく,民衆の自発性によっても基礎付けられようとしていたことが強調されている。むろん,日本の場合,総体的にみれば1930年代後半以降の総動員体制がきわめて抑圧的なものであることは明白であり,教育の領域も教化的な色彩が強い。したがって,そこに民衆の自発性をゆるす余地は大きいとは言えないかもしれない。だが,当時の論調には民衆の自発性を求めるものが多く存在し,政策サイドも実際にそうした自発性を涵養する試みを展開しているのである。それは実は生産力の増加と労働力の再生産を意図したものであった。当時にあってそうした論調が強かった分野のひとつが文化政策論,とりわけ素人演劇論であった。当時文化政策へと転回していった社会教育行政は主に法整備の面で素人演劇に関わっている。脚本の作成から上演までさまざまな団体が関わった素人演劇運動を通して,演劇による表現空間は政府および政府関連組織によって政策的に形成が目指される。総動員体制は,民衆に表現と娯楽の機会を与え自発性を引き出すことで,その存立を図ったのである。だが,その際,素人演劇運動は,警察的な抑圧を前提に自発性を引き出しつつ,同時にそれを国策的な方向へと導くという,きわめて難しい課題を引き受けねばならなかった。当時素人演劇運動が直面していたこの問題は,民衆を「国民」として規定しかつその「国民」の自発的な参与によって成り立つ政治体である近代国民国家の存立という,きわめて重要な政治的問題と密接に結びついている。ここで問題となるのが自発性の意味である。この自発性は,中性で純粋なものではなく,ある歴史的に特殊な性格を持つべく方向付けられたものである。本研究もその点を中心としつつ論を展開してゆくことになる。
著者
小川 史
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2005

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2018号 ; 学位の種類:博士(教育学) ; 授与年月日:2005/2/22 ; 早大学位記番号:新3969
著者
神尾 達之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28 (Released:2011-08-05)

エイズは、①免疫不全を引き起こす点で、ヒトの身体レベルにおける自他の区別を無効にする病であり、かつ、②当初は性行為による感染がクローズアップされた点で、《他者》たちとの《つながり》の病であった。「エイズ」は単なる感染症の名称にとどまらず、《他者》による自己の侵犯をめぐる表象である。本研究はエイズから始まる《感染》の表象が、寄生、共生、インターネット、sns、微生物、絆、ともだち、ゾンビなどのイメージに転移することで、突然変異を繰り返し、変奏されるプロセスを考察する。
著者
若林 幹夫 田中 大介 南後 由和
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は、消費化・情報化時代の「都市の論理」と、それを成立させる社会的過程と構造を明らかにすることを目的としている。具体的には、1990年代以降、全国の都市部や郊外地域に普及した消費空間であるショッピングセンター、ショッピングモールを主要な対象として、現代都市社会における空間の生産・流通・消費のあり方と、それが生み出す社会と文化の様態を、情報化・消費化社会における新たな「都市の論理」として分析した。
著者
菅原 真
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田教育評論 (ISSN:09145680)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.41-54, 2003-03-31

国旗・国歌法制定後,公立学校では「国旗掲揚」「国歌斉唱」を拒む教師に対し,行政上の懲戒処分などの法的措置を含む有形無形の圧力が以前より強くかけられている。こうした中で,筆者の勤務する私立中学・高等学校では,従来慣行として行われてきた「君が代斉唱」を卒業式・入学式の式次第から削除した。この根底には,卒業式・入学式において「君が代斉唱」は不可欠の構成要素ではあり得ないという認識がある。本来,学校の設置主体が公立であれ私立であれ,いかなる卒業式・入学式をおこなうかについては,各学校がそれぞれ自主的に決めるべき問題であり,国旗・国歌の強制は憲法に違背する行為である。
著者
高井 昌吏 谷本 奈穂 石田 あゆう 坂田 謙司 福間 良明 村瀬 敬子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

ポピュラー・カルチャーのなかで形成される戦争の表象を、ジェンダーの視点から考察した。たとえば、男らしい戦争イメージの形成では、『男たちの大和』『連合艦隊』などの映画、さらに「大和ミュージアム」や知覧という観光、あるいはプラモデルなどが大きく絡んでいる。女らしさやこどもらしさについては、むしろ『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などの児童書・アニメの影響が大きい。こうした点を考慮し、それぞれの戦争(沖縄戦、原爆、空襲など)が社会的に受容されるうえで主に寄与したポピュラー・カルチャーに着目し、それらを横断しながら構築される戦争イメージについて分析した。
著者
根建 金男 石川 利江
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.147-159, 1990-03-25

Recently, researchers and clinicians in psychology and medicine are showing keen interest in cognitive behavior modification (CBM) which has been developed based upon behavior modification but puts emphasis on cognition. The purpose of the present paper is to overview CBM, examine the present state of it, and suggest its future directions. The techniques, targets, and objects of evaluation, the theoretical basis, and the procedures of CBM, and so on were reconsidered. Suggested main future directions of CBM are as follows. (1) "Cognition" should not be considered as the explanatory concept but instead as the operational indepenent variable. (2) It is necessary to confirm if the belief system of the client changes when such cognitive techniques as "cognitive restructuring" and "self-instruction" are introduced. (3) Intrinsic studies concerning the nature of cognitive techniques are required. (4) The procedural validity and the effects of "imagery rehearsal" techniques should be more clarified. Cognitive behavior modification is a prospective approach, however, further research considering the above directions is needed to develop and refine it.
著者
坪郷 實
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

本研究では、社会民主党と90年同盟・緑の党との連立であるドイツ・シュレーダー政権の政権政策を比較政治の観点から調査し、分析を行った。特に、2002年連邦議会選挙の分析と、第一期(1998-2002年)の政権政策の分析に重点をおいた。シュレーダー首相とフィッシャー外相は、2002年9月の連邦議会選挙において辛うじて再選された。最大の課題としてきた失業者数の削減を果たせなかったことが、辛勝の理由である。有権者は、赤と緑の連立に「第二のチャンス」を与えた。本政権の再選は、直前のスウェーデンにおける中道左派政権の継続とあわせて、ヨーロッパレベルでの中道左派政権の退潮に歯止めをかけたものと位置づけられる。シュレーダー政権は、経済・財政政策では、緊縮財政政策をとっているが、雇用政策において成果を挙げられないでいる。社会保障制度の改革の課題も大きい。現在「アジェンダ2010」という改革プロジェクトが継続しているが、改革には負担が伴い、有権者の支持を得ることは困難であり、政権への支持は低迷している。他方、赤と緑の「政策革新」の領域である「多文化社会」をめぐる政策、脱原発と新しいエネルギー政策、エコ税制改革、「ジェンダーの主流化」への動きについては、一定程度の成果をあげている。さらに、「新しい政治スタイル」として合意形成の手法の重視も指摘できる。また、経済政策、環境政策、社会政策の総合化を目標にする「維持可能性の戦略」も注目される。社会民主党は、「社会的公正」の現代的理解を初めとして、新しい基本綱領について議論を継続している。シュレーダー政権は、中長期的見通しのある政権政策の形成と、有権者の多数派を獲得する政治戦略の形成を課題としている。
著者
森 元孝
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

2004年10月に、1999年10月に実施したアンケート調査結果と比較研究ができるように設計した質問項目と、「グローバル化」「外国人」についての意識を問うを質問を含めて、2003年の東京都知事選挙で石原慎太郎候補が獲得した300万票の意味を考えるためのデータの収集を目的とする質問紙法による調査を実施した。質問票は、1999年の調査項目をもとに作成したもの(A票)と、外国人についての意識を問う調査項目で構成されたもの(B票)、そして対象者の自由記述形式(C票)とから成っている。(1)調査地域杉並区、港区、新宿区、国立市、江戸川区、大田区、多摩市(2)調査対象上記各地域に居住する男女(3)標本数6300人(4)標本抽出ゼンリン住宅地図から世帯名簿を作成して系統抽出(5)調査票配布方法郵送法(督促葉書1回も含む)(6)実査期間2004年10月20日から11月10日まで2005年10月に、前年2004年10月に実施した2003年4月の東京都知事選挙における投票行動調査の結果分析から、この選挙で300万票の得票をした東京都知事石原慎太郎氏についてのイメージ、とりわけ何がそれを形成し、どうして300万票を獲得することを可能にしているのかという仮説を設定することができた。この仮説を、いかに支持していくことができるかについて、経験的データを得る質問紙法による調査を実施した。質問票は、2004年の調査項目をもとに作成した部分と新たにイメージを問う質問項目の部分からなるもの(A票)と、外国人についての意識を問う調査項目で構成されたもの(B票)、そして対象者に自由に記述していただく形式(C票)とから成っている。(1)調査地域品川区、豊島区、葛飾区、立川市(2)調査対象上記各地域に居住する男女(3)標本数4800人(4)標本抽出ゼンリン住宅地図から世帯名簿を作成して系統抽出(5)調査票配布方法郵送法(督促葉書1回も含む)(6)実査期間2005年10月20日から11月10日まで
著者
楊 立明 中村 みどり 池上 摩希子 周 飛帆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では、中国人留学生を英語、日本語能力によりグループに分け、言語能力と社会適応の諸側面を調査した結果、以下の成果を得た。(1)適応意識の多様化(2)適応戦略の変化(3)日本語習得と使用意識の相違また、日本で就職した留学生への面接から、大学生活には適応しても企業での適応には困難を抱えているとわかった。環境要因を加味しつつ、就職後、留学生がどのように適応を図っていくか追跡調査をすることが今後の課題である。
著者
内田 直 宝田 雄大 渡邉 丈夫 宮崎 真 宝田 雄大 後藤 一成 関口 浩文 宮崎 真
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

近年、国民の健康に対する関心の高まりとともに身体運動への関心も高まっている。しかしながら、このような関心は、身体的な健康が主体となっている。一方で、精神的なあるいは脳の健康も同様に重要であることは疑い。このような、精神的なあるいは脳の健康と、これに対する身体運動の効果についての研究は、いまだ十分に行われているとはいえない。本研究では、身体運動と精神活動あるいは脳活動の関連について焦点をあて、これについて健康科学的な側面から実証的な研究を行った。このような研究は、身体活動と身体の健康に関連した研究に比べると新しいものであり、今後うつ病や認知症予防のための運動療法としての活動につながるものである。研究は、以下の5つのテーマ(方法)によって行った。すなわち(1)身体運動が睡眠に及ぼす影響について、(2).睡眠中の代謝活動についての予備的研究、(3)朝行う身体運動が、その後の認知機能に及ぼす影響について、(4)身体運動と児童の発達の関連について、(5)観察学習の効果とスキルの転移、である。(1) 身体運動が睡眠に及ぼす影響については、二つの実験を行った。昼寝により人工的に作成した不眠状態への運動の影響をみたが、これは大きな影響が観察されなかった。次に睡眠直前に高強度の運動を行わせ、これが睡眠にどのような影響を及ぼすのかを観察した。これまでの研究では、ストレス反応により睡眠が悪化すると言う説があったが、我々の研究では変化無く、悪化は無かった。しかしながら、睡眠中の体温が睡眠中期で運動後運動しないときよりも有意に高いという興味深い結果が得られた。(2) はヒューマンカロリーメータを用いた睡眠中の代謝の連続測定と言う新しい分野の研究であり、今後運動後の代謝の変化など興味がもたれた。(3) 朝の運動については、日常的に行われる健康運動と似たパタンであるが、これが日中の活動にどのように影響を及ぼすのかを見た。しかしながら、結果としては一過性の効果は認められたが、一日の中での変化は無かった。このような運動を習慣的にした場合の影響が今後の課題として残った。(4) 小学生を対象とした研究のまとめが一部完成した段階である。現状では、認知機能のうち、判別と抑制の発達パタンが小学生年代では異なっている可能性が示唆された。(5) 観察学習は、運動学習の一部であるが、観察学習により獲得された手続き記憶は、必ずしも転移しないことが示唆される結果であった。全体として基礎研究と応用研究の両方から成果が得られ、身体運動が脳と心に及ぼす効果の解明と健康科学への応用についての業績がえられた。期間は終了しているが、この結果を国際論文として発表している作業を持続して行っている。
著者
筒井 和義 南方 宏之 浮穴 和義 田中 滋康
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

我々は新規脳ホルモンである生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(gonadotropin-inhibitory hormone;GnIH)を鳥類から発見した。本研究では、GnIHはヒトなどの霊長類から無顎類に至る全ての脊椎動物に存在することを明らかにした。さらに、GnIHは生殖腺刺激ホルモンの合成と放出を抑制して生殖腺の発達と機能を抑える働きがあることを明らかにした。本研究により、この新規脳分子による新しい生殖制御機構の大略が解明された。
著者
柿沼 陽平
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

本年度は、2006年4月以来の日本学術振興会特別研究員(DC1)として報告者が研究してきた内容を一挙に発表した。まず戦国秦漢時代における貨幣経済の展開過程とその構造的特質について、「秦漢帝国による「半兩」銭の管理」・「前漢初期における盗鋳銭と盗鋳組織」・「戦国秦漢時代における布帛の流通と生産」の三本の論文にまとめた。それによると、戦国秦漢時代には銭・黄金・布帛を中心とする多元的貨幣経済が営まれており、その中で複数の貨幣がそれぞれの社会的文脈に沿ってさまざまな社会的機能を果たしていた。機能面のみを挙げれば、銭も布帛も黄金も経済的流通手段としての役割を果たしていたといえるけれども、それらにはそれぞれ異なる社会的機能・社会的制約があり、全く異なる存在意義を有していたわけである。そしてその中で、人々はそれらの貨幣を求め、それらを用いて生活し、それらに振り回されながら人生を送っていた。またその一方で、それゆえに国家はその利益を独占する政策を次々に打ち出していった。上記の諸論考においては、そのような戦国秦漢時代における国家と民のおりなす多元的な貨幣経済の実態を究明することを試みた次第である。また2009年1月には、上記の成果の一部を韓国の成均館大学において報告した。「戦国秦漢貨幣経済の特質とその時代的変化」がそれである。つづいて報告者は、中国古代貨幣経済そのものの起源にも言及した。その結果、殷周時代においては宝貝が殷系人を中心に営まれた贈与交換の媒体物であったが、その文化が殷系人の各地への分散化とともに各地に広がり、その後、戦国秦漢貨幣経済の成長とともに、そのような貨幣経済の中で生活する人びとに「貨幣の始原」をしめずものと誤解され、そのような「記憶」が形成されたと論じた。これは論文「殷周時代における宝貝文化とその「記憶」」として発表した。
著者
鄭 卿元
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-147, 2015

早大学位記番号:新7101
著者
佐々木 葉 羽藤 英二 岡田 智秀 佐々木 邦明 平野 勝也 山田 圭二郎 星野 裕司 山口 敬太 出村 嘉史
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

本研究では 景観計画およびまちづくりの理念を構築するための理論的研究として、①固定的視点からの景観把握モデルに代わる広域を捉える地域景観把握モデルの可能性を示し、②欧州風景条約から本研究の理念の位置づけを確認した。理念を実現する方法論として、③シーン景観、④移動景観、⑤生活景それぞれの視点で地域景観を記述する手法を考究した。理念実現化の運用方策として、⑥地域景観の保全から捉えた地域ガバナンス、⑦地域景観を活用した地域連携方策、⑧地域景観の価値の継承方策を調査した。以上を含めた本研究の成果は2014年1月23日に土木学会ワンデイセミナー「地域景観まちづくりの理論と実践を探る」において公表された。