著者
栗島 義明
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

縄文時代中期に東日本地域に広域的に分布するヒスイ製品は当該期の広域的な交易存在の証拠とされてきた。糸魚川周辺で製作されたヒスイ製品は中部地方だけでなく、広く関東や東北地方にも広がっており、注視すべきは大型のヒスイ製品の出土は各地の拠点的集落にのみ限られていることにある。所謂、環状集落だけからヒスイ製品が検出されているのである。しかも注目すべき点は、ヒスイ製大珠が出土するのは集落内に作られた墓域内でも中心部に構築された墓に副葬されている場合が殆どである。ヒスイ製大珠は出土数や出土状況から判断して、集落のオサが所有し佩用したものだった可能性がたかい。
著者
大沼 保昭 斎藤 民徒 川副 令 豊田 哲也 伊藤 一頼 申 惠〓 王 志安 伊藤 剛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本共同研究は、多極化・多文明化へと向かう今日の国際社会の現実が、欧米中心の現行国際法秩序の再考を迫っているという問題意識の下、21世紀の国際社会の現実に即した国際法秩序のあり方を模索し、研究の公刊を通じてその理解を広めることを目指すものであった。その際特に、世界人口の過半数を占め、歴史的に豊かな文明を生み出しながらも、国際法秩序の形成にその地位に見合った役割を果たすことなく、欧米中心の国際法秩序の消極的受容者と見なされてきたアジアの存在に着目し、21世紀の国際法秩序におけるアジアの位置、その貢献可能性を明らかにした。
著者
須田 努
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

後期水戸学、会沢正志斎の思想との関連、横井小楠との相違から吉田松陰の独自の行動原理を解明した。解収集した史料分析を行い、吉田松陰が征韓論を形成するに至る経過を考察した。この成果は、成均館大学校におけるシンポジウムで報告を行い、「横井小楠と吉田松陰」(趙景達他編『東アジアの知識人』1、有志舎、2013年)としてまとめた。一九世紀、ペリー来航によって形成された危機意識は、富国強兵の論理へと行き着いたことの意味とその後の影響について考察した。征韓論に関わる対馬藩の動向に関しては、史料収集を行ったが、成果の公表には至っていない。今後はこの問題を解決したい。
著者
川島 高峰 三浦 小太郎 宋 允復 荒木 和博 加藤 博 海老原 智治
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

北朝鮮帰還事業の前史は朝鮮戦争前後に遡ることが確認できた。当初、北朝鮮残留邦人の帰還交渉として開始した日本側の申出を北朝鮮側が在日朝鮮人の帰国運動へ転換していく過程であった。それは当時国交のなかった東アジア社会主義圏との間での邦人帰還交渉の一連に位置づけられ、邦人拉致工作の前史としてみた場合、その原型はシベリア抑留をめぐる日ソ間交渉にあり、これが日中、日朝で類似した戦略構造で繰り返されたものであった。
著者
相原 剣
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

全体的に申請時より深化した研究課題を文献学的な精緻さをもって遂行していく為、広範な調査と整理・分析を進めていった。特に、ヴァイマル期及びナチ時代の同性愛シーン・関連状況について、ベルリンのノレンドルフ地区、パンコウ地区など解放運動の拠点の実態分析、当時の旅行ガイドの精査を、広範な資料を基に進めていった。焦点化した作詞家ブルーノ・バルツについては、ベルリンのブルーノ・バルツ・アーカイブとの連携を保ち乍ら、その作品・思想・人脈等に関して更なる掘り下げを行った。マグヌス・ヒルシュフェルトやフリードリッヒ・ラッヅワイト、アドルフ・ブラント等の個人史にとどまらず、都市文化としてベルリンの同性愛解放運動全体を俯瞰的に捉え直すべく研究を遂行した。ラッズワイトによって1924年に発行された世界初のレズビアン雑誌Die Freundinに関して、ベルリンのゲイ博物館の研究員との意見交換を行い乍ら、ヴァルドフ等の女性同性愛シュラーガー分析を行った。同性愛文化研究叢書であるBibliothek rosa Winkelの成果を土台としながら、マイノリティの領域からメジャーな領域へと移行する文化動態のなかに現れるホモフォビア(同性愛嫌悪)の表象に焦点をあてた文献調査も広範に行い、当時の同性愛に関する禁忌の実態とポップ・カルチャーへの表出をデータ化し整理していく作業を進めた。また、収容所で作成された歌集に着目し、そこでの改作・替え歌を分析し、強制収容所に於ける娯楽音楽の有り様を明らかにする作業を行った。収容所環境下でのポップ・カルチャーの実態を解き明かす作業に関しては、ウィーンのQWIEN(ゲイ/レズビアン文化歴史研究センター)との相互的な協力関係を基に調査・研究を進めた。
著者
小林 三郎 石川 日出志 大塚 初重
出版者
明治大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1993年〜1994年の2ヵ年間に実施した大室古墳群第168号墳は、調査の結果、長径約14m、短径約13mの不整形な方形墳と推定しうる。墳丘は、人頭大の礫石を積み上げた、大室古墳群中の典型的な積石塚であることを確認できた。墳丘には、各所に埴輪片や土師器片、須恵器片が発見された。とくに、墳丘南側の墳裾には、土師器、須恵器がほぼ原位置を保って発見された。いずれも西暦5世紀代初期の土器群である。土器群とともに「土馬」が発見された。「土馬」は、土器群との伴出関係からみて西暦5世紀代初期のものと推定される。日本では古墳出土の「土馬」として最古のものである。また、墳丘南側には、埴輪円筒片が発見された。内部主体の合掌形石室は、墳丘中央部よりやや南側に位置する。長軸長1.8m、幅0.85m、高さ1.15m、主軸方位N-124°-Wを示す。石室天井石は4枚現存するが、もとは6枚の板石によって架けられていたと推定される。石室はすでに盗掘されていて、副葬品などは残存していない。わずかに、鉄剣片3個を発見したにすぎない。以上の結果からみると第168号墳は、大室古墳群の先駆的な役割をもって築造されたと考えられる。発見された須恵器は全国的な視野からも初期須恵器に属するもので、長野県地方では最古のものと考えられる。土師器も西暦5世紀初期のものであり、伴出した「土馬」は第168号墳の被葬者の性格をあらわしていると推定される。また、積石塚であることも日本の古墳の中では特異な存在である。すなわち、積石塚を中核とする大室古墳群の成立過程の中に、日本の古代官代牧との関連性が文献資料の他に考古学資料として提示されたものと考えている。
著者
髙木 俊雄
出版者
明治大学
巻号頁・発行日
2022

Article
著者
大上 尚史
出版者
明治大学
巻号頁・発行日
pp.1-178, 2023

2022
著者
山本 美香
出版者
明治大学
巻号頁・発行日
2018

identifier:http://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/handle/10291/19548
著者
堀井 裕之
出版者
明治大学
巻号頁・発行日
2018

identifier:http://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/handle/10291/19587
著者
藤本 由香里 Jaqueline BERNDT 椎名 ゆかり 伊藤 剛 夏目 房之介 ルスカ レナト・リベラ トゥルモンド フレデリック
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究期間中に北米各地、アルゼンチン、北欧・東欧・ロシア、その他欧州、東南アジア、東アジア、中東…計22の国と地域を調査。またローマ・上海・バンコク等8都市で図像アンケート・集計を行った。最終年度に、①ストックホルム国際コミック祭で「コミックとMangaの間」②ストックホルム大学での3日間の国際学会"Manga, Comics and Japan: Area Studies as Media Studies" ③明治大学でヨーロッパとアメリカから作家を招いての国際シンポジウム、④藤本・伊藤・夏目・ベルント・椎名・レナトによるまとめの研究発表と共同討議、計4回の国際会議を開催。研究を締めくくった.
著者
中山 信弘 田中 辰雄 藤本 由香里 白田 秀彰 大野 幸夫 今村 哲也 金子 敏哉 蘆立 順美 潮海 久雄 横山 久芳 前田 健 上野 達弘 島並 良 寺本 振透 小島 立 福井 健策 野口 裕子 三村 量一 桶田 大介
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

創作・流通・利用をめぐる環境の変化に対して現行著作権法の規定は、著作物に関わる多種多様な利害を適切に調整するためには硬直的に過ぎるとの視点にたち、著作権・著作者人格権の内容と制限に係る解釈論・立法論上の提言と、制度設計の基礎となるべき実証的・理論的な分析手法を提示した(これらの成果を論文集『しなやかな著作権制度に向けて」として刊行する予定である)。また出版者の権利のあり方に関する政策提言、著作権と刑事罰の運用に関する共同声明、シンポジウムの開催等、社会に対する情報発信・提言を積極的に行った。
著者
松下 浩幸
出版者
明治大学
雑誌
明治大学農学部研究報告 (ISSN:04656083)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.203-206, 2007-02-28
著者
川嶋 周一
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、欧州統合史研究と国際関係史研究を接合し、20 世紀前半における欧州統合認識の形成と変容を、世界認識との関わりから再検討するものである。具体的には、ベルギーの書誌学者・平和活動家のポール・オトレ、機能主義者、連邦主義者の国際秩序観ならびに欧州統合観を取り上げ、その思想の展開に影響を与えた国際状況の相互関係に焦点を当てることで、欧州統合を20 世紀史の中に位置付けることを最終的な目標とする。2017年度においては、ベルギー、モンス市の文書館ムンダネウムに保管されているポール・オトレの個人文書を調査した。そもそもわが国において、オトレを対象とする研究は書誌学および建築学以外において存在せず、本研究で課題とする彼の国際政治認識に関する史料状況を明らかにすることから始めなければならなかった。個人文書調査において、2000頁に渡る所蔵史料の複写を行った。またこの作業と並行して、20世紀前半、とくに戦間期における連邦主義ならびに国際主義に関する先行研究文献の精読を進め、連邦主義と国際主義がヨーロッパ統合や国際秩序への構想に対して、いかなる思想的貢献や影響を与えているかについて検討を重ねた。その部分的成果として、2018年3月初頭に世界政治研究会(於東京大学弥生キャンパス)で研究報告、報告タイトル「ローマ条約の成立とは何だったのか:三次元統合と20世紀史の中の欧州統合の位置付けをめぐって」を行った。この研究報告の準備の中で、欧州統合を20世紀史の中に位置付けるためには最終的に1957年に成立するローマ条約を終点として検討することの必要性を強く痛感した。当初は、20世紀初頭から戦間期を経て1940年代までを研究対象年代として想定していたが、今後は、1950年代後半まで拡張したうえで、ローマ条約に結実する欧州統合を支えた思想についても解明を進めることとする。