著者
青柳 諒
出版者
東京農工大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

環境・バイオエネルギー分野での高性能・低環境負荷型の反応プロセスの構築を目指して、種々の反応系に対して、高機能(高い触媒活性、反応の選択性、複数の反応を同時進行など)な生体触媒固定化高分子ゲルを創製する。種々の生体触媒(微生物、酵母、および酵素)の固定化手法、高分子の特性、ゲルの構造などのパラメータが触媒活性や連続反応プロセスへの適用可能性に及ぼす影響を明らかにする。得られた知見から生体触媒固定化ゲルの設計指針に関する学術基盤を構築する。
著者
佐々 悠木子
出版者
東京農工大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

[1]抗ABVモノクローナル抗体の作製ABVのMuBV-1とPaBV-4のN領域の組換えタンパクを大腸菌にて発現精製し、Balb/cマウスに免疫した。マウスにおいて、抗体価は十分に上昇し、抗血清を得ることができた。しかしながら、マウスの脾細胞とミエローマSp-2/AG14の融合を試みたが、MuBV-1及びPaBV-4に対して抗体価をもつハイブリドーマは得られなかった。[2]動物感染実験によるABVの感染性、病原性および体内動態の評価生体のトリへの接種に用いるABVをABV持続感染細胞から回収し、ウイルス力価を確認し、接種の準備が整った。導入した生体のトリが、ABVとは関連のないマクロラブダス症などの他の感染症で亡くなってしまったため、今年度は発育鶏卵でのABVの増殖の有無を調べた。ニワトリの品種は、GRN, GSP, GSN/1, PNP/DO, YL, BL-E, WL-G, WL-M/O, RIR, CAL, 413, OS, GB, EJ, DDW, POL, BRB, JB, SIL, FZSILの20品種を用いた。10日齢の発育鶏卵にMuBV-1を漿尿膜腔接種し、5日培養して漿尿液を回収し、MuBV-1を定量PCRにて測定したがいずれの品種の発育鶏卵でもウイルスの増殖が確認されなかった。また、4代まで継代を試みたが、ウイルスは増殖しなかった。このことより、発育鶏卵ではMuBV-1は増殖せず、ニワトリでのABVの感染のリスクは他の鳥種と比較して低いと考えられる。
著者
渡辺 直明 桑原 誠 桑原 繁
出版者
東京農工大学
雑誌
フィールドサイエンス (ISSN:13473948)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.31-35, 2003-03-25

FM草木のヒダナシタケ目菌類の調査記録をまとめた。FM草木内で採集され,FM大谷山施設棟に保管された標本は21科59属88種であった。西田(1963)や群馬県立自然史博物館(1998)の菌類リストの報告と比較すると,未記録のものが11種あった。
著者
川部 眞登 有江 力
出版者
東京農工大学
雑誌
フィールドサイエンス (ISSN:13473948)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.25-32, 2003-12-20
被引用文献数
1

チリ共和国,地域I(タラパカ)および地域V(アコンカグア)の圃場において栽培種トマト(Lycopersicon esculentum)の採集を行った。また,地域Iの標高1-1,000mおよび2,000-3,700mのフィールドにおいて,野生種トマト(L. peruvianumおよびL. chilense)をそれぞれ採集した。
著者
仲井 まどか 高務 淳
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

1)日本で見つかったアスコウイルス分離株には寄生蜂致死タンパク質(PKT)のホモログが複数存在していた。2)日本産アスコウイルスのベクター(伝播者)は、ギンケハラボソコマユバチであることが明らかになった。3)日本産アスコウイルス感染虫よりギンケハラボソコマユバチは、脱出できたので、このウイルスのゲノムにPKTがコードされている理由は、「ベクター自身の排除ではなく、ベクターの競争相手となる寄生蜂を排除することによりウイルスの適応度を上がるため」という仮説が考えられた。
著者
川端 良子 片山 幸士 長井 正博 山本 政儀 山田 祐彰 五味 高志
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

中央アジア・ウズベキスタン共和国内のヌクスを中心としたアムダリア流域にて,大規模灌漑農業による環境汚染と生態系への影響について以下の調査を行った. 1)飲料水である地下水の調査を行った. 2)潅漑用水,潅漑排水,および河川水を採取し,灌漑農業による河川水への影響を調査した. 3)ヌクス近郊の農村で,人体への影響に関しての聞き取り調査を行った. 4)河川水と地下水を毎月試料採取し,月変動を調査したその結果、地下水の元素濃度の方が、河川水より高い濃度であった。さらに、冬場に、特に、地下水の硝酸イオン濃度が高くなっていることが明らかとなった。また、ヌクスの郊外の農村で,縞状の歯を持つ子供たちが多くみられ過去に何らかのエナメル質を溶かすような有毒な物質が,井戸水に含まれていた可能性が高いことがわかった.そこで,月変動を明らかにすることと,一時的な汚染であれば,どのような時期に汚染されているかを調べるために,毎月この村で地下水の試料を採取することにした.その結果、地下水の元素濃度の方が、河川水より高い濃度であった。さらに、冬場に、特に、地下水の硝酸イオン濃度が高くなっていることが明らかとなったしかし、濃度変化は、年度によって差があり、さらに詳しく調べる必要があることが明らかとなった
著者
石井 一夫 大森 哲郎
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

次世代シーケンサーやマイクロアレイなど、多次元データを用いた大規模データ産生システムの医療への応用が進んでいる。これらの多次元データから数理モデルを作成し、臨床診断への応用が期待されている。本研究では、これらの多次元データから、複数のマーカーを選択し、これらを組み合わせた数理モデルを作成する方法を確立することを目的とした。本研究では、精神神経系疾患を対象とし、それらの患者からの血液検体からのDNA、RNA試料を用いて分析を行い、そのデータをもとに、変数選択、モデル作成および最適化などを行い、高精度な数理モデル作成法を確立した。
著者
井手 香織
出版者
東京農工大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

犬において腸管型アルカリフォスファターゼ(iALP)は、結腸よりも十二指腸の粘膜上皮細胞で多く存在し、かつ活性を有していることが明らかとなった。さらに、、細菌由来内毒素であるリポ多糖類(LPS)を脱リン酸化するという腸粘膜防御機構として重要な作用も有していることが証明された。便中 iALP濃度は犬の炎症性腸疾患症例のうち、臨床スコアの高い重度な症例において、健常犬よりも高い傾向が認められた。
著者
森内 健行
出版者
東京農工大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本研究は環境にやさしい次世代モバイル用エネルギー源として,光合成バクテリアを利用し,光エネルギーのみで持続的発電が行える,長寿命,マイクロバイオ燃料電池の実用化へ向けたプロトタイプの開発とその性能評価を目的としている.本年度は特にマイクロバイオ燃料電池の出力向上および長寿命化に向け,以下の研究を実施した.(1)電池の高出力化に向け,C-MEMS(Carbon-Micro Electro Mechanical Systems)技術を用い多孔質カーボン電極を作成し,マイクロバイオ燃料電池に適用し性能評価を行った.多孔質カーボン電極を用いることで,2.14μW/cm^2と従来研究と比較して8倍の高出力化を行うことができた.(2)電気化学測定の一つである,サイクリックボルタンメトリー(CV)を用い,ポリアニリン電極の酸化還元電位,及び,ポリアニリンによる細菌からの電子抽出を評価した.ポリアニリン電極の酸化還元電位は標準水素電極(SHE)に対して,+0.3V付近を示した.実際にポリアニリン電極を細菌溶液(シアノバクテリア+リン酸緩衝液)中に入れ,CV測定を行ったところ,細菌を入れる前と後で,+0.45V付近における酸化電流が大幅に増加していることが確認できた.これより,ポリアニリンによる細菌からの電子抽出を実験的に検証することができた.(3)電池の長寿命化に向け,培地還流システムの試作,及び,その評価を行った.本研究では細菌から電子を抽出することで発電を行っており,発電に伴い細菌の活性が低下し,電池寿命が短くなるという問題があった.そこで,電池内の細菌を循環させることで,活性の高い細菌から持続的に発電を行える培地還流システムを提案し,電池に適用した.培地還流システムを用いることで,従来研究と比較して3倍以上の長寿命化を達成でき,本システムの有効性を示すことができた.
著者
間下 克哉 橋本 英哉 宇田川 誠一 田崎 博之 古田 高士
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

(1)コンパクト単純リー群へのカルタン埋め込みの像の極小性と安定性を・埋め込みが位数2または3の自己同型により定められる場合・埋め込みが位数4の内部自己同型により定められる場合についてすでに決定していた.位数4の外部自己同型が定めるカルタン埋め込みの像の極小性および安定性を決定した(2)8次元ユークリッド空間の6次元部分多様体でスピノル群Spin(7)の作用で不変なものを橋本,古田,関川との共同研究により分類した.(3)SU(2)の実既約表現の軌道として得られる7次元球面内の3次元部分多様体で,その上の錐がケイリーキャリブレーションでキャリブレートされるものを全て決定した。(4)SU(2)の実既約表現Vのp階外積表現内のSU(2)不変元を具体的に構成する方法について考察した.一例として,11次元実既約表現の3次の外積内の不変元を具体的に構成した.
著者
植竹 照雄
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

下肢を用いた反射神経トレーニング装置を開発し、その効果について検証した。具体的には本研究は、2005~2006年度に開発した上肢を用いる同様なトレーニング装置を併用することにより、トレーニング効果の上肢から下肢あるいは下肢から上肢へのトレーニング効果の転移発現の観点から比較検討した。2007年度は集中的に装置を開発し、2008年度は実際に被験者を用いた実験的研究を実施した。その結果、上肢から下肢への転移効果の方が下肢から上肢への転移効果より顕著になる可能性が示唆された
著者
水内 郁夫
出版者
東京農工大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の成果の概要は、(1)系の力学的エネルギの総量をできるだけ増加させ続けるようなアクチュエータ指令決定法(フィードバック励振制御)、(2)多リンク系の力学的エネルギの流れ(エネルギフロー)の解析、(3)時間反転積分法とそれに基づく制御指令列生成法、(4)弾性を有する人工筋の筋経路決定法、(5)コンプレッサ搭載型空気圧駆動全身型ロボットの開発、などである。当初実現性に確信を持てなかった課題に対し、コアとなる理論を生み出すことに成功し、さらにその理論の有効性をシミュレーションと実世界実験により確認することができた。
著者
水内 郁夫 林 宏太郎
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

芸術やスポーツの動きを美しいと感じる、ホスピタリティを感じる、未知のものに興味をひかれる、などの人の主観的プロセスを、ロボットの動作生成・行動選択・創造活動などに活用することができないかという観点で、様々な対象(場)において、人間の主観的評価データに基づき機械学習を用いた主観的評価器を生成した。人の主観評価は本質的に揺らぎがあるが、推定結果を用いて、人が受ける印象を良くするようなロボット等の行動・振る舞いの選択や生成や、新規な絵画の生成、等に成功した。これらの成果は、国内外の学会及び展示会等で発表した。非人型ロボットへの印象操作や、高スキル動作の自動生成等への取り組みも開始した。
著者
水内 郁夫
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ロボット化した植物群により、限られた日照面積と日照時間を最大限有効活用し光合成量を大幅に増加させるような行動決定アルゴリズムを提唱し、シミュレーションによりその効果を確認した。更に実際の植物ロボット(プラントロイド)を複数設計製作し実世界において、日向に移動する実験に成功した。また、広く感覚運動系の発達の仕組みを探求する研究を行い、ロボットの好奇心の研究、他者の意向に沿う行動や動作を行うアルゴリズムの研究、人の感覚運動系の計測結果に学びロボットアルゴリズムを考察する研究などに関し成果を得た。
著者
田中 雄一 田中 聡久 京地 清介 小野 峻佑
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は主に大規模センシングデータ処理の高速化手法や次元削減手法に関する研究を行った.以下簡単に成果の概要を述べる.1) 大規模行列の特異値縮退処理の高速化大規模時空間センシングデータを数理的に表現する際には,センサ数x計測回数のサイズを持つ行列が用いられることが多い.センサ数や計測回数が増えるに連れて行列サイズは爆発的に増加するため,行列の処理にも大きな計算コストがかかるようになる.行列を特異値分解し,その特異値を操作(縮退)することは様々な信号処理アルゴリズムの一部で利用されているが,特異値分解は一般に非常に計算量が多い.本年度はチェビシェフ多項式近似と行列のスパース性を利用した特異値縮退の高速化に取り組んだ.結果として,縮退の精度を保ちつつ,最大5倍程度の高速化を達成した.本成果は信号処理分野の一流論文誌である IEEE Trans. Signal Processing へ掲載された.2) マルチモーダルデータの次元削減手法センシングの際,同一計測地点で様々な属性のデータを計測することが多い.例えば気温・気圧等の環境データが最たるものである.このマルチモーダルデータを信号のスパース性を利用して次元削減を用いて圧縮することができれば,大規模センシングデータの効率的な表現が可能となる.従来手法ではチャネルごとに次元削減を行う手法が主流であり,チャネル間の相関をうまく利用できなかった.本年度はコンピュータビジョンで利用されている画像の色モデルである Color Lines をマルチモーダルデータの次元削減に利用することで,新しい視点からのマルチモーダルデータ圧縮に取り組んだ.結果として,PCA等の従来手法と比較し,同圧縮率で最大10 dB 以上のS/N比改善を達成した.本成果は IEEE GRSS のフラッグシップ国際会議である IGARSS 2017 で発表した.