著者
石井山 竜平 上田 孝典 李 正連 西川 一弘 小山 竜司 山口 香苗 上野 景三 松本 大
出版者
東北大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2020-11-19

本研究の目的は、本領域における心理学・社会学・文化人類学からなる一連の計画研究から得られた知見を、各自治体の社会教育・生涯学習の担当職員や教職員むけの講習・研修プログラム、およびこれからの生涯学習計画にパイロット的に実装化することにある。並行して、①隣国(東アジア)と日本における生涯教育政策・実践を比較検証しつつ、②地域主導の生涯発達支援の新展開や、学校教育を包含した統合的な地域人材育成計画の新展開に加担していくことで、政策と実践の双方への実装をめざす。
著者
定兼 邦彦 稲葉 真理 今井 浩 徳山 豪
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

ゲノムデータベースからの知識発見のためのアルゴリズムとデータ構造に関する研究を行った.まず,ゲノム配列データベースからの高速パタン検索のアルゴリズムとデータ構造を開発した.索引としては既存の圧縮接尾辞配列を用いたが,新しいアルゴリズムにより従来の30倍の速度での検索が可能になった.次に,2つの長いゲノム配列のアラインメントを計算するための手法である,MUM(Maximal Unique Match)を列挙する省スペースなアルゴリズムを開発した.配列の長さをnとすると,既存手法ではO(n log n)ビットのスペースが必要であったが,本研究ではこれをO(n)ビットに圧縮した.これにより,ヒトの全DNA配列2つのMUMの計算がメモリ4GBのPC1台を用いて約6時間で計算できた.また,ヒトとマウスの間の共通部分については約24時間で計算できた.データベースからの知識発見のために,データベース中の複数の属性間の最適相関ルールを求める高速アルゴリズムを開発した.最適とは,支持率を固定した場合の最大確信度ルールまたは確信度を固定したときの最大支持率ルールを表す.従来手法では2値属性のみしか効率良く扱えなかったが,本研究の手法では数値属性に対して効率良く動作する.また,数値属性間の最適相関ルールを拡張し,様々な確信度に対する最適領域をピラミッド型の図形で表現する方法を提案し,その効率の良い計算法を提案した.これを最適ピラミッドによる相関ルール表現と呼ぶ.これを用いることでデータベースから抽出した知識を簡潔に表現することができ,過学習の回避もできる.また,ピラミッドを用いてデータの可視化を行うこともできる.
著者
東北大学附属図書館
出版者
東北大学
巻号頁・発行日
vol.31, no.(117), 2007-03-31
著者
河田 雅圭 杉本 亜砂子 牧野 能士 丸山 真一朗 横山 潤
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

近年発見されたC. elegans の姉妹種であるC. inopinataを用いて、体長の進化に寄与した遺伝子を特定することを目的とした。二種間で大きな体長の差が生じるL4幼虫期と成虫期で、発現パターンが、種間で異なる遺伝子として2699遺伝子が検出された。6種の線虫のうち、C. inopinataの系統でのみ正の選択圧が42の遺伝子で検出され、その中に、daf-2があった。daf-2は細胞膜で発現するインスリン受容体で、C. elegansの変異体は体サイズが大きくなることが知られ、daf-2遺伝子の進化が体サイズの進化に対して大きな影響をもつ可能性が示唆された。
著者
吉澤 誠 杉田 典大 八巻 俊輔 湯田 恵美 山家 智之 田中 明 山邉 茂之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

不完全な自動運転は,運転者の乗り物酔いのリスクを高める可能性があるため,交通事故を誘発する恐れがある.そこで本研究では,不完全な自動運転中の運転者の乗り物酔いの発症条件の解明とそれに伴う交通事故との因果関係を明らかにするとともに,乗り物酔いを低減する自動車に具備すべき具体的手段を得るために,次を行う.1)不完全自動運転中における乗り物酔いの発症条件の実験的解明,2)乗り物酔いを発症した運転者の判断・操作能力の低下と交通事故間の因果関係の解明,3)乗り物酔いを客観的・定量的に判断する自動車用センシングシステムの構築,4)不完全自動運転中の乗り物酔いを低減させる手段の提案とその効果の実験的検証.
著者
仁平 義明
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

ハシボソガラス(Corvus corone)が自動車にクルミをひかせて割り、子葉部分を摂食する行動(車利用行動)の学習について研究を行なった。仙台市川内地区での連続的な観察からは、この行動には次のような要素についてバリエーションがあることが明らかになった:(1)クルミの性質と調達方法(花肉のついた青いクルミを木から直接とる、埋めて貯蔵しておいた核果だけのものを取り出すなど)、(2)クルミを道路にセットする方法(赤信号で停車した車の直前に出ていったクルミを置く、車の通りそうなルートへらかじめクルミを置く、など)、(3)場所、時刻、交通量などのいわゆるTPO条件、(4)待ち時間、(5)置き直しなどの修正行動など。こうした行動には同じ個体の中で柔軟な変化が見られることから、多項的な知識構造であるスキーマの学習がされたと考えた方がよいと思われた。また、認知心理学的なスキーマ論からは、車利用行動の学習についても、スキーマ形成のほかに、変数の制約範囲の変更や変数の付加などによる行動の効率化(チューニング)と、スキーマに基づく一回一回の行動の結果に関するデータ蓄積という下位の学習を区別すべきであると考えられた。さらに北海道、東北地域の広域的な質問紙調査からは、車利用行動は宮城県以外にもいくつかのみでみられる行動であることが確認された。また、その発生時期からは、ハシボソガラスの車利用行動は各県独立にしかも同じような時期に発生した行動であると考えた方がよいと思われた。
著者
藤 直子
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

前年度にライノウイルス感染が呼吸器感染症に与えているインパクトを明らかにすることを目的にした疫学調査より新型ライノウイルスCが優位に高いウイルス排出量を示したり、喘鳴を呈しやすかったりと既存のA, Bと異なる病態が観察された。これらウイルス種による差をin vitroで解析するため正常プライマリーヒト気管支細胞をAir-Liquid Interface (ALI)にて培養し分化する手技を検討・習得した。この細胞を使用しライノウイルスCを分離することに成功した。また正常プライマリーヒト気管支細胞では細胞の分化に3週間の時間がかかりウイルス分離目的で常用するのは非常に困難であった。そこで株化細胞であるcalu-3細胞を使用して短い時間で(1週間)分化細胞を準備し、なおかつその細胞でライノウイルスCが分離できることを発見した。分離したウイルスを使用し、正常気管支細胞及び喘息患者気管支細胞間でウイルスに対する免疫応答に差が見られるのかを解析した。これらの実験系の確立によりライノウイルスCを使った解析が可能になった。より多くのライノウイルスC株を収集・検討するために日本の医療機関にて急性呼吸器疾患と診断されたものの内ウイルス分離陰性であったものについてPCRを用いスクリーニングを行い、ライノウイルスC陽性であったものについて-80℃保存検体を使用し上記の条件で分離に試みた。その結果分離成功には検体中のウイルス量が大きく関わることが明らかになった。ライノウイルスCにて高頻度でウイルス血症を起こしていることが以前までに明らかになっているが、ALIの細胞上においてウイルス排出方向や細胞傷害性についてはライノウイルスAと異なる性状は確認できなかった。ライノウイルスCが既存のA, Bと異なる病原性を持つのか明らかにするため更なる検討が必要である。
著者
有賀 祥隆 浅井 和春 山本 勉 武笠 朗 長岡 龍作 津田 徹英 泉 武夫 瀬谷 貴之 井上 大樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

三か年の期間中に、東北(岩手・宮城)、関東・甲信越(群馬・千葉・東京・神奈川・山梨)に加え、範囲を関西(京都・奈良)と中国地方(広島)にも一部広げ、都合、寺院・神社24ヶ所、34件46躯1箇1片、公共機関6ヶ所、8件20躯1双1柄、個人1ヶ所、1件1躯の物件を調査し、詳細な写真と基礎データを収集した。この成果は刊行準備中である。
著者
本堂 毅 米村 滋人 尾内 隆之 渡辺 千原 鈴木 舞 平田 光司
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

専門的知識は,私たちの社会の中で重要な役割を果たしています.これは科学に限らず,経済学や法学,哲学や芸術学など,人文社会科学と呼ばれる分野の知識にも当てはまります.しかし,これまで科学については,その専門的知識の性質や限界がよく研究されてきたのですが,人文社会科学と呼ばれる分野の知識については,殆ど研究がありませんでした.そこで,人文社会科学の専門的知識についても,科学の専門的知識とどのような点で同じ性質を持ち,どのような点で異なる性質を持つのかを調べます.これによって,私たちが様々な判断をするときに,人文社会科学の専門的知識をどうやったらより有効に活用できるかを明らかにしたいと思います.
著者
海保 邦夫 CRAMER Benjamin S. CRAMER Benjamin
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

1)試料採取と測定海洋掘削計画Site 762における白亜紀-第三紀境界の試料を得た。安定同位体比分析中。海洋掘削計画Sites 761,762,1209,Sites 525,527,528,577の白亜紀/第三紀境界セクションの堆積物の色分析を研究中。ベルギー南部のホニーとシンシンのフラスニアン/ファメニアン境界の磁化率測定を行なった。後期ペルム紀の初頭と末の大量絶滅を記録した中国のライビンとメイシャンの地層の磁化率測定を行なった。2)データ解析:スペインのカラバカの暁新世/始新世境界の掘削試料の色と磁化率に記録されたミランコビッチサイクルの解析を行なった。暁新世/始新世境界の極端温暖化を記録した堆積物へミランコビッチサイクルに基づく時間スケールを入れることを行なった。ミランコビッチサイクルと炭素同位体記録の間の関係を調べるためのボックスモデルの構築を行なった。ミランコビッチサイクルから時間スケールを求めるためのコンピュータープログラムの開発を行なった。後期ペルム紀の初頭大量絶滅を記録した中国のライビンの地層へミランコビッチサイクルに基づく時間スケールを入れることを行なった。3)調査旅行:2003年6月:ベルギーのホニーとシンシンのフラスニアン/ファメニアン境界の磁化率測定4)会議2003年6月:スペインのカラバカの生物事変国際会議で4件の成果発表を行なった。
著者
伊東 信雄
出版者
東北大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
高橋 秀幸 宮沢 豊
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

MIZ1遺伝子に関して、MIZ1-GFP融合タンパク質を発現するシロイヌナズナ形質転換植物体の作出を行い、miz1変異を相補する系統を得た。これを用いMIZ1-GFP融合タンパク質の発現部位および細胞内局在を解析した結果、根においてMIZ1-GFPは水分屈性に必須の役割を果たすと考えられるコルメラ細胞とその周縁部、ならびに屈曲部位の皮層細胞の細胞質に存在することが明らかになった。さらにMIZ1の機能解明を進めるために、MIZ1過剰発現系統を作出して、その表現型を解析した結果、MIZ1遺伝子発現レベルの改変により水分屈性能の亢進がもたらされることが示された。また、miz2の変異原因遺伝子がARF-GEFをコードするGNOMであることを明らかにし、他のgnom変異体との比較解析から、水分屈性の発現にはGNOMのGEF活性が必要であること、水分屈性は重力屈性と比べGNOM機能の要求性がより高いことを明らかにした。これに加え、ヒメツリガネゴケに見いだされるMIZ1相同遺伝子の解析を行った。その結果、ヒメツリガネゴケゲノム上にはMIZ1相同遺伝子は3つ存在し、それぞれPpMIL1-3と名付け、それらの発現を確認した。また、シロイヌナズナMIZ1では見いだされないイントロンが、ヒメツリガネゴケにおいてはMIZドメインコード領域に近接した5'側に存在すること、miz1で変異の生じていたグリシン残基は、PpMIL1-3のいずれにおいても保存されていることもわかった。また、PpMIL1およびPpMIL2のノックアウト個体の作出に成功した。さらに各PpMILsがシロイヌナズナmiz1変異を相補するかを明らかにするためのコンストラクションを行った。
著者
大野 誠吾
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究ではメタマテリアルを用いてテラヘルツ帯の光学応答が動的に自在に変えられるデバイス、プログラマブルメタマテリアル回路の実現をめざし開発を行った。半導体基板上に作製したスプリットチューブ配列構造と、CW光源で励起した光励起キャリアを組み合わせることで、その共鳴周波数付近で、透過するテラヘルツ波の振幅、および位相が変調できることが、シミュレーションから予想でき、実験においてもわずかではあるがそれらのパラメータが制御できることが分かった。
著者
勝山 稔
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

中国白話小説の受容に多大な貢献を果たした支那愛好者の文化受容の研究の一環として、先行研究で「謎の男(三石善吉「後藤朝太郎と井上紅梅」)」と称されていた井上紅梅の受容活動の全貌を把握するため、日本各地に散在している井上紅梅に関する著述の収集を行った。彼の著述活動の大半は上海・南京・蘇州という当時で言うところの「外地」で行われたこと。一部の活動は戦中期に重複しているため、保存状況は劣悪でしかも少数の記録しか残されていなかった。そのため資料収集を実施し、特に神戸大学や国会図書館(東京本館・関西館)などでは従来誰もその存在を知らなかった井上紅梅に関する著作や記録を発見することが出来た。
著者
泉田 一賢
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2017-08-25

本研究では,PJD法に用いるHA粒子合成過程でフッ素を添加し,歯質上にフッ素化アパタイト(FHA)膜を生成することにより,フッ素徐放による齲蝕抑制,歯質強化等の機能を付与した新たな歯科治療開発に資するため,その基礎研究としてFHA粒子の合成方法および最適成膜条件を模索し,さらに擬似口腔内環境におけるFHA膜の特性を解明する.平成29年度は,FHA粒子の合成と最適FHA成膜条件の検討を行った.HAの前駆体である非晶質リン酸カルシウム(ACP)を用いて,ACPからHAへの転化の際にF-イオンを添加させてFHA粒子の合成を図った.pH 11.2の硝酸カルシウム・四水和物(Ca(NO3)2・4H2O)水溶液とpH 9.5のリン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)水溶液を,Ca/P = 1.67となるように混合し,沈殿生成後,濾過,アンモニア洗浄し,凍結乾燥してACP粒子を合成した.ACP粒子を異なる濃度(0-200 mM)のフッ化ナトリウム水溶液中に投入し,室温にて撹拌後,濾過,洗浄し,40 ℃で乾燥後に1200 ℃で焼成してFHA粒子を合成した.FHA粒子の物理化学的特性をXRDを用いた組成分析,SEMを用いた形態分析,電極法によりF濃度を測定した化学分析を行い,100mMのフッ化ナトリウム水溶液中に投入することで,最もフッ素徐放性の高いFHA粒子の合成に成功した.次年度の予定であった最適噴射条件の模索にも着手したが,噴射時にPJD装置およびホース内にFHA粒子の目詰まりが生じ,効率的な成膜が困難な状況にある.追加で計上したファイバースコープを用いたホース内の粒子の観察と、ANSYS FLUENTによるコンピュータシミュレーションにより、現在、目詰まりの原因究明を図っている.